自分の部屋に入り、中を見渡す。
僅か8畳ほどの1ルーム。今日からここで生活する。
鞄とレジ袋をオフィスチェアの上に置き、ベッドに腰掛ける。
「Sシステム、か」
俺の推測なんだが。
ポイントは2種類に分類されている。それがプライベートポイントとクラスポイントの2つだ。ポイントの残高照会から1,000clと100,000ppが明記されている。プライベートポイントは個人が所有するポイントに対して、クラスポイントはクラスが所有するポイント。
・Dクラスに落ちるな(競争?)
先輩達はDクラスには落ちたくないという口振りだった。クラスを移籍するのではなく、『落ちないように』と言っていた。クラス替えはない。もうここまでくれば分かるだろう。他クラスと競うことになる。それを数値化し目視で評価されるのがクラスポイント。
1,000cl×100 = 100,000pp
が当初、振り込まれたことに納得が行く。
結論、クラスポイントの数値×100倍のプライベートが毎月1日生徒に振り込まれる、という仕組み……だと思う。
答えは、来月の1日には分かるか。
クラス同士が競い合い、敗者は降格し勝者は昇格。というなんともまあ、うん、実力至上主義だな。
もし俺の推測が然るべきであるならば、連帯責任で俺にも火の粉が降りかかるんだよなー。参ったな、クラスポイントが少ない場合に備えて、他の収入源を探さないと。ほら、ポイントの譲渡は可能だと坂上先生は言っていたし、自分で稼いでも良しと解釈してしてもいいだろ。
あ、マニュアルに目を通さないと。
俺は鞄からマニュアルを取り出し目を通した。
ゴミ出しの日や時間、騒音には気をつける事。水の使い過ぎや無駄な電気の使用を控えること等、生活の基本の事柄ばかりが記載されていた。
光熱費は基本的に制限はないようだ。プライベートポイントから支出すものかと思っていたが、本当にこの学校は生徒の為に、あらゆる手を尽くし万全の体制を築いている。
学校2日目、授業初日ということもあり、授業の大半は勉強方針等の説明だけだった。
先生達は想像したよりも明るくフレンドリーで、多くの生徒が拍子抜けしたのが正直な感想だろう。
だが、一部の生徒は私語をはじめ、携帯をいじる者や寝ている者がいたが、教師達はそれを気づいていると思うけど全く注意をしていなかった。
まあ授業を真面目に受けるか受けないかは本人の自由なんだけども、これでクラスポイントが減らされたら嫌だな。誰か注意してくれる人がいれば話は別なんだけど。そう思いながら授業を受けているとチャイムが鳴った。
弛緩した空気の中昼休みになった。生徒達は思い思いに席を立ち、顔見知りになった連中と食堂へと消えていく。
隣を見れば椎名は鞄から弁当を取り出していた。俺も同様に弁当を取り出してお弁当包みを広げる。
「柊くん。午前の授業はどう思いましたか?」
椎名がそんな質問にしてきた。
「義務教育ではないとはいえ、全く注意しないのは如何と思うな」
「はい、やはり監視カメラが関係しているのかもしれませんね」
『本日、午後5時より、第一体育館にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第一体育館の方に集合してください。繰り返します。本日ーー』
可愛らしい女性の声と共にそんなアナウンスがされた。部活動か。
「椎名はどこの部に入るのか?」
「中学の時は茶道部に入っていましたので、あるなら入部するかもしれません。柊くんは?」
「部活動に興味はあるが、俺はパスかな」
「そうですか」
椎名はそう言い、お弁当を食べるのを再開した。
さて、放課後は探索しようかね。校舎内と監視カメラの位置とか把握しておきたいし。
弁当を食べる際、椎名と雑談しながら食事を取った。
放課後、大半の生徒は体育館に行き、俺は校舎内を回っていた。
いやー監視カメラ多いな。監視カメラが設置されてない所はないかね。あっここは監視カメラないんだな。メモメモ。さて結構、校舎内や監視カメラの位置とかメモって把握したことだしそろそろ帰ろうかな。
1時間近く回り帰ろうとした時後ろから声をかけられた。
「確か、同じクラスの石崎か」
「そうそう! さっき部活動の説明会が終わって帰るところお前を見つけたから声をかけたんだ!」
「そうか。ご存知だと思うが、柊美輝だ」
「おう! 俺は石崎大地だ。よろしくな柊!」
手を差し出され、俺はその手を握った。
「あぁ、よろしく」
不良みたいな見た目と裏側に良い奴だな。今後とも仲良くしてくれると嬉しく思います。
「柊は帰ってる途中か?」
「あぁ」
「そうか! だったら一緒に帰ろうぜ!」
「あぁ、一緒に帰ろう」
そして俺と石崎は雑談しながら帰る。
寮に到着しエレベーターに乗る。
「ぶっちゃけの話、柊は椎名と付き合ってんの?」
石崎がとんでもない質問してきた。
「いや、付き合ってないが。何故そう思うんだ?」
「だってお前ら昨日、一緒に図書館に行ってるの見かけたし、今日の昼休みでだって楽しく話していたじゃねぇか。本当に付き合ってないのかー?」
「本当だって」
まあ椎名みたいな可愛い子と付き合えたらとても嬉しいが、悲しいかな。あっちはただの読書仲間としか思われてないんだろうな。
「じゃっまた明日な!」
「またな」
そう言い、俺達は自分の部屋に入るので合った。
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