OMEN of STORM   作:あしゅけーね

1 / 28
シャドバの背景ストーリーをなぞって行く
更新は気が向いたら
多少原作と違うかもしれない(展開とか口調とか)けど許して


アルティメットコロシアム/Ultimate CoLosseum
ー選手入場ー


『さあいよいよ始まりました、八つの世界のぶつかり合い!それぞれの思いを胸に、果たして勝って全ての世界を手に入れるのはどの選手か!手に汗握る実況は、私チャットにお任せを!』

 

 歓声が上がる。百年に一度というこの大会、生きて見れるのだから無理もない。

 世界を放浪する巨大な象神(ゴッドコロシアムマンモス)、その背に座す頂きの闘技場に八つの異界から招かれた選手達が招かれる。

 

『それでは選手を紹介しましょう!まずは一人、木々生い茂る密林の“約定世界”より《ちとせの茨》リマーガ選手の登場です!本来は仲間との連携を得意とした戦いをするそうですが今回は一人しか出場出来ません!どう戦うのでしょうか!!』

 

 紹介が終わるのと同時に巨大な象神(ゴッドコロシアムマンモス)が百雷の様な声で嘶く。巨象の頭の上、闘技場の門が開き、深く雄大な自然を思わせる緑に輝く光の中から大剣を背負う褐色の大柄な女性が現れた。その後ろには複数の女性──密林の守り人達の姿がある。

 

「ウォオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

 

 それぞれが一斉に、沸き上がる歓声すらも掻き消す咆哮をあげる。気合いは十分ということだろうか。

 

『さあ続きまして“不戦世界”の代表者、《天下斬刀斎》カゲミツ選手の入場だ!振るう戦がなくても磨き上げたその剣技!存分に奮って貰いましょう!!』

 

 再び響く百雷の嘶き。栄光を示すような黄金の光の中から和装に鎧、赤い鞘を下げた老人と、その御付きの侍達。歩みすらも抜き身の如く、一歩歩く度に斬られるのではないかという錯覚さえ覚えてしまう。

 

「平和という鞘より、抜き放って頂きました。我ら侍、かたじけのうござります。畳の上で錆びるは名折れ。戦場にて折れるこそ、誉れなれば。故に斬る。斬り捨てる」

 

 あまりの威風に圧倒され静かになった観客席。決して大きな声ではないその宣言が、鋭く響き渡る。

 

『…さ、さあ続きましては“文言世界”より《在らざる五行》クオン選手の登場だ!盛り上がってこー!』

 

 真理を貫くように青く輝く光の中より、荘厳な音楽と共に色とりどりの蝶や鳥が舞い踊る。よく見れば、それら全ては紙で出来ていることに気付くだろう。そうした演出と共に現れる、大柄な男、優雅な女、典雅な男、それらに付き従う門徒の少年少女。果たして誰が代表だろうか。

 

 否、誰も代表者ではない。

 舞い散る蝶鳥が光を振り撒き、一つに纏まり爆ぜる。大きな大きな花火の中から現れる雅な人物。先程のカゲミツの様に和装ではあるが、鎧はなく、着物とは違った白い狩衣。

 

 誰もが見てわかるほどの強者。誰もが代表者であると核心を抱き、そして同時にひれ伏したくなる様な存在感。

 

「我に敵う者なし。己の無力を知らねぇ有象無象とか、クダラネーからここで終われば?」

 

 その見た目とは裏腹に、口汚く他の参加者を罵る勝利宣言。それは驕りではなく、自身が絶対の強者であるという自信から来ているものだとわかるほどには、その人物の纏う気配は強かった。

 

『あー、クオン選手、そういった挑発行為は……ひっ、い、いえ何でもありません…つ、次の参加者は三国に分かたれた“龍王世界”にて覇を唱えるこの男!《大牙の風雲児》ガリュウ選手!自らの世界も治めていないのに、他の世界も手に入れようというのか!その強欲がこの大会でどう出るか!!』

 

 荒々しい岩のような土色の光の門より現れるは金銀二対の巨大な龍。その背に乗るは山の様な竜人と、羽扇を持った軍師の少女。

 

