因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ!   作:アマノジャック

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どうも、イクイノックス引退に2日くらいモヤモヤしていた作者です。無事に引退した安堵と秋古馬三冠が見たかった願望が脳内で勝手に戦ってました。

今日はチャンピオンC…応援するのは『クラウンプライド』、『アイコンテーラー』、『ウィルソンテソーロ』、『ハギノアレグリアス』!ただ…大外枠で勝てたデータが『トランセンド』しかないので3連複の馬券に『アイコンテーラー』は入れないかな…まぁ、完走してくれればよし!

勝ったのは『レモンポップ』…えぇ!?ジンクス崩されちゃ当てれんわ。2着はウィルソンテソーロ…お疲れ様でした。

ってことで本編にどうぞ!


第112話 とある星の話をしよう6

「ウララ、最後まで持たないからもっとペースを下としなさい!」

「りょ~かい~♪うっらら~♪」ダッ

「スタミナはエルムステークスの1800mでギリギリだったけど…今からは流石に間に合わない。なら…最低限のスピードを保ちつつ最適の動きで…」

 

「相変わらずね。」

 

「ラモーヌ!?え?何でここに…」

 

有マ記念に向けてトレーニングをしていたハルウララとコハルだったが目の前にメジロラモーヌが表れた。それを見たハルウララがメジロラモーヌの正面まで近づき挨拶をする。

 

「あ!ラモーヌちゃんだ!こんにちは!」

「こんにちは…ねえ、あなた。コハルの走り方って気にならない?」

「とれーなーの走り方?うん!気になるよ!わたしを背負ってても速かったし!」

「フフフ…そうね。という訳だからコハル、着替えてウォームアップをしなさい。」

「…はい?」

 

………

 

数分後、ジャージへと着替えたコハルとメジロラモーヌが共にゲートへと入っていた。

 

「ねぇねぇ~まだぁ~?」

 

「まさかまたこれを着る日が来るなんてね…というか、どうしてこうなった…」

「お尻…大きくなったわね。まだあの人のこと忘れられないの?」

「貴女には負けるよ。後、ソウジさんは関係ないから!成長分だから!」

「フフフ…条件は1200mを1本。あなたの得意な距離でしょ?」

「ラモーヌ、貴女と違って私は何年もブランクがあるのだけど。それにウララのトレーニングも…」

「なら早いところ始めましょう。」

「マイペースだな!?そもそも貴女は引退したんじゃ…」

「愛に終わりは無いわ…始めるわよ。では、お願いするわ。」

「りょうかい~!2人とも、いっくよ~!」

 

ガコン

 

「「ーー!」」ダッ

 

ゲートが開き、メジロラモーヌとコハルがコースへと飛び出した。先頭はメジロラモーヌ、2バ身離れコハルがやや外側のポジションへとつく。唯一のコーナーに入っても互いに仕掛ける様子はない。

 

「…」

「…はっ!はっ!……?」

 

ペースを上げないメジロラモーヌに疑問を持ちつつもコハルは並びにかかる。

 

「…」

「行かないのなら…先に行くからっ!」

 

ダンッ

 

最後の直線でコハルが仕掛けて、メジロラモーヌを突き放す。結局、コハルが3バ身差をつけての圧勝だった。

 

ーーー

 

「とれーなー凄いよ!ラモーヌちゃんに勝っちゃった!」

「はぁ…はぁ…ラモーヌ、貴女やる気無かったでしょ?何のつもり?」

「愛のためよ。ここにいる子へのね…」

 

そう言いつつメジロラモーヌは自身のお腹をさする。ハルウララはポカンとした顔に、コハルはトマトのような顔になる。

 

「…誰との子供?」

「コハルもよく知ってる人よ。」

「私が?チヒロさんとニヘイさんは論外として…ハヤトかハジメさん?いや、ラモーヌと話すところは見たこと無いし………誰?」

「つまらないわね。私との数少ない共通点だというのに…」

「はぁ!?いや、まさか…彼にはアグネスタキ…」

「チヒロ様よ。」

「そっちかよっ!…え?チヒロさん?………嘘でしょ?やべっ、想像し…」ブクブクブクブクッ

 

コハルは泡を吹いて倒れた。

 

「とれーなー!?FXで有り金全部溶かした顔になってるよ!」

「…どこで覚えたのその例え?」

「大変!きゅーきゅーしゃー!!」

「大丈夫よ、すぐにまた起きるわ…それよりあなた。コハルの昔話とか知りたくない?」

「でも…」

「おそらく大丈夫よ。それで…気にならない?」

「うーん、気になるかと言われれば…気になる!教えて教えて!」

「フフフ…よろしくてよ。あれは私がチヒロ様のチームに入ったばかりの頃…」

 

ーーー

 

『ラモーヌ、お前なぁ…トレーナーを何だと思ってるんだ…』

『レースに出るために必要なもの。それ以上もそれ以下も無くてよ。あなたが私の体質改善に尽くしてくれたのは大いに感謝しているけど…これとそれとは話が別。』

 

仲が悪いのかって?いいえ、当時から私にとっての彼はばあやと同じくらい慕っている人間よ。主治医が言うには医学会でその名を知らない人がいないくらいには有名だったらしいのだけど…トレーナー業を優先したため勘当され、アグネス家に婿入りしたのだとか。分からない所は後でコハルにでも聞いてちょうだい…話を戻すわ。

 

