因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
*今回の話には危険な行為があります。ソウジが特別な体質なだけで普通であれば急性アルコール中毒になり、中には死亡した事例もあるので絶対に真似をしないでください。
『元・未勝利の星』ハルウララ。彼女は前回、札幌の重賞レース『エルムS』で2着となり大活躍をした。そして…1ヶ月の休憩を挟み、今回は阪神の重賞レース『シリウスS』に出走する。
「…83…84…85。…よしっ!イメージは完璧!それじゃあ、とれーなー!行ってくるね!」
「うん、頑張って!」
ハルウララはコハルに見送られながら控室を後にし、パドックへと向かう。
「前をキープしつつ、最後はインタータイヨウとツルマルファイターから逃げきる。…しかし、連勝中のあの娘とうまく合わせれるかな?まぁ、その時はプランDでいくとして後は…ウララちゃんが…」ぶつぶつ
「あっ、ローズちゃんだ~!呼んだ?」
「ー!ウララちゃん!?…今日はよろしくね。」
「うん♪よろしく♪」
「その新しい勝負服…似合ってるよ。」
「本当!?ありがとう~!コクオーちゃんのを参考にしたんだ~!」
「………コクオーちゃん?」
その瞬間、スターリングローズの頭の中が真っ白になった。
ーーー
時は『シリウスS』の前日の夜、ソウジはタイキブリザードの運転するトラックの助手席に乗っていた。
「いやー、ありがとな。わざわざ兵庫まで乗せて行ってくれて…」
「ノープログラム!私も学園用のキャロットやコーン取りに行くからグッドタイミングね!タキオンは一緒じゃなくていいの?」
「見たいレースがあればタキオンの方から言ってくるからな…今回は特に無かったみたいだ。」
「それにまたアメリカに行く日も近いしね♪」
「あぁ、だから今日くらいはゆっくりと休んでもらおうとな。ブリザードは明日、荷物を積め終わったらすぐに帰るのか?」
「ノー!ソウジとレースを見て一緒に帰るね!」
「夕方だぞ?食べ物傷まない?」
「ノープログラム。約束の時間は明日の18時ね!」
「…あれ?レースが終わってる時間?じゃあ、何でもう兵庫に向かってるんだ?」
「それは…ホテルで教えるね!」
疑問を持つソウジを他所にタイキブリザードは小さく微笑んだ。
………
『乾杯!』カラン
ゴクゴクゴク
『ぷはー!』
とあるホテルの一室で、ソウジとタイキブリザードはビールを飲んでいた。机の上には他にも日本酒、梅酒、ウイスキー、ワインなど大量のアルコールが置かれていた。
「いやー、まさか早めに来た理由が成人したから俺と酒を飲みたいから何て…別に東京でも良かっただろ?」ゴクゴク
「ううん。何時もじゃない所だからこそいいね。」ゴクゴク
「とはいえ、あんまりグイグイ飲むなよ?お前がどれくらい酒が強いか知らないが…」
「ソウジがベリーストロングなのは知ってるね。だから、酔わない飲み方を事前に調べたね…それは水を挟んで飲むことね。」ゴクゴク
「まぁ、そうだな。」
「お酒。」ゴクゴク
「ふむふむ。」
「水。」ゴクゴク
「うん。」
「お酒…」ゴクゴク
「うんうん。」
「水…」ダバダバ
「水が溢れてる!もう酔った!?」
タイキブリザードの顔が赤くなり…そのまま水の入ったコップを置いた。
「…わぁお!何かぽかぽかするね!」
「ブリザードはお酒弱かったようだな。早いがもう解さ…ん?」ガシッ
「まだね。ソウジが酔ってないね…」
「いや、俺は簡単には酔えないから…」
「そういえば…強い人でも簡単に酔わす方法があるね…」
「ブリザード?何する気?」
「じっとするね…」カチャカチャ
「おい!どこ触って…んん!」
「…フフフ、相変わらずなかなかのモノね。でも、今はこっち…」
ズブッ
「んんん!?」
コポコポコポ…
