イナズマイレブンGO 真・世界への挑戦   作:超絶片桐

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やや期間が空いたので初投稿です。メキシコ戦やるよ!

追記 タイトルがあんま回収できてなかったんで変えました

追記2 今パートから試合が始まるので背番号書いておきます
1 三国 GK
反転した1 麻倉 GK
2 景浦 DF
3 霧野 DF
4 兵頭 DF
5 狩屋 DF
13 青島 DF/MF
6 真帆路 MF
7 貴志部 MF
8 烏山 MF
9 黒裂 MF
14 雪村 MF/FW
10 白竜 FW
11 南沢 FW
12 中西 FW
18 雨宮 FW




act3 クロスファイアハリケーン

本戦が始まり、ライオコット島はジャパンエリアに宿舎を構えている日本代表一味、彼らの宿舎は日本でのそれとあまり変わりがなく、ホテルじみた近代的な建物となっていた。

開会式の後、ミーティング…という名のメキシコ戦へ向けての検討会は夜分まで続き、各々の部屋へ宿題として大量の映像資料を残されて解散となった。

「…まさか和洋と2種類も朝食があるとはな」

「ありがたいな、俺は朝はパン派だから…」

翌朝、宿舎の食堂で白竜が景浦と朝食を食べていると、やや瞼を重くした雪村が食堂へと入ってくる。

「おはよう、2人とも…ふぅ…」

「なんだ雪村、時差ボケか?」

「いや、昨日もらった資料が想像以上に多くて、太陽と2人で夜通し見てたから…」

苦笑しながら2人の横の席に着く雪村に、白竜はドレッシングが入ったボトルを手渡す。

「雪村、お前はこれだろう?」

「…ああ、合ってる。よく覚えてたな」

白竜から渡された中華ドレッシングのボトルを見ながら雪村が目を瞬かせる。

「昔から記憶力は悪くないと自負している。イナズマジャパンでの合宿でそれを使っていたから覚えていただけだ」

「昨日の資料も一回見ただけで全部把握してたな、そういえば」

景浦はトーストに…異様な量の生クリームとこし餡を塗りたくり、牛乳で流し込みながら白竜にいう。

「ああ、そうだな…景浦、それは本当に美味しい…のか?」

「まあ…うちのチーム甘党多いから」

「そうはいかないと思う」

ちょうど食堂にやってきた麻倉と、長い髪をシュシュでまとめた中西がそう言うが…そうはならんだろ、と白竜と雪村は内心考えていた。

「2人は同じ部屋…というか、その組み合わせ以外あり得ないか」

雪村たちと同じテーブルに着いた麻倉に影浦が問いかける。

「だねー、チームスタッフも基本男性だし」

麻倉の言葉にうどんを啜っていた中西が高速で首を振って同意する。彼女の目の前に盛られた麺の量はどう考えても150センチ強の少女の胃袋に収まるそれではないのだが…もはやそれに突っ込む人は誰もいない。

「そいえばさ、ゴッドエデンとかって寮何人部屋なの?」

うちは2人部屋なんだけど、と東京の例を挙げて麻倉がいう。

「ランク次第だな…俺は1人部屋だったが」

「マジ!?白恋はどうだった?」

「うちはみんな通いでしたよ、家が遠い奴は近所に下宿してましたけど」

雪村が言うと、わらわらと他のメンバーも集まってきて口口に自分の中学の寮事情を答えていく

「聖堂山も1人部屋だったね、と言ってもほとんどホテルを借り切っているようなものだったけど…」

「木戸川は全員通いだな…大会前だけ学校の合宿所を使ってたけど、そこは4人部屋だった」

そんな中「そっちはどうなのよ」的な視線を受けた南沢と兵頭。兵頭が代表して、朝食の豆腐ハンバーグを飲み込んでから言う。

「月山はそうだな…全寮制だが、一部屋に8人が寝泊まりしていたな」

「いや自衛隊かよ」

同席していたほぼ全員が軽く引く中、狩屋の鋭いツッコミだけが食堂に響き渡っていた。

 

