イナズマイレブンGO 真・世界への挑戦   作:超絶片桐

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書こう書こうと思ってたら一週間以上経過していたので初投稿です


act1 稲妻の後継者たち

「現在私はイタリアはミラノサッカースタジアムへ来ています!現在ここでは史上最強と呼び声の高いイタリア代表「ステラ・ロッソ」がFFI V2本戦に向け最終調整の真っ最中!そして…今スタジアムに到着しました!錦龍馬選手と門司烈斗選手です!共にイタリアへ留学しFCコロッセオで切磋琢磨したこの二選手、世界大会では同じイタリア代表として我等がイナズマ」

 

部屋へ運び込まれていた荷物を確認してから、なんとなくつけていたテレビの電源を切る。白竜は一息つくと同時に、同じ部屋に割り振られていた景浦に目を向けた。

「景浦…なんだそれは」

「ん?白竜も食べるか?」

白竜の口から出てきたのは、当初予定していた台詞とは全く別のもの、日本での最終調整と本戦の間のルームメイト、景浦安浩は…冷蔵庫を漁り、そこから取り出したプリンを口に運んでいた。

さも当然のようにこちらに放ってきたプリンの蓋を開け、景浦同様ベッドに腰掛けて口に運ぶ白竜。比較的ずっしりとした食感と共に甘味が体全体に染み渡る。

「うちのチームさ、甘党多いんだよ。脳をよく使うからな」

片手にプリン、もう片手に文庫本を持った景浦が言う。それで本題を思い出した白竜が景浦へ話を振る。

「その「よく考える」だが…一体なんなんだ、シンキングサッカーというのは」

「そうだな…まあシンプルに言えば「とにかく考える」サッカーだな」

日本代表に多く選出されたジュニアユース「東京ブルーコメッツ」の選手たち、彼らはいずれも「シンキングサッカー」と言うプレイ、並びに育成を掲げられたチームでプレイしてきた選手たちだ。今まで中学サッカーやフィフスとは関係なく育ってきたそのスタイルと選手たちに白竜は興味を抱いていた。

「考える…のは誰もやっているだろう」

「まあそうだな。うちはもっとだ。プレイ中、状況を広い範囲で把握しながら常に最善の手段を考え続ける。そして…それを共有する」

「共有、か」

「ああ、本番も練習も、そのプレイの意味、意図、そして自分が目指す理想系をチームで共有し続ける。味方を深く理解する事でそれぞれが取る最善策も自ずと理解し合えて、プレイがつながっていく。それがどんな結果を生むかは…まあ、やってみればわかるさ」

プリンを食べ終えると、文庫本をベッドに置いた景浦は立ち上がり、出入口に向かう。

「今から特訓だろ?見せるよ、うちのサッカーを」

お台場サッカーガーデンに備えられたイナズマジャパン専用グラウンドに集まった選手たちに、鬼道が声をかける。

「全員揃っているな。それでは今から初回の練習を行う。選手を四人ずつのチームに分け、5:5でミニゲームを行う。それぞれ自分のプレイと強みをチーム内に提示していってほしい」

キーパーはそれぞれ三国と麻倉で固定し、五人目とする旨が伝えられ、早速1ゲーム目の選手として白竜がフィールドに入った。

「白竜!オフェンスは頼んだぞ!」

後ろから三国の声がかかる。ゴッドエデンで、そしてホーリーロード以降何度か雷門と対戦する機会があったが、いずれも手強かった三国が味方になるとかなり心強く感じる。

それは同じくディフェンスに入った狩屋と霧野も同様だ。

「ディフェンスは俺と狩屋が担当する、白竜と太陽は思い切り攻めに行ってくれ」

「ああ!白竜くん、よろしく」

「こちらこそ、まずは…あいつらの手の内を見ないとな」

太陽の言葉に反応しながら、対戦相手…全員がブルーコメッツで固められたメンバーを見やる。

相手は麻倉も含め五人が円になり、烏山が持つタブレットを片手にミーティングを行なっている。影浦が言っていたシンキングサッカーの一環なのだろう、全員が真剣な顔つきで行っていたミーティングを終えると、中西と烏山がオフェンスに、景浦と青島がディフェンスに入る。

