ようこそしないで魔法使い君   作:ゆう31

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つづきおそめじゃありませんでした嘘言いました。


悪ぶってる奴に絡まれるのも青春だぜ

 

 休日デートから早くも5日経過した。

 

 シャレでヤングな喫茶店から始まった魔法の研究よりも有意義な時間は、それはもう最高の時間だった……俺がファッション選んでくれと言った時は「いやだ」と言われたけど、次の機会に取っておこう。

 

 別に服選び以外にも休日にオススメな場所はあるからな!カラオケもダーツもビリヤードも二人ボウリングも全部断られたが、ゲーセンは姫野的にはアリだったらしくゲーセンに向かった。

 

 景品取りに必死な姫野くそ可愛かったな……いい所見せようとして俺もやってみた、俺そこそこ上手いんですわクレーンゲーム。

 

 まあ百発百中だし余裕だろ、今まで取った事あるしといざやってみると全然出来なかった、なんで?あ、そうか。魔法使ってねえや。

 

 普段ゲーセンで欲しい景品があった時は魔法でアームの力めっちゃ強化してたのをわすれていた、魔法を使わない俺の力じゃあ景品を取るのに1500ppも使ってしまったが、まあよし。

 

 ゲーセンもそこそこに金曜日に誘う予定だった家電選びで個人的に必要なものと、LEDキャンドルライトを姫野にプレゼントした。

 

 母親の誕生日に送った誕生日祝いの中で食いつきが良かったものだったから選んでみたんだが、果たしてどうだろうか。いらないと言いつつも受け取ってくれたので、使ってくれると嬉しいんだけどな。

 

「……あんたそれ何に使うの?」

 

「お、知りたいか?」

 

「べつに」

 

「備え有れば憂い無しだぞ、姫野」

 

「うざっ……」

 

 

 そんなやりとりも踏まえつつ、無事初の休日デートは成功を収めたのである!

 

 ……いやまあデートだと思ってるのは俺の一方的な認識なんですけどね、姫野曰く「もう休日に連絡してこないで」と言われてしまったので、お気に召さなかったかもしれない。

 

 でも本当にお気に召さなかったら姫野なら途中で帰りそうってか帰る確信があるから、そこそこ満足してくれた筈だ、よって次も誘います、毎週はともかく月一で誘います。

 

 父親曰く恋愛の物事はポジティブに考えれば考えるほど成功しやすいらしい、なので俺は次もある前提で話を進めるぜ。

 

 デート以外だとあれだな、Dクラスの女の子から連絡先聞かれたぐらいか?まあかわいかったし、前以て一之瀬の存在を知っていなかったらしどろもどろになっていたかも。

 

 でもごめん……俺には彼女(予定)がいるんだ……って言ったら残念そうに引いた、もしかしたらあれが都市伝説『逆ナン』だったのかもしれない。

 

 これは……青春か?うーん、審議ですね。

 

 それとあれだな。

 

 

 これは今の状況にも当てはまるのだが。

 

 

「よォアホ面」

 

 

 こいつ、確か龍園って奴。めちゃくちゃ俺に絡んでくるんだけど。

 

 俺だけにっていうかBクラスに絡んでくる、嫌がらせに近い行動もされるので温厚な一之瀬も珍しくぷんぷんしてた、星之宮先生のぷんぷんより気品に満ち溢れていた。

 

 まあそんな事はいいんだ、こいつが言うにはCクラスの王らしいから、上に立つBクラスが気に食わないんだろう、まあそれだけが理由じゃ無さそうだが。

 

 とにかくこいつ、しつこい。朝には神崎に絡んだと思えば昼には俺。放課後は一之瀬とま〜〜〜すごい行動力、正直そこはとても素晴らしいと思う。でもお前がいると姫野どっか行くし邪魔すんなよまじで。

 

 まあおまえがそんなに俺と昼ご飯一緒に食べたいって言うなら仕方なく席を一緒にしてやってもいいけどね。来るもの拒まずですよ。

 

 でもその隣にいる黒人図体デカくてちょっと怖いからもう少し離してくれないかな、海外生活してた時を思い出して衝動的に財布盗りたい気分になんだよな。

 

 まあ財布無いんだけどこの学校。

 

 

「飽きないのかお前」

 

「飽き?はっ、てめぇが言うかよ倉上、よくもまぁ一人の女に執着するもんだな」

 

「惚れてるので」

 

「気持ち悪い奴だな」

 

「喧嘩か?始めるか」

 

「良いぜ?てめぇが負けたら俺の下に付け、三回回ってワンって鳴けよ」

 

「うわきも、まじになってるよ。冗談通じないの社会出たら困るから気をつけな」

 

 あ、ピキった。青二才が、中身30歳に口喧嘩で勝てると思うなよ。

 

 ……なんかごめん、30歳の若返り偽高校生が現役高校生に勝ち誇ってる方がだいぶキツいよな、でもこいつが悪いよこいつが、だって月曜始まって毎日何処からともなく昼休み俺の前に現れるんだぜ?