さて、そんなこんなで朝食後に軽い休憩を挟み、選手たちはグラウンドでメキシコ戦に向けてのトレーニングを行っていた。

ディフェンスチームを土方、オフェンスチームを虎丸、と大まかに割り振り、烏山は不動と、麻倉と三国は立向居が付いて戦術とゴール前での対応を指導することとなった。

 

まずはゴール前、三国と麻倉。久しぶりにジャージに着替えた立向居がゴールマウスを背にして言う。

「2人のコーチングやボールに対する反応はかなりのものと言ってもいい、俺や…円堂さんの中学時代と同等、と言えるほどだね」

「ありがとうございます!」

「それほどでも〜」

「だからこそ、2人には必殺技に磨きをかけてもらいたい」

「ゴッドハンドxを、ですか?」

三国が問うと、立向居は首を横に振る。

「いや、それを…さらに進化させた、新しい技にしてもらいたい」

「ゴッドハンドxの、進化系…」

「となると私は…」

「麻倉さんは魔王ザハンドを進化、だね。どっちも俺も力になるから、どんな技を作り上げていくか練習していこう」

『はい!』

場面は変わってオフェンスチーム、個人技にはかなりの自信があるそれぞれのメンバーが、その技をぶつけ合わせる連携技に昇華させるためにトレーニングを行なっていた。

「はぁっ…!雨宮!」

「よし、雪村くん!」

虎丸を軽く抜き去った真帆路が雨宮にパスを出すと、雨宮からの合図を受けた雪村がボールに足を合わせる。

「でりゃぁぁっ!!」

炎と氷、相反する二つの性質を纏ったボールはやや威力を減衰させながらゴールへと突き刺さる。

「うん、今の連携はいいと思う!鬼道さん!」

虎丸が鬼道へと振ると、鬼道も口角を上げて頷く。

「雨宮!雪村!今の連携を突き詰めてみろ!」

「今の技…もしかして、あの技ができるか…?」

2人の連携を記録した動画を見返しながら貴志部が呟く一方で、白竜は太陽から黒裂へと相手を変えて、クロスファイアの練習を行っていた。爆熱ストームを習得している黒裂の方が、相手としては適任と考えたからだ。

「いくぞ黒裂!」

「うん!」

黒裂に合図を出しボールを蹴り出す白竜。ボールを中心に交差した2人が息を合わせて蹴る技がクロスファイアだが…

 

「クロス…何っ!?」

「…ファイア」

白竜よりワンテンポ早く割り込んだ中西が黒裂と共にシュートを放つ。無理やり割り込んでしまったため白竜の持っていたエネルギーがボールの軌道をずらし、ボールは勢いよくゴールを外れ上へと飛んでいってしまった。

「中西!今のシュートは俺と黒裂が撃つ技だ!割り込む必要はないだろう!」

「…私の方が適任と思ったから」

「なんだと!?」

声を荒げて中西に詰め寄る白竜を鬼道が仲裁する。

「2人ともそれくらいにしておけ!白竜、お前は頭を冷やしてこい」

「監督!!」

鬼道から出た言葉に白竜が反論する暇も与えず、鬼道は3人に指示を出す。

「中西はクロスファイアの特訓を黒裂と継続。わかったな!」

「…はい!」

「…はい」

やや不安げながらも頷く黒裂とさも当然のように同意する中西。鬼道は白竜へ自分についてくるように言い、2人になれる場所へと歩いて移動する。

「鬼道監督、あれは俺と黒裂が行っていた技です!あんな形で割り込まれてはチームの和というものが」

「白竜、チームの和のことを考えるとは…お前も丸くなったようだな」

「当たり前です、あの時とは違う」

たしかにチームゼロとして雷門と戦っていた時はエゴの塊のようだった白竜だが、その後のサッカーや時空最強イレブンとして孔明の力を受け継いだことによりそう言った面は鳴りを潜め、チームと調和するストライカーへと成長していた。

「…たしかにそれも選手のあり方の一つ、だろうな。だが俺は…中西のようなタイプこそ、優れたストライカーだと思っている」

「…監督、それはどう言う意味ですか」

「明後日の試合でわかるはずだ、白竜、お前は特別メニューを出す。地下修練場での個人特訓と…試合のビデオをしっかり見ておけ」

そう言い残し練習へと戻る鬼道、その本意を白竜が理解するのは、もう少し先の話。

 