審判としてセンターラインに立った不動がホイッスルを構えると、先攻…も何もないが、ボールを有している太陽が白竜に囁く

「シンキングサッカーを相手にするのなら…まずはその手口を見てみよう」

「ああ」

そう答えると、ホイッスルと同時に渡されたボールを持った白竜は敵陣に向かって駆け上がる。

「いくぞ景浦!」

「いきなり景浦さんってわけにも…行かないけどな!」

白竜の前には烏山が、太陽には青島がそれぞれ対処に入り、景浦はその後ろから全体を見ながら指揮を行う。

「そのままでいい!」

「後悔するぞ!」

白竜がそう言いながら烏山を抜きにかかると、烏山は「わざと抜かせました」と言わんばかりに易々と白竜に先を許す。

「…何?」

「白竜!そのまま持込め!」

違和感を感じると同時に背後の霧野から飛んできた声のまま白竜はボールを保持し、シュートレンジに入る。

まだ最終ラインとして景浦が残っているが、そこも込みで判断材料だ、そう考えて白竜はボールと共に高く跳びシュート体勢に入る。

「いくぞ!ホワイト…ハリケーン!!!」

白竜の十八番とも呼べる技が唸りをあげゴールに迫る。景浦はそのシュートに対し仁王立ちをしブロック体制に入る。

「それがお前の必殺技か!アイアンウォール!!!麻倉!!」

両手を広げ、鉄の壁のように立ちはだかる景浦がシュートの威力を弱め、麻倉のキーパー技のための時間を作り出す。

「了解!はぁぁぁぁっ…魔王ザハンド!!」

麻倉が引いていた左手を突き出すと、紫色の禍々しい手の形をしたオーラがシュートを受け止め、ボールをオーラでできた鋭い爪が掴み取る。

「俺の魔王ザハンドを…自分のものにしてるね!」

立向居のコメントに麻倉は頷くと、大きく手を振りかぶり、太陽のマークから外れていた青島にボールを配する

「青島!いくぞ!」

「うん!必殺タクティクス!」

烏山の指示と青島のコールが響いた瞬間、青島がゴールの目の前で保持していたボールは稲妻のように縦横無尽にフィールドを駆け抜け、三国の目の前で中西の足元に収まる。

「何!?」

「速すぎるだろ!」

霧野と狩屋の驚きの声を置き去りにして、中西はシュート技を打ち出す。

「突風ファング!」

素早く振り抜かれた中西のシュートは突風を纏い三国に迫る。

(ゴッドハンド Xは間に合わない…ここは!)

「くっ…おおお!」

咄嗟に出した拳が突風ファングと激突、衝撃と共にボールと三国が弾かれ合う。

「霧野!クリ」

「突風ファング」

しかし三国が霧野に指示を出すより早く、溢れ球に迫っていた中西が再び突風ファングを打ち出し、中西のシュートがゴールネットを揺らした。

立向居のホイッスルが響き、景浦チームに一点が入る。

「なんなんだよ今のタクティクスとシュート…」

「…これがシンキングサッカーの答えか」

驚愕する狩屋の横で霧野がつぶやく、それに応えたのは烏山だ。

「そう、各々が最善を尽くし、つなぎ合わせて一瞬のプレーに落とし込む。そちらの神童さんが神のタクトなら、こっちのタクティクスは「ジャムセッション」、ってところだな」

「ジャムセッション、か…」

白竜の返しに頷く烏山。そんな彼らの元に歩いてきた鬼道が試合の総評を行う。

「ブルーコメッツは聞いていた通り、と言ったところだな。課題は…中西はシュートの威力、青島は…わかっているな」

「はい」

「…了解です」

鬼道のコメントに青島、中西がそれぞれ反応する。

「白竜たちはできたばかりのチームに言うことではないが、連携が鍵になる。特にこの五人と一緒のチームをやる以上、彼らともうまく意思疎通を行なってほしい」

『はい!』

返事をした白竜たちに、虎丸が一冊のノートを手渡す。

「ここには俺たち…イナズマジャパンが過去に使ってきた必殺技が記されている、まあ秘伝書みたいなものだね。これを習得するもよし、改良するもよし…うまく使いこなして欲しい」

「よーし!次のメンバーでまたミニゲームだ!キーパー2人と景浦は継続してゲームに参加!」

土方の指示が飛び、雪村や南沢たちがフィールドに入り、白竜たちはその見学…ではなく、ノートを開いての検討会に移行した。

「イナズマジャパンの先輩の必殺技、か」

「…興味深い」

白竜の隣に座った中西がつぶやく。今まで女子選手とプレーすることはなかったため、やや白竜は対処に困る。

エターナルブリザード、イリュージョンボール、皇帝ペンギン2号…ページをめくりながら、烏山が一つ一つにコメントをしていく。

「エターナルブリザードは雪村さんが習得済み、イリュージョンボールは俺がもう使えて…俺の目下のターゲットは皇帝ペンギン2号だな、多くのメンバーと使えるようにして技の範囲を広げたい。今はゲームに参加しているが、南沢、貴志部、黒裂…候補は多いな」

