リアにとって共同統治者の俺はどんな存在なんだろうか?
俺がリアの王配か?
本当かよ??
知り合った時のリアは少女で、俺とリアが如何にかなるなんて考えもしなかった。
トイレの介助をしたくなくれ必死に義足を作ったっけ。
美少女はトイレの行かないなんて、さすがに思ってなかったしな。
「なあ、リア、リアは共同統治者として何を目指すんだ?」
「前に言った気がするけどまずはスターヴェーク王国の再興ね。
私がスターヴェーク王国の女王になると信じてみんな付いてきてくれてるんですもの」
そうだよな。二万人以上の人間がここに集結するんだ。
リアに人徳が無ければ無理な話だ。
「それで、アランは共同統治者としてなにを目指すのかしら?」
「それも言ったと思うけど、まずはこの大陸の統一だ。
そしてこの大陸の人民に身分に関係なく教育を施すんだ」
「そう、やっぱりそれって本気なんだ?」
「本気だと可笑しいかい?」
「う〜ん、可笑しくは無いけど不思議よね?」
「そうかな?」
「そうよ。だってアランはこの大陸の出では無いんでしょう。
縁もゆかりも無いこの大陸のためになんで大陸統一とか思うのかしら?」
「皇帝として君臨するためだよ」
「嘘、嘘ね。アランはそんなことは少しも考えてないでしょう。
本当に善意だけじゃない」
善意、善意か。リアの無邪気な賞賛に心が傷む。
俺は決して善人なんかじゃ無い。
いつ攻めてくるか分からないバグスのために大陸の統一を目指しているんだ。
教育だってそうだ。
善意じゃ無い。
身分なんかに拘って優秀な人材を野に埋もれさせたく無いだけだ。
自分が故郷に帰りたくて足掻いているだけだ。
リフレクターを作るのに500年かかるとイーリスには言われたが俺はまだこの星に骨を埋める覚悟は出来ていない。
もしかしたら、もしかしたらと考えてしまう。
だから、色々と策を練るんだ。
「ねえ、アラン、顔が怖いわよ」
色々と思い悩んでいたことが顔に出てしまったな。
グジグジと思い悩んでも良いことは無いな。
いくら頑張っても自分の力では如何にもならないことだらけだ。
いや、ひとつ有るか。
自分から切り出せば悩みが解決することが。
でも、余計に悩みが深くなるん気もするな。
それでも俺は前に進むためにリアと話さないといけない。
「ねえ、アラン。
どうしてアランはグローリアと話が出来るのかしら?」
グローリアの件もリアには理解しがたい案件のひとつだよな。
「リア、リアと出会ってから俺がこの国の言葉を覚える早さを不思議に思わなかったかい」
さあ、踏み出そう。
「ええ、それはそうね。
でも、アランといると不思議なことが多すぎてそんなものかと思うようにしてたの。
でもね!」
リアの瞳が俺を見つめる。
澄んだ大きな瞳は俺を虜にする。
「ねえ、アラン。
私、知りたいの。
なんで私の腕と脚が生えたのかをね。
貴方に助けられて最初に思ったのは私の片足と片腕は一生帰ってこないってことよ。
でもね。アランに命は救われたわ。
だから、自分がこの先一生涯背負うハンデを受け入れられたの。
だって、私以外は全員死んでしまったのだから」
リアの瞳が憂いをまして一雫の涙が頬へと伝わる。
「なのに、なんで私の手足は再生したの。
わかってるわ。
アランに助けられたからよ。
ねえ、アラン。
アランには私の手足を再生する必要性など無かったでしょう。
なんで、私にあんな奇跡を与えてくれたの?」
「手足が再生したのはオマケだよ」
涙で潤んでいたリアの瞳が驚きのせいだろう。まんまるになる。
口もぽかんと開けている。
「ねえ、アラン可笑しいわよ。
手足が再生するのがオマケなんて?」
そして訝しげに俺を見る。
「あれがオマケならアランが本当にしてくれた事ってなんなのかしら?」
そう言ってリアはじっと俺を見つめている。