「聞いて驚け、腰抜かせ!天下に轟く武勇伝!我こそは一騎当千、百万倍!巨億の富を鷲掴み、億兆の理想を掲げし漢!!!」

 

『『パギャアアアア!』』

 

 龍の咆哮が響き渡る。その威容に誰もが唾を飲み、その雄大さに誰もが恐れ戦く。

 

『ひゅ…い、いえ気を取り直して……ヨシ!さあ続いての選手の登場です!連日連夜、呑めや騒げやの大騒ぎ!自由気ままな百鬼夜行の長、“妖華世界”の代表者!《潰し宴の大妖怪》ギンセツ選手だ!』

 

 再び光…ではなく、紫に怪しく輝く門から瘴気が立ち込める。そのおどろおどろしい雰囲気とは裏腹に、やって来たのはどんちゃん騒ぎの珍道中。しかしてそれは人ならざる。薄い少女に燃える車。凍える女に大きな瓢箪を背負う鬼。その御輿が担ぐは九尾の女。盃傾け火球で遊ぶ。

 

「ようよう招いてくれはりましたわ……と、言いたいところですが、今は昼時我らの領外。我らあやかし、しばし失礼させてもらいます」

 

 そう言うや否や、ずらり並んだ百鬼の列が、跡形残さず消え去った。まるで始めからいなかったかのように消えたが、やいのやいのと宴に踊る声は響いて来る。

 

『…ちょっとタイミング悪かったですかね…。気を取り直して!続きましては“狩猟世界”の頂点(チャンピオン)!万物を食らう、怒れる猛獣!《全獣王》アラガヴィ選手!』

 

 血よりも紅い光の中から、大小様々な獣の皮を被った半裸の男女が現れる。その中でもとりわけ大きな、熊の皮を被った男とその隣にいる少し小柄な狼の皮を被った男。一歩、狼の皮を被った男が前に出る。

 

「俺こそがアラガヴィ!俺の前では全てが獲物!故に、お前ら全員、吊るして剥いで根こそぎいただく!!!」

 

 物騒な咆哮と共に吐き出された言葉。狩って喰らって強くなる、彼ら狂戦士の生き様そのもの。

 

『続きましてはこの男!神は過ぎ去り、邪悪なる神が降臨した!終わらぬ戦いから民を守るため!他の世界を手に入れるべく英雄騎士が立ち上がる!!求めるは安息、掴むは救済!“無神世界”より《悲嘆の哀騎》ウィルバート選手!!!』

 

 白く白く、雪より白い神秘の光の中より、たった一人の男が歩み出る。白き盾と剣を携えた、純白の男。その身は汚れ、直前まで戦っていたことがわかる。しかし手に持つ剣と盾は一切の汚れなく、神々しい光を放ち続けていた。

 

「……俺が勝っても負けても構わない。ただ、あの世界に残った人々は守ってくれないだろうか。あの世界はもう終わっている」

 

 世界の終わりを見た人間の、悲壮溢れる宣言。観客選手問わず沈黙が漂う…とはならなかった。

 

「確かに、観客のいない出し物は味気ないものやろね。せやさかい、妖怪はみぃんな人が好きやねん。我ら妖華世界、無神というならなお歓迎。少し手荒な面々やけど、手厚く迎え入れさせてもらいます」

 

「無知で無力な愚者共が、どれだけ死のうが興味ネー。だけど意欲がある奴には、我が陰陽その一片くらいは教えてやるよ」

 

「終わらぬ戦、大歓迎。我ら侍、生に飢えておりまする。生きるとは、斬ることですゆえ」

 

 三者三様の名乗りをあげる。いずれも強者。己が勝つと疑わないからこそ、迎える者、戦わせる者、守る者。それぞれの信念に従った返答だ。返事を返さぬ三人もまた、強者のみが生き残るという信念に従っているに過ぎない。

 

『……えー、あ、居たんですねギンセツ選手……日光とか大丈夫なんですか?』

 

「百鬼夜行の長やさかい、これくらい耐えんとやってられんわぁ」

 

 のんびりと答える彼女。実際、全く弱った様子はない。

 

『あーっと、では、最後の選手の登場です!鋼を纏い、体を作り替え、それで残った己が心で武を極めた、“中央世界”の代表者!《殺鬼滅拳》カルラ選手!!!』

 

