因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
ソウジ「(人体実験の被験者は…)任せろ!」
アグネスタキオン「…っ!!トレーナー君はいつもそうだね…!自分の体のことを何だと思ってるんだ!?」
ついにジャパンカップの日が来た。アグネスタキオンは控え室で静かに深呼吸していた。そこに1人のウマ娘が訪ねてきた。
「やぁ、久しいねアグネスタキオン!天皇賞(秋)は見事だったよ!」
「…ジャングルポケット君か。」
ジャングルポケット…アグネスタキオンとは同期で2度戦うもいずれもタキオンが勝利している。タキオンがケガで引退後、ダービーとジャパンCを勝利し、去年の年度代表ウマ娘に選ばれた猛者である。しかし、天皇賞(春)に出走後にケガをしたため彼女にとっては半年ぶりの復帰のレースとなる。
「アグネスタキオン、君とまた走れる日がきて嬉しいよ。」
「そうかそうか。しかし、誰であれ、私が負けるだなんて思ってないよ。…今回のレースも最速の私が勝つだけさ!」
「これでも去年勝ったのは私なのだけど…まぁ、いいや。東京じゃないのが悔やまれるが後は…ターフで語ろうか。そしてその勝利をフジ先輩に…」
ジャングルポケットはライバル宣言を済ますと戻っていった。
「ジャングルポケット君、君のことを警戒してない訳じゃない。しかし、今日は…今日だけは…」
ーーー
ザワザワザワ
観客が騒がしい。
「あのウマ娘…でかいな。名前は…『ファルブラヴ』?」
「イタリアのウマ娘でG1レースを2勝してるらしいよ。凱旋門でもマンハッタンカフェと走ったとのこと。」
「ジャパンカップには初参加のようだ。それよりも…オーラが…すごいな。」
ゲストの1人、ファルブラヴ。彼女は芝の状態を確かめる。
「『…軽い。いいバ場だな。』」
「『やぁ、ゲストさん。凱旋門では私の同期と競ったそうじゃないか?』」
「『お前は…無敗のアグネスタキオン!…ちょうどいい。お前を倒し、ジャパンで私の名を残してやる。』」ゴゴゴ
「『おぉ、怖い怖い。しかし、私だけに気を取られてもいいのかい?』」
「『まさか。私は私の走りをするだけだ。お前以外だとジャングルポケット…だっけか?甘く見てる訳じゃねぇが復帰したての奴に私は負けない!』」
「『もちろん、私もだとも!日本最速の実力…忘れなくしてあげよう。』」
「タキオンさんってイタリア語喋れたのですね…」
「てか、何だよアイツのオーラ…いるだけでデバフ掛けてきやがるな。」
「そんな中、タキオンさんは平気な顔でいますね。」
「痩せ我慢って訳じャなさそうだなァ…何をしたんだ?」
ーーー
『ジャパンカップが始まりました。
今年は中山レース場でのレースとなります。
そして一昨年のダービーウマ娘の『アグネスフライト』、去年のダービーウマ娘の『ジャングルポケット』が復帰してきました。
特にジャングルポケットは去年のジャパンカップを制していますから、先月の天皇賞(秋)を制したアグネスタキオンとの対決に注目が集まります。』
アグネスタキオンはすでに地下バ道を通り抜け、ゲートインを待っている。番号は5番…6番である姉のアグネスフライトの隣だ。
「タキオンちゃん、私はこのレースに全てかけるわ。そのために体調、体重、戦略…出来ることを全て完璧に整えてきた。だから…全力で来なさい!」
「お姉ちゃん…言われなくても全力でいくとも!」
皐月ウマ娘アグネスタキオンVSダービーウマ娘アグネスフライトの1冠姉妹対決が今、始まった。
ーーー
『スタートしました!
各ウマ娘、綺麗なスタート!
先頭にいくのはマグナーテン!
その後ろにイタリアのイリジスティブルジュエル、イギリスのゴーランがこれに続く。
ナリタトップロードは4番手。
アグネスタキオン、香港のインディジェナスが集団を引き連れて、第1コーナーをカーブした!』
「(大体はトレーナー君の予想通りだ。今回のお姉ちゃんは…かなり後方か?)」
『緩やかな直線を終え、第2コーナーをカーブ!
先頭はマグナーテン!
ナリタトップロードが下がってきた。
ジャングルポケット、アグネスフライト、エアシャカールは並んで最後方!』
「(まだ仕掛けてる様子は無い…なら、そろそろ私から仕掛けるべきか?仕掛けるタイミングは…ここだ!)」
『第3コーナーをカーブして、残り600m!
先頭はマグナーテンだが、ここでアグネスタキオンが抜け出してきた!
さらに大外からテイエムオーシャンとナリタトップロード…アグネスフライトが一気にあがってきた!』
「(…よし、タイミングは完璧だ!後は、このまま駆け抜けるだけだ!)」
『最終コーナーカーブ!
中山の直線は短いぞ!
先頭はアグネスタキオン!
