アランとクレリアの帝国創世記   作:m.t54

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魔の大樹海 4

夕食はセントラルキッチンに併設している食堂で全員で食べることにした。

まあ、当面は設備や効率の問題で各家で調理をするのではなく幾つかのセントラルキッチンとそこから食事が配送される食堂で3食食べてもらう予定なので他に選択肢は無いんだけどね。

 

食堂は効率を重視して大テーブルで食べる形なのでガンツから一緒にやってきた商人たちが側に座るので色々と話が聞ける。

最初に商人たちが口にしたのは大浴場についてだった。

 

「それにしてもあの浴槽の大きさとそれを満たす大量のお湯。

随分と贅沢に感じましたよ」

 

楽しげに俺に語りかけてくる商人たち。

 

「お気に召したようでようで良かったです。

正直、大勢で一緒に裸になって風呂に入ることに抵抗とかはなかったですか?」

 

「いや、私たち商人にとって旅が日常です。

旅の間は川や湖で体を清めることも多いのです。

他人と一緒に裸で体を清めることには慣れてますから抵抗はなかったですね」

 

「それは良かったです」

 

「それよりも私たちに割り当てて頂いた部屋、全てに大きなガラス窓が付いているのには驚きました。

あのように大きいのにほとんど歪みが無いガラスは見たことがありません。

それと、仕切りを上げればいつでも水が流れ込んでくる仕組みは随分と贅沢に感じました」

 

「水道ですか。取り敢えずの仕組みなので使い勝手が少し悪いと思いますがご不便では無いですか?」

 

「不便だなんて。あんな便利な物はありませんよ」

 

「それより不思議なのですが、幾つも使い道の分からない小部屋があるのですが、あれは何ですか?」

 

「小部屋ですか。将来はトイレや風呂場になる予定なんですよ。

今は全然準備が間に合わないのでただの空き部屋ですけどね」

 

「トイレは建物の外に清潔なものが用意されてますし、お風呂だってあんなに立派な大浴場がありますのに各部屋にトイレとお風呂ですか?」

 

「トイレも風呂も部屋についている方が便利ですよ。

まあ、当面は外のトイレと大浴場を使ってもらいうしかないですが」

 

なんだろう。部屋にトイレや風呂があることがイメージできないんだろうな。

 

「そういうものですか?

正直、部屋にトイレや風呂がある生活は想像できませんね」

 

「でもその想像できないのが良いですな。

何でしょうか。子供のようにワクワクします。

この街に住みたくなりますよ」

 

「そうですか。商店の数も足りてませんからこの街に移住される商人の方は大歓迎ですよ。

本気でお考えなら、家のカトルにお問い合わせください。

今なら店舗は無料で差し上げますよ」

 

「それは素晴らしいですね。是非検討したいと思います」

 

おっ、商人さん1名ゲットかな?

 

「あの、アラン様、この料理はアラン様が考案されたというのは本当でしょうか?」

 

「ハンバーグですか。それでしたらおっしゃる通りですですよ」

 

本当は地球のドイツという国が起源のようなので自分の口からは考案したとは言い難いんだよね。

 

「この唐揚げというものも素晴らしいですな」

 

「それは揚げたてが特に美味しいので熱いうちにお食べください」

 

「噂では、新しい酒も作られているとか?」

 

「新しい酒ですか。今はまだ挑戦中で出来ていないのですよ。

完成すればサイラスさんが大々的に作成して販売もされると思いますので今少しお待ち頂ければと思います」

 

いや、商人は情報が命と言うのは本当だな。

これほど色々と聞かれるとは思わなかったな。

 

「皆様、お話が弾まれている所、申し訳ないのですがアランを少しお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

俺が商人とばかり話しているのでクレリアが遂に焦れたな。

 

「もちろんでございますとも、クレリア様のご要望には常に最優先でお答えいたしますよ」

 

いや、俺を売るなよ。

流石は理に目ざとい商人たちだ。

クレリアに少しでも恩を売れる機会を見逃したりはしないんだね。

 

「ありがとうございます。

それではアランあちらで少し話しましょうか」

 

有無を言わせない圧でクレリアが言ってくるよ。

これは逃げようが無いよね。

 

俺はクレリアに連れられてテーブルを移る。

そこには既にカリアさんが座っている。

 

「アラン、そこに座ってね」

 

クレリアに促されて俺はカリアさんの隣に座る。

その横にクレリアが当然のように座り俺はクレリアとカリナに挟まれる形になる。

 

「ねえ、アランこれだけの物をどうやって作ったのかしら?」

 

「どうやってって、俺には仲間がいるって前にクレリアには話しただろう。

その仲間がここまでの街を作ってくれたんだよ」

 

「それで、そのアランのお仲間はどこにいるのかしら?

私はアランの共同統治者ですからご挨拶しない訳にはいかないと思うのよね」

 

挨拶か?

いや、無理だから。

 

「俺の仲間は、次のミッションにむけてこの街を既に旅立ったんだ。

だから悪いけど今は紹介できないかな?」

 

「そう、それはとても残念ね。

私、アランのお仲間にお会いしたら是非とも聞きたいことがあったのよ」

 

「聞きたいこと?

俺で分かることなら答えるけど」

 

「そう、それならアランに答えて貰おうかしら。

この街で使っている石ってどうやって作ってるのかしら?

城壁にしても建物にしてもあんなに隙間なく石を積むなんて有りえないのよね。

アランはあのように正確に石を切り出して積み上げる技術について知っているのかしら?」

 

「私もです。私も聞きたいです。

あの大きなガラスがどうしてあんなに均一な厚みなのかとか。

全然不純物が入っていなくて信じられないぐらいに透明だとか。

扉だって不思議です。

どの扉も全く同じ大きさで作られていて、隙間だってみんな一緒です。

どうしたら少しの狂いもなく同じ扉が作れるのでしょうか?」

 

いや、よく見てるよ。

それからも二人からは秘密を明かさなければ説明できない質問が続いて俺は答えに困るのだった。

 

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