因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
今日は朝日杯FSですね…頑張って欲しいのがデビューから応援してた『オールパルフェ』、『オオバンブルマイ』、『ニシノベストワン』、『エンファサイズ』の4頭。…どうなるか?
勝ったのはドルチェモア…お疲れ様でした。
夏合宿の終わりが近くなる中…今日はアグネスタキオン主催の特別レースが行われようとしていた。
「今回のレースの特別ゲストは…『クリスタルディネベ』君だ。他にも実験を兼ねたレースとなっているよ。」
(ワァァァーッ!)
ゲート近くには『ウマ人』と『アナザー』になっていたウマ娘たちが既に準備をし始めていた。
「毎回思うけどあのゲストってどこから連れてきてるのだろ?」
「カフェさんにデジタルさん、スカイさんにブライトさんも走るみたいだね…別人みたい。」
「フライトさんだけは何時に近い姿だね。」
「さて、条件だが…芝コースで距離は1800m、バ場は良、天気は晴れだね。ただ今回は…」
「おうタキオン!ウチらも入れてくれや!」
「観戦のみで…む?」
「何や?今回は募集はあらへんのか?」
「あぁ、その通りだ。だから次回に…」
「そんな固いこと言いなさんなや!ウチとオグリと『バトラー』も混ぜてくれや!」
「タマ、無理を言ったらダメだ。」
「そうよ。それに私はもう引退していて仕事が…」
「後でフライトの焼きそば奢るで?」
「バトラー、走ろう!」
「えぇ!?」
「私はまだ了承をしてないのだが?」
「後でウチとオグリの『因子』やるで?これならどうや?」
「…分かった。これは実験レースだ…データ採取の邪魔になる走りはしないでくれるかね?」
「分かっとる。要するにいつも通りに走ればええんやろ?」
「ちょっと!まだ私は参加するとは言ってないわよ。ゴアも何か…!」
バキッ
「…」チーン
「ふぅ…」
バトラーが振り返ると頭に大きなタンコブを付けて気絶したウォーエンブレムと殴ったであろう拳から煙が出ているイージーゴア、そしてその様子を困惑した顔で見るゴールドアリュールとスマートファルコンとコパノリッキー。
「この栗毛バカを連れて説教してくるから参加していいわよ。たまには体を動かさないと鈍るだろうし…久々に友人に会えたのでしょ?」
「もう!…いい走りは期待しないでよ?」
「よっしゃ!いくで!」
こうして、タマモクロスたちもレースへと加わった。
ーーー
『ピスピース…お前ら…アタシの焼きそばとは遊びだったのか?ゴルシちゃんだぜ…』ズーン
『ずっと塩だと飽きますわよ。あら、美味しいですわね。』ずるずる
『マックイーン!お前までフライトの方がいいって言うのか!?前はゴルシちゃんの差し入れたのを掃除機みてぇに食ってくれたじゃねぇか!』
『…目が覚めたら周りが塩焼きそばに囲まれていた時…私はどんな気持ちだったとお思いで?』
『うまそう!超食いてぇ!…だろ?』
『違いますわよ!あれのお陰で先週まで麺そのものが食べれなかったですのよ!』
「それは1人で全部食ったからじゃね?」
『まぁ味は普通に美味しくて…じゃないですわよ!体重管理がもの凄く大変でしたのよ!トレーナーさんとの一心同体トレーニングが無ければ私は…私は…!』
『トレーナーとの一心同体トレーニングだ?』
『オ、オホン!今は関係ありませんわね…今回のレースはあら?参加者以外にも誰かいますわね?』
『見学か?えーと、タマモクロスとオグリキャップと…誰だアレ?』
『彼女は…『ペイザバトラー』さんですわね。』
『あぁ!ジャパンCでG1初勝利したアメリカのウマ娘か!…何でここにいるんだ?』
『私もそこまでは知りませんわよ。…では、そろそろ紹介をお願いしますわ。』
『1番、セイウンスカイこと『バンケットシー』!』
『セイウンスカイさん…にしては白いですわね。あそこまで白くなる芦毛のウマ娘は始めて見ましたわ。』
『いや、芦毛でなく白毛っていう珍しい毛色らしい。生まれた時から既に白いとか何とか。』
『な、なるほど…ところで『バンケットシー』とは?』
『『合成因子』の名称だな。セイウンスカイとファインモーションの組み合わせで、それでセイウンスカイが『アナザー』になったらしい。今回のメンバーはほぼそんな感じらしいぜ。ゴルシちゃんも『アナザー』になってみたいな!』
『…オススメはしませんわよ。』
『何だ?マックイーンはなったことがあるのか?』
『年明けに少々…いいから次へ!』
『後で詳しく聞かせてくれよ?2番、アグネスデジタルこと『ドゥンワイマラナー』!』
『あら?アグネスデジタルさんがいつもより逞しくみえますわね。誰との組み合わせでしょうか?』
