因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
後は…ブエナビスタに罵られたい。
「おいっす~、来たよスイープ。」
「いらっしゃいネイチャ先生。」
「先生はやめてって…」
「今日はとことん飲むわよ!」
ナイスネイチャは再びスイープトウショウの家へと来ていた。今回はアドバイスではなく、普通に遊びにきていたのだ。部屋のテーブルの上にはビール、お酒、ワインと様々なアルコール類が並んでいる。
「わぁ!たくさんあるね…買ってきたの?」
「違うわ。使い魔がもらってきたものの全く飲まなくて期限が近くなっているものばかりよ。これでもカワカミやフラワーたちにあげて減ってはいるのよ。ネイチャやキタサンにも送ろうと思ったけど…どうせなら一緒に飲もうかなって。アタシも今くらいしか飲めないから。」
「…キタサンは呼べなくてごめんよ。あの娘…もうすぐ出産だからさ。」
「そうだったの!?…あー、それならそうと言ってくれれば良かったのに…」
「まぁ、とりあえず…飲みましょっか。」
「そうね!」
互いに缶ビールを取り、プルタブを開けて…グラスへと注ぐ。
「「乾杯!」」カランッ
ゴクゴクゴク…
「「ぷはー!」」
まずは缶ビールが2つ空になる。
「シェイカーある?何かカクテルにしてみるけど…」
「気持ちは嬉しいけど…今日はそういうのは無し!ほら、チーズ魔法のおつまみよ!」
「ありがとう…おぉ!美味いわコレ!?」
「でしょ♪でしょ♪」
おつまみとアルコールにより2人は少しずつ会話が進み始めた。
「ねぇ、聞きたかったんだけどさ…スイープってどうしてハジメトレーナーと結婚したの?」
「そんなの好きだからに決まっているでしょ?」
「いや、そうだけど…そうじゃなくて。恋愛までにはどう発展したのかなーって。ほら、他にもデュランダルとかカレンとか結構ライバルはいたでしょ?」
「そうね…きっかけは『ミューズオーディション』かしら。ビューティー安心沢が勝負服作ってくれるやつ。」
「あー、覚えてる覚えてる。確かスイープは…ミューズメイドとタッグ組んで挑戦する年のに参加してて…あれ?スイープって誰と組んでたっけ?」
「覚えてないじゃない!?しょうがないわね…話してあげるわ!」
ーーー
ーーー
あの時は…オーディション会場にデュランダルを連れていったのだけど…
「だから言ってるでしょ!デュランダルがミューズメイドよ!1人じゃダメっていうから連れてきたのに!」
「…」コクッコクッ
「彼女は既にミューズとしての勝負服を持っているため参加は認められません。」
「じゃあ、アタシ1人で参加させてよ!」
「参加したい以上はルールを守っていただかないと…」
「何よそれ!」
デュランダルね、前回ミューズになったからダメって言われたの。それで代わりになりそうなウマ娘を探したのだけど…パートナーになりそうな娘はいなかったの。時間がなくなりかけた時に…頼れる人が1人いたわ。担当ウマ娘たちと一緒にいたフライトさんよ。
「フライトさん!ちょうどいいわ。」
「…スイープちゃん?」
「フライトさん、ミューズメイドになってくれるかしら?」
「いや…さすがに…」
「アタシに付いてくるだけでいいの。フライトさんなら出来るでしょ?」
「出来る出来ない以前に…私、トレーナーなのだけど?ビートちゃんじゃダメ?」
「ワタシですか!?」
「フライトさんがいい!それに…大丈夫よ。これを使えば…」