 

 まあただ龍園に対しての好感度は結構ある、なんたって話しかけてくれているからな、悪ぶってるやつに目を付けられる、これもまた青春だろう。

 

「……チッ、まぁいい、てめえの弱点は知れた、俺のタイミングで倉山、てめえは詰むぜ」

 

「おーそうかがんばれがんばれ」

 

「こいつ……さっきから龍園さんに……ッ!」

 

「よせ石崎。じゃあなァ倉山、腹の借りは倍にして返すぜ」

 

 そう言って龍園は黒人と石崎って呼ばれた生徒を連れてこの場から去ろうとした。

 

 こういうタイプは初めてじゃない、日本では少なかったが海外ではそこそこ居た。あの恐怖を知らなさそうな目を見れば分かる、場慣れをしてるのを見るに、小中と同じように生きてきた感じだろうな。

 

 特に当てはまるのは魔法研究の際に紆余曲折あってヤクザと揉めた時だ、自分達がナメられるのが心底ムカつく性格、思考。

 

 こいつがどうやってCクラスを纏めたか想像が付くな、そして纏め方もまあ、一つのやり方としては間違っていない、俺が4月の時点でCクラスに居たならこいつと遊ぶ青春も楽しそうだと思っただろうな。

 

 良い素質を感じる、上に立つ資質は十分だ。

 

「一つ、忠告をしようか龍園」

 

「あ?」

 

「お前が何をどうしようが構わないし、Bクラスに挑むのも構わない、勿論俺にもな。好きにすれば良い、人間の行動は、人の探究心は誰にも否定も肯定も出来ないからな」

 

 丁度うどんも啜り終えた、美味かったなこのうどん、なんの出汁使ってんだろ、鰹っぽいけどそれだけじゃ無いな。

 

 今度真似して作ってみようかな、姫野に味見してもらおう、そうと決まれば下手なものは作れないから一から麺作るか、この辺魔法で補助するとクソ簡単なんだけどな。

 

 ニヤついて俺の言葉の続きを待っている龍園の目と合う。

 

 

「それで?だからなんだよ、アホ面」

 

 

「お前が俺の弱点だと思ったそれに触れた時がお前の終わりだよ」

 

 

 龍園、お前に俺を測れるか?いや、お前には出来ないよ。恐怖を知らない、恐怖に恐れない人間は、未知を知らない。未知に対する対策が出来ない。

 

 俺が他人に隠している事は多い。魔法使いなのもそうだし、若返りの魔法で高校生やり直してますってのもそうだ、魔法の関係上過去話をあまり出来ないし、仕事上の経験や内容も守秘義務で公には出来ない。

 

 

 俺は善人でも悪人でもない、魔法使いだ。

 

 

 魔法使いが人一人の存在を世界から消す事なんて簡単なんだぜ。

 

 それこそ魔法のように、音も立てず時間もかからずあっさりとな。

 

 

 お前のその目に俺はどう見える?Cクラスの王さま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁそんな事しないけどね。

 

 魔法使って暴れてた18、19の頃なら兎も角、社会経験を得て30代に突入した若返りエセ高校生の俺がそんなめんどくさい事しませんよ。

 

 そりゃまあ本当に龍園から見た俺の弱点、つまりは多分、姫野に何かしたらちゃんと終わらせるけど。少なくとも今はそんなつもりは無さそうだし、放置で。

 

 本格的にBクラスに何かするにもある程度はcp、それからppの仕組みを解かない以上は大規模な計画はしないだろ、少なくとも衝動と感情だけで何かをするタイプじゃない。

 

 計画を重ねて先を見据えた上で一手を打つタイプだ、そのやり方はどうであれ、一つの集団を束ねるってのは、そういう奴じゃないと出来ないからな。

 

 まああいつの事は今はどうでも良い。

 

 

 龍園からの接触から時間が経って既に放課後、俺はとある場所に向かっていた。

 

 いやまあ隠す必要無いので言うが、図書館である。ちょっと借りたい本があるのでそれを借りに行くのだ。

 

 とまあ借りる前提で話しているがその辺どうなんだろう、一度も図書館を利用……いや一回だけ行ったっけ?案内した時に、まあ覚えてないからあれだけど、利用はしてないので、その辺の仕組み知らないんだよな。

 

 まあ借りれないって言われたらppで借りれるか交渉してみるか、借りるだけなら大したppでも無いだろ。

 

 そんなこんなで図書館とうちゃ〜く。

 

「って、おお。綾小路」

 

「倉上?奇遇だな」

 

 図書館の中に入ると身知った人物がいたのでついつい声をかけてしまった、綾小路の周りには何人かDクラスの生徒らしき人物もいる為、ああなるほどこれは勉強会かと結論付ける。

 

 あれ?でも聞いた話によると勉強会は失敗したんじゃなかったっけ、まあなんとか再開出来たって事ですかね、良かったじゃん。でも俺にも教えて欲しかったな、まあクラス違うから必要無いって思われるのも納得するけどさ。