『アグネスデジタルとメジロドーベルだな!』
『…ドーベル?』
『3番、オグリキャップ!…ん?おい、参加するって聞いてないぞ?』
『どうやら彼女はえーと、タマモクロスさんから焼きそばをご馳走してもらえるから、での参加だそうです。』
『マジで!?ついにゴルシちゃんの時代が…』
『フライトさんの、だそうですわよ。』
『…マックイーン。お前ってそんなに性格悪かったっけ?』
『あなたにだけですわ。』
『…ま、いっか。4番、メジロブライトこと『アンステーブル』!』
『直訳すると"不安定"ですが…ブライトと誰の『合成因子』でしょうか?』
『スイープトウショウだな。』
『…不安しか無いですわ。特にスタートが。』
『5番、マンハッタンカフェこと『アラビアンザパール』!』
『パールということは…マンハッタンカフェさんとシーキングザパールさんの『合成因子』でしょうか?』
『正解!しかし…『ローズゼラニウム』といい、タキオンは短距離と長距離の組み合わせが好きなのか?』
『何となく分かりますわよ。アイスクリームにお醤油を少し垂らすような感覚かと…』
『また太るぞ?』
『お黙りなさい!次の方を紹介してくださいまし!』
『6番、ペイザバトラー!』
『アメリカのウマ娘ですが…日本の芝コースが一番馴染んでいたとも耳にしました。『ゴールデンフェザント』さんもですが…やはり、海外のウマ娘のレベルは高いですわね。』
『まぁ、最近はデジタルが香港カップ、タキオンがホイットニーH勝ったりと日本のウマ娘も力を付けるようだしこれからに期待してくれ!ゴルシちゃんも本格化が来たらデビューして海外で大活躍の予定だぜ!』
『ふざけた走りだけはしないでくださいね?』
『7番、アグネスフライトこと『ヴァンプスカラー』!』
『彼女はそこまで見た目が変わっていないような…誰と誰の『合成因子』なのでしょうか?』
『えーと、アグネスタキオンとヒシアマゾンの『合成因子』らしいな。そういえばフライトの『合成因子』ってまだ無いよな。何でだろ?』
『タキオンさんのお姉さんだからでは?』
『ならハヤヒデとブライアンはどうなのよ?普通にあったぞ?』
『ゴールドシップさん、あなたはどこまで知っているのですか?ちょっと怖いですわよ?』
『8番、『クリスタルディネベ』!』
『『アナザー』だらけで忘れていましたけど、あの方がゲストでメインでしたわよね。…目にクマがあって怖いのですが?』
『あれは単に4日徹夜してるかららしいわ。』
『その様な状態でレースをしても大丈夫なのでしょうか?』
『何とかなるだろ?以上!この8人で…』
「ちょいちょい、待たんかい!ウチの紹介もせんかい!」
『悪い!悪い!ラストはタマモクロスこと『ランニュウシャ』!』
『えぇ!まさかタマモクロスさんも『アナザー』に…』
「んな訳あるかい!ちゃんと紹介せえや!」
『…ラスト、タマモクロス。まぁ、大外貰ってるから『アナザー』たちをどう差しきるかに注目だな。』
『さてさて…どんなレースになるのでしょうか?それでは皆様、出走の準備をお願いしますわ。』
紹介が終わった各ウマ娘たちがゲートへ向う!そして、全員のゲートインが完了し…レースが始まった。
………
『スタートしたぜ!やはり、メジロブライトこと『アンス…って、長くて言いにくいから止めだ。メジロブライトが出遅れた!それ以外は綺麗なスタート!』
『…あら?前に出るウマ娘がいませんわね?セイウンスカイさんが前に出ると思ったのですか…結果的に先頭はオグリキャップさん。後ろが気になるようです。』
『そのすぐ外に『クリスタルディネベ』、半バ身離れアグネスフライトとセイウンスカイが続く。』
『そして少し後ろの内側にアグネスデジタル、その外並んでマンハッタンカフェ。すぐ後ろにタマモクロスとペイザバトラー…タマモクロスさん、完全にマークしてますわね。』
『で、大きく離れて最後方にメジロブライトだな。そろそろ3コーナー辺りだな…』
「…フライト先輩たち、見たことない走りだね。いつも通りなのはブライト先輩だけかな?」
「ううん、ブライトさんのほんわりした空気が感じないよ。何か…力強いって感じ?」
「力強い?うーん…それより、オグリ先輩には厳しい展開かな。」
「かもね…」
「…タキオン?それにフライトもブライトも何やってんだ?」
『全体的にスローペースな展開ながらも第4コーナーを超えて…先頭は変わらずオグリキャップ!…と、ここでセイウンスカイが抜けてきた!そのすぐ後ろに『クリスタルディネベ』!1バ身離れ…マンハッタンカフェ、アグネスデジタル、ペイザバトラー、タマモクロスとかなり混戦状態だ!』
