因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
「………ッ!?」ガバッ
「あ☆起きた☆」
ジャングルポケットの目が開く。その隣にはネオユニヴァースがいた。
「ネオユニヴァースか。何か変な夢を見てな…私が君と一緒に変な世界に来ていてだな…」
「ジャングルポケット、いい?落ち着いて聞いてね☆…ワタシたちが今いるのは別世界のトレセン学園だよ。夢じゃないよ。」
「ー!?ア、アハハハハハ……」
「ヤバい☆エアグルーヴ、折紙を持ってきて!大丈夫、大丈夫…落ち着いて、落ち着いてね。ほら、折り紙だよ☆」
「…」
ジャングルポケットは無言で渡された折紙を折り始めた。
「…言われた通り持ってきたが…これでいいのか?」
「オッケーオッケー★できればあるだけ全部持ってきてくれない☆ワタシたちが帰る手段になるから…」
「コイツが帰る手段?」
「うん☆何でいるか分からないけど…前は折紙製のぱかプチで帰れたの。ジャングルポケットなら折れるから…それで帰れると思う。だから…ジャングルポケットには正気に戻ってもらわないと☆」
「…いいだろう。集めれるだけ集めよう。」
「ごめんね。授業とかあったよね…」
「事態が事態だ…別に構わん。それより、そちらの私について聞いてもいいだろうか?」
「いいよいいよ☆まずは妊娠していて…」
「コイツの妄言じゃないのか…それまでにつながる話を教えてくれないか?」
「ユーニヴァース☆」
ネオユニヴァースが自分の世界のエアグルーヴについて語りだす。時々、顔を真っ赤にしつつもエアグルーヴは最後まで話を聞いた。
………
「もう十分だ。それにしても…そちらの私はチームに所属していたのだな。」
「ユーニヴァース☆こっちでは違うの?」
「あぁ、ここではウマ娘1人に対して担当は1人のことが多いな。」
「いっぱいトレーナーがいるんだね☆こっちは人手不足でマンツーマンは珍しいよ~。」
「…しかし、それでも私のトゥインクルでの成績は一緒か。お前の話を聞く限り…大きな違いはハルウララの勝利とアグネスタキオンのトゥインクル復帰…」
「んーハルウララはともかく…こっちのアグネスタキオンはケガで皐月賞後にトゥインクル引退…今も走れるけど完全復帰に向けて治療中か…ワタシの世界だと次の有マ記念がラストランなんだ☆」
「おや?今、私のことを呼んだかい?」
2人が振り向くとアグネスタキオンがそこにいた。
「…おい、授業はどうした。」
「何、あまりに退屈だったから仮病を使って抜けてきたよ。それにしてネオ君…また君がいるとはねぇ。」
「…実験はNGだよ、したらまた胴絞だよ☆」
「ハハハッ、やはりわざとだったか。君の目的はヒシミラクル君かな?」
「ユーニヴァース☆ワタシはあなたに勝ちたい★なら…可能性を上げるしかない。トレーナーには今のワタシだと勝てないと言われたから…」
「ネオ君?」
「…別に帰れなくて帰れてもワタシはどっちでいいの。正直、ヒシミラクルのこともジャングルポケットにこともどうでもいい。ワタシは…ワタシは…ただ、あなたと走りたかっただけ…」
「…エアグルーヴ君、どういう状況だ?」
「私にも分からん…だが、向こうの世界で色々とあったのだろう。ほら、もう少し休め。」
「…ありがとう★」
ネオユニヴァースはベッドに横になる。すると10秒も経たない間に寝息が聞こえ始めた。
「ところでそこの虚ろな目で折紙を折っている彼女は?」
「あぁ、このネオユニヴァース同様に別世界のジャングルポケットだ。」
「………そうかい。」
「どうした?苦虫を噛み潰したよう顔をして。」
