白い部屋の最高傑作、ボーダーにて   作:齏琥梦

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お待たせしました。
大規模侵攻編投稿致します。
おそらく後1、2話で大規模侵攻編は終わると思われます。


大規模侵攻 〜混〜

「なあ、すまないが状況を教えてくれないか?ブラックトリガーに手一杯で状況が分からないんだ。」

 

基地に走りながら綾瀬川は榎沢に尋ねた。

 

「さあ?あたしも知らなーい。ずっと綾瀬川センパイの事見てたし。あ、でも人型を1匹倒したよ?あの〜…槍の人とかと一緒に。」

 

「米屋か…。」

 

ただ戦況は分からずじまいだ。

 

 

『真登華、そっちはどうなってる?』

 

綾瀬川はオペレーターの宇井真登華に通信を入れる。

 

『女たらし先輩、どうしたの〜?』

 

冷えた宇井の言葉が綾瀬川に突き刺さる。

 

『…悪かった。今度ご飯でも奢る。許してくれ…。』

 

『…仕方ない、許してあげまーす。奢りの件忘れないからねー。』

 

『ああ、約束する。』

 

『…こっちは南東の生駒さんと隠岐先輩、辻先輩と合流して南部、南東のトリオン兵とやり合ってるよ。さすが清澄先輩、人型倒したんでしょ!』

 

どこか弾んだ声で宇井は報告する。

 

『まあ運良くな。今基地に向かってる。戦況を教えて貰えると助かるんだが…。』

 

『りょーかい。南東の人型は米屋先輩と出水先輩、駿くんと榎沢さんが合流した東さん率いるB級合同で何とか撃破。文香とザキさんも大活躍だったんだから。』

 

『…そうか。流石だな。』

 

『うわ、テキトー。…東部の人型は二宮さん達が離脱した後に基地に侵入してきたんだけど諏訪隊と水上先輩、本部長と二宮さんで応戦して倒したって感じかな。』

 

『…基地に入ってきたのか?』

 

『うん。あ、でも水上先輩と二宮さんが予測してくれたおかげで被害はほぼゼロ。通信室で怪我人が少し出たくらいだね。で、今基地正面あたりで人型がC級を狙ってる。ブラックトリガー使いらしいよ。出水先輩と駿くんは緊急脱出しちゃった。』

 

『…わかった。助かる。隊長と文香のサポートをしてやってくれ。』

 

『はーい。清澄先輩も無理しないでね?』

 

『ああ。』

 

そう言って綾瀬川は通信を切った。

 

「柿崎隊のオペレーター?」

 

榎沢が尋ねる。

 

「ああ。」

 

「ふーん…。仲良いんだね。」

 

「まぁチームメイトだからな。」

 

「あ!あたし達が隊組んだらオペレーターどうしよっか?」

 

榎沢は綾瀬川に尋ねる。

 

「馬鹿言ってないで急ぐぞ。出水と駿がやられたらしい。烏丸と木崎さんが食い止めてるみたいだが…状況は悪いみたいだな。」

 

そう言って綾瀬川はスピードを上げる。

 

 

「むぅ〜…。」

 

 

軽くあしらった綾瀬川に榎沢は頬を膨らませる。

 

「センパイの馬鹿!」

 

 

 

そうして走っていると、トリオン反応が。

 

「こっちもまだトリオン兵が残ってるな。」

 

綾瀬川は弧月を抜く。

 

「うさぎちゃんはいないね。雑魚ばっか。」

 

そう言いながら榎沢もアサルトライフルを構えた。

 

「!…綾瀬川!」

 

そう言って声をかけたのは玉狛第一の攻撃手、小南桐絵だ。

 

「小南か。…とんでもない数1人で相手してるんだな。」

 

そう言って綾瀬川はトリオン兵の群れに視線を向ける。

 

「そう思うなら手伝いなさいよ!」

 

「へいへい。」

 