2日後、フットボールフロンティアインターナショナルV2は4日目を迎え、日本代表はウミガメスタジアムでメキシコ代表「カサボニータ」を迎え撃っていた。

 

『日本のサッカーファンの皆さんお待たせしました!日本代表イナズマネクストジャパン対メキシコ代表カサボニータの一戦!私角馬王将と!!』

『西澤ツヨシです、よろしくお願いします』

『すでにコトアール代表との試合を終え、3-2で勝利を収めたメキシコ代表!日本を相手にその勢いを保ったまま激突となります!』

『メキシコ代表はこの短期間での成長が凄まじいチーム、まるでかつてのイナズマジャパンを思わせる雰囲気ですね』

「なーっはっはっは!初戦を快勝!俺たちは無敵!日本代表!覚悟しろ!」

フィールドに立ったメキシコ代表キャプテン、ガウチョが高笑いをしながら白竜たちジャパンを指差す。

「指を指すな指を、あいつらはマナーってもんを知らんのかね、全く」

烏山が毒づきながら全体を見渡す。

今日の日本代表はディフェンダーを5人フル起用し後衛を厚くしたフォーメーション。そこにボランチとして真帆路、攻撃的ミッドフィールダーとして黒裂と烏山、ツートップに中西と白竜が入っている。

「まずは相手さんの様子見!折を見てジャム出すんで、それ合図に攻撃開始!白竜からガンガン撃たせてくからよろしく!!」

烏山が全体に指示を出す。試合前のミーティングでは「前半は様子を見ながら烏山判断で攻め上がる」とされていたが…白竜がメインでシュートを打つ、と言うのは初耳だ。

「中西、聞いていたな?俺がシュートを決めていく」

中西は白竜の言葉に瞬きで返し、それと同時に試合開始を告げるホイッスルが鳴り響いた。

「いくぜいくぜいくぜぇ!!!!ガンチート!」

ボ キックオフのボールを受け取ったガウチョがサイドから駆け上がる赤目のフォワード、ガンチートにボールを渡す。

「兵頭さん!」

「うむ!」

この試合が公式戦では初のディフェンダーとしての参加となる兵頭がガンチートを迎え撃つ。

「ガンチート!」

「おう!『ロデオドライブ』!!!」

ボールを足で挟み込み、ロデオのように激しく前後に振りながら相手を抜きにかかるガンチート、兵頭はそれに合わせて地面に脚を叩きつける。

「抜かせはせん!『ジャックハンマー』!!!」

 

『止めたー!ガンチートのドリブルを兵頭、新技で止め切りました!』

脚を叩きつけた地面が割れることで、そこから弾かれた礫を受けたガンチートが吹き飛び、ボールは兵頭の足に収まる。

「霧野!」

兵頭から霧野へと出されたパスを受け、霧野と狩屋が合わせて攻め上がる。

『イナズマジャパン霧野と狩屋!攻撃参加です!』

『ホーリーロードではあまり攻撃に参加する印象はなかった2名、以外な采配ですね』

「ちっ…ジョゼ!ガンチート!」

ガウチョはフォワード2名に指示を出すと、狩屋と霧野を止めにかかる。

「烏山!」

霧野は烏山に合図を出すと、目の前に味方さえも判別できないような濃さの霧を展開。

『ふ、フィールドが濃霧に包まれました!これは霧野、必殺技を発動し間違えたか!?!?』

 

「いくぞ狩屋!

「ハイ!」

 

『ディープトリック!!!』

 

 

『か、狩屋と烏山、濃霧の中をパスワークで切り抜けました!!!』

『優れた動体視力とそれに反応するテクニックを持った2人の選手が濃霧を利用し相手を翻弄する、技巧派が目立つ今年のジャパンらしい新技ですね』

 

「よし、上がるぞ!霧野と狩屋、2人とスイッチ!真帆路!」

 

烏山が合図を出すと狩屋と霧野が下がって兵頭と3バックを形成し、青島と景浦が代わりに駆け上がる.