「何。前に別世界のシンボリクリスエス君が来た時のことを思い出しただけだよ。向き合うと決めたのに…まだ何もしていない状態からね。」
「何の話だ?」
「…すまない、忘れてくれたまえ。あー、ジャングルポケット君でいいんだよね?」
アグネスタキオンは千羽鶴を折り続けているジャングルポケットに声をかけた。
「…タキオンか。君も私のことを…知らないようだね。」
「すまないが君とは初対面だ。こっちのジャングルポケット君はポッケ君と呼んでいるが…君は何と呼ばれている?」
「ジャンポケって呼ばれることが多かったよ。混ざらないからこっちの方がいいかもな。」
「了解したよジャンポケ君。早速だか質問をいいかね?」
「…あぁ。分かることなら答えるよ。」
「君は…ネオ君と一緒にヒシミラクル君を探しに来たのかな?」
「違う。私は生徒会室に戻る途中に大樹のウロに飛び込むネオユニヴァースを止めようとしたら…ここにいた。」
「その時の状況を詳しく覚えているかい?」
「何か光ってた、ぐらいかな。」
「ほうほう…発光か。前にネオ君が戻った時と似ているねぇ。」
アグネスタキオンが口をにやけ、呟いた。
「こっちからもいいか?ヒシミラクルがここにいるのか?」
「あぁ、2人いるとも。1人は1年程前、急に高等部の教室に現れたそうだ。」
「…私の認識では1ヶ月くらい前の筈だが?」
「別世界だ…時間のずれがあるのだろう。普通は混乱してその場から離れようとするものだが…彼女は逃げることはしなかったとのこと。」
「それはケガでギプスしてたからだろ。」
「まぁ、状況から見ればそうなるだろうけど…どちらにしろ結果は変わらなかっただろう。ここから先が面白いことなってね。彼女が提供してくれてた学生証をURAで調べてもらったところ…ICチップのデータから出走記録がほぼ一致したんだ。」
「…ほぼ?完全じゃなくて?」
「あぁ…ほぼ、だとも。その中に…私が有マ記念と宝塚記念に出走した記録が残っていた。どういうことかな?」
「???当たり前だろ?君とヒシミラクルとかぶっていたレースはその2つだけだが…」
「おい待てタキオン。それは私ですら知らない話だ!そもそもデータが読み込めたのか!アレは厳重な管理がされていた筈だろ!」
アグネスタキオンの疑問に首をかしげ、ジャングルポケットはさも当然だと答えた。しかし、その話の内容からエアグルーヴに新たな疑問を与えたらしく、アグネスタキオンへと迫る。
「その件に関してはURA本部もかなりゴタゴタしていたらしいから何とも言えないねえ。そもそも私自身が直接URAに呼ばれて知ることになったのだから…いや、その話は今はいい。ジャンポケ君…私は皐月賞後から1度もレースを走っていない。にも関わらず私の出走記録が出てきた。」
「いや、君は走っていた……忘れていた。今のタキオンは私の知ってるアグネスタキオンじゃなかったね。だが…結局は私のいた世界の記録だ、としか答えれないな。私からも質問だタキオン。私の世界のヒシミラクルはどうなっている?」
「あぁ、トレセン学園での保護が決まって今は中等部で普通に授業を受けているとも。ケガをしているにも関わらず、グラウンドのコース整備にトイレ掃除、図書室の本の整理…さらにフラワー君と共に差し入れ作りなど、かなり学園に貢献していてね…」
「…普通だろ?」
「君の世界ではそれが普通なのかい!?こっちのヒシミラクル君は控えめに言って…自称普通のズブいウマ娘だよ。」
「控えめに言ってそれ!?…想像出来ないな。まぁ、こっちのヒシミラクルと違って泳ぐのはいけそ…」
「あぁ、それは彼女も苦手だねえ。」
「そこは一緒か…」
「私は無視か…」
エアグルーヴの言葉がアグネスタキオンの耳に入ることはなかった。