テリーはドランゴを連れてアモス、チャモロに合流すると、これから行こうとしている場所にはどのようなモンスターがいるのかについて話した。
そしてミレーユから渡された破邪の剣をチャモロに手渡すことにした。
「ありがとうございます。一発だけでもベギラゴンが放てるのは助かります。」
「まあ、多少のダメージを覚悟すればまた入れられるが、大事に使ってくれ。」
「分かりました。」
チャモロは装備こそしなかったが、ありがたく受け取った。
彼らは準備を整えた後、いよいよミレーユに指示された場所へと向かった。
その場所は険しい岩山に囲まれており、ほとんど人が足を踏み入れないようなところだった。
アモス「こんなところにアジトを構えるなんて、意外ですね。」
チャモロ「だからこそ、これまで気づかれずにいたんでしょうね。」
テリー「そうだな。姉さんの占いでもなかなか分からなかったのは納得出来るぜ。」
ドランゴ「とにかく…、ここから…敵…現れる…。私達…何とかする…。」
彼らが戦いに向けて気合を入れていると、テリーは風のアミュレットを取り出し、ここで風の精霊を呼び出した。
「ご指名、ありがとーーーっ!」
彼女は姿を現すやいなや、相変わらずのお調子者ぶりを発揮した。
一方、彼女と初めて対面したチャモロとアモスはその姿とその性格に驚いていた。
「みんな、今回はこいつに助っ人として加わってもらうことにした。きっと役に立つと思うぜ。」
「ハーーイ!アタシは風の精霊。この度テリー君の依頼を受けて、戦いに参加することになったから、ヨロシクねっ!」
「こ、こちらこそ、よろしく…。私はチャモロです。」
「私はアモスと申します。お互い頑張りましょう。」
彼らは対処に困りながらも自己紹介をした。
アジトの入口近くまでやってくると、何やら見張りらしきモンスターが姿を現した。
テリー「こいつらは確か…。」
アモス「デススタッフでは!?」
チャモロ「しかも3匹もいる。」
「これ…、強敵…。ギルルン…。」
彼らはいきなり厳しい戦いになることを予感した。
一方のデススタッフはテリー達を侵入者と認識したようで、戦闘態勢に入った。
「ねえねえ。こいつ強いの?」
「ああ。凍える吹雪が強力だ。半端ないダメージだぞ。」
「へえ、吹雪なんだ。じゃあアタシ、あれでいくっ!」
風の精霊はそう言うと、まず追い風を使った。
続いてテリーはライデインを発動させ、全員にダメージを与えた。
チャモロはマホトーンを唱え、デススタッフAとCの呪文を封じた。
アモスは2度攻撃でAにダメージを与えた。
ドランゴ以外のメンバーの行動が済むと、今度はデススタッフ3匹の攻撃となり、Aは凍える吹雪を使ってきた。
装備品による軽減を考慮してもテリー達がかなりのダメージを受ける中で、風の精霊への攻撃は追い風ではね返されたため、Aは大きなカウンターを受けてしまった。
事前にメダパニを唱えようとしていたCは急遽それをキャンセルし、ドランゴに通常攻撃をヒットさせた。
唯一呪文を封じられていないBはルカナンを唱えて全員の守備力を下げた。
そして素早さが0のドランゴはターンの最後に満を持してしゃくねつの炎を吐き、全員にイオナズン級の大ダメージを与えてAを倒した。
次のターンで風の精霊は再び追い風を発動させた。
続いてテリーがきせきの剣でのはやぶさぎりでBを攻撃して、ダメージを与えると同時に自身のHPを回復させた。
そしてアモスはBに2度攻撃を叩き込んだ。
チャモロはここで切り札のベギラゴンを使い、威力を軽減されながらもダメージを与えてBを倒した。
その直後、デススタッフCが凍える吹雪を吐いてきた。
テリー達が先程と同程度の大ダメージを受ける中、Cは追い風の影響でカウンターを受けた。
そしてドランゴがしゃくねつの炎を吐き、これが決定打となってどうにか勝利を収めることが出来た。
戦闘後、彼らは呪文で全員のHPを全回復させた。
テリー「正直言って、マジで危ない戦闘だったな。」
アモス「アジトの中でもこんな強敵がいるんでしょうか。」
チャモロ「これはひとまず立て直した方がいいですね。」
「それ…いい…アイデア…。」
彼らは一旦その場から撤収し、装備や持ち物を整えることにした。