「なになに?センパイの知り合い?」

 

榎沢は綾瀬川に尋ねた。

 

「まあな。」

 

「何なの?その子。」

 

小南も榎沢を見て尋ねる。

 

「センパイと仲良さそうじゃん。…センパイって女の知り合い多くない?」

 

その質問に綾瀬川は心無しか圧を感じる。

 

「ちょっと、無視してんじゃないわよ。あなた名前は?隊服的に諏訪さんのとこ?」

 

「名前を尋ねるならまず自分から名乗りなよ、アホ毛ちゃん?」

 

 

 

 

 

 

「…は?」

 

「ん…?」

 

 

 

 

青筋を浮かべる小南とは対照的に榎沢は眩しいくらいの笑みを浮かべる。

 

 

 

「おい、状況見てくれ…。」

 

綾瀬川は呆れたようにため息をつきながら、大型トリオン兵に弧月を振るった。

 

──

 

『ヴィザ、何があった?』

 

出水を撤退させた後、敵将ハイレインは撤退したヴィザに尋ねた。

 

『申し訳ありません、ハイレイン殿。私の完敗です。…私を倒したブラックトリガー使いがそちらに向かっております。』

 

『…そうか。』

 

にわかに信じ難い事だった。

あのヴィザを倒す程の手練が玄界にいるという事。

そのブラックトリガー使いはこちらに向かっている。

ランバネインも敗北し撤退、ヒュースも足止めされ、エネドラは死んだ。

 

ならば一刻も早く雛鳥を回収する。

 

ヴィザを倒したブラックトリガー使いがこちらに来る前に。

 

ハイレインは目の前の2人を一瞥する。

 

 

「こっちに来て遊真は大丈夫なんスか?レイジさん。」

 

「問題ない。新型は減らしてきた。遊真もすぐに追いつく。小南のところにも綾瀬川が合流した。オサムが基地に着くまであと3分。…俺たちが足止めするぞ。」

 

「了解。」

 

ハイレインの前に立ち塞がるのは、木崎レイジ、烏丸京介のボーダー最強部隊、玉狛第一の2人だ。

 

 

『ガイスト、起動(オン)白兵戦特化(ブレードシフト)緊急脱出(ベイルアウト)まで200秒、カウントダウン開始。』

 

機械音がそう告げると烏丸の足、手首、弧月がトリオンに包まれる。

 

全武装(フルアームズ)起動(オン)。」

 

木崎の背中から銃器、盾が飛び出す。

 

 

「今までに見たことのないトリガーだな。」

 

 

木崎の背中の銃器から銃弾、交戦が放たれる。

 

「…いい火力だ。だが俺の卵の冠の前では無力だ。」

 

放たれた砲撃は全てキューブへと変えられる。

 

 

ふと気付く。

 

烏丸の姿が無い。

 

 

目で追えないほどのスピードで距離を詰めた烏丸は持っていた太刀を振り被り、ハイレインへと振り下ろす。

 

(速い…!)

 

 

そのまま為す術なく、ハイレインは切り伏せられる…

 

 

 

…ことは無かった。

 

 

「!」

 

烏丸の持っていた太刀の刃は折られたかのように無くなっている。

 

 

ハイレインのマントの下から蜂が飛び出す。

 

 

「服の下に弾?!」

 

「落ち着け京介。目的を忘れるな。オサムが基地に着くまでだ。手堅く着実に行くぞ。」

 

「…了解。」

 

未来を決める運命の分岐点まであと数分。

弟子を守るため、木崎レイジ、烏丸京介はハイレインの前に立ち塞がった。

 

 

 

──

 

「っ…ここまでか…。…もう少しだ。頼むぞ、京介。」

 

ヒュースとの戦闘で多くのトリオンを使っていた木崎は消費トリオンの大きい全武装で見事ハイレインを足止めした。

しかしトリオン切れで、ここで脱落。

光となって空に打ち上がる。

 

(レイジさん…!)

