アランとクレリアの帝国創世記   作:m.t54

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最初の定例会議 3

アランの了解を得て私とシャロン、イーリスの3人で秘匿回線を構成する。

 

「セリーナ、アランを排除するのはちょっと失礼なんじゃない?」

 

さっきまで4人で打ち合わせていたのにアランだけ排除したことがシャロンには気に入らないようね。

 

「じゃあ、シャロンはアランの眼の前でアランは何でクレリアとの結婚が決まっていることに気づかないのかしらって話せるの?」

 

「私、そんなに無神経じゃない。

アランの眼の前でそんなこと言えるわけないじゃない」

 

「なら、しょうがないでしょう」

 

「そうじゃない。この会議の後で3人で話したって良いはず」

 

「ダメよ。それじゃ間に合わないもの」

 

「何が間に合わないの?」

 

「ねえ、考えてもみなさいよ。

アランがこれだけの秘密をクレリアに打ち明けるのは何故だと思うの?」

 

「それは、クレリアの体内に既にナノムがいて都合が良いからでしょう。

アレス人にこれだけの秘密を伝えるんですものリスクは冒せない、ナノムから生体パッチを作成すれば守秘事項を強制的に守らせることができるもの。

アランだってそう言ってたわよ」

 

「そうね。アランはそう考えているわ。

でも、これだけの秘密を共有されたクレリアはどう思うのかしら。

もちろん、ナノムと生体パッチのことは知らない前提よ」

 

「そうね....クレリアはアランと婚約したと思ってるのよね。

本当にアランは変に抜けてるのよね。

女王に共同統治を申し込むってことを簡単に考えすぎよね。

共同統治者を申し込むってことが王配になることを意味するって何で気づかないんだろう」

 

「シャロン、話が逸れてるわよ」

 

「あらそうかしら?

あまりズレてないと思うけど。

クレリアはアランがそれだけの秘密を持っていることにまずは圧倒されるでしょうね。

そして私たちと違って身分をとても気にする王族なら....

自分の身分がアランの身分に釣り合わないって理解してしまうでしょうね。

だから確認するわね。

大宇宙を支配するアランが惑星の一地域の女王にすぎない自分の王配で良いのかとね」

 

「そう、それよ。

クレリアはアランに秘密を打ち明けられたことで本当に自分の王配で良いかとアランに尋ねるわ。

それをキッカケに二人は共同統治に対する考え方の違いに気付くと思うのよ」

 

「あら、それって良いことじゃない??」

 

「良いわけないでしょう。

シャロンはプロポーズされたって舞い上がって家族にまで話をした後でそれは自分の勘違いでしたって言えるの。

私なら恥ずかしくてとても言い出せないわ。

家族でも恥ずかしいのに自分の部下に言わないといけないのよ。

それもただのプロポーズじゃないの。国の未来が掛かった話なの」

 

「セリーナったら大袈裟なんだから」

 

「少しも大袈裟じゃないわよ。

ダルシム隊長やセリオ準男爵やエルナは共同統治の話が出た日からアランを王配として扱ってるわ。

いいえ、この領都に向かっている人の大半がアランがクレリアの王配だって知っているはずよ。

そうでなければアランが拝領した領地に人生を賭けてまで集まるはずがないもの。

そうよ、アランがクレリアの夫になることが彼らに人生を賭けさせる前提なのよ。

それが間違いでしたなんてなったら大変なことになるわ」

 

「それって、真の意味を知ったアランがクレリアに結婚する気は無いって言うって前提よね。

アランはクレリアのことを好きだと思うんだけどね」

 

「バカね。好きってことと結婚には大きな違いがあるの。

アランはそっち方面にはヘタレで鈍感なんだからね」

 

(セリーナの危惧は分かりました。

問題はアランがクレリアにプロポーズをしたと思っていないこと。

食い違いに気付いた時にプロポーズの意味では無いと簡単にクレリアに言ってしまいそうなこと。

アランがプロポーズを撤回した場合の影響が非常に大きなこと。

要すればアランはクレリアと結婚することが今の計画の要になっているとアランに理解させ婚姻を受け入れさせること。

そういうことですね)

 

「イーリス、簡単に言うわね。

私にはとても言いだす勇気は無いわよ」

 

(わかっています。

AIである自分が説明すべき事案ですね。

アランもAIが言うことなら客観的な話として聞けますし、現状を受け入れることへの抵抗も少ないでしょう)

 

「そうね。私やシャロンが言うと客観的じゃ無くなるものね。

ねえ、イーリス意味は分かるわよね?」

 

(私はAIですが同時にセリーナでありシャロンでもあるのです。

年齢的にはあなたたち2人よりは成熟していますが、それ故にあなたたちを客観的にも見れるんです。

2人がアランに恋心を抱いていることは良く理解してますよ)

 

「本当、本当に理解してるの?」

 

(アランから『俺と君たちの息子と娘』と言われてアランに子を産んでほしいと言われたと思い、それをセリーナもシャロンも受け入れていると分かっています。

これは理解していることと同じだと思いますよ)

 

「イーリス、ちょ、ちょっと。私別に」

 

(あら嘘はダメよ。言ってるでしょう、私はセリーナでありシャロンでもあるの。

私にはあなたたちの考えは筒抜けなのよ)

 

「そう、そうよね。

なら、イーリスお願いよ。

クレリアとのことだけじゃ無くて私とシャロンのこともちゃんとアランに理解させてほしいわ」

 

(そうですね。それも必要でしょう)

 

「シャロン、あなたも良いわよね」

 

「むう〜. . . . . . . . 良いわよ」

 

(それではアランに伝えましょうか。

秘匿回線を終わらせますよ)

 

「え〜、イーリス。急ぎすぎ。

よく考えてからじゃ無いとダメよ。

ちゃんとアランを説得できないと大変なことになるのよ」

 

(セリーナ、私の演算速度を理解してますか?)

 

「あ〜、そうね。そうだったわ」

 

(セリーナ、シャロン、いまさら尻込みしてはダメよ。

さあ、アランと話すわよ)

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