今回で大規模侵攻は終わりです。
まあオッサムはまだ寝てますけど。
「韋駄天…!」
黒江の体が光を帯びる。
そしてこの区域に残る最後のトリオン兵を切り刻んだ。
「ふぅ…終わり終わり。」
そう言って榎沢は持っていた拳銃をホルスターに仕舞う。
「また韋駄天の制御が上手くなったな、双葉。」
「!、と、当然です!…ししょー。」
綾瀬川の言葉に、黒江は照れ隠しで顔を背けながらそう答える。
「…ま、あたしの方が強いけど。」
そんな様子を見て榎沢がボソッと呟く。
「!…別にししょーは榎沢先輩の事褒めてませんよ?」
「…は?」
「…なんですか?」
「まず師匠って呼び方止めなよ。綾瀬川センパイ嫌そうだけど?」
「別に榎沢先輩には関係ないじゃないですか。」
「は?」
「は?」
「「…は?」」
「仲良いな、2人とも。」
「は…?あんた目、大丈夫?」
「諦めてるんだよ。言うな。」
ツッコミを入れる小南に綾瀬川はそう返した後、目を細め、通信入れる。
『…これで借りは返したぞ。
…迅さん。』
『分かってるよ。お前が例のブラックトリガー使いを倒した時点で俺たちの勝利は半分以上決まってた。…お前のおかげだよ。』
迅は穏やかにそう言った。
『オレのおかげかどうかはどうでもいい。これで貸し借りは無しだ。』
『…ホント可愛くないな、お前。』
迅は呆れたようにそう返した。
『最後に一つ聞かせろ。…あんたはオレが三輪に風刃を渡すと分かった上でオレに風刃を渡したのか?』
『…』
『あんたはどこまで見えてたんだ?』
『…さあ?でも…俺の行動は全てより良い未来のため…さ。お前の言葉を借りるとしたら…予知はお前の専売特許じゃない。』
『…そうか。
…やっぱりあんたとは仲良くやれなそうだ。』
──
迅悠一の予知により、これ以上の侵攻は無いと分かったものの、何が起こるか分からない以上警戒態勢は解けず、綾瀬川が基地に戻る頃には既に日は落ちかけていた。
「あ、清澄先輩お疲れ様です!」
巴が綾瀬川に駆け寄った。
「…悪かったな。俺のせいで。」
「清澄先輩は悪くないですよ。俺の実力不足です。それに清澄先輩は俺の分まで働いてくれましたから!」
屈託のない笑みで虎太郎はそう言った。
「…そうか。」
そう言って綾瀬川は虎太郎の頭をくしゃりと撫でる。
「…文香と柿崎さんはまだ戻ってないのか?」
綾瀬川が宇井に尋ねる。
「2人なら東さんと一緒に報告に行ってるよ。ほら、東さんと一緒にいたメンバーって生駒さんとかだから報告とかに向いてないでしょ。」
「…確かに。」
そんな話をしていると作戦室の扉が開く。
「お、帰ってきたなMVP。」
柿崎はそう言いながら綾瀬川の背中を叩く。
「ブラックトリガーと戦ったんですよね?どんな感じでした?」
「あっ!それ俺も聞きたいです!」
「後にしてやれ。清澄も疲れてるだろーからな。」
そう言って柿崎は照屋と巴を引き剥がす。
「お前ら、早く家に帰ってやれ。家族や、家が心配だ。」
「そうですね。」
「分かりました。」
柿崎のその言葉で柿崎隊は解散となる。
「じゃ、私も帰ろ。清澄先輩、奢りの件忘れてないからね〜。」
「分かってるって。…今度柿崎隊でどこか行った時はオレが払います。」
綾瀬川は柿崎に目を向けてそう言った。
「「「…」」」
その言葉に柿崎、照屋、巴は綾瀬川を引いた目で見る。
「清澄…お前まじか。」
「清澄先輩…。」
「…真登華、道は厳しいでしょうけど頑張って。」
「…アハハ…知ってた。
…清澄先輩のバカ、天然。
…表情筋死んでる。」
「唐突な悪口やめろ。」
──
「特級戦功…ですか?