白竜はその先のページにある技に興味を持つ

「俺はクロスファイアを使ってみようと思う。相手は…雨宮だな」

「そうだね、やってみよう」

そんなやりとりに中西が目線を向けながら、ページは進んでいく。

疾風ダッシュと風神の舞が記されたページに辿り着いたところで、青島がピクリ、と反応する。

「青島は風神の舞か」

「確かに、身軽だしさっきのプレーでも僕からマークを外す速度もなかなかだったから適任だと思うよ」

太陽のコメントにややむず痒い…というか微妙な反応をする青島。

「そう言えば青島くん、必殺技は何を使えるの?」

狩屋の質問に青島は頬をかいて答える。

「えっと…自分の技は…ないです」

 

『ないぃ!?』

「うるさいな…まあ、自分の技がないってだけだ」

一斉に反応した狩屋、霧野、太陽、白竜に顔を顰めつつ烏山が答える。

「青島の異名はトレーサー…必殺技のコピーは得意だけど、自分のものには完全にできないんだよ、まだ」

「動きの再現はできるけど、威力もそこまで出なくて…疾風ダッシュも、モーションはコピーできるけど風丸さんほど速くないからただのフェイントにしかならなくて…」

「なるほど…」

霧野が相槌を打ちながら、何かを考え込むような仕草を見せる。

すかさず狩屋が耳打ちをする

「霧野先輩、何か考えてます?」

「…烏山、狩屋、少しいいか?」

必殺技についてを議論する白竜たちから離れ、霧野は狩屋、烏山を呼び出す。

「…俺たち三人で、必殺技をやってみたいんだ」

 

