アランとクレリアの帝国創世記   作:m.t54

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アランとクレリアの気持ち 2

「ねえ、アラン、凄い、凄いわ」

 

グローリアの上でリアは大騒ぎだ。

 

確かに見応えのある景色だからな。

 

どこまでも広がる鬱蒼とした大樹海。

その中にまるで島のように俺たちの領地が浮かんでいる。

 

「ねえ、アラン。グローリアはもっと高いところまで上がれないのかしら」

 

「ああ、上がれると思うぞ」

 

(グローリア、もう少し高いところまで上がってくれるかい。)

 

(わかりました。簡単ですよ)

 

そして、俺たちを飛翔感が襲う。

 

「きゃああああ〜」

 

まるで逆フリーホールだな。

高加速によるGの変化なんて未経験なリアは叫びっぱなしだ。

 

(族長、リアはさっきから唸っていますが側に敵いるんですか?)

 

(敵は居ないな。グローリアと空を飛べて嬉しいんじゃ無いか?)

 

(喜んでくれているんですね、ではもう少しサービスをします)

 

怖がっているって言うとグローリアが気を悪くするかと思って誤魔化したんだが……まあ良いか。

 

グローリアが曲芸飛行にうつったのでリアの悲鳴はますます大きくなる。

0G状態で自分が浮いているように感じた時は本当にビビってたな。

 

今は曲芸飛行は終了してグローリアは水平飛行をしてくれている。

 

「アラン、グローリアにもう少しおとなしく飛んでとかお願いできなかったのかしら?」

 

「なんで? 楽しかっただろう」

 

「楽しかったかしら? そうね、少しだけは楽しかったかも」

 

「それは楽しかったてことだろう」

 

「えっ〜、だって」

 

 

「それよりほら、地平線を見てごらん」

 

遠くに見える地平線を見るようにリアを促す。

 

「地平線。あ〜、地の果てね。この高さだから本当の地の果てが見えるのかしら?」

 

「地の果てか。地平線は別に地の果てじゃ無いぞ」

 

「そうよね。アランの祖国の大陸とかまでは見えないものね」

 

「それもそうだけど、地平線はどう見えるかい」

 

「どうって?

そう言えば変よね。なんだが曲がって見えるわ」

 

「そうだね。弧を描いているだろう」

 

「ええ、だけど、地面があんな風に曲がっていたら立って入られないでしょう。

だから、曲がっているのは目の錯覚よね」

 

「リアはそう思うんだね」

 

「あら、アランは違うのかしら」

 

「そうだね。違う考えだよ」

 

「あら、どんな考えなの?」

 

「う〜ん。今答えを言ってもね。宿題かな」

 

リアが不満そうな顔をしているな。

 

この先はリアの知識をイーリスにアップデートさせてから話したほうが早いからな。

 

「そう、まあ良いわよ。アランの秘密主義は今に始まったものでも無いしね。

それより、ねえ、領都は一つだと思っていたのだけど、同じように城壁に囲まれた場所が他に二つもあるのね」

 

そう、工業地区とこうセキュリティーの秘密地区を別に作ってあるのだ。

 

「音とか臭いとかの関係で人が住む場所と話したほうが良いものもあるからね」

 

「そうなのね。領都にも一杯空き地があるのに他に2つもなんて。

アランの協力者は本当に凄いのね」

 

「そうだよ。俺は大したこと無いけど俺の周りには凄い奴らが集まってくれるんだ。

なあ、グローリア」

 

「ガウ、ガウ」

 

「本当にグローリアはアランの言葉がわかるのね」

 

「そうだよ。さあ、グローリアもうひとっ飛びしてくれ」

 

そしてリアの絶叫がまた響き渡るのだった

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

[艦長、それではクレリアを人類銀河帝国軍に入隊させるのですね]

 

(そうだ、もっとも軍人としてリアに何かを期待しているわけでは無いがな。

この先のことを考えるとリアには我々と同じ認識を持ってもらう必要があるからな)

 

[そうですね。艦長の子供がいづれは後を継ぐのですから子供の母親には我々と同じ認識が必要ですね]

 

 

(イーリス、俺はそんなつもりでリアに接してはいないぞ)

 

[艦長、クレリアとの関係を客観視する必要があります。

艦長とクレリアの結婚は艦長が決断すれば決まる話です。

そしてクレリアと結婚をしないという決断を艦長にできるとは思えません]

 

(わかった、わかったから。

そんなことよりも第一段階としてリアに与える情報の精査を頼むよ)

 

[了解しました]

 

 

くそ、なんだってここに来てリアとの結婚の話をみんなしたがるんだ。

まあ、わかってるけどね。

状況が俺に決断を迫っているわけだ。

 

はあ〜。リアと情報共有をすると言うことはそう言うことだ。

一度仲間に引き込んだらもう無かったことには出来ないしな。

 

俺は秘密を共有するために人類銀河帝国軍に入ってもらうと言った時のリアのうれしそうな顔を思い出す。

 

そうだな。共同統治者と言った時点で決まっていたんだな。

俺とリアは運命共同体なんだ。

 

 

 

そして夕食後。

俺の執務室にリアとセリーナ、シャロンが集まっている。

クレリアは人類銀河帝国軍の制服を身につけている。

シャロンが予備の制服をクレリアようにお直ししたようだ。

 

「それではこれからクレリアの入隊式を執り行う」

 

「クレリア宣誓をしたまえ」

 

クレリアが緊張した顔で宣誓を始める。

 

「私は人類銀河帝国旗の理念に基づき、万民のための正義を備えた銀河人類帝国に忠誠を誓い、その力としての人類銀河帝国軍に忠誠を誓います」

 

宣誓を終えたクレリアは事前に教えた人類銀河帝国軍式の敬礼を鮮やかに決める。

 

(イーリス、私の権限を持ってクレリアを准尉に任命する。

記録したまえ)

 

[記録致しました]

 

(宜しい。詳細な手続きはイーリスに委任するのでよろしく頼むよ)

 

[了解です]

 

(ねえ、シャロン。あのクレリアがよく人類銀河帝国軍に入ったわよね)

 

(セリーナが王国の王女よりアランの方がはるかに身分が上って言ったのが伝わったんでしょう)

 

(シャロン、こんな時につまらないことを言わないの)

 

(そうよね)

 

私たちの目のまえで頬を上気させアランを見つめるクレリアがいる。

クレリアは王女としての矜持を殺してもアランと並び立ちたかったのね。

 

私はクレリアの覚悟を決めた目と、それに戸惑うアランを見つめるのだった。

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