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「この熱、試すためでなく鍛える為に。ええ、認めてあげる。貴女は強い」
焔が灯る。かつてのような赤い炎ではなく、凍てつく氷よりなお青い炎。
「また来たの」
されど銀氷は興味なさげに息を吐く。
「ええ、ええ!!貴女の強さを認めて、並んで、追い越して!!そのために私は戻ってきた!!」
暑苦しい、鬱陶しいと。一度負けて、それで戻って何の意味があると。
「暖かいものは嫌い。早く消えて」
「フッ、フフ…貴女は嘘をついている!ライオ程じゃないけど私も嘘は嫌いよ。それは強きを腐らせ弱らせる」
「……温かいものは嫌い」
白銀は否定する。それは嘘偽りのない本心であると。
「いいえ、貴女、暖かいものが嫌いなんじゃない、傷付くのが怖いんでしょ。暖かいものが冷たくなっていく様に裏切られるのが嫌いなんでしょう。くだらない」
烈絶は否定する。白銀よりも強く。
「貴女は裏切られるのが怖い!!なぜならその冷たさを知ってるから!!だけど貴女は竜人族の代表なんて頼みを受け入れるほどには信じたい!!!なぜなら信じる温かさを知ってしまったから!!!ああ、本当───」
「なんてくだらない!!!」
「っ…!」
歯を食いしばる。ともすれば砕ける程に。あるいはそれが彼女の言を認めることになるとしても、抑えきれない怒りの発露。
「いい顔ね。そうよ、燃え上がりなさい!凍てつく心を溶かしなさい!!あらゆる激情をぶつけなさい!!!」
荒々しく銀氷の吐息が吹き荒ぶ。万物の時を止め、絶対零度の檻に閉じ込める息吹が曇天を貫く嵐のように渦を巻く。
されど烈絶は止まらない。先のように氷の檻に止まることもなく。透き通る氷よりも蒼い炎を吹き上げる。
雨が降る。冷たい雨が、温かい雨が。白銀と蒼炎のぶつかり合いが、止まる世界を押し動かす。
「足りない、足りないわね!貴女の息吹はそんなものではないでしょう!!こんなものに私は負けない!その程度では認められない!!」
嵐を切り裂き、雹を溶かし炎爪が飛ぶ。氷柱を砕き氷の盾を貫き「覇極」がフィルレインの頬を切り裂いた。
「ほら、届いた。なのにまだ恐れているの?ここまで迫られたのに?」
頬の傷口で燃え盛る火を凍てつかせようとするも、それは消えることなく燃え盛る。「覇極」の炎は一度燃え上がれば、灰になるまで焼き尽くす。
「まだ恐れて、傷つかないように心を凍らせるのね。ならそうね、
体も、技も、心も、その全てをぶつけ合い、ねじ伏せて初めて烈絶は嗤うのだ。一度認めたからこそ、それを下しさらに深い侮蔑を為す。
「私は裏切らない!私は最後まで貴女を試し続ける!!侮蔑に相応しいか否か!!だから恐れず来なさい。貴女を傷つけることはないわ」
そのために烈絶は火をつける。燻る心を大火に変える。
銀氷が吹き荒れた。口元が燃える為にその勢いを殺され、熱量を与えられ続けてもなお絶対零度を実現しようとする息吹が、その摂理に逆らうように広がり続ける。時を止める氷が、嵐に乗って空を動き回る。
そして冷やされ、温められたことによって天へと昇る風ごと雲を貫く氷山へと世界を変えた。己を、烈絶を巻き込んで。
「アハッ!!」
世界に罅が入る。割れた罅から蒼い炎が吹き出る。氷山が砕かれ、崩れる氷は水となり、やがて消えてゆく。
そうして降り注ぐ煮えたぎる雨が雹と凍り付いて落ちる中を抜け、フィルレインの槍がガルミーユへと迫っていた。されど自身も凍り付いた状態からの急動。その狙いは定まらず、避けることは容易い。
「ふ、ふふふっ!」
けれど避けたその先にフィルレインの冷気によって一瞬で生み出され、ガルミーユの熱気によって同じく一瞬で掻き消された氷の刃がガルミーユの頬に浅い傷を作り、傷口を凍てつかせた。
傷が永遠に凍りつくことはなくとも、意趣返しのようなその一撃に烈絶の頬は獰猛に釣り上がる。奇しくもそれは白銀の顔に浮かぶそれと同じ笑み。
「ハハッ──」
裏切りを恐れて凍った心。溶けて溢れる感情の洪水。
嬉しいから笑うのではない。愉しいから笑うのではない。ただ笑うしかないから笑うのだ。この感情を表す術を知らないがゆえに牙を剥き出すのだ。
「この炎は鍛え、造る為に。熱して溶けるクズならば、貴女の弱さを嘲笑ってあげる!!」
「最後まで敵であるなら示して。その炎、ここで凍てつくと」
傷つくことを恐れて信じれないのなら、最初から傷つける敵であるならば信じられる。それは狂人の論理。されどこの場において確かに通用するのは、どちらも好敵手という熱に浮かされているからだろうか。
オヒサシ
ずっと待ってたジンジャーリメイクがリサージェントで済まされた上にナーフ食らったショックで消えてた
機械ウィッチでテトラ使い回すと最強ってことで立ち直ってきたところにジンジャーの上位互換みたいなアッパーもらったテイカーでもっかい消えた
ので書き方忘れた。いつもどうやって書いてたっけ
あっ、この世界騎士様も団長もついでに騎士くんもいません
あとフォルテもいません