因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
「ただしミスターシービー君、君はダメだ。」
「これは…見せても大丈夫かい?」
「モルモット君、私の初舞台で光ってくれるかね?」
てるてる坊主の中身のマイクを当てる時の台詞はシュヴァルグランの方だった気もしますが…大体こんな感じです。因子研究のレポートの告知が来た時点で察しましたが…新衣装はお預けでした。まぁ、カフェと一緒に水着でくるかもと期待します。
今日は日本ダービー…『ソールオリエンス』、『スキルヴィング』、『タスティエーラ』、『サトノグランツ』…実装ウマ娘であるキタちゃん、クラちゃん、ダイヤちゃんの産駒を応援します!
勝ったのは『タスティエーラ』!…『ソールオリエンス』は2着!…後、『スキルヴィング』大丈夫かな?
…『スキルヴィング』、お疲れ様でした。貴方の活躍…私はずっと覚えておきますので…天国でゆっくりと休んでください。
では、本編にどうぞ!
ソウジとサンデーサイレンスはイージーゴアと共にアグネスフライトを探していた。
「さっきの話の続きだけど、前の『ホイットニーH』でウォーエンが最初に殴ったの…そのリーダーだったんだ。だから…その原因の一端となったアグネスタキオンに対しても個人的に怨んでるみたい。」
「…アイツか、顔は覚えているよ。ただの八つ当たりじゃねぇか…!!」
イージーゴアの話にソウジが憤っているとサンデーサイレンスの動きが止まる。
『ー!おい、フライトが近ぇわ…あそこだ!』
「待ってサンちゃん!せめて応援を…」
「あの倉庫か…まとめて潰す。」
「ソウジさん!?」
「サンデーサイレンス、俺に憑け。イージーゴアはマンハッタンカフェを守ってくれ。」
『分かったよ。』
「ちょっと!!」
ゴクン
ソウジは『シュンミンアカツキ』の合成因子を飲み込み、物置へと突入した。中には5人ほどの男女がいた。
「『この負け鳥ども。俺がその翼を引き千切ってやるよ。』」
「『なっ!』」
「『何だこの化け物!?』」
ソウジは…いや、『シュンミンアカツキ』は男も女も関係なく、鉄パイプで殴られても、ナイフで刺されても、拳銃で撃たれても、自分の歩みを邪魔する者を一撃で沈めた。そして最後の1人の男がアグネスフライトへと拳銃を向ける。
「『動くな。』」カチャ
「ー!…。」ボソッ
『シュンミンアカツキ』の動きが止まる。それと同時に何か言葉を溢す。
「…」ピクッ
「『ー!バカな!まだ動ける…!!?』」
バキッ
アグネスフライトの体が少し動く。『シュンミンアカツキ』はそれに動揺した男を殴り…そのままアグネスフライトを抱きしめた。
「『そこまでよ!』」
イージーゴアを皮切りに次々とスーツのウマ娘が入ってくる。
「『なめ…るな…よ!』」
バンッ
「ソウジさん!?」
ーーー
一方の地下バ道では…
「お姉ちゃん……」
パチン
「ー!」
「『表か裏か?』」
何かが弾ける音…アグネスタキオンが振り向くとそこには前走『ホイットニーH』で凌ぎを削ったヴォルポニが手を重ねていた。
「『…何のつもりだ?』」
「『聞こえなかったか?表か裏かって聞いてんだよ。』」
「『…裏だ。』」
ヴォルポニの右手が離れる…そのコインには何も書かれていなかった。
「『正解だ。』」
「『…それで何のつもりだ?』」
「『デマ何かに流されるじゃないよ。』」
「『…デマだと?』」
「『アイツらはメダグに嫌がらせがしたいだけの迷惑集団だ。メダグがけろっとしてるだろ?なら、何も事件は起きてない。』」
「『…』」
「『この『スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ』な私のラストラン…全力の君とまた走りたい。だから…君に憂いがあると困る。』」
「『…そうだね…その通りだ。お姉ちゃんは私に楽しめって言っていた。私は…それに答えるだけだ!ヴォルポニ君!』」
パチン
今度はアグネスタキオンが10円硬貨を弾く。
「『表か裏か?』」
「『表。』」
開くと寺院が描かれた面であった。
「『ちぇ…外れか。』」
「『いや、これが正解だよ。』」
「『…え?』」
「『ククク…全力で来たまえ!』」
「『みこーん!言われなくても!ダート王の最後の力…君に見せようとも!』」
「『…フライト、巻き込んでしまって…ごめんなさい。』」
ーーー
『BCクラシック』のスタート直前となり、マンハッタンカフェは1人、観客席へと戻っていた。
「…あ!カフェさん!フライトさんは?」
「アグネス家の…当主の方が来ていたため…離れられない状態になったそうです…」
「…ソウジはどこね?」
「…彼も…離れられなく…なりました。しばらくは私と行動して…とのことです…。」
「そうでしたか…分かりました!」
「…あ!タキオンさんがゲートに向かい始めたよ!」
メダグリアドーロ、ヴォルポニ…そしてアグネスタキオンと出走するウマ娘たちがゲートへ収まり…『BCクラシック』が始まった。
ーーー
『スタートした…おっと!
