アランとクレリアの帝国創世記   作:m.t54

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最初の定例会議 4

セリーナとシャロンが俺の方に顔を向けた。

どうやら3人での打ち合わせは終わったみたいだ。

 

「最高司令官、私たちの話し合いは終わりました」

 

イーリスが3人を代表して報告してくる。

 

「そうか、それで成果はあったのかな?」

 

「はい、3人でよく話し合い最高司令官に具申すべく内容がまとまりました」

 

俺に具申すべき内容か。

会議だから意見を出すことは当たり前なんだが、どうも落ち着かないな。

セリーナとシャロンが随分と意味深な視線で俺を見ているせいだな。

これはチョット面倒くさい話になるかもな。

 

「そうか、では聞かせてくれ」

 

俺はイーリスに話すように促すが、イーリスが言い淀んでいて話が始まらない。

 

「どうやら、随分と言いにくい話のようだな」

 

俺の言葉にイーリスが息を飲む。

 

「ええ、アラン、少し言いにくいの。だから最高司令官は止めてアランと呼ぶわ」

 

なんだろう。アランと呼ぶってことは個人的な話なのかな?

いや、この会議でそんな話は出ないよな?

 

「アラン、クレリアに生体パッチを当てて今まで秘匿していた情報を伝えるのよね」

 

3人はクレリアに何か含むところがあるのかな?

 

「そうだな。人類銀河帝国の技術をアレスの地に取り込む以上、アレス人に全てを隠し通せないだろう。

なら、相手を選んで情報を共有するしかないだろう。

そういう話だったよな」

 

「そうね。それで最初の相手としてクレリアを選んだのはどうしてかしら」

 

やはりクレリアと人類銀河帝国の情報を共有することに疑問を持っているのか。

セリーナ達とクレリアの出会いはあまり良い感じじゃなかったが、一緒に行動する中で良い仲間になっていると思ってたんだが違うのか?

俺にはやはり女同士の機微は良く分からないな。

 

「それも言ったと思うがクレリアは既に体内にナノムを保有しているし共同統治者でもあるからな。

なあ〜、クレリアと情報共有をすることに問題があると思っているのか?」

 

「情報共有すること自体に問題があるとは思ってないわ。

私たちだって選ぶならクレリアを最初に選ぶと思うわ。

でもね、アランは共同統治者をどういう存在だと思っているのかしら?」

 

クレリアに含みところが無さそうなのは良いんだが、共同統治者がどんな存在かなんてなんで今更聞いてくるんだ?

 

「みんながいる前でクレリアに言ったと思うんだが?

この大陸に覇を唱えて大陸を共に統治するとね。

スターヴェーク王国は別だぞ。

あそこはクレリアに女王として統治してもらうからな」

 

「そうよね。クレリアにはスターヴェーク王国を女王として統治してもらうのよね。

ねえアラン、その女王と共同統治をする人ってどんな存在だと思う?」

 

なんだか、同じことの繰り返しじゃないか?

 

いや、女王と共同統治する人間??

それって王配ってことか?

ちょっと待ってくれよ。

 

「イーリス、話が変な方向に行ってないか?」

 

「あら、その様子だとやっとアランも気づいたのね」

 

「えっ、やっとなの??」

 

「クランの主だった者はみなアランがクレリアの王配になるって思ってるわよ」

 

みんな思ってる??

 

「うそだろう」

 

「本当に気づいて無かったんだ。

もしかするとはぐらかしているだけだと思ってたんだけど、やっぱりアランよね」

 

「そうよね。

夫でもなければ未来の女王様にあんなに馴れ馴れしく接しられないと思うんだけど?

アランは何も考えずにクレリアを愛称のリアって呼んでたのね」

 

「いや、セリーナだってリアって呼んでただろう?」

 

「あら、同性と異性では違うのよ。それに私たちはリア様って呼んでるもの。

リアって呼ぶのはアランだけよ」

 

そうだっけ?

いや、問題はそこじゃないよな。

夫、夫っていったよな

 

「なあ、もしかしてセリーナ達は俺とクレリアが結婚するって思ってるのか?」

 

「アラン、クレリアやその部下の近衛達はみんなアランがクレリアの夫になると思ってアランに尽くしてるの。

そうでなければ、平民のアランとクレリアが親しくするなんて許さないわよ。

私たちは外堀が埋まってるからいずれは結婚するのかなって思ってたわ」

 

「外堀が埋まってるって?」

 

「埋まりきってるでしょう。

アランの領地にくる2万人はアランのことなんか噂でしか知らないのよ。

 

それでも人生を賭けてここに来るのはアランがクレリアの王配って知ってるからよ

ねえ、アラン。アラン以外はみんなそう思ってるの。

もちろん、クレリアもよ。

だからね、クレリアに人類銀河帝国の秘密を打ち明けるっていうときに事務的な言ってはダメなの」

 

「ああ、そういうことなのか」

 

「そうよ、クレリアは愛する夫に重要な話を打ち明けられたって思いきっと凄く感動するわ。

でもアランがその気持ちの意味に気付かないとしたら。

クレリアはきっと知るわ

アランがクレリアと親密な関係だとは思っていないことにね」

 

それはクレリアが俺に失望すると言う事なんだろう。

それが不味いのは流石にわかる。

でも、結婚?

今まで考えた事も無いのに!

 

もしかして、これって詰んでるのか??

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