廻る輪廻のその先へ   作:マイケルみつお

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久しぶりの更新でノリを忘れていたので1話から読み直してみたんですが...構成とか色々酷くて泣いてしまいました。

度々出てくる『イワシ』について。あれだけじゃ読者様は理解できなかったかと思います。番外というより伏線みたいなものです。現在のムラクモの話と直接的な関わりはないですがそういうものだと脳内補完して頂ければと思います(ならせめて本文終わった後に書かなきゃダメだよなぁ...反省)

原作と完全一致の部分は簡略化してる部分もありますがご了承下さい

活動報告にヒロインアンケートを載せています。回答よろしくお願いします!


17話 お引っ越し

 カカシが当初考えていた修行をあっという間に三人がこなしてしまった事で三人は修行ではなく橋の建設にあたっての護衛を務めていた。

 

「何...この街...」

 

波の国は貧しい国である。資源もまともに取れなければ流通もガトーに抑えられている。街には希望を無くした虚な瞳で不安定な今日を生きる人間が家も持たず道端に多く座り込んでいる。三人がその通りを歩けば、身なりがちゃんとしている事から子どもが次々と物乞いに来る。サクラは一度鞄をスられそうにもなった。

 

「だからこそ、この橋がいるんじゃ。昔はこんな国じゃなかった。昔はもっと良かった!だからこの橋でガトーにも立ち向かえるんだって、みんなに希望を持たせんといかんのじゃ!」

 

「「「......」」」

 

平和な豊かな木の葉で生きてきた三人にとっては考えた事もないような事だった。と、同時に...

 

「(この前はビビって何もできなかった! 今度はビビんねぇってばよ!)」

 

修行によってチャクラの扱いがうまくなる事はなかったが、精神的な成長を三人は遂げた。

 

 

 

 

 そしてカカシが復活したその日、ナルトは...寝坊した。

 

「ま、昨日イナリ君と徹夜で何か話し込んでいたみたいだからね〜」

 

「カカシ先生! ナルト、起こさなくていいんですか?」

 

もう出発の時間というのに眠りこけているナルトを傍目にサクラはカカシに尋ねる。サスケは興味ないといった具合に外を眺めている。

 

「ま、本当だったら起こさないといけないし忍としてどうなの? って思うけど...まあいいんじゃない? 元々誰か一人は置いていくつもりだったし」

 

「(タズナさんを始末するのが目的だろうが俺たちの介入でそれが難しいと考えたガトーがツナミさん達を人質に取るかもしれない。まあ昨日までは俺がいてその兆候は全くなかったから考えすぎだろうけど)」

 

常に最悪を想定して動くのが忍であるが考えすぎも判断を誤る要因となる。カカシは考えを切り替えサスケとサクラを引き連れ橋へと向かった。この判断は正しかった。ガトーに雇われた侍がツナミを拐おうとしたがそれをナルトが阻止したのだから。

 

 

 

 

 そして今まで兆候もなかったタズナ家への襲撃を決行したという事はガトー側に動きがあったという事である。

 

「この霧...!」

 

橋上で桃地再不斬との再戦である。

 

──────

 カカシ、サスケ、サクラ、そしてタズナ家に影分身を残して合流したナルト達が再不斬、面をした少年と戦っている事を知らないムラクモは他国、水の国にいた。

 

 

「取り敢えず受け入れてもらってありがとうございますメイさん」

 

「礼を言う必要はありませんよムラクモ。むしろこちらが礼を言わなければなりませんから」

 

何者かに操られていた先代ヤグラに変わってメイさんが新たに五代目水影に就任した。俺は商談やら色々の交渉が終了してホッと息を吐く。メイさんとは友好な関係を築いているがそれとこれとは話が違う。公私混同はお互いにしない。他里の長よりは幾分かはマジだがそれでもやはり疲れた。

 

「ムラクモのおかげでこの国も潤いを見せています」

 

血霧の里と呼ばれていた時代、霧隠れの里は他国、他里と交流をしてこなかった。必然的に全ての経済を自国だけで回さざるを得なくなり国は疲弊していった。水の国、霧隠れの里は農耕に適した土地ではなく作物がとれないからである。

 

