OMEN of STORM   作:あしゅけーね

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侮蔑の試練

アハッ、良さそうなのがいるじゃない。貴女は少しは楽しませてくれるかしらっ!!!

 

 白銀の竜人が座る観客席を五つの炎爪が抉る。触れた観客、石造りの足場、柔らかな椅子。それらを瞬く間に灰に変え、赤い炎は消え去った。ただ一点を除いて。

 

「フィ、フィルレイン様……」

 

「邪魔。早く逃げて」

 

「はっ、はい!!」

 

 ただ一点、彼女の前においては炎ですら凍りつく。赤き炎は揺らぐことすら許されず、ただ銀氷に覆われるのみ。

 

惨めね。ああ、惨め。すぐに燃え尽きる弱者、逃げ惑うだけの愚衆。貴女はどうかしら

 

 燃え尽きた灰、逃げる観客。全て見下し侮蔑は嗤う。

 

「貴女だれ?」

 

いいわ、教えてあげる。私は侮蔑の絶傑ガルミーユ。さぁ貴女もひざま

 

「そう、興味ないわ」

 

ふざっ───

 

 激昂する侮蔑を銀氷の吐息が襲う。覆う霜は雪より白く、冬より寒く、針より鋭く骨の髄まで凍てつかせる。しかしそれだけ。この程度の霜降る寒さで侮蔑の嗤いが止むことはない。

 

ふっ、ふふっ…その程度ぉ?こんなきったない息吹き掛けておしまいかしら!!

 

 応報は五指の炎爪にて。愚かにも剣を向け、鱗の程にも傷をつけられない弱者が辿る末路は先程示された。

 脈打つ五つの炎は握撃の如く。此度は決して凍てつかぬと獲物を握る。

 

燃え尽きなさい。その塵と灰、丁寧に丹念に踵と爪先で捻り潰してあげる!!!!

 

「いらないから。踵も爪先も、塵も灰も何もかも」

 

 焔を散らしフィルレインは現れる。その身に煤の一つもつけることなく火の粉は消え去り銀氷が舞った。

 

……雪?

 

 儚き雪が舞い落ちる。空は青々と晴れ、客席は赤く燃えているというのに世界を白く染める雪がはらはらと。侮蔑の焔が揺れ、白雪を舐め溶かすよりも速く霜降り、凍り、砕け散り。今この場にあるのは試練ではなく凍える小世界。霜柱を踏み折り、白銀は歩く。

 

 その白く揺れる衣装はどこへ、肌を覆うはほの暗き灰。その背に纏う白銀、蒼く凍てつく氷は長く揺れる髪のよう。

 

だから何?結局のところ貴女は愚鈍なのよ!!!

 

 再び炎爪が無防備なフィルレインを襲う。しかし今度は届かない。襲う炎の握撃は凍ることすらなく無価値に、無意味にかき消える。

 

「暖かいものは嫌い。だから消えて。その熱も、炎も。貴女では届かないから」

 

 彼女(ガルミーユ)を見つめる紫紺の眼。それは、普段彼女に向けられるような見上げる視線ではなく、彼女が向けるような見下す視線でもない。

 

 それは、路傍の石に、あるいは転がる草のように、優劣をつけるその価値すらないものへと向ける冷酷で、傲慢な眼差し。

 

(……私が震えるですって…?)

 

 ガルミーユの体が小刻みに震える。それは、寒さによるものではない。では怯えか?それも否。その震えは───

 

フ、フフ……氷如きがよく吼える!矮小暗愚魚風情が!!「覇極」!

 

 焔纏う五指の龍爪「覇極」。それが切り裂くは吹雪く銀氷、ではなく侮蔑の左腕。飛び散る血が、滴る血が、赤く紅く燃え上がる。敵も──今はいないが──味方も構わず暴れる細くか弱い炎は、しかし極寒の小世界においても掻き消されることはなく、龍が舞うように荒れ狂う。

 

 その血を、身を燃やして佇むその気迫は、姿形こそ小さき人であるがまるでその背に赤き竜を背負うが如く。その翼を大きく広げ、足元に立つ白銀を()()()()()

 

愚かね、消えろ!!!

 

 苛立ちをぶつけるかのように振り下ろされる侮蔑の炎爪。五つの焔が束ね合い、一つの豪炎へと成り変わった。

 狙うべき敵は一人。主を蝕み燃え上がる龍の炎は狙い定めた獲物を必ず殺す。

 

 降り積もる雪を引き裂き爆炎は暴れる。無人の客席を抉りながら動こうともしない銀氷の元へ。

 

 轟音。

 

 空まで届く火柱が立ち昇る。

 薄暗く吹雪く世界の中で、彼女らだけが赤く燃えていた。

 最も、片方は青く赤く天に昇るように凍りついているが。

 

「もう一度だけ言う。暖かいものは嫌い。だから凍って」

 

 白銀氷河吐息となりて。侮蔑を襲うは灼熱も凍る絶対零度。何一つ身動ぐものはなく、故に一切の熱量が生じない正しく絶対の零度。

 

 すべて凍りつき光を見るものもなくなり、そこに残るは暗闇の中ただ訪れる死の時を待つガルミーユのみ………いや、ここにもう一つある。熱く燃え上がる熱血の炎が。

 

(…………()()()()()())

 

 凍てつき、光を食らうことのなくなった瞳の奥に揺らぐは決意の炎。冷たく拒む傲慢を溶かす青い蒼い炎。

 

 侮蔑の試練は凍てつき終わる。抗い、拒んだのは銀氷の傲慢。世界の進化に興味はないと、人の形を残したまま中身のなくなった氷に見向きもしない。

 

 *

 

 世界に声が響く。世界がまた一回り大きくなったことを告げる声が。

 

試練は進むのね

 

 侮蔑の烈火は絶えることなく、ぶつかり合える歓喜をもって燃え上がる。




異術の看守の能力があまりにも雑過ぎて萎えたので割り食って短めです
前回二千文字多かったので今回二千文字少なくてもいいよね










ほんとになんであんな雑なんだよ
土スペ混合そんなに強くないよ
スペルだけ、土だけで使うとしても7はないよ
5回スペブに至っては3コスの性能じゃんほんと水晶の魔剣士おかしいな最近見ないけど
でも全体一掃してシュマエル大量に並べて走らせるの強そうなので銅銀でシュマエルを安定して抱えられるカードとマナリアの偉大なる研究が来たら手のひら返すかもしれない
アディで8コススタック数×2ダメージ飛ばすやつとか来たら確実に手のひら返すよ
いかないでカウマジスペコン禁書庫クロノトンバベルエン加護ユピテル
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