因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
今日は皐月賞ですね…『セブンマジシャン』がいないのが残念ですね。今回応援するのは『ソールオリエンス』と『フリームファクシ』です。勝って欲しい!
勝ったのは…ソールオリエンス!!!!
見事な末脚でした!!!
どうでもいいですが『コナゴールド』と『コナコースト』って何か似てないですか?…どうぞ。
BCスプリントに出走するウマ娘たちがゲート前へと集まった。その中でも一際目立つ巨体が1人…『フォアゴー』だ。
「…」
観客が…いや、出走するウマ娘たちも彼女へと目を向ける。スタート前にも関わらず、ケイエスミラクルとアグネスワールドの額からは汗が見えた。
「(何て気迫だ。でも…)」
「(ボノ姉より。大きい。でも…)」
「「(勝つのは
「すぅ…はぁ…!よしっ!」パンッ
「ふしゅぅぅぅ…!!…よし!」パンッ
ケイエスミラクルが深呼吸を、アグネスワールドが体内の空気を全て吐き出し…自身の頬を叩きゲートへと入る。そして全員がゲートへと収まり…BCスプリントのゲートが開かれた。
『さぁ、BCスプリントが始まったぜ!
先頭に来たのは…いいスタートを切れた我らがアメリカのコナゴールド!
2番争いにジャパンのアグネスワールドとアジュディケーティング!
4番はケイエスミラクル!
フォアゴーは最後方からのスタートだ!』
「『いいぞ、コナゴールド!』」
「ミラクル!アゲアゲでゴー!」
ゲートが開き全員が一気にダートコースを駆ける。応援の声が聞こえるが…明らかに声援が少ない。
「『……はぁ。フォアゴーの出遅れ無し…こりゃいつもの展開だな。』」
「『だな…』」
「…おいおい。こんな反応されるレース何か見たことないぞ。」
「それだけ彼女の実力への信頼と…新たな王者への期待が強かったのだろう。…お姉ちゃん?どこにいくの?」
「スパイ掃除。」
「…トイレならそう言いたまえ。」
「…すぐに戻るから。」
アグネスフライトはその場を去る。
『向こう正面に入って…先頭はコナゴールド、さらにペースを上げて前へと出る!
2番にアグネスワールド、その後ろにアジュディケーティングが続く。
ケイエスミラクルもややペースを上げてきた、変わらず最後方にフォアゴー!』
「『おいおい…これって…』」
「『あぁ。5人だとしても…かなり、縦長だよな?』」
ザワザワザワザワ
一部の観客が騒ぎだす。
『第3コーナーカーブ…先頭のコナゴールドにアグネスワールドが差を詰める。
アジュディケーティングはここで後退か?
ケイエスミラクルが3番手に上がり前へと迫る。
ー!
フォアゴー、ややペースを上げる!』
「『…』」
『最終コーナーカーブ、先頭はコナゴールド!
だが、コーナーを上手く決めれたアグネスワールド…さらにケイエスミラクルも続く!
4番手にはフォアゴー…徐々にペースが上がっているが…仕掛けてくる様子はない!』
「『いけっ!コナゴールド!フォアゴーを超えろ!!』」
「『コナゴールド、勝てるぞ!!そのままだ!』」
一部の観客がコナゴールドを応援し始める。
『さぁ、最後の直線…アグネスワールドが伸びてきたか!
コナゴールドと並ぶ!
外からケイエスミラクル!
6バ身離れ、フォアゴー!』
「『いけっ!フォアゴー!!』」
「『お前の出番だ!!』」
「『飛ばせ!飛ばせ!飛ばせ!』」
レースのクライマックス…ほぼ全ての観客がフォアゴーへと声援を送る。そんな中…ついに全員が仕掛けてきた。
「『…突き放…す?』」
「ここっ!」
「…いくぞ!」
「…」
「『…』」
ドンッ
『前の4人が一気に仕掛けてきた!
誰が伸びるか…アグネスワールドだ!
アグネスワールドがここで伸びてきて先頭にたった?
…あぁ!?
コナゴールド後退、ハプニング発生か?
アジュディケーティングがかわす。
そしてケイエスミラクルがアグネスワールドを追いかける!
そして、その2人をフォアゴーが捉えにかかる!
アグネスワールド逃げる!
大外からフォアゴーがものすごい末脚で迫る!
ケイエスミラクルも外から伸びる!
完全にこの3人の争いだ、誰も譲る気配はない!
アグネスワールド、ケイエスミラクル、フォアゴーとほぼ並び…ケイエスミラクル!!
