白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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更新します!

前回の前書きでも書いたんですけど…

「俺」→「オレ」の誤字報告待ってます。
まじで面倒くさすぎるからやりたくないw

オナシャス( ̄^ ̄)ゞ

いやまじで厚かましい話だなw


綾瀬川清澄⑤

「あんた、なかなか良い太刀筋してるじゃない!」

 

「…」

 

そうだ。

あの日、あいつの綺麗な太刀筋を見て話しかけたんだっけ…。

 

「なんでそれだけ太刀筋が良いのに負けるのよ…?」

 

「…弧月は今日初めて使った。オレは射手だからな。」

 

そう言って話しかけた男、綾瀬川はぶっきらぼうに答えた。

 

「はぁ?!勿体ない…!…たく、仕方ないわね、私が弧月を教えてあげるわ…!」

 

 

「…結構です。」

 

「…」

 

そう言って綾瀬川はそそくさと去って行く。

 

 

 

 

 

「…待ちなさいよ…!!」

 

──

 

「私のカレーを嬉しそうに食べてた…あれも嘘なわけ…?」

 

「!」

 

 

初めて見た表情だった。

まずあいつに表情なんてあったのかも定かではない。

 

 

 

 

「あいつの事…なんも知らないのね…私。」

 

 

 

 

 

 

「…小南先輩、大丈夫なんですか?」

 

ボーダー玉狛支部

 

三雲修が師匠である、烏丸京介に尋ねた。

 

「昨日からずっとあの調子ですよね…。」

 

ボーッと何か物思いにふける様子の小南を三雲は心配していた。

 

「まぁ色々な。だが俺は小南先輩よりもお前の方が心配だけどな。」

 

烏丸との今日の戦績は10連敗。

三雲は肩を落とした。

 

「うっ…。」

 

「ほら、休んでないで走り込み行くぞ。」

 

「は、はい…!」

 

 

 

 

「こなみ先輩、今日はやらないの?」

 

「…」

 

空閑遊真の問に、小南は視線を向ける。

 

 

「…そうね。付き合いなさい。」

 

そう言って小南は立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

「ふむ…今日は1本も取れなかった…。こなみ先輩強いね。」

 

「…当然でしょ。」

 

そう言って小南は座って考え込む。

 

「何かあったの?こなみ先輩。」

 

「…別に、何も無いわよ。」

 

「…つまんないウソつくね、こなみ先輩。」

 

「…別にあんたには関係ないわ。」

 

 

 

 

そんな時、玉狛支部のインターホンが鳴った。

 

 

 

 

…時は昨晩、ブラックトリガー捕獲作戦終盤に遡る。

 

──

 

ボーダー本部司令室

 

 

「お前がここに何の用だ…?

 

 

 

…迅。」

 

立っていたのは身体中に穴が空き、緊急脱出寸前の迅だった。

 

「単刀直入に言います。綾瀬川に撤退命令を出してください。」

 

「…何を言い出すかと思えば…そんな話を私が聞くと思うか?」

 

「いや、城戸さんなら聞いてくれるね。

 

 

 

 

…だって城戸さんじゃないでしょ?綾瀬川を参加させたの。」

 

「!」

 

「やり口が城戸さんらしくない。太刀川さんや風間さんが綾瀬川が参加することを知らなかったんだ。…城戸さんがこんな大事な通達をしない訳が無い。」

 

「…」

 

「ましてや同じ隊の柿崎隊と敵対する事も分かってたのにね。…俺はこの作戦の裏に何かしらの陰謀を感じるね。」

 

迅はいたずらっぽく笑みを浮かべる。

 

「…あいつを戦場から引き剥がす策がある。それも城戸派にとって大分都合の良い話が。」

 

城戸は迅の瞳を見たあと、立ち上がる。

 

「…場所を変える。付いてこい、迅。」

 

鬼怒田、根付、唐沢の視線を気にして城戸は立ち上がった。

 

 

 

──

 

「…詳しく話せ。」

 

「驚いた。お前の介入する未来は見えなかったから知らなかったよ。お前もいたんだな、天羽。」

 

