白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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大規模侵攻 〜最強〜

「っ…!」

 

1歩後ずさる。

しかし、そこに設置されたワイヤーに引っかかり、トラップが発動。

メテオラのキューブが爆発を起こす。

 

「小癪な手を…!」

 

一刻も早く目の前の相手を落として雛鳥を追わなければ。

アフトクラトルの人型近界民、ヒュースは内心で舌打ちをする。

 

計画が狂ったのはヴィザとヒュースが分断されたところからだった。

 

目の前で時間稼ぎの戦法をとる隊員、そして何よりの誤算はヴィザを苦戦させるほどの相手。

剣の師であり、国宝「星の杖」の使い手。

玄界への遠征部隊の中では間違いなく最強。

そんなヴィザを抑え、苦戦させるほどの相手が敵戦力にいることになる。

 

「っ…」

 

ヒュースは強化トリガー、「蝶の盾(ランビリス)」を振るう。

 

 

 

 

「どうする、レイジ。トラップを仕掛けようにも障害物がなくなってきたぞ。」

 

そう尋ねるのは自立型トリオン兵、レプリカ。

その分身体であった。

 

「…京介達はどこまで逃げられた?」

 

「本部への連絡通路が使えなくなったらしい。直接基地に向かうようだ。まだ基地までは時間が掛かるだろう。」

 

「…そうか。まだ時間を稼ぐ必要がある。磁力以外に何か細工があるかもしれん。」

 

そう言って木崎はアサルトライフルで空にハウンドを放つ。

 

「防がれた。ガードが堅いな。このままじゃジリ貧だぞ。敵の気が変わりチカやオサムに矛先が向くかもしれない。」

 

そう言うとレイジは目を閉じる。

 

「仕方ない。予定より早いが出し惜しみしている場合じゃなさそうだな。」

 

そう言うとレイジはトリガーにセットしている「奥の手」を起動しようとする。

 

 

 

 

「ストーップ!…「全武装」はまだ取っておこうよレイジさん。」

 

 

「!…迅。」

 

そこに現れたのは元S級隊員、迅悠一。

 

「レイジさんはどこにでも援護に行けるように浮いといてよ。…この相手は俺が受け持つ。」

 

「敵のトリガーの情報は分かっているな?」

 

「だいじょーぶだいじょーぶ。」

 

そう言うと迅はヒュースの前に堂々と姿を現す。

 

「どーも初めまして。アフトクラトルの精鋭さん。」

 

いつものように飄々と。

 

「…ここからはこの実力派エリート迅悠一がお相手しよう。

 

 

 

 

…どうぞ…

 

 

 

 

…お手柔らかに。」

 

しかしその瞳は未来を見据えていた。

 

 

 

──

ボーダー本部基地

 

「いや、無理ですやん、こんなの。動けませんよ。」

 

「よく動く口だなオイ!」

 

エネドラの攻撃をギリギリで避けつつ…と言っても避けきれずトリオンが漏れているが、どうにか生き延び少しずつ訓練室へと近付く。

 

「…まあしゃあないわな。諏訪さんは散弾、俺はトリオンヘボいんで生き残るなら諏訪さんやろな。」

 

水上はそう呟く。

 

「オイ、水上テメェ何しようとしてやがる。」

 

「諏訪さん、訓練室までダッシュです。ここは俺に任しといてください。」

 

そう言って水上は前に出る。

 

「何言って…「それに俺は諏訪さんと違って作戦室から色々見て指示出せるんで。」…テメェ…。分かったよ。…任せるぜ水上。」

 

「りょーかい。うっかり死なないでくださいよ。」

 

「うっせ。」

 

そう言うと連撃の隙間に諏訪は走り出す。

 

「アステ…ロイド…!」

 

「雑魚が。そんなヒョロ玉通じねえっつってんだろーが…!!」

 

エネドラは打ち消そうと泥の王を振るう。

 

「ヒョロ玉舐めとると痛い目見るで。」

 

「!」

 

触れた瞬間、弾は爆発を起こす。

アステロイド改め、メテオラは爆風でエネドラの視界を奪った。

 

「無駄なあがきなんだよ猿が!!」

 

爆風を切り裂き、エネドラは広範囲に攻撃を広げる。

 

「あと頼んます、諏訪さん。」

 

泥の王に貫かれ、水上はここで脱落。

エネドラは走り出した諏訪を追う。

 

「くっそ…頭悪そうな癖してはえーなオイ…!」

 

急接近したエネドラは泥の王を振るう。

 

「生意気な猿が。これで終いだ。」

 

そして泥の王は諏訪を貫いた。

ここで諏訪も緊急脱出…

 

 

 

 

…するはずだった。

 

 

「仮想戦闘モード…ON…!」

 

 

切ったはずの腕、貫いた胸の傷が修復する。

 

 

(!…どうなってんだ…?!今ぶった斬った腕が…?!)

