あの気づきのおかげで今があるのだから。
いつからだろうか。
いつの間にか視界の中には彼女がいて、常にどこかしらにその純白の姿があった。
視界の端で、あるいは真ん中で、遠くに動く彼女の姿が日常になっていた。
視界にその「白」が無いだけで、なぜかひどく不安になる。そして彼女が戻ってくればその不安もなくなって、また日常が再開する。
理由はわからない。たぶん、無い。それでも、きっと彼女は常に自分の視界にいて、それに謎の安心感を覚えているのは確かだった。
——声を掛けるわけでもない。会話は最低限にあるものの、友達同士のグループの輪は全く違うものだったから、仲がいいとはお世辞にも言えない。それでも、何故か視界に彼女がいることが当たり前になっていた。
いつからだろう。
私が彼の視線上に常にいると気づいたのは。
いつの間にか無意識に、毎度の如く彼の向いている方へと自分の位置を動かしている。
理由は分からない。たぶん、無い。それでも、きっと私は常に彼の視界にいて、それに謎の安心感を覚えている私がいるのは確かだった。
彼の視界から外れることに意味のない罪悪感を覚え、体が勝手に彼の方へと動いている。そして彼の視界内に戻ってくれば、それで日常が再開した。
——声を掛けるわけでもない。会話は最低限にあるものの、友達同士のグループの輪は全く違うものだったから、仲がいいとはお世辞にも言えない。それでも、何故か彼の視界に私がいることが当たり前になっていた。
誰にも相談などできなかった。そもそもこれをどう相談したらいいのかという時点で躓いているのだから。
自分から話しかけることもできなかった。「どうして」にも「なんで」にも、答えなど持ち合わせていないからだ。
視界の中に異性が常に居るという状況から、愛だ恋だに発展するのはテンプレート的な単純恋愛小説の中だけの話。それぞれが意識しているからと言って、それが
結局のところ、結論は現状維持の他に行きつきようがない。
きっと卒業までこの奇妙な関係が続くのだろうと。そして卒業後、視界に互いの姿がいなくなったことを認識し、少しだけ感傷に浸ってから、また前に進んでいくんだと。
そう思っていた。
でも、気づいてしまったのだ。
——気づいて
お互いに、お互いのことを。
だからこそ、不干渉は貫けなかった。
現状維持にせよ態度を変えるにせよ、答えのようのないと分かっている質問をしなければならなかった。
自覚したからこそ、踏み出さざるを得なかった一歩。
結局しびれを切らしたのはどっちだったか、もう覚えていない。