が、だからと言って水の国に何の産業もない訳ではない。船や橋を作る技術はどこの国より進んでいるし他の地域では見られないほどの豊富な海産資源もある。が、船や橋では腹は膨れない。農業国である火の国に対して建設技術者の派遣と引き換えに穀物を送ってもらう事でこの問題は大きく解決した。

 

各国が同じような環境であれば貿易によって勝者と敗者が生まれたかもしれない。しかしこの世界ではそれぞれの国がそれぞれ異なった環境を持っている。火の国ほど木材がある国はないし水の国ほど海に囲まれた国はない。土の国ほど鉱山資源に富んだ国は他にないし風の国ほど砂漠が広がっている国もない。そして雷の国ほど科学技術が発展した国もない。それぞれの国で長所と短所がこれほど重なっていないのなら補い合えばいい。過去の確執で国同士の貿易が難しいのなら全く関係ない俺がすればいい。

 

戦争は政治や信条、宗教によっても起こるがやはり最も大きいのは貧困だ。それが解決されるのなら世界は平和にまた一歩近づく。

 

「ムラクモ。この後は予定も入っていません。もしよければこの後お茶でも──」

 

メイさんがその言葉を最後まで紡ぐ事はなかった。...俺が凄い形相をしていたからであろう。別にその誘いが不快だった訳ではない。

 

俺とナルトの間には避雷針の術の応用でチャクラのパスが繋がっている。何か危険があれば俺が気づく事ができるように。が、先ほど感じたのはナルトのチャクラではなくもっとドス黒い...まるで強い思念をそのままぶつけられたような...。

 

ナルトに何かあったに違いない! 

 

「すみません急用ができましたのでここで失礼します」

 

「あっ、ちょっと──」

 

メイさんには悪いがナルトが心配だ。俺は避雷針の術を発動し、霧隠れの里から立ち去った。

 

 

──照美メイの婚期はまた遅れる事になる──

 

──────

 うちはサスケは困惑していた。自分やナルトは同年代の中では抜きん出た実力を持っていると自負していた。ムラクモやカカシも実際、中忍レベルの実力が既にあると評している。が、自分とナルトの二人がかりでも目の前の...自分達と同年代ほどの面をした少年に手も足も出ない。

 

千殺水翔!」 

 

「グワッ!」

 

血継限界である氷遁によって周囲を囲まれ、自分達はそこから出られないほどの相手のスピードに翻弄され、そして攻撃を受け続ける。ナルトは既に地に伏しており、今も戦い続けられているのはサスケだけだ。そして戦いが進むにつれてサスケの劣等感と焦りは大きくなっていく。

 

「(オレはこんなところで負ける訳にはいかない! こんなところで躓くようじゃあの男になんか届かねェ!)」

 

強い意識と共にサスケは覚醒する。刹那、サスケの視界は一変する。サスケは...うちは一族の血継限界たる写輪眼を開眼していた。が、だとしても上忍レベルの白には届かない。白はサスケのその成長に困惑していた。彼は無意識の内に彼ら二人を殺めずに倒す事を望んでいた。現に地に伏しているナルトも命を奪われてはいない。

 

真剣勝負の中で相手の命を奪わず手加減をして意識を奪うためにはかなり大きな実力差が必要となる。サスケは既に中忍レベルの実力がある。その実力がここにきて更に跳ね上がった。サスケはこの戦いの中で凄まじい成長を遂げていた。

 

「(もしこのまま彼が成長を続けたら?)」

 

いよいよサスケを殺すしか道がなくなってしまう。白は急いでサスケを打ち倒すべく...自分の中のギアを上げた。そして...サスケもナルトと同様地に伏した。

 

 

 

 

 うずまきナルトは九尾をその身に封印された人柱力である。彼の封印は四代目火影が命を懸ける事で発動する四象封印、それを二重にかけた八卦封印である。他の封印よりも強力なのに加えて漏れ出したチャクラをナルトに還元させる事ができる術式である。そしてそのチャクラは強い怒りなど感情が揺れ動く時に多く漏れ出す。

 

そして目を覚ますとサスケが横たわる姿が。意識もなく身体も冷たい。今、初めて九尾のチャクラがナルトに漏れ出す。

 

──────

 異変に気づいてナルト、サスケの元に避雷針で飛ぼうとするがあまりの力に弾かれる。軌道がややズレ、ナルト達とは少し離れてサクラとタズナの近くに着地する。

 