ケイエスミラクルが差して粘って…ゴールイン!
1着ケイエスミラクル!!
このアメリカの地で、初G1勝利!!』
ワァァァーーッ!!
「『おめでとうケイエスミラクル!!』」
「『ジャパンのくせ…に!?』」バタン
「『見事な走りだったぞ!』」
「『アグネスワールドもやるじゃねぇか!』」
「ミラクル!ナイスラン!ウェーイ☆」
「『ふざけ…っ!?』」バタン
「『フォアゴー、凄い追い上げだったぞ!!』」
「『コナゴールド!大丈夫か!?』」
ケイエスミラクルを讃える者、ダートコースの上で立つコナゴールドを心配する者、倒れる者…会場の声は様々だ。
「ーー!!」
そんな中、ゴールしたケイエスミラクルが引き返し、コナゴールドの元まで走る。そこには既にアジュディケーティングもいた。
「『酷いケガ…あまり、動かさない方がいい。』」
「『痛みはある?』」
「『ー!君たちは?』」
「『…大丈夫。すぐに彼が処置してくれるから。』」
「『もう少しだけ待ってくれ。』」
「『彼?』」
「ケガ人はそこか!」
チヒロがフェンスを飛び越えて駆け寄ってきた。すぐに鞄から痛み止めの注射器を取り出し、その場で出来る処置をする。そして…コナゴールドは救急車で病院へと搬送された。
ーーー
「…本当におれが勝ったのか?」
レースが終了しウイニングライブが終わった控え室で1人、ケイエスミラクルが自問自答をする。自身が勝ったという実感がまだ沸かないのだ。すると誰かが訪ねてきた。
「『はい、大丈夫ですよ。』」
「『失礼する。』」
「『ーー!!フォアゴーさん!?』」
入ってきたのは先程まで戦っていたフォアゴー。扉より低く頭を下げながら部屋へと入ってきた。
「『ケイエスミラクル…まずは私と戦ってくれてありがとう。そして、見事な走りだった。…久々に満たされるレースだったよ。』」
「『あ、ありがとうございます。』」
「『…本当にありがとう。私の出走を知っていたのだろ?…いや、ジャパニーズには私のことは分からないか。』」
「『おれは君の知っていましたが…実は君が出走するということは知りませんでした。いえ、正確には教えてもらえませんでした。』」
「『…私が言うのも何だが…気にならなかったのか?』」
「『…おれの恩人が薦めてくれたレースです。それに答えたかったのもありますが…正直に言いますと、このレースのため一時的に担当とは別のトレーナーの指導を受けていまして、それどころではありませんでした。…おれはそのトレーナーについていくことで必死でしたから。』」
「『…アジュディケーティングのことかな?どうであれ…結果は私の負けだ。漸く、レースから去ることが出来るよ。』」
「『…え?』」
「『退屈はレースにあってはならないものだ。それに…私の身体はもう、限界に近い。去り際を失っていた、とも言うべきだろうか。…私に勝ってくれてありがとう。』」
「『…』」
「『…まぁ、急にこんなこと言われても困るよな。出来れば来年も参加して欲しい…その時は絶対に見に行くから。』」
「『…はい。必ず参加します!』」
「『…いや、出来ればでいいからな?アグネスワールドやアジュディケーティングにも伝えてくれ。…そうだ。残りのレースも見に行くのか?』」
「『えぇ。折角ですので。』」
「『一緒に見てもいいか?』」
「『勿論です!あ、おれの友達も紹介しますよ。』」
「『そうか?…でかい私見てビックリしないか?』」
「『大丈夫ですよ!…逆にあなたがビックリするかもですが。』」
ケイエスミラクルとフォアゴーは控え室を後にした。
ーーー
一方、アグネスワールドの部屋にはヒシアケボノが訪ねていた。
「…」
「レースお疲れ様、ワールドちゃん。」
「ボノ姉…」
「3着だなんて凄いよ!ちゃんこ鍋と…ホールサイズのモンブランも作ってあげる~♪」
「無理して。褒めないで。」
「無理してないよ!だって苦手なカーブを克服して、最後までワールドちゃんのレースが出来てたじゃない。」
「でも…最後に。後数mの所で…2人に…抜かれた…」
「悔しいんだね。」
「当たり前。本当に。後ちょっと。だったから…」
「…うん、分かるよ。こんな時だからこそ…えーと…んん?」
「ごめんボノ姉。今は1人…!」
話していると誰かが控え室へと入ってくる。
「お疲れ様ワールド。」
「当主様!?」
入ってきたのはアグネス家の現当主の『アグネスレディ』だった。