僕はマンガの8巻に登場した彼女を見て、一目ぼれする程気に入り、ぜひ登場させたいと思っていました。
さらにこのQuest.2ではミレーユもバーバラも登場しないため、メインヒロインとして彼女に白羽の矢を立てました。
あれから時は流れ、人々は平和になった日々に徐々になじんできた。
リベラ達は転職によって覚えた呪文や特技、そして魔物のボス達をも倒した程の実力を封印した。
それによって、呪文や特技も基本的にレベルアップやイベント習得によるもののみとなった。
(※一部例外があります。作者は死者を生き返らせる記述をNGにしているため、ザオラルやザオリク、世界中の葉などは除外します。一方で、遊びは使えると思った物を作中でいくつか採用しています。)
一時は涙が枯れる程泣き続けていたリベラも、ターニアや仲間達の優しさに触れながら少しずつ立ち直っていき、徐々にレイドック王子としての自覚を取り戻していった。
そんな息子の姿を、父のレイドックと母のシェーラは、時に優しく、時にはいつまでもクヨクヨしないでという感じの厳しさで接していた。
そんなある日、レイドック城の庭では、リベラとハッサンが話し合いをしていた。
リベラは以前から大魔王を倒した後、実戦の機会が無くなったことで、体がなまってしまうことを気にしていた。
そのため、せめて懸垂(けんすい)か何かで腕力を鍛えたいと思いを抱いており、ハッサンが遊びに来た時にそのことを伝えた。
すると彼は「じゃあ俺が鉄棒の支柱部分を作ってやるから、棒の部分はラミアスの剣を作ってくれたサリイさんに依頼しようぜ。」と言い出してきた。
それを聞いたリベラは「そん、そうしよう。」と同意し、ハッサンと一緒にレイドックとシェーラの前に出向き、その意図を告げた。
「そうか、お前も考えているな。いいだろう。早速そのためのお金と材料の鉄を用意することにしよう。」
「出来上がったらしっかりと体を鍛えるんですよ。そしてお城の兵士達にも使ってもらうことにしましょう。」
彼らはその場でOKを出してくれた。
リベラはその費用を自分で稼ぎたいと主張したが、兵士達も使うからという理由で、最終的に公費で作るという提案に同意した。
「やったな、リベラ!自分でお金払わなくて済んだぞ!」
「僕としては何割かだけでも払いたかったけれどな。」
「気にするな。じゃあ、高さや長さをどうするか早速決めに行こうぜ。」
「うん、そうしよう。」
2人は鉄棒を立てる予定の場所に戻ってくると、細かいプランについて話し合った。
「じゃあ、この場所に2本ってことでいいな?リベラ。」
「うん。じゃあ早速それを紙にまとめておくよ。そしてサリイさんのところに行って、交渉してみる。」
「頼むぜ。じゃあ、俺はこれから支柱の材料をそろえに行くからな。」
「頼んだよ。」
彼らは会話をしながら、人目の付かない所にやってきた。
そしてハッサンはキメラの翼でサンマリーノへ、リベラはルーラでロンガデセオへと向かっていった。
ロンガデセオは元々無法者が集まるというだけあって、世の中が平和になったにも関わらず、まだまだ不穏な雰囲気が漂っていた。
まるでアモスがいつか言っていた「魔王はいませんが、魔王みたいな人はたくさんいます」というような言葉を現実に当てはめたかのようだった。
入口には野良犬が1匹いて、どうやらえさを探しているようだった。
リベラは犬を刺激しないように通り抜けようとしたが、こっちを見るなり突然吠え出してきた上に、飛びかかってきたため、戦闘になってしまった。
野良犬があらわれた!
野良犬はいきなり襲いかかってきた!
1ターン目
野良犬:通常攻撃(成功)
2ターン目
リベラ:通常攻撃(野良犬は攻撃をかわした)
野良犬:吠えた
3ターン目
リベラ:ひるんだため、1回休み
野良犬:通常攻撃(成功)
4ターン目
リベラ:通常攻撃(成功)
野良犬は逃げ出した!