2人が前線に出るまでの時間を稼ぐためボールを託された真帆路は、メキシコ選手に対して人魂のような緑の炎をいくつも出して翻弄し、突破する。

「これが俺の新技…マホロバドライブだ!!烏山!」

 

ブルーコメッツの4人が指定のフォーメーションに来たことを確認した真帆路は、烏山へとボールを託す。

 

「よし、必殺タクティクス  ジャムセッ」

「それは見切ってるさ!!」

烏山から放たれたパスをメキシコ代表フォワードのジョゼがカットし、自身の足元に収める。

「ジャムセッションはブルーコメッツの海外遠征のビデオでも確認してる、お前ら4人以外はこのチームでは使えないこともな!ならルートの予想くらい簡単だろ!?」

ガウチョの言葉に烏山が冷や汗を浮かべる。

「そこまでお見通し、かい…!」

「ガンチート!ぶっ放せ!」

「あいあい!いくぜ…ヒィィィィヤッハァァァァ!『マグナムショット』!!!」

足にボールを再び挟んだガンチートが、銃弾を思わせる回転をボールに与え、そのまま左足でシュートを撃つ。

景浦と青島が上がったことで手薄になったディフェンスの穴を縫うように放たれたシュートはゴールに迫るが、麻倉は左手を後ろに振りかぶり、気を溜めながらボールに合わせ、巨大な手のオーラを形成しながら地面へと叩きつける。

「はぁぁぁぁぁっ…『ゴッドレイジ』!!!!」

神の怒りをそのまま表したような荒々しい必殺技は周囲へと衝撃を撒き散らしながらボールを手元に収める。

「いいシュートだけど…私を突破したいなら、2メートルくらいのところでもまだ遠いよ?」

軽くシュートを止めた麻倉の笑顔は、メキシコ代表を軽く戦慄させていた。

「狩屋くん!」

「はい!総司くん!」

「っし…フォワード!いくぞ!」

烏山から出されたパスを受けたサイドから上がっていた青島は相手の守備を「ウォールランナー」で抜き去ると、黒裂へとパスを出す。

「よし、中西さん!」

中西へのパスを確認すると、白竜もオフサイドにならない程度の位置まで駆け上がり、中西に言葉を投げる。

「中西!」

「……っ!」

中西は白竜を一瞥するとそのまま軽く自身でドリブルを続け、シュート体勢に入る。

「…『突風ファング』」

「させるか!『ワイルドファング』!!!」

獣の牙のように爪を突き立てたメキシコ代表キーパーフリオが中西のシュートを軽く止める。

「中西!俺が撃つはずだろう!!」

フラストレーションを募らせる白竜を無視し、中西は再び自陣へ。

「くっ…」

その後も白竜は自身についたマークを外せず、ジャムセッションも不発が続き、日本代表とメキシコ代表の試合は0-0のまま前半を終えてしまった。

 

「くそっ…!」

ベンチに戻って早々に、渡されたドリンクボトルを地面に叩きつける白竜、前半思った通りのプレーを邪魔され続け、白竜にもかなりのストレスが蓄積されていた。

「前半だが…」

しかしハーフタイムに入った、鬼道から何かしらの指示があるだろうと推測し、白竜も彼の方を見遣る。

しかし鬼道から出た指示は、白竜の想像とは全く違うものだった。

「それそれよくやっていた」

「…監督!これのどこがよくやっていたのですか!得点は入らず、タクティクスは失敗、中西は独断でシュートを連発…俺が中西、どちらかを変えてください!」

「白竜…ビデオを思い出せ、お前への…そして他のメンバーへの後半の指示もそれだ、それぞれ見せられていた資料を思い出せ!後半は兵頭と景浦を下げ、雪村と南沢を前線に投入する!」

「よし!」

「やっと俺の出番か」

「頼んだぞ」

「南沢、暴れてこい!」

交代の指示を聞き、景浦、兵頭とそれぞれタッチを交わす雪村と南沢。

「監督!!!!」

「白竜、お前への指示は出したはずだ、ビデオを思い出せ」

抗議をする白竜を一蹴した鬼道。

「ビデオ…一体なんの意味があるんだ…!」

その言葉を自分の中で反芻し続けながら、白竜の、そして日本代表のハーフタイムの時間は過ぎていった。

 