「店長さん! これは...」

 

「俺もナルトの異常を察知して跳んできた。ナルトは?」

 

再不斬と睨み合ってるカカシに尋ねる。

 

「あの氷の中だ。サスケもいる。ナルトを任せてもいいか?」

 

「勿論」

 

ナルトの場所を聞いた俺は氷の中に足を踏み入れる。中にいたのは...仮面をつけたあの時の少年と傷だらけのサスケ、そして深紅のチャクラを撒き散らしているナルト。サスケも心配だが...今はナルトだ。俺は溢れ出すチャクラと自分のチャクラを合わせるようにし、そして深紅のチャクラを抑え込んでいく。

 

──────

 そのあまりのチャクラの濃度に一瞬意識が飛ぶ。そして意識を取り戻した瞬間、辺りの景色が一変した。

 

「...ここは?」

 

足首まで水に浸かる空間。初めて見る光景だ。

 

「ナルト!」

 

そして側には横たえ、意識がないナルト。

 

「まさか外の人間がここまで来るとはな」

 

その声に振り返ると...巨大な檻に巨大な狐が。状況から判断してここはナルトの中で...つまりこいつは九尾。目の前のこいつのせいでナルトが里の人間から虐げられてきた。それを思うと目の前の存在に対して憎しみを覚えたが...

 

「儂が怖くはないのか?」

 

「...最初はナルトを苦しめた元凶だから何か言ってやろうとも思ったが...」

 

目の先に見えるのは檻こそ大きなものだがその中にいるものの体躯の大きさを考えると狭い檻の中に閉じ込められた姿で...

 

「可哀想だと思ってな。怒りも吹き飛んでしまった」

 

「儂を可哀想だと! 貴様! 捻り潰してくれ...待て、このチャクラ...。この封印のせいで今まで外のチャクラを明確に感じる事はできなかったが貴様...六道の──」

 

「お前が外に出してるチャクラを鎮めて欲しいんだが」

 

「安心しろ。()()が抑え込んだだけで今回漏れ出したのは全てだ。小僧も直に目が覚める」

 

それを聞いてひとまず一安心。心配事が消えたからか力が抜けその場に座り込む。

 

「お前...本当に儂が怖くないようだな」

 

「さっきも言ったろ?」

 

狭い檻に閉じ込められて...そんな姿を見たら怒りも吹き飛んだ。できればそこから出してやりたいくらいだけど...まああんな大きな身体の...というより尾獣が野に放たれたら大パニックが起こるな...。あ、そうだ! 

 

「なあ、俺のところに来ないか?」

 

「お前ナルトを殺したいのか?」

 

「え? あ、そっか」

 

尾獣を抜かれた人柱力は必ず死ぬ。当然ナルトを殺したい訳がないため否である。

 

「尾獣のチャクラを抜かれた者は死ぬ」

 

九尾のその言葉を聞いてふと閃く。

 

「それならさ、俺の避雷針の要領でナルトに尾獣のチャクラを送るのはどうだ?」

 

尾獣とはいわばチャクラの塊。それなら尾獣が抜かれたとしてもチャクラが残っていたりチャクラを送り続ければ問題ないという事になる。

 

「それなら問題ないだろうが...」

 

「尾獣を抜かれて死ななかった人とかは今までいないの? 六道仙人の話が真実なら」

 

一般に知れ渡っている六道仙人の物語に加えて、各地域に伝わっている逸話というものも存在する。その中には六道仙人が自らに封印した大いなる力を世界に散らしたという話もある。水の国の国境辺りで暮らしていたかぐや一族に伝わっている逸話だ。神話とは事実に準えてつくられる。この大いなる力が仮に尾獣なのであれば...。

 

「確かに一人だけいたが...しかし六道のジジイの場合は外道魔像という器があったからだ。儂の場合とは状況が異なる」

 

「じゃあ九尾が脱皮してその抜け殻をナルトの中に置いておけば問題ないかな?」

 

「儂を爬虫類みたいに言うな! と言うよりまず前提が間違っとる」

 

「前提?」

 

そういえば途中から何だか全く敵意をぶつけてこなくなった九尾が頷く。...何だか今の仕草ちょっと可愛かった。

 