外のコンガリーが内へとよれてメダグリアドーロにぶつかった!
ハナを取ったのはホールザットタイガー!
いや!その外からコンガリーとメダグリアドーロの2人がかわして…ハナを取り合い始めたぞ!!
3番手になったホールザットタイガー!
その後ろに内からヴォルポニ、ファニーサイド、パーフェクトドリフトの3人が固まっているぜ!
その外からテンモストウォンテッドも並んできたか!
『ホイットニーH』を勝ったジャパンのアグネスタキオンはそれらの後ろ!』
アグネスタキオンはいいスタートを切れず、かなり後方からのスタートなった。
「タキオンさん!」
「…前を…防がれましたね。」
「ノン!ノン!チャンスを待つね!」
『ダイネバー、プレゼンテリーパーフェクトと並んで最後方はイブニングタイアー!
最初のコーナーを曲が…おっと!
ファニーサイドが大きく膨らんだ!
パーフェクトドリフト、テンモストウォンテッドも巻き込まれ膨らむ…これはかなりロスか!
ここでアグネスタキオン、内を走るヴォルポニと並んできた!』
外を走っていた3人が膨らんだことにより、アグネスタキオンは内へと入り、ヴォルポニと並んだ。アグネスタキオンに気づいたのはヴォルポニの口角が僅かに上がる。
『向こう正面に入って…先頭は僅かにメダグリアドーロか。
コンガリーがこれに並ぶ、ホールザットタイガーは3番手!
4番手は…ヴォルポニかアグネスタキオン。
その外からファニーサイド!
ここでパーフェクトドリフト、仕掛けにきたか!
外へと周り前の3人を捉えにかかる!
アグネスタキオンも負けじとペースを上げて前から4人目の位置へとつく!』
アグネスタキオンはそのままヴォルポニをかわし、前へと立った。そして…ヴォルポニはそのままバ群へと沈んでいった。
『ここでヴォルポニ後退か!
ファニーサイドとプレゼンテリーパーフェクトがかわす!
さぁ、最終コーナーカーブ!
先頭は…コンガリー!!
しかし、メダグリアドーロが内から競り合う!』
「ここで決めるっ!」
ダンッ
『アグネスタキオン仕掛けたか!
コンガリーとメダグリアドーロを捉え…先頭に立った!
さらにホールザットタイガーが続くが…これをプレゼンテリーパーフェクトがかわす!』
「『負けるかーーっっ!!』」
『メダグリアドーロ、ここで内から盛り返す!
しかし、先頭はアグネスタキオン!
外のプレゼンテリーパーフェクトがさらに伸びる!
コンガリーをかわして前2人へと迫る!
アグネスタキオン、このまま逃げきるか!』
「はああぁぁぁぁ!!!」
ダンッ
「『ーー!?嘘だろ!』」
『アグネスタキオン、ここでさらに伸びる!
2番との差が…2バ身、3バ身…まだ広がる!
そして、そのままゴールイン!!
勝ったのは…勝ったのは…ジャパンのアグネスタキオン!!
これがジャパンの『超光速の貴公子』だあぁぁぁ!!』
ワアァァァーーッ!!
