因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
「おじいちゃん?」
「ー!チヒロトレーナー!?何故ここに…?」
「おぉ!タキオンとソウジか!」
「まさか、復帰…」
「違う…アメリカの知り合いが秋のレースに日本から出走するウマ娘がもう1人いないかと聞かれてな。…ったく、俺は既に引退済みだというに。」
「アメリカの秋のレース…『ブリーダーズカップ』ですか?BCクラシックならタキオンが出走しますが…」
「トゥインクルじゃない、ドリームのBCスプリントだ。日本からの出走は既に2人決まっていたがもう1人登録出来るとのことで…心当たりのあったアイツに会いにな。」
「…ダイイチルビーですか?」
「違う。ルビー嬢ら元担当に俺はもう干渉はせんよ…正直フラワーちゃんにはまた会いたいけど。」
「最後で台無しですよ。ダイイチルビーかニシノフラワーじゃなければ誰ですか?」
「俺がドリームに推薦した奴だよ。」
ーーー
時はお昼休み、場所はトレセン学園の食堂…ニシノフラワーは1人のウマ娘を探していた。
「…」モグモグ
「あ、いました!ルビーさん!今、少しお時間よろしいでしょうか?」
「…フラワーさん?構いませんよ、どうされましたか?」
「実はチヒロトレ…」
「詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?」グイッ
「きゃっ!!」
「ー!失礼しました。チヒロ様がどうされましたか?」
「はい、実は先ほど学園内で見かけまして…」
「…学園内にチヒロ様が?」
「はい。どうして来たのかルビーさんなら知ってるかもと思いまして…」
「申し訳ござません…私も存じあげておりません。ですので…直接聞いてきましょう。フラワーさんが最後に見た場所はどちらでしょうか?」
「理事長室近くの廊下…」
「ありがとうございます…早速行って参ります。」シュン
「も、もういない…」
ダイイチルビーは一瞬で食堂を後にした。
ーーー
ダイイチルビーはその後すぐにチヒロの姿を発見したものの、側にはケイエスミラクルとダイタクヘリオスがいたため、物陰へと隠れて様子を見始めた。
「…」
「ドリームトロフィーリーグのBCスプリント?ま?アメリカでのレースとかまじ卍!」
「アメリカのレースか…」
「日本からはワールドと『キャット』が参加するからな…ミラクル、お前もどうだ?」
「嬉しい誘いですけど…何でおれなのですか?ルビーじゃダメなのですか?」
「いや、ルビー嬢は先月のフランスのレースに出走したばかりだし…引退した俺がでしゃばる訳にもいかんだろ。それでお前を選んだ理由だが…現在のドリームでの短距離部門でお前があのサクラバクシンオーに次ぐ成績だと聞いた。レースでのバ場の適正もあるが…これはトゥインクル時代のお前の目標でもあったからな…個人的にはお前に出走して勝って欲しいと思っている。」
「それはありがたい話ですけど…」
「参加するかしないか、今すぐとは…」
「出走したいです!アメリカまで連れていってください!」
ケイエスミラクルは迷わず答えた。
「…分かった。そう返事をしておこう。話は以上だ。」
「…チヒロトレーナー、ルビーはかなり貴方に会いたがっていましたよ。」
「それな!お嬢ってばチヒロッピがいなくなって1ヶ月はご飯食べるもつらたんだったし!」
「それは…」
「…お久しぶりですチヒロトレーナー。」
BCスプリントの出走の有無が終わり、ダイイチルビーに会うかどうかを議論して始めたチヒロたちの前にダイイチルビー本人が現れる。そして…
「ルビー!?」
「お嬢!?」
「ルビー嬢…!!」
「…会いたかったです。」ダキッ
そのままチヒロへと抱きついた。
………
ダイイチルビーを落ち着かせ、4人でベンチへと座り、話を再開した。なお、ダイイチルビーの尻尾はチヒロの右腕へと絡んでいる。
「チヒロッピ、うらやま…」
「ルビー嬢…どうやって俺が来てることを知ったんだ?」
「…ルビーで構いません。食堂でフラワーさんから教えていただきました。」
「あー、見られていたのか…」
「…何故トレーナーを辞められたのですか?」
「…前にも言ったが歳だよ。身体が付いてこれなくなったからな。後続のエリとは上手くやれてるか?」
「…彼女の用意するトレーニングメニューに問題ありません。毎日、実行しております。ですが…あなたとの過ごす時間こそが有意義だと感じます。」
「…」
「私たち『華麗なる一族』にとって貴方は必要不可欠なトレーナーです。もう一度私と契約をいえ…我が一族に来てもらえませんか?」
「いや、どっちも無理だからな?トレーナーは引退してるし、俺アグネスの婿養子だし。」
「…分かっています。…ですが貴方が心変わりするまで…私は待ち続けるつもりです。」
「ねぇミラクル。お嬢ってさ…」
「見ての通り、彼に完全にお熱だよ…」
「…ウチ、お嬢のあんな顔見たことない。」
「おれも初めて見た。」
「チヒロ様、私もアグネスに…!!」
「あら?チヒロ様ではございませんか?」
「ラモーヌ嬢!?」
「ラモーヌ様…」
ダイイチルビーの決意の言葉が止まる。目の前にメジロラモーヌが出てきたからだ。
「…ルビー様ったらチヒロ様に尻尾を巻きつけて…はしたないのでは?」
「ー!これは…その…」
「私も言えたものじゃありませんが。」グルグル
「ラモーヌ嬢!?」
「昔みたいにラモーヌでよろしいですわよ?」
そして、流れるようにチヒロの左腕に尻尾を巻きつけて隣へと座る。
「チヒロ様…来ているのであれば教えてくだされば良かったのに。」
「トレーナーを引退した以上はでしゃばるの良くないからな。で、サトリは?」
「はい。とても可愛い首輪を付けてメジロ家にいますわ♪」
「…お前、ちゃんとトレーニングは出来ているのか?」
「えぇ、メジロ家として大問題ですわ…また貴方に契約していただかないと。あぁ、ブライトの方は大丈夫です。今の担当トレーナーととっても良い関係ですので。」
「…」
「ラモーヌ様、大事なお話の途中ですので…」
「えぇ、ケイエスミラクル様がBCスプリントに出走する話でしたわよね?では、アメリカに行く際はメジロ家が自家用ジェット機を用意しましょう!」
「は?いや…お前は何でその話を知ってるんだよ?」
「私、メジロですので…」
「答えになってねぇよ!」
「…ダメです!チヒロ様は私のジェット機で行きますので!」
「…」
「…」
「痛い痛い!お前ら尻尾に力を込めるな!俺、もう若くねえから!」ギチギチ
「ミラクル。今更だけどチヒロッピって奥さんいたよね?」
「奥さんどころかお孫さんもいるよ。確かフライトさんとタキオンがそうだったはず。」
「ま?…マジやばくね?」
「…彼は令嬢を虜にしやすい人柄なのかもしれないね。」
『チヒロ様?どちらのジェット機の乗られるので?』
「だぁぁ!だから、俺はアメリカには行かねえっての!」
ここでチャイムが鳴ったため昼休みが終わり、この場も解散する…はずだったが、ダイイチルビーもメジロラモーヌも譲る気配はなかった。結局チヒロが折れ、行きはメジロラモーヌのジェット機、帰りはダイイチルビーのジェット機に乗ることで納得してもらったとのこと。