因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ!   作:アマノジャック

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どうも、宝塚記念のファン投票を忘れてしまっていた作者です。『ディープボンド』君…ごめんね。とりあえず、現地行くために指定席を予約してみます…当たるといいな。


第83話 目覚めるモルモット 後編

ソウジは病院内にいたサンデーサイレンスを呼び出して、アグネスタキオンの出走した『BCクラシック』を見返していた。

 

「うーん、スタートが悪くて最初に内に寄ってきたコンガリーとメダグリアドーロに進路防がれてるな…というかメダグリアドーロ?よれたコンガリーとぶつかったようだが大丈夫だったのか?」

「後で謝ってきたけど…あれくらい何てことないわ。よくあることよ。」

「そうか…タキオン、スタート時は調子が悪かったか?」

「…私としては好調で普通に切れたつもりでいたとも。…周りのレベルが高かっただけさ。」

「いや、『ホイットニーH』と比べると完全に出遅れだ。だが、タキオンが言ってることも一理ある。慣れねぇバ場だろうし…俺がジャパンの芝を走ったらそうなるかもしれねぇ可能性もゼロではないな。」

「ふむふむ…」

 

ソウジは映像に目線を戻し、レースをみる。

 

「…ん?あー、最初のコーナーで3人も大きく膨らんで…そこを上手く突いたのか。で、最内のヴォルポニをマークしたと。」

「ふーん、後ろでこんなことが起きていたのね…」

「これに関してはラッキーだったよ。いいポジションに付けた。」

「もっと前に行けよ。」

「いや、サンちゃんじゃないんだから…」

 

「向こう正面でファニーサイドとパーフェクトドリフトが外から伸びてきてタキオンも仕掛ける…あー、ここでヴォルポニは力尽たか。」

「…」

「…おっ!一気に伸びて直線より前で先頭に立った!このまま、いけっ!」

「いや、これ映像…」

「外から…プレゼンテリーパーフェクトか?これはギリギリ…マジかよ!ここでタキオン再加速かよ!おぉ!タキオンが勝った!」

「…おいおい、あそこからさらに伸びたのかよ…」

「トレーナー君、サンデーサイレンス君…なぜそこまで喜ぶ?結果は知っていただろ?」

「いや、別に俺は喜んでなんか…」

「照れなくていいぞサンデーサイレンス。俺もまだレースを見てなかったからな…特に最後の末脚は想像以上だった。直接見たかったな…あ!」

「ソウジ、どうしたね?」

「タキオンの足を見るわ…サンデーサイレンス以外はちょっと席を外してもらってもいいか?」

「あー、あの件か。」

「ホワイ?私は慣れるから気にしないね…」

「これも仕事だから…すぐに終わるから…」

「うぅ…分かったね…」

「お嬢、私たちも行くよ。」

「えぇ~…ミスターソウジの仕事ぶりを見れる機会なのに~」

「彼の機嫌を損ねるわよ…」

「ちぇっ。」

「近くの控え室で待ってるね!」

 

タイキブリザードらが退出し、ソウジ、アグネスタキオン、サンデーサイレンスが部屋に残る。

 

「んじゃタキオン。ちょっと、ベッドで寝転んでくれる?」

「いや、座るだけで…」

「…ソウジとお姉ちゃんの臭いだ。」ゴロン

「十分だろ…早っ!?」

 

ソウジは寝転んだアグネスタキオンの足を揉み始めた。

 

「んー…特に疲労が見られないな。しっかり出来たみたいだなサンデーサイレンス。」もみもみ

「やったのはカフェの身体でだ…足は俺たちの命。だが…何年経とうが覚えてるものだな…」

「それだけ大事なことだからな…うん。…ん?尻尾のケアもしたのか?」もみもみ

「…分かるのかよ。レース後でボロボロだったからな…余計なことして悪かったよ。」

「お姉ちゃんがしたとは思わないのかい?」

「いや、いつもと臭いが違ってたからな。サンデーサイレンス…実は俺、これが苦手でな…教えてくれないか?俺がすると…」

 

