アランとクレリアの帝国創世記   作:m.t54

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最初の定例会議 2

「イーリス准尉、理論上可能なら私としてはアレスとイーリス・コンラートを往復する往還機を早急に開発したい」

 

「最高司令官、意見具申致したく」

 

意気込む、俺に対してイーリスは冷静だな。

考えを聞かないとな。

 

「許可する」

 

「人類銀河帝国の技術をアレスに移植するということを前提にこれから実施すべきことの概観に付いて具申いたします。

まず、人類銀河帝国の現状の技術ですがこれは帝国臣民ではないアレス人は提供できません。

人類銀河帝国の臣民及び人類銀河帝国の臣民となるアレス人だけに人類銀河帝国の技術は渡されるべきです」

 

「それは、俺やセリーナ少尉、シャロン少尉とその子孫だけが対象ということか?」

 

「いえ、最高司令官が人類銀河帝国の臣民と認めたアレス人も対象となります。

宣誓に加えてナノムを投与する必要がありますので臣民となるアレス人の数は限られますが」

 

「人類銀河帝国の臣民になるための申請は必須だと思うがナノムの投与は不要じゃないか?」

 

「ギャラクシー級は最新鋭の戦艦です。機密保持の観点から最低でも軍属、基本は軍人である必要があります。

ですので臣民としての宣誓に加えて軍人としての宣誓も行ってもらいます。

当然ナノムを投与します」

 

アレス人相手に機密保持が必要とも思えないがルールだからな。

人類銀河帝国の技術をアレス人に使わせるにはナノムと生体パッチによる脳への強制教育が必要だし、人類銀河帝国のテクノロジーの知識を与える以上は対象の監視も必要か。

 

「了解した」

 

「次に人類銀河帝国にとっては価値はありませんがアレス人にとってはオーバーテクノロジーとなる技術の移転についてです」

 

「この都市で使用している物の中にもいくつもあるからな」

 

「そうですね。釘一つとってもアレス人にはオーバーテクノロジーな素材と精度で出来ています」

 

「確かにな。いつまでも汎用ボッドに釘を作らせるわけにもいかないからな」

 

「そうですね。当面は現物を支給せざるえませんが、平行してアレス人に技術移転をする必要があります。

一部の技術がアレス人にとって異常に進歩した物になりますが必要です」

 

「当面はこの領都内で秘匿する技術にするしかないだろう」

 

「次にアレスの現地軍については基本はアレスの技術水準にて編成されると考えています」

 

「そうだな、いきなり銃とか作って支給するつもりはないな」

 

「幾つかの点では現状のアレスの軍隊を凌駕すると考えています。

一つは製鉄技術や他の素材技術の進歩によりより軽く、より強度のある剣やなどの武具や防具が生まれます。

また、コリント流剣術や宙兵隊の総合格闘術、帝国軍の用兵理論などもあります」

 

ちょっと待て。コリント流剣術が広まるのか?

恥ずかしすぎるんだが!

 

「魔法についても最高司令官が改善された育成方法により現状を凌駕する魔法師団が編成できるはずです」

 

「確かにアレスでは他国の軍を遥かに凌駕する軍を編成できるだろうな。

それでも、戦争をすれば兵は消耗する。

当面は兵の消耗をなるべく避ける戦いをしたい」

 

「それでは、当面は内政に専念し、国を起こし他国を征服することはしないとお考えですか?」

 

「いや、魔の大樹林にこれだけの領地ができるんだ。ガンツ泊や宰相が大人しくしているとは思えない。

最低でもベルダ王国は征服する必要がある。

それにクレリアとの約束もあるからスターヴェーク王国も征服するさ」

 

「それでは一定程度の兵の消耗は避けられませんが」

 

「そこでだ。決戦時にはイーリス・コンラートの兵器を使用して一気に敵を殲滅したいんだ」

 

「それは人類銀河帝国の軍事規定に反する可能性が大きいです」

 

「原住民保護の観点だな。

だが、この惑星を占領しなければバグズの侵攻は防げないんだ。

バグズによる原住民の損害を考えれば微々たるものだろう。

それに、投入する兵器は質量兵器に限定するつもりだ。

それならテクノロジーは関係ないからな」

 

「使う武器としては単なる鉄の塊ですが、それを宇宙軌道からピンポイントで命中させるのはテクノロジーあってです」

 

「そうか。だが我々が保有できる人的リソースは惑星の占領という目的に対してあまりに寡少なんだ。

人材を消耗する余裕はないんだ」

 

「分かりました。第一級非常事態宣言下であることを前提にイーリス・コンラートの武装を使用いたします」

 

「そうしてくれたまえ」

 

「イーリス准尉、領都の技術水準としては当面はどの程度を目標とすると考えているのか」

 

「まずは石炭の時代。産業革命程度まで技術水準を向上させます。次に石油の時代を目指すことになります」

 

「では、子供達に施す教育は石炭の時代を想定したカリキュラムになるのか?」

 

「そう想定しています」

 

「ねえ、アラン。誰を帝国の人民とするつもりなの?」

 

セリーナか。

さっきからソワソワしていたのはこれを聞きたかったからか。

 

「まずはクレリアだな」

 

「なんでクレリアなのかしら?」

 

「まず、クレリアは体内に既にナノムを保有しているからな。生体パッチも簡単に作成できるからだ。。

それにこれから起こす国は俺とクレリアで共同統治する約束だ。

共同統治に当たって隠し事は最小限にとどめたい。

今やっている会議に参加するにも帝国軍人になる必要があるからな」

 

「そうね。アランの考えは分かったわ。

ねえ、アラン。私とシャロンとイーリスで少し話しをしたいの。

ちょっと時間をもらいたいんだけど?」

 

俺抜きで話がしたいのか。

ちょっとモヤモヤするけどしょうがないな。

 

「いいとも。三人で秘匿回線を構築して話し合いをしてくれ」

 

こうして俺抜きの話し合いが始まった。

俺は話し合いが終わるのをただ待つことになる。

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