移動した部屋は緊急脱出用のベッドだけが置かれた部屋だった。

 

「…俺、場所変えた方が良い?」

 

「そうしてくれ。」

 

「…わかった。」

 

 

 

「俺の策を話す前にさ…この作戦の全容について教えてくれない?俺がさっき言ったのはあくまで推測。詳しい事が分からないとどうにもね。」

 

「…」

 

城戸は少し考えた後、語り出した。

 

「…清澄は…大恩があるボーダーのスポンサーの息子だ。多額の寄付の交換条件として…私が面倒を見ている…。」

 

ポツリと語り出す。

 

怪物が表舞台に上がった真実を。

 

 

 

──

 

「…ブラックトリガー捕獲作戦で清澄を…?」

 

「そうだ。清澄の力を示す絶好の機会だ。」

 

「っ…しかし、相手はブラックトリガーだ。いくら清澄でも…。」

 

そう言った城戸の言葉を目の前の男は遮るように告げる。

 

「問題ない。そこで負ければそこまでだ。」

 

「しかし…っ…。」

 

 

──

 

 

「私は反対だった。清澄に…息子にブラックトリガーの相手をさせるなど…。」

 

今まで見た事もないような表情で話す城戸に迅は息を呑む。

 

 

──

 

「偉くなったものだな、城戸。私に楯突くのか?…誰のおかげでここまでボーダーが大きくなったと思っている?今日帰還した遠征部隊も…誰のおかげで遠征に行けたと思っている?」

 

「っ…。」

 

「貴様には清澄の生活の面倒を任せただけだ。…下らん情を私の道具に持つな。」

 

「!…くっ…。」

 

 

 

 

 

「お呼びでしょうか。城戸司令。」

 

「呼び立ててすまなかったな…清澄。

 

 

…お前に特務がある。」

 

「!」

 

特務。

これは城戸と綾瀬川の間に設けた合言葉。

城戸が綾瀬川に頼らざるをえなくなった状況でのみ使われる言葉だ。

 

『すまない…君の父親からの指示だ。…私には…どうすることも…。』

 

「オレは城戸派直属の隊員です。…ご命令は…?」

 

『!…清澄…。

 

 

 

 

 

 

…すまない…。』

 

──

 

「ふん…何故、玉狛のブラックトリガーの相手を清澄に任せなかった?」

 

「…相手は未知のブラックトリガーです…。」

 

「…まあいい。A級部隊とB級2部隊、それに風刃…相手としては充分だからな。」

 

そう言って綾瀬川の父親は立ち上がる。

 

「別席で見させてもらおう。

 

 

 

…清澄のボーダーでの経験の集大成を。」

 

 

──

 

「これが真実だ。…息子に頼らざるをえない私を…お前は笑うか…?」

 

「…笑いませんよ…。」

 

迅の瞳が鋭くなる。

 

そんな時だった。

モニターで綾瀬川が小南の双月を受けた。

 

「!、未来が変わった…。時間もないんで単刀直入に言います。」

 

そう言いながら迅は換装を解いて、城戸に風刃を差し出す。

 

「風刃と引き換えに玉狛のブラックトリガー、空閑遊真の入隊を認めて欲しい。」

 

「!…何…?」

 

「そうすれば本部にブラックトリガーが2本。綾瀬川って言う戦力もいる以上パワーバランスが変わることも無い。それどころかそっちが有利だ。…これ以上この作戦を続ける必要も無いでしょ?」

 

「…何を言っている…?…それではこちらにあまりに…。」

 

「終わらせる方法はこれしかない。俺は遊真(あいつ)のブラックトリガーを渡したくない。あんたは綾瀬川を戦場から離したい…利害は一致してる。」

 

モニターでは、玉狛との戦闘に忍田が介入していた。

 

「ほら、早く決めないと。」

 

 

「っ…」

 

 

 

 

『清澄、作戦終了だ。…撤退しろ。』

 

 

 

 

 

「…最後に聞かせろ、迅。」

 

司令室から出ていこうとした迅を城戸が呼び止める。

 

