「あいつはお別れなんて言ってたけど…おれは絶対レプリカに会いに行くよ。」
目が覚めた僕に空閑はそう言った。
レプリカは生きていると。
「アフトクラトルに行けばレプリカに合える。
…A級を目指す理由が増えたな。」
そう言って空閑は笑った。
──空閑は…
こいつは僕が負い目を感じないようにわざわざ…
「空閑…済まない。僕が…僕の力が足りないせいでレプリカは…!」
「ちがうよ。」
そんな僕の言葉を空閑はそう切り捨てた。
「おれがレプリカに言ったんだ。オサムとチカを守れって。あいつはその頼みに100%応えた。オサムが謝ることじゃない。」
空閑はさらに続けた。
「…むしろレプリカを褒めるべきだろ。半分になってでもやりとげたからな、あいつ。
…さすがおれの相棒だ。」
その言葉に涙腺が緩む。
──ああ…クソ…
傷が痛むな…。
──
柿崎隊作戦室
「…どうしたんだ?珍しくテレビなんか付けて。」
作戦室に入った、柿崎隊万能手、綾瀬川清澄はテレビを見ていた後輩、宇井真登華、巴虎太郎に尋ねた。
「あ、清澄先輩、おはようございます。」
「おはよー、清澄先輩。今、テレビでボーダーの記者会見やってるの。」
「記者会見…ね。まぁ、あれだけ被害が出れば叩かれるか。」
そう言って綾瀬川は椅子に座るとテレビを注視する。
「酷い話ですよね…。ボーダーがなきゃもっと被害が出てたのに…。」
「行方不明者所の騒ぎじゃないな…。おそらく三門市は壊滅だっただろ。…記者達もそれは分かってる…だからイラついてるんじゃないか?」
宇井の言葉に綾瀬川はそう返す。
その言葉に宇井は不安そうに俯いた。
「…消すか?面白い内容じゃ無さそうだぞ?」
「ううん、だいじょーぶ。ありがとう、清澄先輩。」
宇井はそう言って笑うとテレビに視線を戻した。
「真登華と虎太郎は親に何か言われなかったのか?」
「大丈夫なの?…的なことは聞かれました。」
巴がそう答える。
「私もー。」
「清澄先輩は何も言われなかったんですか?」
その言葉に綾瀬川はテレビを見ながら答える。
「オレの親はあそこにいるからな。言うも何も無いだろ。」
テレビには城戸司令の顔が大きく映される。
「「…え?城戸…司令?」」
「オレの親代わりは城戸さんだ。…言ってなかったか?」
「「聞いてないですっ!!」」
そう言って巴と宇井は綾瀬川に詰寄る。
「…いや、柿崎隊でオレだけ城戸派だろ?その時点で察してると思ってたんだが…。」
「誰が城戸派ってだけで城戸司令の息子だって察せるんですか…?苗字違うし…。」
「親代わり、だからな。母親は一次侵攻の時に死んだらしいし。…父親は…まあいいだろ、オレの親は城戸さんしかいないからな…。」
「…すいません、答え辛いこと聞いちゃって…。」
巴が綾瀬川に謝る。
「別に気にしてない。」
『三雲修です。』
巴の謝罪に答えた後、テレビの記者会見に大きな動きがあった。
根付に変わり、病院服に身を包み、腕を吊るした眼鏡の少年がテレビ画面に映った。
「え?何…?誰?」
「…確か、三雲…だったか?」
「清澄先輩の知り合い?」
宇井が綾瀬川に尋ねた。
「ボーダー隊員だ。ほら、一級戦功に選ばれてたはずだ。」
「ああ、隊員の中で唯一怪我したって言う…。」
巴が思い出すように言った。
「でも…なんで…?」
宇井の質問に綾瀬川は目を細める。
「…さあな。
…だが…面白くなりそうだ。」
記者会見で、三雲修は連れ去られた隊員、市民を連れ戻すと宣言した。
その言葉は大きな波紋を呼び世間を騒がせる。
それはボーダー内でも例外ではなかった。
しかし、すぐにその話題は消えることになる。
ランク戦のシーズンがやって来たからだ。
1位 柿崎隊 15P
2位 二宮隊 14P
3位 影浦隊 13P
4位 生駒隊 12P
5位 弓場隊 11P
6位 王子隊 10P
7位 東隊 9P
8位 香取隊 8P
9位 鈴鳴第一(来馬隊) 7P
10位 漆間隊 6P
11位 諏訪隊 5P
12位 荒船隊 4P
13位 那須隊 3P
14位 早川隊 2P
中位部隊までが並び、そして…
21位 玉狛第二(三雲隊) 0P
下位の一番下。
そこに玉狛第二の名前はあった。
──
諏訪隊作戦室
「…緊張?なんで?」
堤の言葉に諏訪隊銃手、榎沢一華はキョトンとした顔で返した後、小佐野から貰った棒付きの飴を口に運んだ。
「なんでって…デビュー戦だぞ?」
「アハハ、大丈夫だってつつみんさん。」
そう言って榎沢は、妖艶な表情で飴を取り出すと、いたずらっぽく笑う。
「…あたしに勝てるのは綾瀬川センパイだけだから。」
B級ランク戦ROUND1
香取隊VS鈴鳴第一(来馬隊)VS諏訪隊
──
柿崎隊作戦室
「よし、一通りやれる事はやった。あとは本番だけだ。」
柿崎隊隊長、柿崎国治はそう言って立ち上がる。
「前シーズンで1位になったからって油断はしねえ。挑戦される側に立つ訳だが…俺たちはB級にいる限りA級への挑戦者だ。…今シーズンこそはA級に行くぞ!」
