因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
夏休みが終わり…ついにジャングルポケットは退院出来ることとなった。しかし足はギプスで固定されており、松葉杖無しで歩くことは出来ない状態である。
「お世話になりました…」
「まだ完治ではありませんので…十分に気をつけてください。」
「ジャンポケ…慌てる必要はない、ゆっくりと歩け。無理だと思ったらすぐに言え。」
「ありがとうエアグルーヴ。」
エアグルーヴに見守られる中、ジャングルポケットはニヘイの待つ車までゆっくりと歩いていく。
ーーー
トレセン学園は今日も生徒たちが己を鍛えるべく練習へ励んでおり、活気付いていた。そんな中、当然…ゴール板の前に謎のウマ娘が表れた。
「ーーしゃっ!俺の勝ち……???」
髪の右側に黒いヘアピンを3つ付けたそのウマ娘はゴール板を過ぎると同時に止まり辺りを見わたし始める。
「おい!タキオン!どこ行った!!」
そして、学園全体に響くほどの大声でアグネスタキオンの名を呼んだのだ。
………
突然ターフに現れた謎のウマ娘を預かることになったソウジはアグネスタキオンのいる研究室へと連れてきた。
「おや?彼女は誰だい?」
「あー、名前は…」
「ジャングルポケットって言ってんだろ!?」
「声がでけぇよ…」キーン
「…ん?ジャングルポケットと言ったかい?私たちの知っているジャンポケ君は今、ケガで入院中だが?」
「あぁん!?ピンピンしてんだろ?てか、さっきまで一緒に走っていただろ?」
「…幾つか質問をさせてくれ。君は私のことを知っているのか?」
「知ってるも何もお前はアグネスタキオンだろうが!」
「では、次の質問だが…」
………
「質問は以上だ…なるほど。君が私たちのことをある程度知っていることは分かったよ。」
「それでお前は俺のことを全然知らない…どうなってんだよ。」
「それはこちらの台詞なのだが…まずは君の話をまとめよう。君の名前はトレセン学園にいるジャングルポケット君。それで私と模擬レースをしていて、外からかわしたと思ったと同時に私が消えていた。それで私の名を呼んだと。」
「その通りだ!…で、コイツは誰だ?」
「コイツって…」
「私のトレーナー君だが?」
「トレーナー!?お前に?てか、お前デビューしてたのかよ!」
「…ジャンポケ君、声が大きい。」キーン
「そのジャンポケってのをやめろ。いつも通りにポッケって呼べ。」
「あー、タキオン。コイツの『因子』を貰ったらどうだ?とりあえず何か分かるだろ。」
「『因子』?」
「この腕輪を付けてくれたまえ。」
「ん…こうか?」
ピッ、ピッ、ピー!
ジャングルポケットと名乗ったウマ娘の『因子』が回収され、アグネスタキオンが腕輪を受け取り、PCの電源を付けて、作業を始める。そして、5分ほどが経過し…
「…驚いたよポッケ君。君とジャングルポケットのデータが完全に一致した。」
「そりゃそうだろ…いや?そうなのか?んんん?」
「お前とフライトみたいに同じ『因子』で出来てるとかじゃなくてか?」
「あぁ、同じ『因子』で出来ているお姉ちゃんと私でさえ多少の違いはあったさ。しかし、彼女には全くそれが無かった…つまり、彼女は間違えなくジャングルポケットだということだ。」
「で、何で俺以外の奴らが変わったんだ?」
「ふぅん…今の話だけで推測出来るのはポッケ君。君はどうやら"平行世界"というものに来てしまったようだね。」
「"平行世界"だ?さっきも言ってたがこの学園にも俺がいるってのかよ?」
「あぁ、…ダービーとジャパンCを制覇した君がいる。」
「…マジか!俺、そんなに大活躍したのか!会ってみてぇな………じゃねえ!!どうやったら帰れんだよ?俺…まさか一生このまま…」
「…出来るだけのことはしよう。諦めるのは全て終わってからにしたまえ。」
「…つまり、現状はどうしようもないってことか?」
「そうなるね。何せ私ですら想定出来ない状況だ。」
「…」
「…とりあえず、理事長に報告してくるわ。ジャングルポケット、お前も付いてきてくれ。タキオン、さっきのデータを紙に印刷しろ。」
「…分かった。」
「了解した。」
そして、ソウジたちは理事長室へと向かう。
ーーー
「驚愕ッ!ジャングルポケットが2人だと?」
「えぇ、タキオンが持っているデータから分析したところ、一致しておりました。…別の世界から来たかも、とタキオンも言っております。このまま学園で彼女を保護出来ませんかね…」
「承知した!たづな、すぐに彼女のため部屋や生活品の準備を!」
「はい、分かりました。」
「早っ!!…いやいや、理事長!何でこんなにあっさりと信じてくれるのですか?…いや、俺の所でもこういう人だったけど!?」
「ポッケ君、一先ずは安心出来たかね?」
「…あぁ、ありがとう。お前、本当にタキオンか?」
「変なこと言うね…」
「悪い、気味が悪いくらい俺に優しいから…」
「そちらの私はどうかは知らないが…さすがにこの状況で君で実験するほど酷くはないさ。」
「あー、そうだねー。たきおん、いいこだねー。」
「何だいトレーナー君、その棒読みは?またゴッホにされたいのかい?」
「なるほど、この狂った感じ…ちゃんとタキオンだな。」
「ポッケ君!?」
「しかし!準備には1日はかかる…それまではアグネスタキオンの研究室で過ごしてくれ!以上!」
ーーー
同時刻、ニヘイの運転する車は学園へと到着していた。
「じゃあ、ベロちゃん。アヤベと一緒にジャンポケを部屋まで連れていってくれ。」
「たわけ!今はエアグルーヴと呼べ!」
「ご、ごめんて…」
「別に私は気にしないのに…」
「他の奴らにはそう呼ばれたくないからな。そうだろ、ニヘイ?」
「ベロちゃん…」
「あのー、2人の世界に入るのは後にしてもらえます?外でアヤベとリンカが待ってるので…」
「…っ!んん!行くぞジャンポケ!」
「んん!俺はアヤドの様子を見てくるよ。チケゾーに任せてるから問題はないだろうけど…とりあえず、今日はこのままゆっくりと休んでくれ!」
そして、ジャングルポケットは車を下り…エアグルーヴとアドマイヤベガと共に、学園までゆっくりと歩く。リンカーンはジャングルポケットの荷物を持った。
………
「みんな、ありがとね。リンカ…それ、重くない?」
「かなり重いですね…中に何が入っているのですか?」
「折り紙。」
「折り紙!?」
「右の鞄はファンのみんながくれた分。左の鞄は私が入院中に折った分。」
「いや、ジャンポケさんが折った折り紙の方が倍くらい多いじゃないですか!」
「レース用とファンに送る用が一緒に入ってるから…あ!タキオン用に折ったのがあるのを思い出した!悪いけどタキオンの所に寄ってもらってもいい?」
「…分かったわ。」
「手短に頼むぞ。」
「私は先に軽い鞄をジャンポケさんの部屋に入れておきますね。そしたら重い鞄だけ持って合流しにいきます!」
「みんな、ありがとう!」
リンカーンが先に学園の方へと行くと、ジャングルポケットたちもまた、ゆっくりと進みだした。
▼登場人物にリンカーンが追記されました。