「尾獣を抜かれた人柱力が死ぬというのは、強大すぎる儂らのチャクラが抜かれればそれに引っ張られるようにして人柱力のチャクラも抜かれるために起こる。故にそもそも時間をかけ、乱暴にしなければそもそも人柱力は死なぬ。ま、儂らの力を利用しようとする連中はそんな配慮などする訳がないから一気に引き抜き...それによって人柱力が尾獣を抜かれれば必ず死ぬという事が常識になっている」

 

尾獣を利用しようとする人達...まあ想像つくな。人柱力の命など考えもしないだろう。

 

「とにかく。俺の独断じゃ流石に決められないよ。ナルトに聞かないと」

 

そう、外野でどれだけ騒いでも当事者の意見を聞かないといけない。九尾と話をしていると気絶していたナルトが目を覚ました。

 

「っと...ムラクモの兄ちゃん...。あいつは...ってええっ! なんだよ! そのでっかいやつ!」

 

ナルトは九尾の姿を見て腰を抜かしてしまった。

 

「彼が九尾だ。お前の中に封印されていた」

 

「こ、こいつが...こいつのせいで俺は...!」

 

「今、九尾と話してたんだ。ナルト、九尾をお前から出すかどうかって。お前、嫌か?」

 

「嫌じゃねぇってばよ」

 

その言葉を聞き、俺は九尾の方に振り返る。

 

「では一つ、やる事がある。ナルトの封印を解かなければならぬ。が、その鍵は妙木山の蛙が持っており手には入らない。が、鍵は所詮鍵だ。合鍵を作ってしまえばこの檻は開く。儂は檻の中から封印式を見ておった。そしてお前ならその情報に基づき鍵を作れるはずだ」

 

その後、九尾から教わった情報に基づき鍵を生成し、封印を開いた。

 

「それから、お前の中に封印されるための術式を教える」

 

「あのさ、何か封印って言い方止めないか?」

 

九尾を縛るつもりもなければ抑えつけるつもりもない。というか暫く話せば分かる事だが何もされない限り九尾から人間を襲うという事もないように思える。封印ではなく...そう、マンションに住人が引っ越すみたいな...

 

「じゃあ九尾。俺の中に入居する方法を教えてくれ」

 

「九尾ではない。九喇嘛だ」

 

こうして九喇嘛はナルトから俺の中にお引っ越しをし、そして九喇嘛がいなくなったナルトから頬の痣は消え、すっかりイケメンとなった。




Q,は?ナルトから九尾が消えた?
A,この作品ではナルトさんは九尾の人柱力ではなくアシュラの転生者としての力を発揮して貰えればと思います。尚、作中でもあったように九尾のチャクラ自体は送られてくるので九尾チャクラモードまでは今作でもなれます。
ナルトの頬にあるのは髭ではなく痣。そして九喇嘛が封印される前からあれがあった事からナルトのあれは九尾関係ないと色々な説がありますが...今作ではあれは痣であり九尾が抜かれたら消えるといった解釈をしています。
ナルト、そしてイタチの痣、シワが消えたコラ画像がネットにありますがイケメンでビビったのでやりたかった展開。

ナルトはペイン戦の前後で精神が大きく成長しましたね。ペイン戦の後で初めて九尾も自分と同じかも?って思い始めたと考えています。ペイン戦より前はできる事なら九尾出て行ってくれと思ってるという解釈です。

白は上忍レベルの実力を持っていると思っています。しかし原作では千本を武器にするなど無意識の内に手加減をした結果、サスケの成長に驚いたりしてしまったという解釈です。

あとムラクモ強いというコメントを頂きましたがこれは誤りです。これまでのムラクモの戦闘といえばVSダンゾウ、半蔵とVSざぶざだと思いますが前者は避雷針による奇襲のようなものであり、また両者がムラクモの観察に徹していた事が要因です。後者はザブザをあの場から動かす事が勝利条件であり水分身相手ですから。どちらもまともに戦えばいくら強い術を使えるとはいえムラクモに勝ち目は現時点ではありません。


今のムラクモは避雷針の術を使用する事はできますがそれを四代目のように戦闘の中で使用する事はできません。精々撤退用、移動用くらいにしか使えてません。

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