5
6
再臨する絶大
「最初の試練、今再び」
「どお…して……?」
全てが終わった事に安堵し、ラピスと共に実況席へと戻っていた少女───チャットは混乱していた。まあ無理もないことだろう。
今し方試練は終わったはずだ。八つの
「簡単な話だ少女よ」
貫かれた右目を眼帯で覆った目の前の男───マゼルベインは告げる。
子供でも分かる簡単な理由。あるいは子供のように理不尽で身勝手な理由。すなわち───
「試練を終えた。福音を得た。ならば世界は進むのか。進んだというのならば我らに示してみせよ」
絶大は宣言する。新たな試練を。
「見よ。我ら絶傑、今再び世界に試練を与えよう」
*
白黒二つの巨像から、小さな小さな卵が生まれる。心を育むその殻は、ブルリと震える。
奏絶は、未だ歌わない。
*
音の消え去った舞台に、怨讐の火が灯る。朧の山は既になく、新たに刻むは悍ましき墓標。
絶叫は、他者の声を許さず鳴り響く。
*
安寧を捨て去り、過酷を進む者へ。ならば貴様の縋る夢は潰え、心折る現実が突き付けられよう。
絶望は、もはや憐れむことすらしないだろう。
*
焔は認める。己の弱さを。相手の強さを。ならばこれで対等だ。見下し、見下されたのだから。
烈絶が認めたその輝き、今一度示せ。
*
体は耐え抜き生きた。心が死んだ。その在り方に間違いはなかった。受け継ぐものは命だけでないと知らなかっただけなのだから。
絶命は認め、望む。心の生を。
*
皆等しく、皆同じ。故に拒むことが分からない。交われば分かるのに、
愛絶は理解を拒まれた故憎む。
*
餓える恐怖を知り、それでもなお乗り越えた。ならば人は喪失では止まらない。なればこそ。
空絶は、全てを与える。
*
偽り、飾り、嘯き、繕い、虚ろう。訪ねど尋ねど真実は現れず、遂には虚構に斃れる。
絶尽は纏う全てを剥き、真実を晒すだろう。
*
干上がれ、乾上がれ。甘く満ちることを望むのなら。飢えた子にとって、万象は甘く垂れる雫である。
干絶は姿を晒し、世界という雫を飲み干す。
*
「見えただろう。聞こえただろう。世界の進む音が。世界の辿り着くべき姿が」
見えた。聞こえた。少女が知るには大きすぎるもの。されど知らずにはいられないもの。
「では、試練を始めよう。まずは示すがいい。他の何事にも変えられぬ、己が唯一の絶大を」
今後は金スペル+トークンの二話同時投稿でいく
文字数は合計で4000を目指すので一話を分割して二話にしてるだけ
なので投稿頻度は変わらない……はず
でも二つ書くのって面倒くさいんだよね