廻る輪廻のその先へ   作:マイケルみつお

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活動報告にヒロインアンケートを載せています。回答よろしくお願いします!


14話 油断

 船に乗ってから俺たちは火の国から波の国へと入国した。最も入国審査などといったものはないのだが。ナルトは初めて見る異国に興味を抑えられず先ほどからキョロキョロとしている。...可愛い。それにしても波の国か...ちょっと気になる事があるんだよな。

 

「カカシさん。ちょっと気になる事があるので少し離れますね。ナルト! サスケ! 何かあったらそのお守り使えよ!」

 

あの二人はいつも俺が遠出する時に持たせているお守りを今日も持っている。その事を確認してから俺は避雷針の術である場所へと向かう。

 

──────

 「...今の術は」

 

「ムラクモの兄ちゃんがよく使う避雷針の術だってばよ! 長距離移動に便利だ! って前に言ってたってばよ!」

 

(それは四代目の術...。四代目亡き今、ゲンマ達も3人がかりじゃないと使えない術のはずだ。...本当に忍じゃないのか?)

 

カカシはそう考え事をしている時だった。

 

「そこだ!」

 

ナルトがいきなり草むらの方へ向かってクナイを投げつける。...しかし特に何もない。

 

「なんだ、ネズミか」

 

「何かっこつけてんのよ! そんなとこ初めから何もないわよ!」

 

その様子にナルトはみんなから怒られてしまう。しかしナルトは諦めない。

 

「いや! あっちか? 向こうか? ...そこだ!」

 

またもナルトはクナイを投げつける。サスケ、サクラ、タヅナがジト目で見る中、カカシだけは違った。

 

「ウサ子! ごめんよぉ〜そんなつもりじゃなかったんだってばよ〜」

 

そのクナイはウサギに命中しておりナルトは悲劇のウサギに対して謝罪する。

 

(いや...あのウサギ...。毛が白い。この辺の野生動物ではない。...変わり身か!)

 

「全員伏せろ!」

 

その一言でそれまでの緩みきった空気は一変する。

 

──────

 襲撃者は身の丈ほどの大刀を持つ男。そしてこの男の事をカカシは知っていた。

 

「まさか霧の抜け忍、桃地再不斬が出てくるとはね」

 

(よし、あいつらは...特にナルトも冷静だ。単身突っ走る事もないだろう)

 

ナルトは毎日のムラクモとの修行で力をつけた。実力が上がった事によってその身のこなしから再不斬が自分よりも圧倒的に格上である事を理解していた。

 

(...ッ! でも俺は逃げねぇぞ!)

 

ナルトは再不斬の殺気に怯まず睨み返す。

 

(ほぉ、ただの餓鬼かと思えば。カカシの後ろの餓鬼達、あのくのいちは別だが金髪と黒髪の餓鬼は俺の殺気に耐えてるな。ただの餓鬼じゃねぇようだな。しかし用心するは、まず仕留めるべきなのはカカシだ)

 

霧隠れの術!

 

 

 

 

 辺りを霧が埋め尽くし、視界が完全に防がれる。ナルト、サスケ、サクラは卍の陣を敷き360度、どこから敵が襲ってきてもタヅナを守れるように備える。

 

写輪眼はチャクラを色で見分ける。しかしこの霧隠れの霧自体がチャクラで生み出されているので写輪眼で見抜く事もできない。カカシも全神経を使って索敵をする。

 

「急所は八箇所。どこがいい?」

 

再不斬の声がどこかしらからする。しかし感知ができない。

 

(...怖い! こんなところにもういたくない!)

 

「安心しろサクラ。俺の仲間は誰にも殺させない」

 

震えるサクラに対してカカシはそう言う。

 

「それはどうかな?」

 

しかしその問いに答えるかのように再不斬の声が、卍の陣の中心に現れる。

 

「サスケ!」

 

「おう!」

 

そして反射的にナルトとサスケは再不斬に向かって蹴りを放つ。それを喰らって再不斬の身体は水へと変わる。

 

(あれは水分身! しかしナルトとサスケ、なぜ反応できる?)

 

再不斬の忍術、そしてナルトとサスケが予想以上に動けた事でカカシはほんの一瞬、油断をしてしまう。その隙を見逃す再不斬ではない。

 

「油断したなカカシ。水牢の術!

 

「ッ! しまった!」

 

カカシは水牢の術に囚われてしまった。

 

 

 

 

 「サスケ! カカシ先生を助けるぞ!」

 

「ああ! 風魔手裏剣、影風車!

 

 

 

 

 「やはり何か企んでたな」

 

ナルトとサスケは正面きって再不斬を倒す事は無理。カカシを水牢から救い出すためにナルトが手裏剣に変化してカカシを助ける作戦を立てていたのだが...

 

「油断していたら危なかったな」

 

手裏剣をかわす事なく止められ、そして変化も解かれてナルトは再不斬に捕まってしまう。

 

「ナルト!」

 

作戦が失敗に終わった事を悟り、ナルトを助けるためにサスケも再不斬へと突っ走る。

 

火遁・豪火球の術!

 

下忍のそれが放つよりも遥かに大きい火の球が(元々下忍レベルが習得できる術ではないが)再不斬を襲うが、刀の一振りで両断されてしまう。

 

「先ほどからの応酬でお前達はただの餓鬼ではないと分かったからな。油断はしない」

 

「タヅナさんを連れて逃げろ! ナルト! サスケ! サクラ!」

 

(あいつらは確かに強い。下忍レベルは超えてるしもしかしたら中忍レベルに到達してるかもしれない。しかしそれじゃあ再不斬は倒せない)

 

「グッ!」

 

カカシの叫びも虚しくサスケも再不斬の水分身によって囚われてしまう。

 

カカシは水牢を破る事ができない。ナルトとサスケはこの拘束から逃れる事ができない。サクラではこの盤面を覆す事ができない。

 

各々が苦虫を噛みながらも現実を理解し、再不斬は勝利を確信する。だが再不斬は失念していた。

 

「避雷針の術!」

 

義弟たち(ナルトとサスケ)を傷つけられて怒り狂うブラコン(ムラクモ)が任務について来ていたという事を。




こんにちは、ハンバンパンです。ムラクモがナルトとサスケを原作以上に強化してしまった事で再不斬にやられてしまったという事ですね。

ナルトの世界で最も怒らせてはいけないのはブラコンです。次回もよろしくお願いします!


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