「…何でスイープちゃんがこれを持ってるの?」
何を渡したかって?2つの腕輪とアタシとフライトさんの『因子』で出来た『合成因子』よ。アタシも何となく作ってみたの。ちなみに『合成因子』の名前は『ドリームジーニー』…アタシが命名したわ!…ドリームジャーニーとは関係ないわよ。とりあえず、『アナザー』になってもらうことで何とか参加出来たの。まぁ、実際にアタシの後ろから付いてくるだけで良かったからね。とりあえず、迷宮を進みつつ、思い出のレース、テーブルクロス引き、とミッションを突破して…最後のチェックポイントに着いたわ。最後はロボットみたいなのから逃げろ、ってミッションで…キングとヴィルシーナが成功するのを見届けたの。
「スイープちゃん、行かなくていいの?」
「いいのよこれで。フライトさん、今回は先にゴールしてくれない?」
「分かった分かった。ねぇ…これってロボットに触れて壊すのはアリ?無し?」
「少しお待ちを………壊すのはダメとのことです。」
「つまり、触れるのはオッケーってことよね?」
スタッフさんの返事を聞いたフライトさんはそのまま普通にロボットをかわして突破したわ。残ったのはアタシ1人。ここで魔法を見せたのよ!ロボットに飛び乗って…1番上まで上がって…
「震えて爆ぜよ、バースト☆インパチェンス!」
全てを飛び越えて…ゴールイン。アタシはミューズになったの…え?使い魔が出てきていない?話はここからが本番よ。
………
後日、デュランダルとカレンとアタシ…3人でミューズの勝負服を着て取材受けてたの。ミューズオーディションでの感想とか、貰った勝負服の着心地とか色々答えていったわ。デュランダル?えーと、いい感じにリアクションしてたから特に問題は無かったわ。それで最後に…使い魔とアタシたちの中から誰か1人がその雑誌の表紙になることが決まったの。それを使い魔に選ばせようって話になって…
「スイープちゃん、デュランちゃん、準備はいい?」
「…」コクッ
「…恨みっこ無しよ。」
アタシたち3人は後ろを向いて…使い魔が来るのを待ったわ。それでね…
「…スイープ。俺と一緒に来てくれ。」
「…えぇ。喜んで。」
使い魔は…ハジメは…アタシを選んでくれたの。…泣いてなんか………いたわね。デュ…デュランダル程じゃないわよ!デュランダルって普段喋らない癖に声が出ると物凄くうるさいの!でも…その時だけは静かに泣いていたわ…カレンに連れられて控え室に戻っていたけど…アタシもハジメもその背中に目が離せなかったわ。
「では、撮りますね。」
「はい。お願いし…「ハジメ!!」!?」
チュゥ……カシャッ!
「スイープ!?何をして…すみません、撮り直しを…」
「あ…いえ、その…ごちそうさまです。」
「ごちそうさまじゃねぇよ!」
「んん!!」ブンブンッ
「デュランダル!?暴れるな!竹刀を下ろせ!カレン、止め…」
「スイープちゃん?」ゴゴゴ
「カレン!?お前も落ち着け!あぁ…どうすれば…」
「そんなの決まっているでしょ…逃げるわよハジメ!」ガシッ
「ちょっ…下ろせスイープ!」
「問答無用!」ダッ
「ああぁぁぁぁ!!」
「…!!」ブンブンッ
「どこ行くの?カレンと"お話し"しよ?」ゴゴゴ
…結局すぐに捕まったのだけど……あったあった!ほら、見てよ!アタシがキス魔法をした1枚が表紙になったのよ!この魔法のお陰でアタシと使い魔は結婚までいったのよ!
ーーー
ーーー
さらに時間が流れ…アルコールが回った2人の会話はさらにヒートアップした!