レースは大歓声に包まれる。
「はぁ…はぁ…勝てたよソウジ…お姉ちゃん…」
「『ハァ…ハァ…クッ!!最下位…これで…終わりか……メダグ!?』」
「『…!』」ダンッ
メダグリアドーロはその場に足を叩きつけ砂煙を巻き上げた。その後、息を数回は吸っては吐いて、吸っては吐いてを繰り返し…アグネスタキオンへと言葉を送った。
「『おめでとうアグネスタキオン。悔しいけど…本当に悔しいけど…あんたの勝ちよ!!』」
「『あぁ、私の勝ちだ!』」
そして、両者は…互いの手を取り合い笑った。
………
「『クソッ!アイツ…俺らのこと気にもしていねぇ…!!』」
「『アハハ…殺しちゃおっか?』」チャキ
「『そこまでだ。銃を捨てろ。』」ゴゴゴ
「『ーー!!』」
「『アハハ…フォアゴーだ♪こりゃ…ダメだね♪』」ポイッ
「『来てもらうぞ。』」
また観客席よりとある男女がフォアゴーにより連行された。
ーーー
ウイニングライブが終わり、アグネスタキオンはマンハッタンカフェ、メダグリアドーロと共にとある部屋に来ていた。そこには車椅子に座ったサンデーサイレンスとその側に立つイージーゴア、そして…アグネスフライトを抱きしめたまま眠ったソウジがいた。
「ソウジ!お姉ちゃん!」
「…あ、タキオンちゃん。1着おめでとう。これで正真正銘のダート王だね…」
「…何があったか教えてくれないか?」
「何か私がタキオンちゃんに間違えられて拐われたみたい。で、それをソウジさんが助けてくれた…いやー、タキオンちゃんが拐われなくて良かったよ~!!」
「…良くない!!…お姉ちゃん、怖くなかったの?」
「怖いも何も…私が寝てる間に全部終わってたから…後、ソウジさんが離してくれない…幸せ。」
「俺がお前に憑依して隙を作ったことも忘れるなよ?」
「…いや、だから寝てたから分からないって。」
アグネスタキオンはソウジの体を覗きこむ。アグネスフライトを離せなかったためしっかりとした治療は出来ておらず、大雑把に巻かれた包帯の上からでも青痣、刺し傷、弾痕…などが確認され、ボロボロとなった服の下はさらに無惨なことになっていた。
「…ソウジ。」
「『シュンミンアカツキ』だっけか?それのお陰で無茶したみたいだなぁ…回収するのに苦労したぜ。俺ごと腕輪に移動したからな…2度としたくねぇ。」
「感謝するよサンデーサイレンス君。」
「…けっ。結局、俺が憑いてもソイツはフライトを離さなかったがな。」
話が止まったところでメダグリアドーロが声をかけた。
「フライト…ごめんなさい。私のせいで…あなたやアグネスタキオン…そして、そのトレーナーも巻き込んでしまって…」
「いいのいいの。それで…ウォーエンちゃんの邪魔になってる人たちは終わりなの?」
「…えぇ。今日ので最後…後は私の方で処理するわ。本当にありがとう…」
メダグリアドーロから涙が零れ始めた。
「…あれ?アグネスタキオンに負けたからかな?それともウォーエンが戻れるようになったから?…涙が…止まらないわ…」
「お嬢…」
「重荷が下りたからねえ…」
「…ゴア、空気が重い。別のところに移動しろ。」
「はいはい…お嬢、ちょっと席を外すから…」
イージーゴアとサンデーサイレンスは部屋を後にする。
「…それで…どうしますか?」
「とりあえず、私はスカーレットちゃんたちに連絡するわ。…タキオンちゃん、ポケットのスマホ取ってくれる?ソウジさんの力強くて上手く動けないの…はぁ、最高。」
「『シュンミンアカツキ』は回収済みの筈なのだが…はいスマホ。ソウジの体の傷は明日には治るだろうし今はゆっくりしたまえ。」
「「「ん?」」」
3人の声が重なった。
「タ、タキオンちゃん?今何て言った?」
「ソウジの傷なら明日には消える、と言ってのだが?」
「…じいちゃん呼ばなくていいの?」
「必要ないし…今は帰国中だろ?」
「…タキオンさんが…嘘を言うとは思えませんが…信じられません。」
「…アグネスタキオン、ソウジトレーナーって本当に人間かい?」
「当たり前じゃないか。今回は『シュンミンアカツキ』の副作用で眠っているだけだよ。…色々と実験していく内にちょっと回復が早くなる体質にはなったけど…」
「…納得です。」
「いやいやいや!アグネスタキオン!原因は君じゃないか!」
「…とはいえ、傷は残らないのね。良かった…」
安堵したアグネスフライトはスマホでダイワスカーレットたちに連絡する。そして、駆けつけたタイキブリザードが眠ったソウジによりアグネスフライト共々捕まったり、それに怒ったアグネスタキオンがソウジの頬をつねったり、怪しい薬を飲ませたりするのだが…それはまた別の話。こうして…『ブリーダーズカップ』は幕を閉じた。
………
「『…』」
「『どうしたのヴォルポニ?…何かのチケット?』」
「『…ジャパンからの招待状だよ。』」
「『ふーん、あなたにも来たのね…でどうするの?あなた、もう引退なのでしょ?』」
「『…そうだ。王の称号が無くなった今、もうアメリカで私が走ることはない。故にこの招待に答えるとも…実際は最下位で引退が嫌なだけだが。』」
「『ここでは走らないって…それは早計過ぎない?いや、あなたの好きにすればいいことだけどさ。私は調整が間に合いそうにないからパスよ。ここでウォーエンを待つことにするわ。』」
「『メダグ…君とのレースはとても楽しかったよ。出来ればで良い…私の最後のレースをみて欲しいかな。』」
「『フフフ…見るに決まってるでしょ。困ったら何時でも帰って来なさい…仕事くらいなら紹介するわ。』」
「『…ありがとうメダグリアドーロ。そして…さようなら。』」
「『さようならヴォルポニ。』」