水の国、霧隠れの里。そこは他里の忍が容易に入れるところではなく、また霧隠れの忍は下忍になる時に仲間同士で殺し合いをさせられる事から血霧の里と呼ばれている。忍ではない俺は木の葉以外の里も出入りする事が可能である。この霧隠れの里を除けば。しかし霧隠れも商業の大切さは理解しているようで里の入り口に他国出身の商人向けの特設ブースを設置している。こうして里には入れないが商売をする事ができる。…他国から霧隠れに近づこうとするような商人は俺しかいないのでいつもブースは貸切状態なのだが…。それは今日も同じ事である。
「待ってましたよムラクモ。」
「あ、いらっしゃいませメイさん。」
彼女は照美メイさん。霧隠れの上忍で商店マツキヨのお得意様である。岩隠れでとれる素材を使った化粧品の大ファンになってくれたようで新作が入るとほぼ毎回買ってくれる。霧と岩は仲が悪いと思ったのだがメイさん曰く、「化粧品に国境はないわ」らしい。そんな買い物を彼女が楽しんでいる時であった。
「照美上忍!水影様から緊急伝令です!水の国の南部の村にて反乱が発生!すぐに準備を整えて反乱の鎮圧に向かうようにと!」
「しかしあの辺りは今、川が氾濫していて渡河できませんでしたよね...。」
水の国の南部...。あああの辺りなら確かに今、川が氾濫してるな。しかもあそこの川にはチャクラを分散させる効果があるのでチャクラを足に集めて渡河する事もできない。あそこら辺で反乱を起こすとすれば...ああ、あのチンピラ集団か。川が氾濫したから実行に移したってところかな?あいつらに川を氾濫させる技術はないだろう。
「それなら自分が別ルートを案内しますよ。」
俺は五大国をはじめ、世界中で商売をしているので基本的に国同士の争いに介入する事はしない。そして反乱を起こすとしても納得に足る大義があれば手は出さない。だけどイタズラに民を苦しめ自己の利益のためだけに反乱を起こす者なら介入しても問題ないだろう。俺は商人だからこそ持っている現地の土地勘と人脈を駆使してメイさん達の小隊を川の向こうへと送り届けた。
そして渡河した先で橋頭堡を確保して橋を作ると、特別に武力があった訳ではない反乱軍は抵抗できずに壊滅した。
「助かりましたムラクモ。水影様もあなたにお会いしたいと仰っています。」
そう言われ、俺は初めて霧隠れの里へと足を踏み入れた。
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「ムラクモ。お前に大事な話がある。」
俺が霧隠れに商談に向かう前。俺とナルトとサスケは木の葉の日向家にお世話になっているが、早朝に当主の日向ヒアシさんに呼び止められた。
「知っての通り、私たち日向一族には白眼という血継限界が伝わっている。これは静止視力に優れた瞳術である。」
血継限界、それは血縁関係によってのみしか発現しない力の事である。
「確かムラクモ。お前の両親はお前が幼い頃に亡くなったのだったな。」
俺は幼い頃からおじさんに育てられたから両親の顔を知らない。
「おそらくその両親のどちらかは日向の者だ。ムラクモ。お主には白眼がある。」
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自分が度々感じていた違和感、というより目にチャクラを集めると感じる特殊な視界は白眼だったという事である。そしてこの眼は四代目水影、やぐらに強く反応した。これは...イタチやシスイに似た感じだ。四代目水影はうちはの力による幻術にかけられている。
「水影様、失礼します。解!」
「ちょっと!ムラクモ?!」
いきなり水影の御身に触れるという無礼を働いたのか、メイさんは水影様の様子に驚嘆する。
「ムラクモ...これは...」
「水影様は何者に幻術をかけられていたようです。」
「この事は...」
「当然です。黙秘を約束します。」
五大国の長が何者かに操られていた。そんな事が知られれば世界の秩序に関わる。頼まれてもバラしたりしない。平和でなければ円滑な取引は成立しない。俺は俺のためにも平和を望む。
イルカ先生はナルトにとっては家族以外で初めて認めてくれた恩人という形になっています。成績は悪くなくとも必要以上に妬みを買うナルトが不憫で励ますという関係でした。ムラクモやサスケ、日向一族の皆様方はナルトからしたら家族みたいな認識です。
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