因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ! 作:アマノジャック
「さて…全員のレポートが揃ったな…締め切りよりも早い提出で感心!感心!早速、見ていくか。」
ソウジが来年から担当となるウマ娘たちより提出された課題を机へと広げる。そして、それぞれの内容の確認を始めた。
「まぁ、まずは優等生のアイツから…」
レポートを1部取る…作成者は『ダイワスカーレット』だ。
『最初に私が感じたことは憧れのタキオンさんがダートレースを走ったことへの驚きでした。
無敗のまま引退したかと思えば天皇賞(秋)で復帰し勝利…その後のジャパンC、有マ記念でも大活躍。
なので…ダートレースである平安Sの出走することが最初、信じられませんでした。
このBCクラシックために走ったと聞きましたが…日本とアメリカではバ場もかなり異なるはずです。
なぜ走ったかは…私にはまだ分かりません。
それはまた、ソウジトレーナーに教えてもらうとして…今回のBCクラシックでタキオンさんは見事な走りで…(以下略)』
………
「うわぁ…真面目だな。本当にタキオンに憧れているんだな。俺からスカウトしてて何だが…俺で良かったのか?…てか、本当に中学生か?俺が高校生の時の課題でもこんなにガチガチに書いた記憶はないぞ?…最初に読むべきではなかったな…いや、次だ次!」
10分ほどで読み終わり、ダイワスカーレットの感想に満足しつつ…次のレポートを手に取った。
「おっ、綺麗な字で書かれているな…『キャプテントゥーレ』!?お前かよ…意外だな…マイペースな娘だと思ってた。」
『まずはソウジトレーナーへ…アメリカに連れて行っていただきありがとうございます。
まさか私のデビューより前に日本のウマ娘が…それもタキオンさんがアメリカのダートG1レースを勝つところを見れるとは思っていませんでした。
実は以前からアメリカのダートコースは日本のダートコースよりは芝コースと似ているとのことを耳にしました。
なのにソウジトレーナーが日本のダートを走らせたのはタキオンさんの"適応力"を試すためかなー、と推察します。
実際にホイットニーHでは初めてのバ場にも関わらず…(以下略)』
………
「んー、しっかりしたレポートだったな。それに"適応力"か…良いところに目を付けてくれた。…よし、次いくか…おいおい、Wordでの作成かよ…」
ソウジが次のレポートを取り出した。作成者は…『グランデッツァ』である。
『そんなにブリザードさんと勝てなかったことが悔しかったの?』
………
「やかましいわ!ってこれだけかよ!…てかグランデッツァ…ブリザードが過去に出走したこと知ってるのかよ。…はぁ、短いながも何てインパクトのある文章…次で俺の担当はラストか。『ディープスカイ』…普通の感想であってくれよ…」
『今回のBCクラシックでまずは目に入ったのはスタート時の出遅れ…タキオンさんらしくないとも言われているが調べるとレースを重ねる毎にそうなるウマ娘も珍しくはないとのこと。
宝塚記念ほど酷いのはもう起きないにしても、これからのレースでも出遅れがみられるようになるかもと感じた。
正直な話…先行を得意とするタキオンさんにとっては致命的ではないだろうか…(以下略)』
………
「いや、それを考えるのが俺の仕事だから!確かに思っているけどさ…なんでトレーナー目線の文章になるんだよ!」
「うるせぇよ!お前は黙って読むことも出来ねぇのか?」
レポートを読む毎に騒がしくなるソウジにサンデーサイレンスがついに怒鳴った。
「悪い悪い…こっちは全部読み終わったから。お前がスカウトした『ディープインパクト』のレポートを見せて貰えるか?」
「あん?プイのならそこのゴミ箱の中だぞ?」
「何でだよ!?」
「何でも何も…『タキオンさんは強いかもしれないですがディブロ姉さんとクタ姉さんの方が強いです。』としか書かれてなかったんだよ!」