その差は5バ身!
しかし、内からイタリアのファルブラヴ、外からシンボリクリスエスも伸びてきている!
ここでアグネスフライトだ!
アグネスフライトが大外から大きく伸びてきた!』
「ターキオーン!」
「ー!はぁぁぁ!」
『アグネスフライトが大外からまとめてかわす!
妹のアグネスタキオンへと迫る!
並ぶか…並ぶか…並んだ!
いや、差しきった!
そのままゴールイン!
1着はアグネスフライト!
奇跡の復活!
ダービーウマ娘としての意地をみせた!』
ワアァァァーッ!
「はぁ…はぁ…」
「はぁ、はぁ、タキ、オンちゃん…お、お姉ちゃん、の勝ち、…だね。」
「…あぁ。最高の状態で挑んだはずなのに…まさか、こうなるとはとはね…おめでとうお姉ちゃん。…ん?」
「『ジャパンでのレース…中々楽しかった。…アグネスタキオン!君以上の強豪がいたとはね!』」
「『…まさか、負けるとは思っていなかったがね。』」
「『ふふふ…ジャパンが気に入った。ドリームはこっちで挑もうかな?』」
「『その時は是非、私の研究に協力して欲しいね。では、ウイニングライブに行こうじゃないか!』」
姉妹の対決は姉の勝ちで終わった。そしてウイニングライブ後に、アグネスフライトは引退を宣言し…みんなから温かな拍手と声援を送られた。
………
ウイニングライブが終わったタキオンとソウジは荷物をまとめ、タキオンを寮へ送ろうとしていた。ずっと無言でいたタキオンであったがついに口を開く。
「…トレーナー君。」
「どうしたタキオン?」
「…。お姉ちゃんに負けてしまったよ。無敗、という私のアイデンティティを失くしてしまったね…」
「タキオン…」
「君はそんな私でも好きかね?」
「大好きに決まってるだろ!」
「なら、今日だけでいいんだ…ソウジ。私を君の家に泊めてくれないか?」
「何を言ってるんだ?」
「…言わないと分からない?」
「…。…寮長には俺から連絡しておこう。」
「その…優しくしてくれるね?」
ーーー
数日後、研究室にとあるウマ娘が訪ねてきた。
「ってことだからこれからはお姉ちゃんも協力するね♪」
「…タキオン?どういうこと?」
「私も初耳だよ。お姉ちゃん、本当にどういうこと?」
「フフフ…タキオンちゃんはお姉ちゃんの『G1レースを一緒に走りたい』ってお願いを叶えてくれたでしょ♪だから…今度はお姉ちゃんがタキオンちゃんの力になるの♪『因子』の研究でしょ?引退した私の体…好きに使っていいからね?」
「いいからね、って言われても…。あぁ、私とトレーナー君の場所が…」
「何?お姉ちゃん、お邪魔女どれみ?…まぁ、何か頼れることがあるなら何でも言って。…あ!何でも、とは言ったけど、内臓取るとかは勘弁してね?」
「そんな実験はしない!」
「後、ソウジトレーナー!」
「何だ?」
「その…タキオンちゃんをこれからもよろしくお願いします。本当にいい子なんで!」
「お姉ちゃん!?」
「あぁ、任せておいて。」
「私は基本的にシャカールかマヤノちゃんのところにいるから呼ぶ時はそこら辺で…それじゃ!…タキオンちゃん。」
「何かね?」
「ここでヤるならちゃんと着けて貰うのよ?後はこまめに換気して匂いがこも…」
「何の話!?もう、そういうことはここではしないから!さっさと行きたまえ!このムッツリ!」
「またね~」
「その顔は何かねモルモット君?」
「いやー、お前の意外な一面が見れたな、って。」
「…」
「ところでそういうことって…」
「アー、キョウハスカーレットクンカラ『インシ』ヲモラウヤクソクガアッタ。チョットイッテクル!」
顔を赤くしたアグネスタキオンはその場を離れていった。そして、戻った後にソウジに新薬を飲ませ、ソウジの体毛が全て10cm伸びる事件が起きるのだが…それはまた別のお話。
・おまけ
ファルブラヴ…イタリアの競走馬で本来のジャパンカップの勝者。様々な国のG1レースに出走し8勝を勝ち取った。引退後は日本で種牡馬となりワンカラットなどの重賞馬は出すもG1馬は出せなかった。母父として桜花賞を勝ったハープスター、マイルCSを勝ったステルヴィオ(現役)がいる。
アグネスフライトの勝負服はCA風の青い制服と3原色のスカーフをイメージ。
ジャングルポケットの勝負服はトーセンジョーダンの原案のスカジャンを緑と黄緑の迷彩柄にして目立つポケットがついてるイメージ。
ファルブラヴの勝負服はエルンコンドルパサーのスカートを黒くしたのをイメージ。
…ストックが尽きてしまいました。明日、もう1話書き終われば投稿して、また書き溜めて連日で投稿していきます。…ここまで読んでいただきありがとうございました!