霧野たち三人が離れた横で、ミニゲームを終えたフィールドでは南沢と青島が向かいって必殺技の練習をしていた。

「青島の必殺技についてか」

「ああ、鬼道監督なら、その手腕を使えば1発なんじゃないの?」

その模様を見ながら鬼道に不動が話しかける。

「そうだな、すぐに答えは出るだろう…だがそれではダメだ、フィールドで、ぎりぎりになってでも、あいつらが答えを出さなければ意味はない」

「鬼道くんも鬼だね、ま、それがイナズマジャパンの伝統、ってやつか」

かつて世界大会で恩師の久遠はなぜ自分達に曖昧な指示しか出さなかったのか、その意味を少しずつ理解しながら、鬼道はチームを見つめていた。

そんなフィールドでは、南沢と青島が1:1で鍔迫り合いを続けている。

「くっ…なかなかやるな!」

南沢が悪態混じりに青島を称える。

「ありがとうございます!必殺技抜きなら…僕もブルーコメッツなので!」

南沢からボールを奪い、前方に蹴り飛ばす青島。そんな彼に兵頭が近寄る。

「しかし今の技術はなかなかだな…なぜ独自の技がないのか、本当にわからんぞ」

「うーん…自分の技、って言うビジョンが浮かばないんですよね…」

兵頭と南沢さんはどうでしたか?と問いかける青島に、南沢が答える。

「俺は普通に先輩から受け継いだシュートだからな…まあ、今の技も独自のもの、てはないな」

「独自のものではない?」

南沢がシュート技を手本のように披露する。

「エアリアル…ソニック!」

かつての南沢の技、ソニックショットと同じモーションで打ち出されたボールは、幾度も軌道を変えながらゴールへと突き刺さる。

「ソニックショットの、改良版?」

「ああ、ソニックショットは元々速さに特化した技だが…俺は技術に磨きをかけた」

「同じ技を原点にしても、各々でその派生や工夫は違う。青島も青島なりの技へ「変化」させれば良い、と思うぞ」

「「変化」…そうか…必殺技を新しく作る必要はどこにも…南沢さん!」

頷いた南沢は、兵頭から渡されたボールをセンターサークルに持っていき、一人でドリブルを始める。

「付き合ってやるさ、チームメイトさん!」

「はい!」

南沢のドリブルをじっと見ながら、青島は右足に気をためる。

「あの構え…スピニングカットか?」

ベンチでその模様を見ていた不動が言うが、その割には足に集まる気が青ではなく、透明。そして疾風に包まれていることがわかる。

「行きます!!僕の技!スピニング…スティール!」

疾風を纏った右足を維持しながら青島は南沢へスライディング。

「ぐっ…!」

突き出した右足から放たれた突風が南沢の足を止め、そのままボールを奪い去る。

「これが青島の新技か…面白い!そのまま来い!」

青島の知らないうちにディフェンダーとして先回りしていた兵頭が青島の前に立ちはだかる。青島は深呼吸をして、兵頭を抜きにかかる

「まだまだ!はぁぁぁぁっ!」

気合いと共に青島は右足を踏み込むと、その右足下からフィールドを縦断するように壁が聳り立つ。しかしかつて壁山が使ったザ・ウォールや景浦のアイアンウォールのように厚くなく、薄いそれは兵頭を吹き飛ばすこともなくその隣に生えてくる。

「失敗か!?」

南沢の叫びを否定するように、青島はその壁に向かって足を踏み込み、壁に足の裏を密着させて走り出す。

「壁を走るだと!?」

「ウォールランナー!!」

兵頭の驚愕を置き去りにし、青島はディフェンスを抜き、そのままゴールにボールを軽く蹴り込む。

「…っし!」

「よし、これであいつも大丈夫、と」

「…最初から知っていたのか?景浦」

別の場所で他のメンバーの練習に付き合っていた景浦が足を止めたところに、白竜が話しかける。

景浦と青島は同じチーム、更には一年共に戦ってきたのだ、青島の欠点やその解決法はわかっていたと思うのだが…。

「青島はまず自力を鍛えて欲しかった、技抜きでも十分通用するほどにな。必殺技の知識も、試合での動き方も、たくさんの相手と対戦してデータを蓄えて欲しかった。だからまずはあえて技なしで鍛えていたんだよ…あの悩みを抱いたのも最近だ」

「…成長途上、と言うわけだな」

「ああ、青島はまだ強くなるぞ。これからもな」

「なら、心強いな」

そう景浦に言い残し、白竜は太陽…と、なぜかいる中西とのシュート技の練習へと戻った。

 

 

 

 

 

次回予告!

ついにライオコット島に降り立ったイナズマジャパン!

衝撃の出会いの中、ついにFFI V2本戦が幕を開ける!

次回「情熱のマリアッチ!メキシコ代表見参!」

これが超次元サッカーだ!!

 

 

 

 

必殺技リスト

 

魔王ザハンド

禍々しいオーラを纏った手でシュートを受け止める技。立向居は化身に近い魔神を召喚していたが麻倉は手のみで発動する

アイアンウォール

言わずもがな。景浦は真空魔と併用しているらしい

ホワイトハリケーン

言わずもがな。これを見て中西はクロスファイアの特訓に介入しようと思ったらしい

ジャムセッション

タクティクス、一瞬の判断を全員が共有して行う超高速かつほとんど選手がボールを保持しないパス回し。瞬時にボールが前線に運ばれるが意識の共有がぶれると失敗する

突風ファング

鋭く蹴り出したボールに突風を纏わせるシュート技、シュート自体も高速で放たれるが技の出をとことん早くしたバージョンと溜めを作ることでタイミングをずらしつつシュートの威力を上げるバージョンがある。威力はそこまで高くなく三国や兵頭が素止めできるレベル。ルジクのジャイロセービングとトントンくらいらしい

エアリアルソニック

バウンドするように空中で軌道を変えるソニックショット、南沢が代表入りするきっかけになった変則シュート

スピニングスティール

風を足に纏わせながら相手にスライディングする技。シュートブロックはできない。

ウォールランナー

小規模な壁を縦に生み出しそこを駆け抜けることで相手を抜き去る技。




三国さんのセリフだけ回収忘れました、ごめんね♡

Q 展開早くない?
A よう知らんキャラの掘り下げもまだなのに悩みパートとか長くても読者さん困るのでサクッと終わらせました。青島の仕事はまだまだこれからだし

ひとまずブルーコメッツ各メンバーの特性や技を披露する回。まだ本領を発揮してない烏山や他のメンバーの掘り下げ、必殺技等々はここから始まる本線で披露されます。基本は必殺技の「継承」なので過去技、特にクロスファイアやらファイアブリザードやらグランドファイアやら、無印3時代の強技を採用予定。コメントに技名があったら「継承技」の候補として採用したりしなかったりします。
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