「「「「了解。」」」」
B級ランク戦ROUND1
柿崎隊VS影浦隊VS弓場隊
──
「…で?説明してくれるんだろうな?出水。」
「いやー…三上に相方探して欲しいって言われて仕方なくっつーか?」
出水はヘラヘラと笑いながら詫びれる様子もなくそう言った。
「この後影浦隊と弓場隊とやるんだが…。」
ヒソヒソと話すオレと出水を隣に座る三上が横目で睨む。
オレと出水は肩を弾ませて慌てて前を向いた。
『さあ、B級ランク戦今シーズン、最初の試合がやって来ました!ROUND1最初のランク戦は香取隊、鈴鳴第一、諏訪隊の三つ巴対決になります!あ、紹介遅れました、実況は私、風間隊の三上が、解説席にはA級1位、先の大規模侵攻の際には一級戦功をあげた出水隊員、そして…
…前シーズンで柿崎隊をB級1位に導いた立役者、綾瀬川隊員にお越しいただいております!』
『どうぞよろしく。』
『…よろしくお願いします。』
後でぶっ飛ばすぞ…出水。
『さて、今回の三つ巴対決ですが…解説のお二方はどのような試合展開になると思いますか?』
『順位で言えば香取隊が上だな。前シーズンの後半から香取ちゃんが万能手になって手が付けられなくなったからなー。』
『なるほど…確かに前シーズンの中盤は下位近くに落ちたものの、後半で巻き返し中位の中でも首位に立っています。…前シーズン三隊どことも戦った綾瀬川隊員はどうですか?』
『…え?オレ?…えっと…オレは…まあ…諏訪隊ですかね。人数が増えたし。』
噛んでないだろうか。
『…うっ!』
隣で笑っている出水に肘打ちをする。
『なるほど…確か新たに入隊した榎沢隊員は大規模侵攻の際に一級戦功をあげていますね。』
『連携に難ありだけど、実力は確かだからなー…榎沢は。でも鈴鳴にはNo.4攻撃手の鋼さんがいる。火力で言えば諏訪隊、得意の形に持ってけば鈴鳴、上手く合流出来れば香取隊ってとこだろーな。』
『なるほど…マップの選択権は諏訪隊にあります。果たしてどのマップが選ばれるのでしょうか。』
──
諏訪隊作戦室
「えっと…あそこだよあそこ。デパートがあるとこ!」
榎沢は思い出し、そう言った。
「あ?D?なんだってそんなとこ…」
「あたし屋内戦の方が得意だし。てか選んでいいって言ったの諏訪さんじゃん!」
「文句はねえけどよ…。日佐人と堤もDでいいか?」
「はい。」
「問題ありません。」
──
『ここで諏訪隊によりマップは市街地Dに決定されました!マップの解説をお願いします。』
『綾瀬川、お前やるか?』
『…お前がやれ。』
綾瀬川は出水を睨みながらそう言う。
『怖…マジごめんって。まだ緊張してんのか?諦めろって。』
『どの口が。』
『2人とも…真面目にっ。』
『『アッハイ。』』
三上の叱責に2人は肩を震わせた。
『…えっと…市街地Dは大きな建物が多いマップですね…。屋内戦が多く、上に広いって感じかな…。特に大きなデパートでの屋内戦が多いイメージだ。』
『なるほど…ありがとうございました。』
出水の解説に三上は礼を言うとモニターに視線を戻した。
──
香取隊作戦室
「絶対勝つわよ。」
珍しくやる気十分な香取隊隊長、香取葉子が銃手の若村麓郎、攻撃手の三浦雄太にそう言った。
「ヨーコちゃん、今日は一段とやる気だね。」
三浦が香取に話しかける。
「当たり前でしょ。絶対上位に戻るわよ。」
そう言う香取だが、香取の視線はモニターの、榎沢に向いていた。
「身の程を分からせてやるわ。」
──
鈴鳴第一
「まーた鋼くんがやった事ない相手ね…。前シーズンに引き続き。」
鈴鳴第一のオペレーター、今結花はそう言ってため息を吐く。
「嘆いても仕方ないよ。警戒しつつ行こう。」
隊長の来馬辰也がまとめるようにそう言った。
「あっ、鋼さん起きました。」
「予習はどう?」
「バッチリだ。」
そう言ってNo.4攻撃手、村上鋼は笑みを浮かべた。
──
『さて、準備が整いました。各隊転送開始!
…転送完了!
マップ、市街地D、天候は曇り、B級ランク戦ROUND1昼の部…スタートです!』
そうして今シーズンもB級ランク戦が幕を開ける。
「アハ…
…みーっけ♡」
今シーズン開戦の狼煙は無機質な銃声からだった。
宇井ちゃんとの食事回(多分デート)は幕間に書くかも。
榎沢一華トリガーセット
メイン:アステロイド(ハンドガン)、グラスホッパー、メテオラ(グレネードガン)、シールド
サブ:アステロイド(ハンドガン)、ハウンド(アサルトライフル)、シールド、バッグワーム
ガトリング砲は諏訪さんに止めとけと言われ、今回は入れてません。
感想、評価等お待ちしております。
幕間何読みたいんじゃワレェ!
-
誰かの独白。多分榎沢か三輪。
-
掲示板形式のやつ。(作者無知)
-
日常小話。
-
if(綾瀬川VSボーダー)
-
住民税高すぎ。