これは話すまで許してくれない奴だな。
「本当にしたことか。
そうだな、リアの命を救ったってことだろう」
「そうね、あの時にアランが介入してくれなかったら私も喉笛をかき切られて死んでいたでしょうね」
確かにね。俺の介入が後10秒遅かったらリアは死んでいたろうな。
「それもあるが、リアが負った怪我は碌な医療設備もない状況では致命傷に近かったんだ。
リアは血を流しすぎていたんだ」
「なら、なんで私は助かったのかしら。
あ〜、そうね。アランが私に精霊の力を与えてくれたからね」
「手足が再生したのもその力だよ」
「そうなのね。それでもね。私は分かるのよ。
私が今生きているのはアランのおかげ。
アランが持っている凄い力のおかげよね!」
「まあね。正確には俺の仲間の力が凄いんだけどね」
「もう、アラン、謙遜も過ぎると嫌味よ。
でも、貴方の仲間が凄いのは確かね。
これだけの街を魔の大樹海の中に築けるなんて。
貴方の仲間以外では誰もできないわね」
「確かにね」
「それでアラン。何時になったら私のことをアランの仲間の皆さんに紹介して頂けるのかしら?」
「リアは仲間のことも知りたいんだね」
「もちろんよ」
「そうか。実はねリアの体の中にいる精霊はいろんなことができるんだ。
でもリアには資格が無いからできることは限られているんだ」
「手足を生やす奇跡が限られたことなの?」
「そうだよ。精霊が全力をだせば、リアも僕と同じサポートを受けられるけど、今はとても限られたサポートしか受けられていないんだ」
「そうなのね。
ねえ、セリーナとシャロンの体の中にも精霊はいるのかしら?」
「ああ、いるね」
「そうなんだ。それでセリーナとシャロンの精霊も限られたことしかできないのかしら?」
なんだろう。リアの言い方に少し棘がある気がする。
「いや、二人の精霊には制約は付いてないな」
「そうなのね。ねえ、アランとセリーナやシャロンの関係ってなんなのかしら?
もしかして二人ともアランと. . . . . 」
いや、リアは何を言い出すんだ。
なにか勘違いして無いか??
「リア、セリーナとシャロンは俺の部下だ。
おれの国の軍人だ。
この国の騎士に相当する。
そして、あの精霊は俺の国の軍人用のものなんだ。
本当なら俺の国の軍人では無いリアには与えてはいけないものなんだ」
「そう、そういうことなんだ。
じゃあ、なんでアランは私に精霊を与えてくれたのかしら?
やっぱり、最初から私を狙ってたのかしら??」
いや、リア暴走してるぞ。
「リアに精霊を与えてのは特例処置だ。
だから精霊のできることが限れれてるんだ」
「じゃあ、私は一生本当の意味でアランの仲間にはなれないのかしら?
ねえ、アランは私と結婚して国を築くんでしょう」
あ〜、やっぱりリアはそう思っていたのか
「ねえ、アラン。今の顔はなんなのかしら。
アランが私に申し込んでくれたのよね」
「もちろんだよ」
あくまで共同統治者としてだけどね。
リアとの結婚なんて微塵も考えてなかった。
でも、今はそれは言うべきじゃ無い。
俺だって女心は分かるのだ。
「それでも、私はアランの真の仲間にはなれないのね」
うわっ、泣くなよ。涙は反則だろう。
「大丈夫、大丈夫だから。俺は自分の国の軍人にリアを採用する権限を持っているから。
リアも俺の国も軍人になれば精霊の力を十分に使えるようになるから」
「本当、本当よね。やった、嬉しい、私もセリーナやシャロンと同じになれるのね」
いや、いきなり将官には成れないよ。
まあ、そういう意味では無いだろうけど。
なんでリアはセリーナとシャロンにこんなに対抗意識を燃やすんだろう??
でもこれで懸案が一歩前に進むか。
あれって、そういえば俺、リアに結婚って言われて受け入れちゃったよ。
まずい、これはまずいよ。
どうしよう???