 

烏丸は自分を残し緊急脱出した木崎の緊急脱出の道筋を見て目を見開く。

 

「…了解。」

 

(あと数十秒。それで修達は基地にたどり着く。あと少し…)

 

 

「ハイレイン隊長、金の雛鳥がまもなく到着致します。」

 

「!」

 

そんな烏丸の前に現れたのは黒い角の生えた女の人型近界民。

報告にあったワープ使い。

 

「そうか、ではそちらに向かうとしよう。

 

 

 

足止め(・・・)はここまでだ。」

 

 

「!」

 

許容し難い一言だった。

 

自分が目の前の人型の足止めをしていたはずが、相手はそれを逆手に取り、こちらの足止めをしていた。

 

全ては修から自分を引き離すための時間稼ぎ。

烏丸はギリッと奥歯を噛み締める。

 

 

「っ…待て…!!」

 

 

バチッ…

 

 

そんな音がして烏丸の背中に何かがぶつかる。

 

後ろを見るとそこにはミラの作り出したワープゲート。

そこからハイレインの卵の冠により作り出された魚が飛び出していた。

 

(弾をワープ…?!そんなの…!)

 

 

「腕がいい。工夫もある。「戦う力」は持っている。

 

 

…だが勝敗はそれ以前に決まっている。」

 

 

(…クソ…。)

 

 

 

「緊急脱出…!」

 

 

弟子を守る為に奮闘した烏丸。

だが及ばす。

 

修やC級をここまで逃がした烏丸はここで戦線離脱となった。

 

 

 

──

 

木崎、烏丸の緊急脱出の後、ミラの操るブラックトリガー、「窓の影(スピラスキア)」により、戦況は一転。

金の雛鳥、雨取千佳を運ぶ三雲修は窮地に立たされる。

 

 

そんな時だった。

 

こちらに向かってくる足音がする。

 

 

(まだ兵が残っていたのか…。あれだけ派手にやれば付近の隊員は誘引できたものだと思っていたが…。)

 

 

 

 

「チッ…。」

 

現れた男は修を一瞥すると舌打ちをする。

 

 

『お前はきっとメガネくんを助けるよ。』

 

『オレが三輪にこれを渡す未来が見えてた上で、オレに風刃を持たせたのならそうかもな。』

 

 

結局はこうなる。

 

全てあの男の手の上なのだ。

 

 

 

 

「あくまで俺を使う気か…迅…綾瀬川…!」

 

 

窮地の修の前に現れた三輪秀次は自分を手の上で動かす目の敵にしている先輩、そしてかつての親友を思い浮かべ、弧月を抜いた。




各キャラからの印象&各キャラへの印象

綾瀬川
榎沢一華→崇拝。チーム組みたい。
宇井真登華→女たらし。…2人でご飯行くの楽しみ。
小南桐絵→手伝いなさいよ!!
三輪秀次→仲違い。

榎沢一華←後輩。柿崎隊抜ける気ねえっつってんだろ。
宇井真登華←後輩。まじすんません。なにか奢ります。もちろん柿崎隊全員で行くよな?(←綾瀬川くんさぁ。)
小南桐絵←友人。話してて楽しい。
三輪秀次←仲直りしたい。

榎沢
小南桐絵→生意気。
宇井真登華→クラス違うけど知ってる。…清澄先輩と仲良さそう。

小南桐絵←綾瀬川センパイと仲いい女。アホ毛ちゃん。
宇井真登華←綾瀬川センパイと仲いい女。オペはずるいな。


ちな榎沢は綾瀬川と仲いい女は全員敵だと思ってます。

感想、評価等お待ちしております。

幕間何読みたいんじゃワレェ!

  • 誰かの独白。多分榎沢か三輪。
  • 掲示板形式のやつ。(作者無知)
  • 日常小話。
  • if(綾瀬川VSボーダー)
  • 住民税高すぎ。
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