ようこそ生かさず殺さずの実力至上主義の教室へ 作:センザテーラ
カーテンの隙間から降り注ぐ朝日の光が、ベッドの上で寝ている拓也のギリシャ彫刻のようなガタイを照らし出す。どうやら起きる時間らしい。
「あーっ!おはよぅううっす!おーっ!うーっす!」
オレは激エロな淫獣の雄叫びと共に一つ伸びをし、完全に目を覚まさせて野獣モードに体を切り替える。するとオレの声が下まで届いたのか、一階からお母さんの声が聞こえてきた。
「拓也?朝食が出来ています。すぐ降りてこれますか?」
「あ、あん、はっ、はい、40分後には、いっ、行けまっす!」
「今日から学校が始まるのでしょう?もっと早く来れませんか?」
「あ、ああ、はい、なるべくはっ、はっ、早く行きまっす」
オレは慌てて学校に行く準備をする。
うーん、それにしても制服のシャツが中々閉まらないな。やっぱり拓也の胸囲107センチのモロホストガタイはシャツくんにはきつかったのかな(笑)
なんて悪戦苦闘しながら何とか着替えを終えて1階のリビングに向かう。下に行くと、焼き立てホカホカのトーストと共にウインナー(意味深)、バナナ(意味深)、牛乳(意味深)、そして拓也の大好物であるドロドロのヨーグルト(意味深)がテーブルの上に用意されていた。ヨーグルトは長時間の授業でもケツ洗わずに済むからとても重宝してるんだよね。
お母さんが作った朝食を食べた後は、入学式に遅刻するといけねぇんで速攻で日課の朝シャワーも浴びずに必要な荷物を持ち、お母さんに別れを告げて家を飛び出る。どうせ、向こうの寮で夜にシャワー浴びるからいいのさ♪。
いつもと違う道を歩きながら春の陽気を感じつつ、上から舞い降りてくる桜の花びらの匂いで甘く優しい香りを放ちながら自宅からバス停に向かった。
「早朝のバスは3台くらい来るといいんだよね。だってさぁ、通勤ラッシュの時に一人のご老人の方とかが座れなくてかわいそうじゃん!」なんて思っていながら、バスの中で立っているおばあさんにはたして誰か席を譲るのかどうかやっぱり気になる。
しかし、時間が過ぎても一向に誰かが席を譲る気配がない。やっぱり今時の現代人クンって譲り合いの精神を忘れてると思うんだよね。
だからオレは一向に名乗り出ようとしないウケな乗客くんに代わっておばあさんに席を譲るべく自分の座ってた席を立ち、淫乱な声掛けをした。
「おばあさん、どうぞオレの席へ座って下さい!」
「…あら、本当にいいのかしら?」
「ウッス!オレ体鍛えてるんでこれくらいは何ともないっす!」
「そう?じゃあお言葉に甘えて座らせていただきましょうかねぇ。ありがとねぇ、優しいお兄さん」
「ウィス!」
オレは無事におばあさんに席を譲れたことにほっとして、一つ息をつく。
良いことをしたからかジムで筋肉ガンガンにパンプしまくった後のような爽快感がケツから全身に迸るぜ。
それと同時に「拓也、お前は気の使い方が上手いな!」なんてセンパイに言われたのを思い出す。シュワちゃんも「人助けをするのは女と寝るより快感だ」って言ってたけど、その通りだぜ!
おばあさんが席にゆっくりと腰を降ろすのを見届けた後、昨日発売された小説である「生かさず殺さずのクリスマス」を鞄から取り出しバスの中で読み耽った。
目的地に着いたんで、前の人に続いてバスから降りる拓也。今日からここで生活するんだなぁなどと感慨に耽りながら前を向くと、そこにはデカ校舎が仁王立ちで待ち構えていたのでつい目を丸くしてしまう。
「デカイ!」
一級品の美術品を鑑賞するように、そそり立った超デカ校舎をエロ放心しながら見つめている拓也。すると、後ろの方から
「あ、ねぇキミ!」
って声がしたので慌てて気を持ち直して振り返ってみると、そこにはニコニコ顔でどんなノンケでも堕としてしまいそうな風貌をしたオンナがいた。そういえばさっきバスの中で見かけたような気がするぜ。
「さっきお婆さんに席を譲ってくれた人だよね?」
「そうだぜ!」
「ごめんね、私も名乗り出ようと思ったんだけど…」
「いーんだよ、気にしなくて!オレが好きでやった事だからさ!」
「そう言ってくれると助かるよ……あっ、そうだ(唐突)これもなにかの縁だし後で連絡先交換したいなって思ったんだけど…いいかなっ?」
「よいぜ!」
……本当は初めての連絡先交換はオトコとが良かったんだけど、ここで断るのも失礼だしなって思ったんで残念がる様子は一切見せずに了承する。オレってチョーオトナだよな!
「ありがとう!私の名前は櫛田桔梗、よろしくね!え〜っと…」
「南拓也。拓也で良いぜ!」
「分かったよ!じゃあ改めて拓也君、これからよろしくね!」
「ウッス!こちらこそよろしくお願いしまっす!」
その後は櫛田と共に時々笑い話も交えてクスクス笑いながら上手な会話を回していき、オレ達は学校へと入って行った。
さぁ今日から学校生活頑張るぜ!
櫛田さんマサヒコさんに似ているように思えるのだが…