まずテリーは破邪の剣にベギラゴンを唱え、10ポイント程度の反射ダメージを受けながらも再度チャモロが切り札を使えるようにした。
次に彼らはマーズの館にやってきて、グランマーズにMPを回復してもらい、彼女の許可を得た上で星降る腕輪と力のルビーを受け取った。
そしてチャモロが星降る腕輪を装備して素早さを上げ、アモスが力のルビーを装備して攻撃力をさらに上げて、再びアジトへと向かっていった。
内部に入ってしばらく進んでいくと、彼らはバトルレックス2匹に出会った。
外見はドランゴそっくりだったため、彼女もバトルレックスも驚き、何だか戦いにくい雰囲気が漂った。
そしてドランゴは彼らと会話をしたいと申し出た。
「分かった。俺達も無駄な戦いはしたくないからな。」
「それに、何かいい情報が得られるかもしれませんし。」
「ドランゴさん、ぜひお願いします。」
テリー、チャモロ、アモスは交渉を依頼した。
ドランゴはそれを承諾すると、バトルレックス2匹の前に行き、人間には通じない言葉で会話を始めた。
彼らはオスとメスの双子で、以前リベラ達がデスタムーア討伐に向かっていた当時はまだ修行中で、敵モンスターとしては登場していなかった。
その後、十分なHPや攻撃力、そして特技を身に付けてやっと戦闘員となったが、その時に魔王が倒されて世の中が平和になったため、彼らは出番を失ってしまった。
これからどうやって過ごせばいいのか…。
そんな失意の生活を送っていたある日、彼らが出会ったのは異世界からやってきたカンダタの一味だった。
そして彼らから戦いの場を与えてやると言われ、この世界にやってきたということだった。
テリー「なるほどな。あいつらは単なる失業者だったわけか。」
アモス「世の中が平和になっても幸せになれないこともあるんですね。」
チャモロ「だからって、ただ戦いたいからというだけの理由で来られても…。」
「そう…。だから…、自分の世界…、戻ってもらう…。それがいい…と思う…。ギルルルン…。」
「こちらとしてはそうしてもらった方がいい。お願い出来るか?」
「分かった…、テリー…。」
ドランゴは再びバトルレックスのところに行き、交渉をした。
彼らは最終的に元の世界に戻っていくことに同意はしてくれたものの、せめて一度だけでも腕試しをさせて欲しいと申し出てきた。
「腕試しと言っても、結局は戦闘じゃねえか。でもまあ、話だけでは分からんようだし、致命傷にならない程度にやっつけることにするか。」
テリーが渋々同意したことで、彼らは試合という名目で戦うことになった。
(※なお、チャモロとアモスは無駄に戦いたくないという理由で不参加となりました。)
試合が始まると風の精霊がしんくうはで、次にテリーがライデインでダメージを与えた。
オスであるバトルレックスAは激しい炎を吐いてきた。
風の精霊にはまともにダメージが入った一方、テリーとドランゴは炎を軽減する装備を持っているため、それなりにダメージが低くなった。
(試合に参加していないチャモロとアモスは無傷で済んだ。)
メスであるBははやぶさぎりでドランゴに向かってきたが、一撃目はグラコスの槍で受け止め、次の攻撃はまじんの鎧の守備力のおかげでダメージがかなり軽減された。
そしてドランゴはしゃくねつで攻撃をした。
2匹のバトルレックスは自分達の攻撃が激しい炎止まりであるが故に、その威力に驚きを隠せなかった。
A「ギルルル、ギルルルルン。(この威力、イオナズン級だな。)」
B「ギルルルルンルルン。(これが毎ターン確定で来るのね。)」
彼らはしゃくねつがかなりの脅威であることを認識した。
次のターンで風の精霊は追い風を使い、テリーはきせきの剣でのはやぶさぎりでBを攻撃すると同時に自身のHPを回復させた。
Bは激しい炎を吐いたが、風の精霊への攻撃がはね返されたため、自身もダメージを受けた。
Aは通常攻撃をしてきたが、テリーは素早く攻撃をかわした。
そして満を持してドランゴの出番となり、彼女は2匹の予想通りしゃくねつの炎を吐いてきた。
結局それが決定打となり、双子のバトルレックスは降参を宣言した。
そしてこのアジトにいる他のモンスター達を説得して、一緒に元の世界に戻っていくことを約束して、奥へと歩き去っていった。