いきなり戦闘になったため、少しビックリしたリベラだったが、すぐに落ち着きを取り戻すと自身にホイミをかけ、鍛冶屋に向かって歩いていった。
家にたどり着くと、彼は扉をコンコンと叩いた。
すると、中からは『どなたですか?』という、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
その声はチャモロに違いなかった。
「こんにちは、リベラです。」
『おおっ!リベラさんですか!ちょっと待って。今行きます!』
すると急ぎ足の音が聞こえるようになり、扉が勢いよく開いた。現れたのはやはりチャモロだった。
「こんにちは。そしてお久しぶりです。リベラさん。」
「久しぶり。ところで君はどうしてここに?」
「私はサリイさんとコブレさんに、鍬(くわ)や鋤(すき)などの農作業道具を作ってもらったんです。」
話によると、チャモロは仕事が無くて困っている人達を助けるために、ゲントなどでお金を集め(要するにクラウドファンディングです)、そのお金で農作業用の道具を作って無償提供しているということだった。
家の中に入ると、コブレとサリイはすでに出来上がっていた農作業道具を見ながら、お茶を飲んでいるところだった。
「こんにちは、おじゃまします。コブレさん、サリイさん。」
「よおっ!リベラじゃねえか!久しぶりだな!」
「お久しぶりです、リベラさん。」
サリイは少しぞんざいながらも元気な声で、コブレは控えめな声であいさつをした。
「あんたもあたい達に何か依頼かい?」
「はい。今日はそのためにここにやってきました。」
リベラはそう言うと、紙を取り出して開き、要件を説明した。
「へえ、武器じゃなくて鉄棒か。珍しい依頼だな。」
「まあ、以前から体を鍛えたいと思っていましたので。」
「でもあたい達はチャモロからの仕事を終えたばかりで疲れ切っているから、少し休ませてもらうけれどいいかい?」
「大丈夫です。今日は依頼をしに来ただけなので。」
サリイとリベラが会話をするかたわらで、コブレとチャモロは紙に書かれた内容をじっと見ていた。
「コブレさん、これだと料金はどれくらいになりそうでしょうか?」
「そうですねえ…。材料の鉄は向こうで用意してくれるということですが、仮に木炭をこちらで用意となると、ざっと…、これくらいになるでしょうか?」
「ちょっとかかりそうですね。」
「まあ、木炭も向こう持ちなら、これくらい値引き出来ます。」
「これだったらリベラさんは自分で用意すると言い出しそうですね。」
チャモロと会話をしながら、コブレはその紙に条件と料金を書き込んだ。
サリイとの会話が一区切りしたリベラは、コブレから料金の見積表を見せてもらった。
それを見て、彼は「木炭については考えていなかったな。」と言いながら、少し考え込んでしまった。
「まあ、慌てることはないよ。それをあんたの親父に報告して、判断をしてもらえばいいさ。」
「そうだね。そうするよ。あっ、それで、今思いついたんだけど。」
「何だい?」
「今度も作業を手伝った方がいいかな?以前(マンガ版で)、ラミアスの剣を鍛え直してもらった時、みんなで手伝ったように。」
「おおっ!あんたも来るのかい?じゃあ、あたいと親父を含めて4人になるだろうな。」
「4人ってことは、もう一人来るんですか?」
「そう。アモっさんさ。」
「ということは、アモスさん?」
「そう。彼は以前チャモロに誘われてここに来たんだ。そしてここでチャモロと共にあたいと親父の手伝いをしてくれたんだよ。」
「えっ?チャモロ、本当?」
リベラは驚きながら彼の方を向いた。
「その通りです。私は全部を見ていたわけではありませんが、アモスさんは結構張り切っていましたよ。寝る間も惜しんで働いていましたし、食事の準備や洗たく、お風呂の準備もしていました。」
「へえ、凄いな。これならサリイさんやコブレさんも戦力として認めてくれそうだね。」
「その通りさ。だから今度依頼が来たら、彼に声をかけてみようと思っているんだ。」
「さらにチャモロ君が色々仕事を持ってきてくれたおかげで、お金もたまってきて、やっと人を雇えるようにもなりました。チャモロ君、君には本当に感謝をしています。ありがとう。」
「い、いえ。私はただあなた達がお金に困っていたのを聞いて、何とかしたいと思ったんです。それで、出来ることを色々したまでで…。」
2人に褒められて、チャモロは思わず照れ笑いを浮かべていた。
「チャモロ。やっぱり君は僕達と一緒に旅をした、大切な仲間の一人だ。コブレさんとサリイさんを幸せにしてくれて、本当にありがとう。ますます見直したよ。」
「リベラさん、ありがとうございます。照れるなあ…。」
チャモロは恥ずかしがるような表情をしながらも、人の役に立てたことを素直に喜んでいた。
