[夜明けです。起きてください]
昨日はサイラスさんと話した後で、カトルから全員が問題なく宿に入ったと聞いたんだっけ。
その後、シャイニングスターのみんなと打ち上げ飲み会をしたんだったな。
久しぶりのホームだし一仕事やり遂げた悦びで飲みすぎたみたいだ。
ナノムに頼んでアルコールを分解してもらう。
(ナノム、血液中のアルコールを分解してくれ)
[了解です........終わりました]
よし、すっきりしたぞ。
今日は魔の大森林の領都に行けるので少しワクワクしているな。
データでは何度も見てるんだが、やはり見て触れると思うと違うからな。
イーリスとの回線を開いて最終確認だ。
(イーリス、今日は魔の大森林の領都に行くが問題は無いな?)
[はい、準備万端です。
昨夜のうちに領都までの道を街道に接続させておきました]
イーリスが仮想ウインドーに地図を表示してくれる。
へ〜、あそこに接続させたのか。
[領都までの道に沿って魔物の間引きは完了してますが0ではありません。
ドローンで上空から援護します]
(ずっと、ドローンを道に貼り付ける訳にもいかないだろう)
[間引きを続ければ危険な場所だとして魔物もあまり近寄らなくなります。
多少は出ますが、いずれは普通の街道と同じ頻度になります]
まあ、そうだな。
(ありがとう。領都を見るのが楽しみだよ)
俺はイーリスに礼を言って通信を終了する。
朝食の時間になったので食堂に向かう。
お茶を飲みながら待っているとクレリアが降りてくる。
「あら、アラン早いのね」
「そう言うクレリアもな。
いつもはもっと遅くまで寝ているだろう」
「アランの仲間が作った領地を見るのが楽しみで目が覚めちゃったのよ」
あれ、クレリアは付いて来る気なのかな?
「今日は物資の搬入しかしないぞ」
「あら、アランと私は共同統治者なのよ。
一番最初に領地を見る権利はあるでしょう?」
「ああ、もちろんだよ」
そうか、共同統治のルールも決めないといけないな。
「よかったわ。カリナが観てるのに私が知らないとか嫌だもの」
カリナと張り合う必要なんかないのにな?
[アランは女心をもう少し勉強する必要がありますね]
ナノムが変なことを言うな。
まあ、良いか。
それより朝食だ。
ホームで久しぶりに朝食を食べると家でご飯を食べているような落ちついた気分になるな。
「ねえ、アラン。ここはやっぱり私達のホームよね。
ここで久しぶりにこうやって朝食を食べると本当にそう思うわ」
クレリアも同じように感じていたんだ。
なぜか嬉しい気持ちになる。
でもね....
「クレリアもか」
「あら、その言い方だとアランもね」
「ああ、同じで違うかな」
「なにその言い回し?」
「ここがホームなんだと感じる一方でこれからは領地が俺のホームになるんだって思ったんだよ」
「そう、そうね。私たちの新しい領地がこれからのホームよね」
「私たちか。クレリアとはこれから共同統治をする関係になるんだな。
クレリアを蔑ろにしないようによく相談して統治を進めないといけないよな」
そんなことを考えていたらエラがとことこと寄ってくる。
「アニキ、カリナさんが来たよ」
カリナさんも早いな。
「アランいきましょう」
クレリアもやる気満々だ。
ホームの外ではカリナさんが待っている。
「アラン様、朝早くから申し訳ありません。
荷物を確認いただく時間も必要ですので少し早いとは思いましたがおじゃましました」
「いえ、全然問題ありませんよ。
それで荷物はどちらですか?」
「荷馬車に乗せて城門の前で待機させています」
「それでは城門までいきましょうか」
俺、クレリア、カリナさんの3人で城門へと向かうことにする。
城門の前には多くの馬車が並んでいた。
「この馬車全部ですか?」
「はい、カトル様からのご指示通りの量になります。
カトル様はアラン様からのご指示だと伺いましたが?」
そうか?
あの時の話だとこれだけの量になるんだな。
直ぐに2万人が住む街になるんだ。
そう考えればこれでも必要な食料の一部だな。
「そうですね。
ただ、直に目にするとすごい量に感じますね」
「それでは検分をお願いします」
カリナさんに付いて回って渡された資料と現物の突き合わせを行う。
一通り見たけど問題は無いだろう。
「はい、結構です。
短時間でこれだけの量を揃えられるのはガンツではサイラスさんのところぐらいですよね」
「ありがとうございます。
アラン様からのご注文は常に最優先で対応させて頂きますのでこれからも宜しくお願い致します」
「アラン、終わったの?」
クレリアが待ちきれないようだ。
「ああ、終わったよ」
「なら、出発ね」
「そうだな。出発しよう。
カリナさん。宜しくお願いします」
「分かりました。出発よ。出発するわよ」
カリナさんの指示でキャラバンが動きだす。
護衛のサテライト3班と4班もそれに帯同するように動きだす。
「アラン、私たちも付いて行くわよ」
この声はセリーナとシャロンか。
しょうがないな。連れて行くか。
「なんだ。キャラバンの警備ならサテライト3班と4班だけで十分だぞ」
「警備のためじゃ無いわよ。アランは意地悪ね」
「そうね。私たちだって見たいのにね」
「わかった。連れてくから。
なあ、エルナはいないみたいだけど良いのか?」
「エルナに声を掛けるのはアランかクレリアの役割でしょう?」
確かにね。
「エルナは今回は遠慮するって言ってたわ」
クレリアが誘ってはいたんだな。
「そうか、なら今度こそ出発だな」
こうして俺たちは魔の大樹海へとし出発するのだった。