 

 

「何がどうなってんのか分かんねえだろ?間の抜けた面しやがって。」

 

そう言いながら諏訪は落ちたタバコを拾う。

 

 

「来いよ、ミスターブラックトリガー。お望み通り遊んでやるぜ。」

 

 

 

…ボーダーの反撃は続く。

 

 

 

 

──

 

「ヒュース、ヴィザ、エネドラは各員戦闘を継続。このままでは雛鳥に逃げられます。如何なさいますか?」

 

そう尋ねるのはアフトクラトルの人型近界民、ミラ。

 

「ガハハ、玄界の戦士は強者揃いだな!」

 

豪快に笑うのは既に離脱したランバネインだった。

 

「…」

 

ハイレインは瞳を閉じながら考える。

 

(エネドラは放置でいい。…ヒュースはまだ分かる。だが…)

 

ハイレインが見るのは偵察用のトリオン兵の映像。

そこに映るのはヴィザと戦う隊員の姿。

 

…ヴィザ翁は強い。

それは同郷であるアフトクラトルの遠征部隊の全員が分かっていることだ。

 

65歳にして戦闘の最前線に立つ歴戦の猛者。

 

そのヴィザが足止めをされていると言う事実。

 

 

「…タイムリミットだ。ミラ、ラービットの残機はいくつだ?」

 

「15体です。」

 

「そうか…ヴィザと玄界の精鋭との戦場に5体送り込め。大型は市街地へと誘導しろ。少しでも敵戦力の意識を削げ。」

 

「了解致しました。残り10体はどうされますか?」

 

「決まっている。…雛鳥を捕獲しろ。」

 

 

 

 

──

 

本部基地南西

 

「ふむ…残念ですが時間切れのようだ。」

 

ヴィザはそう呟く。

 

「あなたとはもう少し戦いたかったが…時間は有限。そう上手くはいかないものですな。」

 

「時間切れ?何を…」

 

言いかけた瞬間、オレの後ろに複数のゲートが出現する。

 

「…なるほど。」

 

そこから現れたのは複数のラービット。

 

「不本意な結末ではありますが…終わりです。」

 

援護の望みは無い。

南西に近付かないよう本部長が通達していた筈だ。

つまり目の前の化け物と新型5体を1人で相手にすることになる。

 

「買い被りすぎだろ…。迅さん。」

 

青いラービットの口が光り輝く。

それに合わせてヴィザも剣を構えた。

 

「さて…どうするかな。」

 

 

 

 

 

 

未来が切り替わる。

それを感じてヒュースとの戦闘の最中迅は虚空を見上げる。

 

「!」

 

ヒュースは仕掛けを警戒し、飛び退く。

 

 

「お前がこっちに来たか…

 

 

 

…秀次。」

 

 

 

 

 

 

ラービットに撃ち込まれる弾丸。

それは重石となってラービットを拘束する。

 

ラービットの側方から現れたのは三輪秀次。

そのままラービットの口に弧月を突き立てた。

 

「…三輪。」

 

「…」

 

三輪はオレを一瞥すると、ヴィザに視線を向けた。

 

「これはまた面白そうな戦士が来たものだ。」

 

「黙れ、近界民。」

 

三輪はヴィザに鉛弾を撃ち出す。

ヴィザは冷静にそれを剣で受ける。

 

「!…ほう…面白いトリガーをお持ちのようだ。」

 

剣に重石が出来、ヴィザは剣を下に下げた。

 

「自惚れるなよ、綾瀬川。」

 

三輪は視線をヴィザに向けながらもオレに話しかける。

 

「援護の必要は無い?邪魔をするなどでも言いたげだな。」

 

「…」

 

「俺を…ボーダーを舐めるな。」

 

三輪は弧月を構える。

 

「三輪…」

 

「何故風刃を使わない?この状況で出し惜しみする気なのか?」

 

三輪は酷く軽蔑した目でオレを睨む。

 

「…」

 

「まあお前が何を考えているかは知らないが…お前の足を引っ張るほど俺は弱くない。何度も言うが…自惚れるな。」

 

 

 

 

 

「仲間割れは終わりですかな?」

 

星の杖のブレードが、剣に生えた重石を切り裂く。

 

「…」

 

オレはゆっくり深呼吸する。

 

「すまない。助かった。新型の相手を任せていいか?」

 

「…ふん、勘違いするな。俺はただ近界民を駆逐しに来ただけだ。」

 

三輪は俺の目を数秒見た後そう言って三輪はオレの横を抜けラービットに向き直る。

 

「なるほど。数の有利は無くなった…という事ですな。ですが…あなたのお仲間1人でラービット4体の相手が努まると?」

 

 

 

「ざんねーん。あたしもいるんだな〜。」

 

 

その声は上から。

 

 

怪物は気配を悟られる事もなく、ラービットの背中に飛び乗る。

 

「これで遠慮なく戦えるでしょ?綾瀬川センパイ♡」

 

そう言って天才銃手、榎沢一華はハンドガンを発砲。

いとも容易くラービットを仕留めた。

 

 

 

「舞台は整えてくれたらしいな。…第2ラウンドだ。悪いがこっちもあまり時間をかけてられないからな。」

 

「…面白い。全霊でお相手しましょう。」

 

 

最強VS最強。

その戦いはいよいよ決着を迎えようとしていた。




各キャラからの印象&各キャラへの印象

三輪秀次→自惚れんな。
榎沢一華→崇拝。


三輪秀次←仲直りしたい。
榎沢一華←警戒。



榎沢一華パラメーター
(元ボーダースポンサーによる資料参照)

トリオン 13
攻撃 13
防御・援護 10
機動 11
技術 12
射程 7
指揮 2
特殊戦術 1
TOTAL 69

感想、評価等お待ちしております!

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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