それからしばらくして、リベラは両親と話をしてプランがまとまったら、材料を持ってまた戻ってくることを告げ、鍛冶屋を後にしていった。
一方、チャモロは出来上がった鍬や鋤を受け取ると、コブレとサリイにお礼を言って、かぶっている風の帽子を使って目的地へと向かって行った。
そして、それらを人々に手渡すと、今度はモンストルの町へと向かって行った。
モンストルの町では、アモスが以前コブレとサリイに作ってもらった道具を使って、農作業をしていた。
チャモロは彼に会うと、早速新たな仕事の依頼が舞い込んだことを伝えた。
「なるほど。今度はリベラさんが鉄棒を作ってほしいという依頼をしてきたんですね。」
「はい。多分、仕事開始は1週間後辺りになるでしょう。それまでに体調を整えて、準備をよろしくお願い押します。」
「分かりました。ではそれに備えて、ご飯をいっぱい食べて、不眠不休の作業に耐えられるように準備をしておきます。」
「ありがとうございます。では、私もこの農作業を手伝わせてもらってもいいですか?」
「いや、そんな。チャモロさんはサリイさんのところでの作業を終えたばかりで疲れていることでしょう。気持ちは分かりますが、その気持ちだけ頂いておきます。」
「そうですか。実はそれ程疲れているわけではないんですが、でもせめてお茶だけは入れさせてください。」
「いいでしょう。よろしくお願いします。」
それを受けて、チャモロは早速お茶の準備をしに行った。
彼が戻ってきた時には、アモスの方も作業が一段落つき、休憩をしていた。
そして差し出されたお茶を飲むと、「あー、極楽、極楽。」と言って、気持ちをリラックスさせた。
アモスがお茶を飲み終わると、チャモロはコップを洗いに行った。
そして戻ってくると、確認のためにもう一度要件を伝え、自分はゲントの町に戻ることを伝えた。
「チャモロさん、そんなにあちこち飛び回ると、移動で出費がかさむんじゃないですか?」
「大丈夫です。確かにキメラの翼を使っていたらそうなりますが、私にはこの風の帽子がありますので、好きなだけ色んな所に飛んで行けるんです。」
「おおっ!それは便利ですね。あっ、それでふと思いついたんですが、私、以前から疑問に思っていたことがあるんですよ。」
「何ですか?疑問って。」
「キメラの翼なんですが、なぜ『キメイラの翼』と言わないんでしょうか?私はキメイラを見たことはあるんですが、キメラは見たことがないんですけれど…。」
「あっ、確かに言われてみれば、私も見たことがありませんねえ…。」
「でしょう。それならなぜこんな名前になったんでしょうか?なまったんでしょうかねえ?」
「うーーん…。もしかしたら、キメイラは別世界からやって来て、『生まれた世界ではキメラと呼ばれていました』と言ったのかもしれませんね。」
「あー、なるほど。」
というわけで、アモスはその疑問に少しは納得のいく答えを見つけ出したようだった。
でも、何故ドラゴンクエストⅥにはキメラがいないのだろう…。
マンガ版の主人公の名前が「ボッツ」ということを踏まえて、ボツシーンです。
家の中に入ると、サリイはすでに出来上がっていた農作業道具をじっと見つめていた。
「こんにちは、おじゃまします。サリイさん。」
「ん?リベラか。久しぶりだな。今日は何だい?また何か依頼でもするのかい?」
両親のいないサリイは寂しいのだろう。どこか元気がなさそうだった。
「はい。今日はそのためにここにやってきました。」
リベラはそう言うと、紙を取り出して開き、要件を説明した。
「…武器じゃなくて鉄棒か…。珍しいな。」
「はい…、以前から体を鍛えたいと思っていましたので。」
「でもさ、あたいはチャモロからの仕事を終えたばかりで疲れ切っているんだよ。ちょっと休ませてくれよ。いいか?」
「あっ、はい…。大丈夫です。今日は依頼をしに来ただけなので…。」
サリイの少しきつい口調に怖気づいたのか、リベラは少し戸惑うように答えた。
「ああ、分かったよ。でも、料金くらいは分かった方がいいと思うから、ちょっと今から算出してみるわ。ええっと…、材料の鉄はあんたの親父が用意だな。そして木炭をこちらで準備だと、ざっと見…、これくらいだ。」
「ちょっとかかりそうですね。」
「ああ、そうかい。そう思うんだったら、そっちで用意してくれ!」
「はい…。じゃあ、自分達で準備します。」
「じゃあ、料金はこれだ。しっかり用意しておくんだぞ!」
「はい。」
リベラの同意を受けて、サリイは少し顔をしかめながらその紙に条件と料金を書き込んだ。
※こちらはコブレが登場せず、サリイが一人暮らしをしている方のバージョンです。
下書きで2パターン書いて、コブレが生きている方を採用しました。