「スイープってちゃんと旦那を喜ばせているの?」
「何言ってるのよ!そうに決まっているでしょ!実践してみるから見ていなさい!」
スイープトウショウは玄関からビニール傘を持ってきて…その場で展開する。そして…どこからか持ってきた長い鞭でぺチぺチとビニール傘を叩き始めたのだ。
「アタシが女王よ。女王の前では…ひざまづいて待ってるのがルールでしょ?何開いてるの?」
数回叩き…スイープトウショウはビニール傘を閉じて再び床へと置いた。
「個性豊かなウマ娘ばっかり担当して…誰が一番の愛バか…しっかりと覚えておきなさいよ!」
また数回叩き…満足した顔を見せるスイープトウショウ。対してナイスネイチャは微妙な顔を見せる。
「う、うん…楽しそうだね。あはは…」
「何よその顔?ホラ!ネイチャも実践してみせてよ…これなら好きにしていいわよ。」
「これって…マウス?」
スイープトウショウはそう言うとナイスネイチャへパソコンのマウスと鞭を渡した。困惑しながらもナイスネイチャはマウスを床に置き…鞭を構える。
「このネズミやろー!」
そして、ノリノリでマウスを鞭で力強く叩き始めた。鞭はボタンへと当たり…カチッと音が鳴る。
「何?それくらいしか音が出ない?もっと大きい音で鳴きなさいよこのブタ!!ちっちゃいからって震えてりゃいいと思って…えぇ?アンタ元気そうだね?」
そのままマウスに言葉で罵り、コードを手で掴んだかと思えばその場でブンブンと振り回す。
「あらあら?こんなところで泣いてちゃ困るよ?アタシ、知ってるんだから…」
そういいつつマウスのボタンへ指を添えた。
「左と右…どっちが弱いか知ってるんだから!スカイとゴアは右、キタサンは左、旦那は両方!」
そう宣言し、ナイスネイチャはマウスのボタンをカチカチとクリックし続けた。ポカンとした顔になるスイープトウショウ。
「何でネイチャはそんなのが分かるのよ?」
「そりゃ、何度も相手してりゃ嫌でも分かりますっての!」
「相手?と言うか右とか左が弱いって何の話?」
「分かってないの?しょうがない…ネイチャさんが一から解説してあげよう。」
その後も2人はそういう話で盛り上がり…それはナイスネイチャが正気に戻るまで続いたのだ。
ーーー
数日後、バーで仕事をしていたナイスネイチャの所に1人のウマ娘が姿を見せた。
「おい、てめェ…スイープトウショウに何を言ったンだ?」
「エアシャカール?いきなり過ぎて流石に話が見えないのだけど…」
「…暴君に言われたンだよ。『最近、余の
「それはそれはお疲れ様…それで?まだアタシへの繋がりが分からないのだけど?」
「…フライトは原因となったであろうスイープトウショウと接触したンだが…てめェとの秘密だってことで話さなかったらしいじゃねェか!だから、こうやって直接聞きに来たンだよ!」
「スイープとの秘密?いやー、出産に備えてのアドバイスはしたけど…それくらいだよ?」
「質問を変えるわ。前にスイープトウショウとどう過ごした?」
ナイスネイチャは頭をひねり…何とか思い出す。
「お酒飲んでて殆どは思い出せないけど…鞭で叩いたかな。」
「…鞭?」
「そうそう…スイープが普段から使ってるみたいでさ~、でも全然使いこなせてなかったから…やり過ぎないレベルで教えたんだわ。」
「それが原因じゃねェか!」
「…は?え?話が読めないんだけど?」
「ったく、フライトのヤツ…分かっててオレに丸投げしたな…どう伝えろってンだコレ。」
「あ、あの…」
頭を抑えるエアシャカールに困惑するナイスネイチャ。
「あン?何だァ?」
「ここバーだからさ…何か頼んでくれない?」
「…チッ。カンパリオレンジ。」
「あいよ。」
ナイスネイチャはオレンジを搾り、シェイカーに材料を入れ、シャカシャカと振り…出来たカクテルをエアシャカールへと渡した。エアシャカールはそのままグラスを傾ける。
「…ふん、悪くねェ味だ。」ゴクッ
「で、ハジメトレーナーって何かあったの?」
「暴露ガスって覚えてるか?」
「えーと、2回くらい学内にばら蒔かれたやつだっけ?アタシには特に作用しなかったけど…」
「3度目が起きたが…アイツだけ中和ガスが効かなかったンだ。結果、今の担当ウマ娘たちにキモいって引かれてる。」
「…へ、へえ。」
「てめぇはあんまり深く関わンなくていい。…オレも後はタキオンにでも投げる予定だ。」
「そう。ちなみにシャカールは今、何をしてるの?」
「トレーナー予備校で講師だな。ドイツもコイツも物覚えが悪くて嫌になる…」
「あー、何となくアンタが講師してる姿がイメージ出来るわ。ってか、今でもフライトさんとは交流があるんだね。」
「…まァな。アイツ、未だにトレーニングについてオレの意見を聞いてくるンだぜ?
「それだけ信頼されてるってことでしょ?」
「…だよなァ。」
「ありゃ?意外と肯定的だねぇ?否定すると思ったけど…」
「まっ、色々あンだよ…会計頼むわ。」
「はーい。」
エアシャカールは会計を済ませ、バーを後にした。さらに数日後、ナイスネイチャはお揃いの首輪の付けたハジメとスイープトウショウの接客をすることなるのだが…それはまた別の話。