「何故、風刃を…最上の形見を手放してまで清澄を…ブラックトリガーを守ろうとする?」

 

その質問に迅は少し考えたあと笑う。

 

「ぜーんぶ未来の為だよ。綾瀬川と遊真…あいつは城戸さんの真の目的にも役に立つ。」

 

「!」

 

「それに…形見を手放したくらいで最上さんは怒らないでしょ。…それじゃ。」

 

 

 

「…すまない…迅…。」

 

 

そう呟いた瞬間、司令室に緊急脱出した綾瀬川が戻ってきた。

 

 

 

 

──

「やはりここに来ましたか。綾瀬川先生。」

 

「…城戸…それに…迅悠一…か。」

 

「どーも、初めまして〜。」

 

放棄された地区の小さな研究所。

その入口で待っていたのは城戸、そして迅だった。

 

「何故お前たちがここにいる?…部外者は出ていけ。」

 

そう言ってオレの父親は横を抜ける。

 

「オレが呼んだ。あんたがオレと真登華をつけていた時点で呼んでる。ここに来ることも分かっていた。」

 

オレは淡々と父親に告げる。

 

「何だと…?」

 

「オレはここに戻るつもりはない。」

 

その言葉に父親の表情は険しくなる。

 

「冗談が過ぎるぞ…?清澄。」

 

青筋を浮かべながら父親はオレに歩み寄る。

 

「冗談だと思うか?」

 

「俺の命令に逆らうのか?」

 

「あんたの命令が絶対だったのはホワイトルームの中での話だろ。そこを出た今、命令を聞く必要も無い。」

 

オレはさらに付け加える。

 

「…あんたはオレを人間にも道具にもなりきれないと言った。…だったらオレは道具よりも人間を選ぶ。ましてやあんたの道具なんて御免だ。オレは…城戸さんの息子がいい。」

 

そう言ってオレは城戸に視線を向けた。

 

「言葉は慎重に選べよ?清澄。今まで俺がどれだけボーダーとお前に金をかけたと思っている?お前の言動1つでボーダーに流す金が潰えるんだぞ?」

 

 

 

「…その心配はご無用ですよ、綾瀬川先生。」

 

 

そう言いながらこちらに歩いてきたのは、タバコを咥え、スーツを着た男だった。

 

「!…唐沢…。」

 

ボーダー外務営業部長、唐沢克己は、タバコの火を吐き出す。

 

「ボーダーはもうあなたの寄付なしでも動ける。…あなたには散々吐き出してもらいましたから。それにあなたより寄付金は少ないが信用できるスポンサーも取れましたから。」

 

「っ…!唐沢…貴様…!」

 

「そう言う事らしいな。」

 

オレは父親に視線を向ける。

 

「あんたはオレを産んでくれた。オレを少なからず育ててくれた。

 

…だがオレはあんたを父親だと思ったことは無い。」

 

冷たく言い放つオレに父親は顔を赤くする。

 

「オレの居場所はボーダーにある。ここじゃあない。」

 

「ちっ…不良品が…。」

 

そう言って父親の視線は鋭くなる。

 

 

「…後悔するぞ?

 

…人の皮をかぶった化け物が…

 

 

…人間になれると思うなよ…?」

 

そう言って父親はオレの横を抜けて行った。

 

 

 

「こっわ。城戸さんより迫力あるんじゃない?」

 

緊張感のある現場は迅の間の抜けた声で台無しになる。

 

 

「…清澄…帰ろう。」

 

「…」

 

オレはゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

──

 

「綾瀬…川…?」

 

ブラックトリガー捕獲作戦の翌日。

 

玉狛支部のインターホンを押したのは綾瀬川だった。

 

 

「今…少しいいか?小南…お前に話がある。」

 

 




各キャラからの印象&各キャラへの印象

迅悠一→いい未来への1ピース。
城戸正宗→息子。
唐沢克己→興味。
綾瀬川→道具風情が。後悔するぞ?
小南桐絵→話したい。


迅悠一←恩人。
城戸正宗←父親。
唐沢克己←敵に回したらヤバそう。
小南桐絵←話したい。

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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