…オレが?」
「当たり前だろ。ブラックトリガーを単独で撤退させたやつが何言ってんだ?」
大規模侵攻から数日。
上層部から論功行賞の発表があった。
特級戦功 褒奨金150万+1500P
A級7位三輪隊
三輪秀次
南西の人型近界民(ブラックトリガー)討伐を援護した後、本部基地前の攻防で人型近界民(ブラックトリガー)2体相手に奮戦。撃退に大きく貢献した。
A級1位太刀川隊
太刀川慶
本部基地を襲った爆撃型トリオン兵を迎撃。
その後、ラービット中心に敵戦力を大きく削った。
東地区の被害を小規模に抑えた。
S級(ブラックトリガー)
天羽月彦
単独で西部、北西部の広範囲を防衛。
人的被害をゼロに抑えた。
玉狛支部
空閑遊真
C級を狙った新型をほぼ1人で掃討。
その後本部基地前の攻防に駆けつけ、人型近界民(ブラックトリガー)の撃退に大きく貢献した。
B級1位柿崎隊
綾瀬川清澄
人型近界民(ブラックトリガー)を単独撃破。
南部、南東部、南西部の広範囲を防衛し、敵戦力を大きく削った。
一級戦功 褒奨金80万+800P
玉狛支部
三雲修
南西地区から避難するC級隊員を援護。
近界民の遠征艇を攻撃し撃退に大きく貢献した。
B級6位東隊
東春秋
対人型近界民戦の指揮を執り、撃破に大きく貢献。
南部の被害を小規模に抑えた。
A級1位太刀川隊
出水公平
A級7位三輪隊
米屋陽介
A級4位草壁隊
緑川駿
対人型近界民戦で主力として戦い、撃破に大きく貢献。
その後避難するC級の援護に向かい、被害をゼロに抑えた。
A級3位
風間隊
東部の新型を撃破、その後人型近界民(ブラックトリガー)相手に善戦。
本部基地内の攻防では、指揮、強化聴覚のサイドエフェクトで撃破に大きく貢献した。
玉狛支部
迅悠一
南西のC級隊員の避難を援護。
人型近界民を足止めし、捕虜にした。
玉狛支部玉狛第一
小南桐絵
南西のC級隊員の避難を援護。
その後南西を中心にトリオン兵の侵攻を迎撃。
人的被害をゼロに抑えた。
A級5位
嵐山隊
警戒区域内の敵戦力を掃討。
南西付近の市民を守った。
B級1位
柿崎隊
対人型近界民戦、南部、南東部の防衛に主力として大きく貢献した。
B級2位二宮隊
二宮匡貴
南東部の防衛の指揮を執り、敵戦力を大きく削った。
その後は基地に侵入した人型近界民(ブラックトリガー)の撃破に大きく貢献した。
B級4位生駒隊
生駒達人
南東部の防衛の主力として防衛に貢献。
基地を狙った爆撃型トリオン兵を迎撃し、人的被害をゼロに抑えた。
B級4位生駒隊
水上敏志
本部基地内に侵入した人型近界民(ブラックトリガー)相手に指揮で撃破に大きく貢献した。
B級11位諏訪隊
榎沢一華
対人型近界民相手に主力として撃破に大きく貢献。
その後南西の人型近界民(ブラックトリガー)撃破の援護をした。
二級戦功としては玉狛支部の烏丸、木崎が。
スナイパー合同として当真、奈良坂、古寺。
諏訪隊、村上、隠岐、辻。
B級合同の括りで、東隊、来馬隊、荒船隊、茶野隊が選ばれた。
「うち一級戦功だって!!」
文香と真登華は手を取り合って喜んでいた。
「なんかいいんですかね、俺まで貰っちゃって…。」
虎太郎はそう言って頭を掻く。
「上がくれるって言ってんだからいいだろ。貰えるもんは貰っとけ。」
柿崎はそう言って笑った。
「特級…オレが?」
オレはもう一度柿崎に尋ねた。
「いつまで言ってんだ。お前の戦績を考えりゃ当然だろ。ブラックトリガー単独撃破なんてお前くらいだぞ?特級じゃなきゃ逆に上に抗議してやる。」
「そうですよ!」
「150万か〜。高いとこ連れてってもらおー。」
「…まあお手柔らかに頼む。」
──
「綾瀬川隊員に特級戦功…ですか。もう隠しきれませんよ?城戸司令。」
城戸に尋ねたのはメディア対策室長の根付栄蔵だった。
「隠すことなど何も無い。清澄は変わらず城戸派直属の隊員であり私の息子だ。清澄のどこに問題があると言うのかね?」
「…ブラックトリガーを使った天羽君と迅君をノーマルトリガーで圧倒した綾瀬川君がもし反乱を起こしたら、どうするつもりなんですか?」
「…」
城戸は何も言わずに目を伏せる。
「忍田本部長、アンタから見て綾瀬川はどうなんじゃ?」
忍田に尋ねたのは開発室長の鬼怒田本吉。
「…戦闘力、技術、戦闘IQどれをとっても人間離れしている…。何をすればあそこまでの怪物が生まれるのか…「問題ありませんよ。」」
司令室の扉が開く。
そこには外務営業部長の唐沢克己ともう1人。
忍田、根付、鬼怒田には見慣れない男が立っていた。
「既に布石は打っている。」
「…榎沢一華の事ですか…?
…綾瀬川先生。」
──
「おい、テメェ…榎沢に何してやがる…!!」
目の前の光景に諏訪洸太郎は咥えていたタバコを落とす。
「…ッ…」
月明かりに照らされて、不気味な光を放つその瞳。
目の前の男は無機質な瞳を諏訪に向ける。
酷く冷たい視線だった。
「…悪趣味だな。尾行でもしてたのか?」
諏訪隊の銃手でありながら後輩の、榎沢一華の首を締め上げながら怪物は淡々と話す。
「手を離しやがれ…
…綾瀬川…!!」
──時は数刻遡る。
各キャラからの印象&各キャラへの印象
小南桐絵→…後輩の女子と随分仲良いのね。
柿崎、照屋、巴→鈍感。割とマジで引く。
宇井真登華→鈍感、馬鹿、表情筋死んでる。もう知りません。
城戸正宗→懐刀。息子。
根付栄蔵→危険視。
忍田真史→怪物。
小南桐絵←友人。チョロい奴。
柿崎、照屋、巴←チームメイト。そんな目でオレを見ないで。
宇井真登華←最近遠慮ないよね。
城戸正宗←上司。父親代わり。
根付栄蔵←大変そう。
忍田真史←強い。それだけ。
次回、「榎沢一華②」と数話やってからお待ちかねのランク戦に突入すると思われます。
撃破数に関しては原作と比べてラービットが増えていますので必然的に多くなっています。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
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誰かの独白。多分榎沢か三輪。
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掲示板形式のやつ。(作者無知)
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日常小話。
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if(綾瀬川VSボーダー)
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住民税高すぎ。