ソウジが櫛を取り出して、アグネスタキオンの尻尾へと触れる。

 

「ひゅん!?」ビクッ

「…こんな具合だ。どうやら力が入り過ぎてるようでな…フライトに任せることが多い。」

「…逆だ。」

「ん?」

「手の力が入ってなさ過ぎる…櫛だけの力だとそうなるだろうよ…ちょうどいい。必要はないだろが出来るに越したことはねぇ。俺の尻尾で言う通りにしてみろ…痛くしたら殴る。」

「…お、おう。」

「まずは俺のを見てろ…タキオン、またするぞ。」

「あぁ…よろしく頼むよ…」

 

ソウジはサンデーサイレンスより尻尾のケアを教わった。

 

………

 

「『サンちゃん、かなり心開いてるよ…あの人凄いね。』」

「『確かに当時のサンデーサイレンスの世間的なイメージはもっと攻撃的だったわ。私ももっと尖ってる人かと思ってたし。』」

「『フフフ…ソウジの人柄ね。私も最初は引っ込み思案で根暗だったね…でもソウジのお陰で…』」

「『へ?ブリザードが引っ込み思案?意外だわ…本当にいい所のサブトレーナーになれたねサンちゃん。』」

 

「お待たせ。」

 

「ソウジ!終わったね!待ってた…ね!?」

「サンちゃん?」

「…ちっ。」プイッ

 

待合室で待っていたタイキブリザードらと合流したソウジだったが…それをみた3人は固まった。昨日大ケガした重症患者が普通に歩いていたからでも、脇にグッタリしたアグネスタキオンを抱えていたからでもない。ソウジの右目に付いた青アザ…パンダになっていたからだ。その隣では不機嫌な顔で、かつ罰が悪そうに目をそらすサンデーサイレンス。明らかに彼女が殴ってきたのが伝わってくる。

 

「…前言撤回。やっぱりあの娘は尖ってるわ。」

「…アハハ。」

 

「ソウジ!冷やさなくて大丈夫ね?」

「大丈夫大丈夫…後、1時間もすれば消えるから…」

「タキオンは何してたね!」

「…身体がほぐれすぎて…ろくに動けない…ところに憑依された…」

「…サンデーサイレンス?」ゴゴゴ

「ひっ…お前もキレたらフライトかよ!」

「私…フライトより優しくないね。とりあえず、その耳に風穴を開けるね…」ゴゴゴ

「や、やめろ!そんなのを向けるな!仕方ねぇだろ!コイツ、痛くしねえって言ったのに無理やり力ずくで…」

 

その瞬間、タイキブリザードがソウジに凍てつく視線と銃口を向けた。

 

「ブリザード、まずはそのオモチャを下ろせ。サンデーサイレンス、お前も誤解しか生まない言い方やめろ。…尻尾のケアを教えてもらってたんだよ。」

「…テール?…ホワイ?」

「ブリザードの時に俺がしてたケアはマッサージくらいだったろ?今回、サンデーサイレンスがタキオンの尻尾までケアをしてくれてたから教わってたんだ。」

「ジャパンの習慣は分からないけど…尻尾って普通、自分でしないの?」

「ノー、自分でするね。…私もソウジにならして欲しかったね。」

「…研究室内で何日も着替えず、ミキサーしただけの食材を飯として食ってたタキオンがそんなのするように見えるか?」

「トレーナー君、私に対して失礼だな。…否定は出来ないが。」

「なるほど。それで、サンちゃんが実践相手になった…色々と許し過ぎでしょ。」ボソッ

「…コイツ、引っ掛かってるのに無理やり櫛を通しやがった…俺の毛が2、3本抜けたぞコラ。」

「いや、力が足りないって…」

「次は左目がいいか?」

「サンデーサイレンス?」ゴゴゴ

「ひいぃ!」ビクッ

「いや、ブリザード。これは全面的に俺が悪いから…ごめんなさい。」

 

その後、アグネスワールドらと合流し…ホテルへ戻るだが…その間、アグネスフライトはずっとタイキブリザードの背中に隠れていた。

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