「日本代表は攻めが弱い、後半もガンガン攻めて、あの守備をぶち破るぞ!」

『おうっ!!!』

後半の開始が近づき、ボールを保持して再開するメキシコ代表はかなり士気が高まっている。

対する日本は白竜が中西への不信を拭えず、その関係性を保ったまま後半が始まってしまう。

「見せてやろう、これが俺たちの真髄、情熱のマリアッチサッカー…必殺タクティクス!」

ガウチョの指示により散開したメキシコイレブンは、思い思いのリズムで手や脚を慣らしていく。

「…これが噂のリズムサッカーか」

「その通り…コココラはノリノリでいくぜ!」

ガウチョが小気味よくドリブルで烏山を突破すると、そのままジョゼとガンチート、そしてミッドフィールダーのワックと3人で連携シュートを放つ。

『『ザ・キャバレロ』!!!』

「はぁぁぁっ…『ゴッドレイジ』!!!!!」

3本の剣が交差し、強力な力を得たシュートが麻倉へと迫るが、麻倉は2度ゴッドレイジでシュートを受け止め、下がっていた烏山へとボールを渡す。

「総司くーん、そろそろ一点、取ろうか?」

にっこりと笑いながら…いつもより低い声で言い放つ麻倉。普段見せない「圧」を感じたイレブンは背筋がやや伸びた…気がする。

「と、うちの女王が申してるので…ぼちぼちいくぞ!」

烏山の指示のもと、中西と青島が「ジャムセッション」の準備に入る。

「白竜!お前もだ!」

「!?…しかし」

「お前ならいけるだろ!いや、お前らなら!」

烏山の言葉と同時に、白竜の脳裏に今日まで見てきた烏山たちの「データ」が過ぎる。

「ジャムセッションは瞬間瞬間の「最高の判断」を集めた必殺タクティクス…なるほどな!」

「南沢さん、俺たちも!」

「やってやるか!」

白竜と同時に雪村、南沢、真帆路、黒裂も駆け上がり、青島、中西と合わせ7人で網の目のようにフォーメーションを組み替える。

「これだけのパターンなら…あんたらも予想はできないだろ?これが12の選択肢を得た完成形「ジャムセッション」だ!!!」

烏山のパスが3-4に分かれた7人の選手の間を縦横無尽に駆け巡り、白竜の足元へと収まる。

「くっ…!」

 

『決まったー!!日本代表、必殺タクティクスを成功させました!!!』

『ジャムセッションは高度な意思疎通と技術を要する技、ブルーコメッツの4人でしか起動できないと我々も思っていましたが…まさか他のメンバーも成功させてくるとは』

 

「何日も全員のビデオを見せられてきたんだ、このくらい余裕さ!」

雪村の言葉に黒裂と南沢が頷く。

ボールを持った白竜はシュートを打とうとするが、前半同様ディフェンダーに阻まれる。その人数、2人。

「くっ……まさか、俺にマークが集まっていたことをわかって自分がシュートを?」

白竜はそこで中西と…烏山の意図に気づく。前半は確か3人、白竜にマークが寄せられていたが…現在はそこから一名が中西に移っていた。

中西は相手の隙を突き奇襲をかけるタイプ。それを見越して烏山はあえて相手にも聞こえるよう「白竜に前半はシュートを回す」と全体に刷り込みをかけ、白竜の影から中西がシュートを打てるように仕組んでいた。そして中西もそのスタイルを貫いていた。

やや動きにくそうにする中西。彼女は常に「最適」を選んだからこそシュートを撃ち続けたし…あのシュート練習も。

「なら今は!!」

 

俺がエゴを発揮する番だ!と白竜はディフェンス2人を抜きにかかる。

「いくぞ!『スプリントワープ』!!!」

高速のドリブルがワープのように白竜の姿を消し、ディフェンダーを抜いたところで停止する…が、その出現地点に合わせていた3人目のディフェンス、中西から離れて白竜に再度移っていた1人が白竜の体制を崩す。

 

『白竜体制が崩れたぁ!!!これではシュートを打てないか!?!?』

 

実況の声が耳に届く中、白竜は記憶を辿る。自身が技を打ち込むまで他の選手はどこにいて、どのようにマークがついていたか…そして算出した「空白の地帯」へと体勢を崩しながらパスを出す。