そのバトルレックスの説得もあったのだろう。その後は戦闘らしい戦闘もなく、テリー達はさらに奥へと向かっていった。
パーティーが最深部までやってくると、そこには兵士らしき人が3人立っていた。
アモス「ミレーユさんの話ではボス級のモンスターのはずなのに?」
「何だか…拍子抜け…しそう…。」
チャモロ「一見そんな感じですが、油断は禁物ですよ。」
テリー「ああ。人間に化けている可能性もあるからな。」
彼らは気を引き締めながら兵士に話しかけた。
兵士A「お前達、何をしにきたんだ。」
兵士B「まさか、ここを通りたいのか?」
兵士C「ならば、この私を倒して行くがいい。」
彼らはそう言うと正体を現し、キラーマジンガの3体の姿になった。
テリー達は驚きながらも、素早く気持ちを切り替え、戦闘態勢に入った。
最初に行動したのは星降る腕輪を身に付けたチャモロで、破邪の剣でベギラゴンを放った。
威力はかなりのものだったが、キラーマジンガが強耐性を持っていたため、通常の半分程度のダメージになってしまった。
次に風の精霊がキックでAにダメージを与えた。
するとキラーマジンガ3体が一斉に攻撃してきて、テリー、ドランゴ、アモスが大ダメージを受けてしまった。
(くっ!ここまでダメージを受けてしまっては、ライデインは取りやめだ。攻撃しながら回復をしなければ!)
テリーはとっさにきせきの剣ではやぶさぎりをして、Aにダメージを与えながら自身のHPを回復させた。
アモスはBに通常攻撃をし、力のルビーの効果もあってでこれまでよりも大きなダメージを与えた。
そしてドランゴがしゃくねつを使い、全員にダメージを与えた。
ターンの合間にテリーが作戦を考えていると、ふと彼の耳に何か懐かしい声が聞こえてきた。
『テリー。子供達のこと、礼を言うぞ。』
その声は間違いなくデュランだった。
テリーは思わぬ言葉に一瞬戸惑った。
しかし、すぐに気持ちを切り替えると、彼から教えられた技を思い出した。
「うおおおおおっっ!!!」
テリーが大声を出しながら武器を振りかざすと、ジゴスパークが発動した。
そしてすさまじいほどの光が襲い掛かった。
キラーマジンガAとBは大電流が流れて回路がショートしたのか、体から激しい火花が飛び散り、煙を上げながらドカーンと音を立てて動かなくなった。
唯一残ったCも動きが明らかに鈍くなり、自身が攻撃する前に風の精霊、チャモロ、アモスの総攻撃を受けて動かなくなった。
「皆さん、やりましたね!」
「私達…強い…。ギルルルン…。」
「これでまた平和に一歩近づいたな。」
チャモロ、ドランゴ、アモスが喜んでいる中で、テリーは(デュラン、どうして俺に語り掛けてきたんだ?)と、心の中で問いかけていた。
しかしその後、彼の声は聞こえてくることはなかった。
(デュランはきっとどこかの異世界で生きていて、俺のことを見守っていたということなんだろう。)
テリーはそう思いながら、彼が子供達に再会出来たことを期待していた。
その後、彼らはキラーマジンガが守っていた扉を開けると、そこにはカンダタとその子分、そして呪文を使えるモンスターがいた。
「くっ!侵入者がここまで来たのか!」
「まずいな。ここまで突破されるとは!」
「ここは退却しましょう!」
カンダタと子分達は驚き、どうしようかあたふたしていた。
「さあお前達、観念しろ!」
テリーが叫ぶと、カンダタはとっさに呪文を使えるモンスターにリレミトを唱えさせ、瞬時にアジトから脱出していった。
「何なんでしょうね。戦いもせずにいなくなってしまうなんて。」
「ここまで世の中をかき乱しておいて、実際は臆病なんでしょうかね。」
チャモロとアモスはカンダタ達があっさりと逃げてしまったことに驚きを隠せずにいた。
「とはいえ、彼らは爆弾岩を召喚した張本人だからな。」
「そう…。バーバラにとって…、因縁の…相手…。ギルルルン…。」
テリーとドランゴはその爆弾岩のせいで彼女がどんな思いをしてきたのかをミレーユから聞いているため、油断出来ない相手であることは認識していた。
そしてに残されたアイテムを手に入れた後、テリーのイオラやドランゴのしゃくねつなどを駆使してアジトを壊滅させ、その場を後にしていった。