『…よし、なら勝負といこう。俺の指名したウマ娘に勝てたら何でも全て言うことを聞く…トレーナー辞めろでもいい。ただし…俺が勝ったら、練習くらいは見せてくれ。』

『いいわ…それにしても随分と自信がお有りのようで。"ニホンピロウイナー"なら私に確実に勝てると…』

『あん?ウイナーじゃねぇよ。…コハル!ちょっと来てくれ!』

『はいっ!』

 

その時は担当していた『マイルの皇帝』で勝負してくると思っていたわ。でも彼が呼んだのは左耳にピンクの花飾りを付けたウマ娘…そう、あなたのトレーナーよ。あなたと同じで元気いっぱいのウマ娘だったわ。

 

『…ん?ソウジは?』

『それがその…買い出しとか言ってまた外に…』

『ったく、担当持つ気あるのか…まぁ、今はいい。コイツと模擬レースをしてもらう…何時も通りに走れ。』

『コイツって…げっ!メジロの…勝てるわけ無いじゃん…』

『…誰が勝てと言った。何時も通りに走ってこい。1200mを1本だ…すぐにゲートを用意しろ。』

『は、はい…』

 

肩を落としてゲートを運ぶ彼女の姿に熱が冷めそうになったわ。

 

『…やる気はあるの?』

『走れば分かる。』

『…そう。』

 

今回も完璧に勝とう。そう思ってゲートに入ってレースが始まったのだけど…

 

『ー!並ばれ…』

『か…勝ったーー!!』

 

結果はゴール直前で半バ身差しきられての敗北。手なんて抜いてない…それでも負けたわ。

 

『よしっ!コハル、今日のトレーニングはここまでだ…ソウジを連れ戻したら帰っていいぞ。』

『はーい!』

 

コハルはそのまま麻袋を持って練習場を後にしたわ。…フフフ、そうよ。当時のサブトレーナー…今のアグネスタキオンのトレーナーを探しに行ったのよ。彼女、このままだと彼の担当になっていたのだろうけど…タイキブリザードと契約したことを聞いてガッカリしていたわね。…あら、興味はそそられない?それよりその後の私も知りたいのね?よろしくてよ。

 

『…』

『ラモーヌ、何で負けたか分かるか?』

『私の愛と走りは完璧だった。だから純粋な実力差ね…彼女、かなりのポテンシャルがあるわ。』

『実力はほぼ互角だ…そして、ポテンシャルだけで言うなら確実にお前の方が上だから。もう一度すれば間違えなく勝てるだろうな。』

『…無意識に彼女を下に見ていたから?』

『そんなもんレースだと普通だ。意識していようが無意識だろうが関係ない。』

 

負けて頭が真っ白になった私にチヒロ様が問いてきたの。答えても否定が返ってくるだけ…だから素直にこう言ったわ。

 

『…分からないわ。』

『経験だ。お前、今までマイルか中距離の模擬レースでしか参加しなかっただろ?』

『…言われてみればそうね。』

『お前の目標は何だった?』

『史上初のトリプルティアラの達成…そのレースに短距離は入っていない。』

『…俺はな、それだけではもったいないと思っている。いや、お前にとっては余計なことかもだが…』

『続けて。』

『トライアルを含めた完全三冠の達成だ!それ以外なら負けていいとすら思っている。』

『…ふーん、私の完璧を壊したいと。』

『それはたった今壊れたばかりだろ?』

『それもそうね。それじゃ…、練習プランを1から考えてくれるかしら?』

『ほらよ、とりあえず10パターンは既に考えてある。好きなのを選ぶといい。』

 

彼は既に私の指導についても頭に……あら、ごめんなさい。関係のない話になりそうになったわね。でも、あなたのトレーナーの強さは伝わったかしら。

 

ーーー

 

「その後、デビュー戦でのケガが原因でレースからは引退…トレーナーになったわ。」

「どーしてまた走ろうって思わなかったのだろう?さっきも走れていたし…」

「フフフ…それはあなたがもう少し大きくなれば分かるわよ。それに…1度でもケガをすると復帰は難しいと言われているわ。」

「でもライスちゃんは今でも凄い走りだよ!」

「彼女がいるのはドリームトロフィー…トゥインクルとは違う。彼女が今走れているのは本当に奇跡よ。」

「チヒロとれーなーのお陰だよね?」

「えぇ。それでも彼は全盛期の走りまで回復させれなかったと悔いていたわ。」

「…あれって全力じゃないんだ。」

 

ハルウララの額から冷汗が流れる。

 

「トゥインクルかドリームか、どちらが良かったかは人にもよるわ。私は…トゥインクルでの愛が今も残っている。」

「…うーん、ラモーヌちゃんはトゥインクルがいいんだ。でもドリームに行かないことには分からないし…うーん…」

「ゆっくり考えるといいわ。」

「う、うぅ…」

「あら、コハルは起きたようね。それじゃ、私は行くわ…有マ記念頑張ってねハルウララ。」

「うん♪お話ありがとね、ラモーヌちゃん~♪」

 

メジロラモーヌはそのまま去っていった。その後、起きたコハルは着替えようとしたもののハルウララに止められ、そのままハルウララと共に併走トレーニングを行い…翌日、コハルは筋肉痛に苦しんだ。




・おまけ
ニホンピロウイナー…83年世代の黒鹿毛の牡馬。同期にはミスターシービーがいる。グレード制導入と共にG1へと昇格したマイルCSと安田記念を勝ち『マイルの皇帝』と呼ばれた。引退後は種牡馬となり、ヤマニンゼファーやフラワーパークと2頭のG1馬が生まれた。
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