3
2
5
「アカン、やらかしたわ」
ほんの出来心だった。単純に勝手知ったる夜の京であれば有利に戦えるというのもあったが、半分くらいは興が乗ったという理由に過ぎない。
その結果がこれだ。結果敵に有利な環境を作り上げ、無限に湧き出る不死の軍勢となった。
「誰も纏めて吹っ飛ばせる術なんて持っとらんしなぁ」
妖怪は人を脅かし得られる恐怖を好む。故に無差別に脅威を蒔き散らす行為を好ましくは思わない。大量の恐怖は混じり合い、一つ一つの恐怖の味が薄れる為に。そも、妖怪は基本死なず、それでも数は増え続ける。故に百鬼夜行の数が減ることはなく、大抵の場合はその不死性と数で一人一人押しつぶしてきた。ドクロ親父はいない。
「……ええやん、楽しくなって来たわ」
数が増えれば声も増える。声が増えれば強さも増える。そして何より、音源が増える。一は二に、二は四に、倍に倍に増える叫びは、既に高々数百の妖怪の数など越えていた。
狩る者狩らるか。既に獲物は逆転している。絶え間なく続く絶叫は一人二人欠けたところですぐさま湧きいで埋め尽くす。
「姐さん、数が多すぎる!!!」
「一体一体は大した事ない。仕方ないからお山で京を上書きし」
そう、一体一体は大した事ないのだ。一体が与えるダメージはかすり傷程度に過ぎない。放置すればさすがに厳しいが、数百回なら傷つけられても大丈夫と言える。
「駄目だ!向こうが弱すぎる!」
「なら別の芸を考えんとな!」
問題はその弱さ。更に言うのであれば数で圧殺するところ。
オオエのお山の弱者の判定に引っかかる。これが一体であれば百の妖で囲み殺していた。しかし千に、万に届くような数であれば今度は自分等が囲まれ押しつぶされる。
「あかん、あかんなぁ。ウチらのやり口そのままに、その勢いだけ増しててなぁ。なまじが単純な手だけにな~んも思いつかん」
数と不死性による暴力。なまじ自分たちの戦法であるが故にその有用さを理解できてしまう。
「雪女!」
「一体二体凍らせただけじゃダメです。すぐ代わりが来てしまいます」
「座敷童!」
「一体消しても増える。けどたまに特別な一体がいてそいつを消すと増えない」
具体的に言うなら
「よろし、ではそれを…」
見つけ出す?どうやって?
なにか特別な目印があるわけでもないその特別な一体をいまだその数を増やし続ける万の軍勢からどう見つけ出すのか。さらに言うのであればそれはギンセツの持ち得ない、座敷童だけが持つ特別な力でなければ消しされない。
「……姐さん」
「なんや酒吞」
「姐さんは…ギンセツは俺らが束になっても敵わねえ強さだろう」
「まぁ、せやなぁ」
事実故にあっさりと認める。確かに、妖華世界において彼女に並び立てるものは疎か、その影を踏めるものすら居はしない。この世界においても彼女と互角の者の数は両手の指では余るくらいには居ないだろう。
「ギンセツ、俺らに遠慮してるだろ。全力を出せば巻き込むからって」
「俺らはよう、もう十分楽しんだ。あんたと歩いた幾百夜、皆で騒いだ幾千夜。どれも楽しかったぜ」
「あとは新入りに譲るわ」
まるで今際の際のような言葉。いや、実際そうなることを望んでいる。
「ああ、そないな…わかった、最後に良いもん、見せたるわぁ。しっかり捕まっとき」
妖の中で最も年若い座敷童の体を抱きしめ、その持てる全てを解放する。
妖華世界、その全てと言ってもいい恐怖を統べる女王の、その全ての妖力。浴びる者は当然、知るもの全てを死に至らしめる。死なぬはずの妖さえも皆全て。
「百鬼の頭領、罷り通りますえ」
一歩踏み出せば千の絶叫が搔き消え、腕を一振りすれば万の死体が積み上がる。
「世界は叫ぶ!!!」
「な、なんか強そうなのが出て来ましたよ!!!」
「特別な一体、は死んだら強おなって化けてくるんか。わかりやすくてええわぁ」
軽く飛び跳ね、舞を舞うように宙でくるりと回れば、その場にいた11939777体のルルナイ、その全てを鏖殺。
されど絶叫の拡散は止まらない。その音を発する者がなくなっても、反響する絶叫は新たな音源を生み続ける。
「阿鼻叫喚なる静寂を!!!!」
一つ二つとポツリポツリと蘇った絶叫は、即座にその数を増し再び夜の京を埋め尽くす。
「ええね、手向けの花やし派手にいこか」
セーフ
アディ間に合った
スペブ調整で使い回したい低コスフォロワー使いまわしたり大量スペブでシュマエル使いまわしたり出来るエイルは偉いね
貴人2コスで出せるから貴人の出たとき効果のバーンもクオンで出すのとほぼ変わらない量出る上に進化できてダメージ一回無効化出来るのいいよねアンリミだと貴人なんて出すことすらないけど