タイキブリザードがソウジの頭を抑えつけ、そのまま酒瓶を突っ込んだ。大量のお酒がソウジの体内へ直に注がれる。瓶が空になったことを確認し、引っこ抜かれた。その後、しばらく暴れていたソウジだったが動きが弱くなったためタイキブリザードが解放する。そして…
「あ…あひゃひゃひゃ!にゃんかしゅごぉいかんじだぁ~」
「そうね!すごい感じね!」
「にゃんかあちゅい…」
「私もね!じゃんけんするね!負けたらテイクオフね!」
「いいよぉ~、じやぁんけぇん…」
…………
………
……
…
「ごちそうさま。」
ーーー
「…はっ!」
ソウジの目が開く。そしてトイレまで走り…
「おろろろ…!!」
盛大に吐いた。
「うへぇ…酒で吐くなんて何年ぶりだ?ブリザードめ…ってか今何時だ?」
ソウジが時計を見ると14時前であった。
「やべっ!着く頃にはレースが始まっちまう!ブリザードはどうして…ん?置き手紙?『阪神レース場で合流ね!』だ?アイツ、置いていきやがったな…」
ソウジは慌ててホテルを後にした。
ーーー
場所は阪神レース場のパドックの観客席。ソウジはほぼ満員となった人混みを上手く避け前へと入る。そんな息を切らしたソウジにコハルが話かける。
「ソウジさん!?何でここに…ウララのレースを見に来たのですか?」
「あぁ…そうだ…。ブリザード…見て…ないか?」
「見てないです。」
「ありが…とう…とりあえず…探して…」
「ここにいるね♪」ダキッ
「わっ!」
「…あまり、騒がないくださいね。ウララたちが来ました!」
大きな拍手と共にハルウララたちがパドックへと入ってくる。今回の出走者の中にはスターリングローズの姿もあった。しかし、そんな中で一際目立つウマ娘が1人いた。
「…完璧な仕上がりだな。だが…初めて見るウマ娘だ。」
「2連勝中のウマ娘ですね。とくに前回のOP戦、3バ身差レコードタイムという凄い勝ち方をしていました。重賞は今回が初めてみたいですけど…」
凛とした態度で歩くその姿は観客の注目を大きく集めた。そして、いつの間にソウジの隣にも同じ雰囲気のウマ娘が現れる。
「『マイネルセレクト』…彼女もまた、私と同様に『華麗なる一族』の血を持つ者です。」
「ー!」
「ダ、ダイイチルビー!?」
「わぁお!気づかなかったね!」
「そうなのか。教えてくれてありがとう。」
「…礼には及びません。」
ダイイチルビーはそう答えるとパドックの方へと目を向ける。ソウジたちもパドックに目を戻すと楽しそうなハルウララ、覇気が無いスターリングローズ、涼しい顔のマイネルセレクトなど…出走するウマ娘たちのそれぞれの姿が見えた。
ーーー
「ウララ、頑張ってくれよ。」
「…おい。」
「ナリタブライアン!?来ていたのか?」
「こっちの台詞だナムラコクオー。ハルウララのアレはお前の影響か?」
「…そんなに話してはいないはずだけど、そうなるのかな?少しでも彼女の力になれてるのなら嬉しいことだけど。」
「…答えは出たのか?」
「出たよ。2年後…いや、上手くいけば来年の4月にはトレセン学園に戻れるかな。」
「…ふっ、そうか。」
「君が期待してる姿とは違うと思うけど。」
「………ん?」
マイネルセレクト…02世代の栗毛の牡馬。『華麗なる一族』の血統であり、ダイイチルビーの甥(半妹ウメノアスコットの4番目の子)。スピードを武器にダートを駆け抜けた。主なG1勝利はJBCスプリント(2004年)。重賞を計5勝するも黒船賞(2005年)の勝利を最後にケガを発症し引退、種牡馬となる。そしてコスモワッチミーやサウスウインドなど地方重賞産駒を6頭出した。2011年からはイーグルカフェと共に韓国で種牡馬になった。
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▼登場人物にマイネルセレクトが追記されました。