因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
後は『カヨウネンカ』と『コルベイユ』も気になるところです。
勝ったのは『スタニングローズ』…関係ないですがスターリングローズと名前が似てますね。
そのウマ娘は希望に満ち溢れていた。祖母はオークスを、母は桜花賞を勝利しており、自分もこの家のウマ娘としてG1レースを勝利したい…そして、それを次へと繋ぎたい…そう思っていた。
『アグネス家の五女の子…すごい才能を持っているらしいわよ。』
『四女の子も悪くはないんだけど…あの子と比べちゃうとね…』
そのウマ娘は少し落ち込んだ。自身よりも妹の方が期待されていたからだ。しかし、彼女はそんな妹を嫌いにはならなかった。
『あの四女の子、ダービーを勝ったらしいわ。』
『なら五女の子は三冠取れちゃうわね。』
そのウマ娘は混乱した。祖母や母に並ぶ成果を得たにも関わらず、誰も自身を認める者がいなかったからだ。彼女は妹から少し距離を取った。
『あの五女の子、ケガで引退するようね。』
『皐月賞を勝ったのに…三冠も取れてただろうに…』
そのウマ娘は悲しみながらも喜んだ。ようやく自分だけを見てもらえるからだ…しかし、妹のことを思い、また悲しんだ。
『あの四女の子、全然勝ててないわね。しかもケガして暫く走れないらしいわよ。』
『まぁ、ダービー勝てたのも運が良かっただけでしょ?はぁ…何で五女の子にその運が行かなかったのかしら。』
そのウマ娘は絶望した。走り続けても結局周りは妹にしか興味がないのだ。彼女は妹のペンを1本盗んだ。
『五女の子が復帰したらしいわ。しかも、天皇賞(秋)を勝利した。』
『四女の子はそれで出れなかったみたいね…まぁ、当然よね。』
そのウマ娘は…。彼女は妹のパンツを1枚盗んだ。
『五女の子…ジャパンCで四女の子に勝ったようね。』
『はぁ…どうせ運が…』
『うるせぇよ…クソ野郎共。』
『!!』
そのウマ娘は…
ーーー
「…ったく、嫌な夢を見たな。」
アグネスフライトが目を覚ました。
「母さん…私、今日から学園に戻るから。」
「無理はしなくていいのよ。タキオンをずっと支えてくれていたのでしょ?」
「…そんなんじゃないよ。タキオンちゃんにはあのトレーナーがいるから、私がいたところで何も変わらない。」
「何時でも帰ってきていいからね。あなたもタキオンも私にとっては自慢の娘なんだから。」
「…タキオンちゃんは、の間違いでしょ?じゃあ、行ってきます。」
「フライト…」
そう言ってアグネスフライトは実家を後にした。
ーーー
時は数日進み…アグネスフライトはマヤノトップガンと共に放課後のショッピングを楽しんでいた。
「フライトさん、フライトさん!この服、マヤに似合う?」
「んー、年齢的にもサイズ的にもまだマヤノちゃんには早いかな~。でも、大丈夫!成長してすぐに似合うようになるから!とりあえず、今回はこっちの可愛い系とかどうかな?」
「わぁ!これも素敵~!この服はフライトさんに合いそうだね。」
「フフフ…ありがとう。じゃあ、買っちゃおうかな。マヤノちゃんのオススメだし。」
「じゃあじゃあ、今度マベちんも入れて遊園地に行くときにその服着てきてよ!」
「うん、分かった。何時でも誘っていいからね。」
「何時でも…?タキオンさんとの実験はいいの?」
「暫くはレースから離れることにしたんだ。だから何時でもいいよ。」
「そう…なんだ…」
ーーー
そしてまた、数日が過ぎ…
「フライト先輩、一緒に並走しませんか?」
「…ごめんね。今日も走る気にならないんだ~」
「分かりました、ではまたお誘いしますね…お疲れ様です!」
「だから、もう誘うなっての…」ボソッ
アグネスフライトは1人で宛もなく学内を歩いていた。ショッピング、カラオケ、ボーリング、ビリヤード、ダーツ、遊園地、ビュッフェ、プール…思い付く限り遊びに遊んだ彼女が1人になるのは久しぶりであった。
「んじゃ…そろそろ実行するとしますか。」
………
アグネスタキオンとソウジはダートコースを貸し切り、『ウマ人』での並走トレーニングを行おうとしていた。
「今日使うのは俺たちだけだ。さて軽めの並走を行う訳だが…ダートコースとなれば『アカキユウシャ』がいいか?」
「いや、最初から『ガッツザベスト』で差しにきて…あ!お姉ちゃんだ!?」
そこにアグネスフライトが現れ、アグネスタキオンの尻尾がピコピコと揺れる。
「やっほー、タキオンちゃん。」
「もうやりたい事ってのは終わったのか?」
「はい、もう全部終わりましたので…悔いはありません。」
そう言い終わるとアグネスフライトは何かを取り出し…ソウジへと当てた。
バチッ
「お姉ちゃん!?」
「ー!フラ…イト?」
「チッ、まだ意識があるのかよ!」
ソウジの体に電撃が走る…しかし、意識を失うことはなかった。だが、アグネスフライトの突然の行動に2人は固まってしまった。そこにアグネスフライトはさらに何か…スタンガンから電撃を流す。
バチッ、バチッ、バチバチバチ…
「…かぁ。」
「ソ、ソウジ!え?一体何が…」
「…」
ガチャ
ソウジは意識を失い倒れ、アグネスタキオンはその場で完全に固まった。そんなアグネスタキオンを無視し、アグネスフライトはソウジへと首輪を付ける。そしてソウジの体が1人でに起き上がる。
「はい、操り人形の出来上がり~。…ったく、私と同時に動かすってのは難しいな。えーと…あった、あった。」
アグネスフライトが取り出したのはビーカーに入ったどす黒い『合成因子』で…
「ダメだ!それは私とスカーレット君の…ぐっ!」バシッ
「うるせぇよ。操作に集中出来ないだろ?黙って見てろ。」
「…」
ゴクゴクゴク…
ソウジの体はアグネスタキオンの首を掴み…そのままアグネスタキオンの目の前でどす黒い『合成因子』を一気に飲み込んだ。
「ー!」
「ん~、完全に操作出来なくなったな…もういいや。」ブチッ
「ソウジ…ソウジ…ああぁぁぁ!!」
アグネスフライトが首輪を外すと同時にソウジの体に変化が起こる。『ウマ人』として髪が栗毛へと変色したかと思えば、一気に伸びて、尻尾を含め体の後ろを覆い隠した。そして体毛にも筋肉へも変換されなかった残り『因子』は血へと変わり…鼻、口、耳、目…身体中の穴という穴から溢れ出す。その後、ソウジはアグネスタキオンの首から手を離し…そのまま崩れた。
「…」
「ソウジ…?ソウジ…起きてよぉ…」
「…はぁ、私に何もしないなんて…結局、タキオンちゃんの目にも私なんていなかったようね。もういいよ、さっさと私は消え…ん?」
「タ、タキオンさんとフライトさん!?何があったのですか!?」
「あぁ、スカーレットちゃん?…早く、誰か呼んできてくれる?急なことで私たち何も出来なくて…お願い。」
「は、はい!」
「ソウジ…ソウジ…」
「助けは来るみたいだよ。…さようならタキオンちゃん。」
数分後、エアグルーヴとバンブーメモリーを連れたダイワスカーレットが戻ってきた。しかし、そこいたのは、血の海に倒れた『ウマ人』とそのすぐ横に霞む声で名前を呼び続けるウマ娘だけだった。