『3バ身程離れ、メジロブライトがアグネスフライトをかわしてペースを上げてきましたわね。そのまま最後の直線…どうなるのでしょうか?』
「Win again you …Tama!」
「せやな、そう来ぇへんと…な!」
ダダンッ
『おっと!ペイザバトラーとタマモクロスが同時に仕掛けてきたな!そのまま前へと突き進む!』
『前は『クリスタルディネベ』がセイウンスカイをかわし先頭になりましたわ!そして…内からアグネスデジタルも伸びてきています!』
『さぁさぁ!どうな…っと!タマモクロスがペイザバトラーをあっさりとかわし、アグネスデジタルと『クリスタルディネベ』へと迫る!ここで大外からメジロブライト!凄い末脚で一気にくる!メジロブライトが…全員を差しきってゴールイン!勝ったのはメジロブライトだ!』
『ブライト…あんな鋭い走りができましたのね。『アナザー』も侮れませんわ。』
『1着メジロブライト、2着にはタマモクロスで確定だ!アメリカのペイザバトラーが参加したり、オグリキャップが先頭になったりと中々見れない面白いレースだったな!んじゃ、またな~!』
ーーー
レースが終わったペイザバトラーは木陰で大の字となり寝転んでいた。
「はぁ…はぁ…ソーリー、タマ。期待に、答えれる…走りが、出来なくて…」
「いやいや、ウチが無理言うて参加してもうたから…ほんま、おおきにな。」
「タマ、早く焼きそばを買いに行こう。」
「マイペースか!てか、フライトさっき走ったばっかやし、まだ店はしてへんやろ?」
「ん?ブリザードさんならもう屋台にいるが。」
「んん?フライトやなくてブリザードさん?」
「あぁ、ゴルシとフライトの焼きそばはブリザードさん1人が用意するようになった。それに加えて焼きトウモロコシもある。」
「…」
「ゴールドシップと頼めば塩焼きそば、アグネスフライトと頼めばソース焼きそばが出てくるのだが…」
「何やそれ!初耳やで!?…あぁ、もう何でもええわ。バトラー、動けるか?」
「はぁ…はぁ…もう少し待って…」
「オグリ、焼きそばの前に悪いけどバトラーに冷たい飲み物か何かを持ってきてくれへんか?」
「わかった。タキオンへ『因子』を渡すのだろ?」
「せやな…腕輪も頼むわ。」
「手間をかけるわね…タマ…オグリ…」
「うちわで扇いだるからそのまま横になっとき。」バサバサ
「Thank you…」
こうしてペイザバトラーにとっての久々のレースはスタミナ切れで終わった。
ーーー
一方、ソウジは走った後に横になっていた。
「…」チーン
「大丈夫かいトレーナー君?」
「あぁ…後はこのレースのレポートをタキオンに…」
「急がなくていいとも!…少し、休みたまえ。」
「…1時間後に…起こし…ZZzz…」
そしてそのまま眠った。
「あらあら~、ラブラブですわね~」
「セイちゃんもちょっと憧れちゃいますよ~」
「ドーベルさんを含んだ『因子』が私の体外に…!いや、戻したくは…でも戻さないと…はうぅぅ!」チーン
「早く…元に戻してください…」
「タキオンちゃん、ソウジトレーナーを戻すのは…もうちょっと後にしてくれない?」
そして、『アナザー』になっていたウマ娘たちも集まった。アグネスタキオンはソウジを背負い、研究室(合宿所版)に向かっていたのだが…
「お前は一体何をしてるんだ…タキオン?」
1人の男がアグネスタキオンに声をかける。
「おじいちゃん!?」
「あの~、この方はもしかして…」
「タキオンさんの……前の……担当トレーナーで…」
「私とブライトちゃんの元担当トレーナーでもある…」
「お久しぶりですわ~、『チヒロ』様~!」
そこにはアグネスタキオンとアグネスフライトの祖父にして、元担当トレーナーのチヒロがいたのだ。
ペイザバトラー(Pay the Butler)…アメリカ出身の鹿毛の牡馬。フランスにてデビューするも中々勝てず、アメリカに帰国。初戦のレッドスミスH(G2)を勝利し重賞馬となった。その後、G1レースを2回2着と経験を重ね、日本のジャパンCへと挑む。タマモクロスとオグリキャップ、欧州最強のトニービンが参戦した中で9番人気であったものの、最後の直線でタマモクロスを差しきり勝利。G1馬となった。しかし、その後は勝てないレースが続き、2度目のジャパンCはホーリックスとオグリキャップに敗れ3着。引退後は日本で種牡馬となるも事故により早期に死亡、1世代を残すだけとなった。代表産駒は重賞を4勝したパルブライト。ウマ娘の公式マンガであるシンデレラグレイではオベイユアマスターという名前で登場する。…この作品ではレースからは引退し、アメリカで社会人となっている。