「…。まぁ、全員何かしらを学べたようだから良いけど…いや、グランデッツァはダメか。」
そう言いながらソウジはゴミ箱から捨てられたレポートを回収し、全員のレポートを持参したファイルへと閉まった。
「…で、わざわざ病院に来たのはこれのためか?」
「それもあるけど…お前と契約したディープインパクト、順調にいけば最初に彼女に『本格化』が来て、デビューすることになるだろう。だから…それに向けてお前の考えた練習を確認しておきたくてな。」
「そんなことかよ。わざわざ俺の所に来るほどのことじゃねぇだろ…ったく、ほら予定表と練習メニューだ。実際に俺がアメリカでしていたトレーニングも入っている。」
ソウジはサンデーサイレンスから渡された資料を受け取り目を通す。
「ちょっと坂路練習が多くないか?身体作りの段階ならもう少し減らした方がいいと思うけど。身体へのダメージも大きいからケガにつながるぞ。」
「あん?この段階でこれくらいはしとかねぇと最後に伸びねぇぞ。」
「しかし、ケガしたら元も子もない…」
「んな奴なら最初からスカウトしねぇよ!アイツはこれを超えれる素質のある!」
ソウジの指摘にヒートアップするサンデーサイレンス。その後もミーティングは長時間続いた。
………
「…今はこんなところかな。」
「結局、お前が俺のやり方に茶々いれただけだろ。」
「俺とお前の指導方針が違う以上は必要なことだよ。…そういえば最近はマンハッタンカフェの身体に入ってないのだろ?アイツ…ちょっと寂しそうにしてたぞ?」
それを聞いたサンデーサイレンスは気まずそうに目を反らす。
「まぁ…直接来てくれるからわざわざ取り憑く必要がなくなった…それにアイツの時間をこれ以上奪うわけにはいかないだろ。」
「次の土曜日、昼の12時。」
「はぁ?」
「その時間に新たな『合成因子』の実験レースを行う。マンハッタンカフェに取り憑いて参加してくれ。」
「それで俺に何のメリットが…」
「メジロマックイーンに会えるかもしれないぞ。」
「よしっ!任せろ!」
「さて、俺はそろそ…ん?」ガシッ
「…」
ソウジの言葉にご機嫌になるサンデーサイレンス。その流れでソウジは帰ろうとするとサンデーサイレンスに手を掴まれた。
「どうした?まだ話したい内容でもあるのか?」
「いや、特に無いが…また暇になるのも嫌だ。お前から何か無いか?」
「土産のスイーツならさっき食っただろ…何も無ぇよ。」
「…あ、そうだ!ちょうどいい!また俺の尻尾をといてくれよ!」
「えー…また殴られるのは嫌だな…」
「痛くしなきゃ殴らねぇよ…ほら!この櫛でとけ!」
「はいはい…って付け根丸出しかよ!それって隠すもんだろ?」
「お前だからいいんだよ!さっさとしろ……ひゃん!」ビクッ
「…あら可愛い声。」
「急にやるなよ!殴るぞ!」
「どっちなんだよ…いくぞ!」
「ひゃん!」ビクッ
その直後、イージーゴアとマンハッタンカフェが顔を真っ赤にしつつ部屋に入ってきたためサンデーサイレンスがあたふたしたのは別のお話。
ーーー
夜の練習コースを走るウマ娘が1人…先月の京都大賞典を勝ったタップダンスシチーである。
「ソイヤ!ソイヤ!ソイヤ!」
「タップ…あんた最近張り切り過ぎ。もうちょい自分の身体、労りなよ。」
「シチー…まだジャパンCまで日はあるし…後、数日だけ!そしたらちゃんと休むから!」
「はぁ…とりあえず、これでも食べる?ユキノと作ったし。」
「はちみつレモン!シチ~、ありがとう~。これでジャパンCは勝てるよ~!」
「何それ。大袈裟だし。うける。」
「よっしゃ!もう1本!ソイヤ、ソイヤ、ソイヤ!」ダッ
「ちょっ…タップ!?話聞いてた!?」
タップダンスシチーははちみつレモンを口に入れて再び走りだす。それをゴールドシチーが追いかけた。
▼登場人物にキャプテントゥーレが追加されました。
▼登場人物にグランデッツァが追加されました。
▼登場人物にディープスカイが追加されました。