 空の如く清んだ青色の門の中から、下半身と右腕を白銀の機械に変えた男が歩いて来る。その後ろに続くのは、様々な術を極めた機械の体。皆それぞれパイプにまみれた胴着を着ている。

 

「心見つめたオレの武芸と共に、白銀外装「破邪のインデラ」、存分に振るわせてもらおうか」

 

 最後の男が名乗りをあげる。

 百年に一度の祭典、アルティメットコロシアム。

 八つの世界の代表者らが揃い、今始まる──には少し早い。このまま大会は始まるが、予言にあった物語を始めるには登場人物が少し足りない。紹介していこうか。

 

 *

 

 まずは一人、観客席にて興味無さげにそっぽを向く竜人の少女。その名を──

 

「フィルレイン様、フィルレイン様!ダメですよちゃんと見なきゃ」

 

「興味ないわ」

 

「ダメですよ。竜人の代表として来ているのですから、相応の態度でいてください」

 

「堅苦しいのは嫌い」

 

 銀氷の吐息を撒きながら、凍えた心は答える。彼女の中にあるのは凍てつく水面のように揺らぐことなき氷だけ。こんな争いなどどうでもいい。

 

 *

 

 もう一人。観客席にて妖精と戯れる老人、名をアマツ。普段は森に住まう彼の老人にはこんな争い見る必要もない。この世界の住人である彼には、こんな争い参加する資格もない。

 

「────!」

 

「おお、そうかそうか。楽しいか。なら連れてきた甲斐があったわい」

 

 彼がここに来た理由は一つ。好奇心溢れる妖精の、その好奇心を満たすため。森から遠く離れたこの地まで妖精を守り連れてきた。

 

 *

 

「随分騒がしいでありんすなぁ」

 

「ええ、なんでも百年に一度のお祭りだとか。客も遊女もその話で持ちきりです」

 

「祭りに浮かれるの結構でありんすが、仕事に支障をきたさないよう、皆に伝えておくんなんし」

 

 さらに一人。世界に名だたる遊郭。その中心となる遊郭の支配人。色香る街、欲蠢くこの地にて唯一風情を謳える女、名をユヅキ。一見普通の女性ではあるが、その実人を食らう悪魔の女。しかし彼女について語ることはまだない。なにせ出番はまだまだ先だからね。

 

 *

 

 最後の一人。体全てを鋼に変えた、ただ速さを突き詰めた機械の少女。

 

「あるー日♪雪のなーか♪くまさーんを♪倒した♪」

 

『ご機嫌だなララミア。そんなに嬉しかったか?』

 

「当然だよ。あのくまさんを倒したことで私達の理論が正しかったって証明されたんだから」

 

『そうか。その体を気に入ってくれてるようで良かった。ところでアルティメットコロシアムの話は聞いてるな?』

 

「えーっと、百年に一度開かれるやつだよね」

 

『そうだ。それが今年開催される。その選手の中に我々とは違うアプローチで体を機械化した選手が居ると情報が入った。現地からデータが届いているが君が直接見て意見を聞かせてくれないか』

 

「了解!場所は?」

 

『今送られてきたデータと一緒に転送する。任務続きで悪いな』

 

「問題ない!」

 

『頼もしい』

 

 巨大な象神(ゴッドコロシアムマンモス)から遠く離れた極寒の地。高速で飛べるとはいえ、広大なこの世界。彼女が話に絡むのはもう少し先のことになる。

 

 *

 

 舞台は戻って頂きの闘技場。物語はようやく始まる。

 

『さて、気になる対戦カードは──これだ!』

 

 第一戦 アラガヴィvsクオン

 第二戦 ガリュウvsギンセツ

 第三戦 カルラvsカゲミツ

 第四戦 リマーガvsウィルバート

 

『さあ早速始めましょう!まずは第一戦!アラガヴィ選手、クオン選手の入場だ!』

 

 予言の始まり、物語が動き出す。

 ああ、言い忘れていた。語り手はこの私、《開闢の予言者》ティオが聞かせよう。




両雄激突でアラガヴィとカゲミツが戦っていますが無視します
私の腕じゃなんか一瞬で終わりそうなので
参考は画廊◯ース
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。