 

「……綾小路くん、この人は?」

 

「ああ、Bクラスの倉上だ、俺の友達だな」

 

「嘘、あなたに他クラスの友達がいる訳無いでしょ」

 

「そんなことないぞ、そんなことない……よな?倉上」

 

「あるわけ無いだろ、この学校で最初の友達なんだぞ誇れ」

 

「ほらみろ堀北、俺にも友達が居るんだ」

 

「嘘でしょ……?」

 

 

 この黒髪の美少女が堀北ね、堀北か……なるほどな。まあ似てなくは無いけど、どうだろう。思い違いかな。

 

「って、Bクラスの倉上っておい、もしかして……」

 

「ん?」

 

「な、なんでもない何でもない!」

 

 なんだ?ちょっとチャラそうな男子高校生に若干恨みのこもった目をされたんだが、はて。

 

 なんか俺の知らないところで噂立てられてたりする?

 

 すると赤毛の男子高校生が何故か俺の方を睨む、は?何かしたか俺、勉強の邪魔って言われたらまあ確かにそれはそう。ごめん。

 

「Bクラスが何の用だよ?」

 

「綾小路が居たから声掛けただけだけど」

 

「じゃあもう良いだろ、勉強の邪魔すんな」

 

「悪いな、でもお前その数学の答え間違ってるぞ」

 

「あぁ?」

 

「解き方が悪いな、基礎から始めないと数学は面倒くさいぞ」

 

「なんだてめえ……」

 

「暇だし教えてやるよ、良いよな綾小路」

 

「あー……良いか?堀北」

 

「良いか悪いか以前に何が目的?倉上くん」

 

 え、目的?暇つぶしだけど、それ以外何があるんだ。

 

 もしかして勉強教えてやっから何か手伝えとか俺が言うと思っているのか?だとしたら考え過ぎだろ、別に手伝ってもらうこと今の所無いし、一之瀬を見習った模範的な善意なんですけど。

 

 うーん説明すんのもめんどくさいな、わざわざする事でも無いだろ。無視でいいか。

 

「隣失礼、良いか?まずは___」

 

「あー?……おお、こういうことか?」

 

「ちょっと違う、ここが___」

 

「あ?つまりこうか?」

 

「んで、これをこうするとどうなる?」

 

「……これで正解なのか?」

 

「おめでとう、続いて残ってる問題もこのやり方で解けば良い」

 

「お、おお……」

 

 なんだ悪くないじゃん、見た目だけ見ると全然勉強出来なそうってか実際これ中学の基礎の範囲だから勉強出来てないんだけど、飲み込みは早いな、覚える事は不得意って訳じゃないらしい。

 

 これがDクラスの平均って訳じゃないと思うが案外、一番悪いって集められたクラスにしては違和感を感じるな。まあ綾小路がいる事自体が違和感の塊なんだけど、それを置いといても。

 

 何やら意外そう、というか驚きの混じってる目をしている黒髪の美少女と目が合う、どうよ。俺結構教えるの上手いんだぜ、魔法の研究に近い事をした勉強の所限定だけどな。

 

「すごいねっ倉上くん!わたしにも教えてくれないかなあ?」

 

「時間無いし今度な、じゃあ頑張れよ綾小路」

 

「お、おう」

 

「待って、さっきの問いに答えてないわよ」

 

「いや、答えるまでもないだろ。善意だけど、全ての行動が目的のあった行動だったら人生つまらねーぞ」

 

「……理解出来ないわ、他クラスの生徒にわざわざ塩を送って楽しいとでも言うの?」

 

「一教科少し教えただけで敏感だな、視野が狭いのは欠点だから直した方が良いぞ」

 

「なっ……あなた」

 

「綾小路、今度遊ぼーな」

 

 解散解散、そろそろ今日の晩御飯選びをしないといけないのだ、気付けばそこそこの時間だし。

 

 図書館の本を取って借りれるか聞きに行くと、どうやら問題無いらしい、やったぜ。遅れたら遅れた日毎に1000+5000ポイント罰則があるらしいがまあ妥当、ちゃんと返そう。

 

 さて今日の料理どうしよっかな、何しよう。

 

 うーん……電話して聞いてみるか。

 

 

「もしもし姫野?今日の晩御飯迷ってるのだが何かおすすめないか?」

 

『連絡してくんな、うざい』

 

「それと一緒に食べないか?姫乃が食べたいもの作ろう』

 

『いやだ』

 

「あ、もう食べたか?」

 

『……まだだけど』

 

「了解、パスタとかどうだ?最高のボロネーゼを披露してあげよう」

 

『うっさい!』

 

 

 あ、切れた。でも多分食べないとは言ってないから二人分買うか。

 

 美味いパスタ作るからな、胃袋掴んでやるぜ姫野……!




感想いっぱい欲しいな〜って事で次は遅め。明日は書く時間ないからね。
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