「ここまでが「ジャムセッション」だ!雪村!南沢!」

「南沢さん、あわせられますか!?」

「余裕だ!いくぞ!」

 

『『ホワイトレジェンド』!!!』

雪村と南沢が同時にボールを蹴ると、2頭の狼が吹雪を纏いながらゴールに向かい突進をする。

「させるか!『ワイルドファング』…ぐぅぅ!!!!」

相手キーパー、フリオはボールに爪を突き立てるが、凍りついた爪が割れると同時にボールはゴールネットへと突き刺さる。

 

『ゴォォォォォォル!!!!日本代表、後半10分で先制点を奪いました!!』

『ジャムセッションをパターンを増やすことで相手を翻弄。プロでも稀有なプレーでしたね』

 

「よし!!」

「世界初得点、決めたな」

雪村と南沢が手を取り合う中、白竜は中西へと脚を向ける。

「中西…すまなかったな。お前の意図を汲めなくて」

「…あのくらい、当たり前だったんだけど…ここからは」

「ああ、クロスファイアもお前に預けよう。その上で…お前の意図を超えて見せる。それがこのチームでの…お前たちが目指すサッカーだろ?」

「最適」を汲み取った白竜の言葉に中西は嬉しそうに頷くと、メキシコ代表からの再開を迎え撃つため、自陣に戻る。

メキシコ代表から始まった攻撃は青島が『スピニングスティール』で止めると、真帆路と交代で入った貴志部と連携をとり攻め上がる。

「紫月!!!」

「…了解、咲」

「中西さん!あの技だ!」

青島から中西へと送られたパスはそのまま黒裂と交差し、クロスファイアの体制に入るが…その中央に白竜が割り込む。

「中西!!黒裂!!「先」をいくぞ!!!」

その言葉を汲んだ中西が頷き、クロスファイアを一段先へと押し上げる。

 

『『クロスファイア ハリケーン』!!!』

 

中西と黒裂が交差して生まれたエネルギーに、白竜が『ホワイトハリケーン』を重ねる。

凄まじい威力を持つシュートが重なったことによる相乗効果はメキシコのキーパーに技を撃つ隙すら与えず、2点目を日本代表にもたらす。

 

メキシコ代表の士気をその一点で完全にへし折った日本代表はそのまま試合を支配し…

 

『ここで試合終了のホイッスル!!日本代表、新技「クロスファイアハリケーン」の後白竜が2ゴール!白竜がハットトリックを決めて4-0で初戦を快勝しました!!!』

 

「っし!!!やったな鬼道!!!」

「ふっ…このくらい当たり前だ、俺たちは優勝をしにきたのだからな」

土方の言葉に当然のように答える鬼道。それでもその口は嬉しそうに緩んでいた。

 

『日本代表の次戦は3日後、コンドルスタジアムにて!先程アメリカ代表を1-1で引き分けたラグーナ代表「ラグーナオーガ」との試合となります!!!』

 

「次はフェイとの試合か…」

スクリーンに表示されたアメリカとの試合の様子を見ながら三国がつぶやく。

「俺も、新技を早く完成させないとな!」

 

 

 

 

次回!

フェイ、ザナーク、バダップ…そして円堂!?!?

「俺、円堂カノン、よろしく!!!」

未来世界のオールスターと日本代表の時空を超えた一戦。強い思いは三国に新技をもたらす。

 

「いくよカノン!!「ザ・バース」!!!」

「これが俺のサッカーへの思い!はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

次回「ハートで掴み取る勝利!!」

 

これが超次元サッカーだ!!!

 

 

 

 




と、いうわけで再び駆け足なメキシコ戦。
当初はクロスファイアを白竜と太陽で撃ってもらう予定だったのですが太陽は雪村ととある技に回し、白竜と(爆熱ストームも使えるし)黒裂に変更、そして白竜は「クロスファイアハリケーン」への進化要員としてゴタゴタを挟みながら「吹雪と同等の速さを持った選手」ということで中西が入りました。雪村は南沢さんと「ウルフレジェンド」の進化形を「2人で」撃ってもらい、今後太陽とも連携技を習得してもらいます。
霧野と狩屋、総司の連携技も前回だか前々回に示唆した通り。真帆路と兵頭も新技があるよ!!よかったね!!!
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