因子継承!?あの娘とあの娘をレッツ・ラ・まぜまぜ!   作:アマノジャック

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2人のトレーナーがぐだぐだ喋るだけの回です。


第92話 酒の席で話す内容は雑談とアメリカンジョーク

トレセン学園近くのとある居酒屋…ソウジが1人で飲んでいると背後から誰かが声をかけてきた。

 

「よぉソウジ。かなり飲んでるな…何かあったか?」

「ニヘイ…何でここに?」

「俺も飲んでた。」

 

現在学園内で話題になっている同僚だった。

 

………

 

2人は会計を済ませて、2軒目へと足を運び席につく。先に口を開いたのはソウジだった。

 

「まさかお前が担当に手を出すなんてな。」

「お前には言われたくないよ。」

「いやいやいや!流石に現役のウマ娘と子供が出来たりはしてないからな!あ、店員さん、生中とポテサラお願い!」

「痛い所を突くな…すいません、俺は軟骨の唐揚げと烏龍茶で。」

「かしこまりました……お待たせしました。生ビール中と烏龍茶、ポテトサラダと軟骨唐揚げです。」

「「早っ!」」

 

早い到着にビックリしつつ、2人は乾杯し…自分の頼んだ物を飲む。

 

「あー、ソウジ…俺、父親になるんだ。」

「いや知ってるし、さっきまでその話をしてたじゃねぇか。何だ?あれか?妻にはまだ言ってない、とかつまらんアメリカンジョークでも言うのか?」

「いや、俺はベロちゃん一筋だから。…3日前にベロちゃんの両親にも挨拶してきたよ。そしたら…娘をよろしく、って返された…」

「公認になったんだな。ならなんでそんなに暗いんだ?」

「その…父親になることが不安なんだ。」

「どうした?逃げ出したくなったのか?」

「いやいや!そんな非人道的なことはしないが…気持ちは整理したいんだよ。ほら、去年の有マでの件で俺は散々叩かれただろ?ジャンポケを出走させたことな。それに加えて今年は…担当のウマ娘との間に子供ができた。世間的には厳しい評価…実績があるからクビにはなっていないだけの状態だ。」

「まぁ…今もトゥインクルでアドマイヤドンとリンカーンが活躍している訳だしな。それにお前の指導を受けたいウマ娘はたくさんいるし…学園長も追い出すことはないだろう。そういえばエアグルーヴが抜けるからチームへの加入試験が行われるのではとの噂もあるな。」

「いや、もう試験は行わない。入ってくる娘は決まってるし。」

「へー、試験以外での加入とは珍しいな。」

「ジャンポケに紹介されたとあるウマ娘だよ。ベロちゃんみたいな優等生とは真逆なタイプな娘。実力は最低限あるとはいえ『本格化』はまだ遠そうだし…今のところは成長に期待かな?後は爪が脆いんだよな…」

「お前の言う最低限ってそれだけでエグいからな。しかし爪が脆い…俺だったら担当しないタイプだな。」

「ジャンポケの頼みってのもある。だから必ず一流のウマ娘にしてやるよ。」

「お前そういうところ真面目だよね。」

「お前も最近は真面目(こっち)側だろ。」

「そうか?まぁ、そのジャングルポケットだけど…生徒会の副会長に就任したんだってな。」

「ベロちゃんから聞いた時はびっくりしたよ。ていうかそもそも指名したのもベロちゃんだってさ。ジャンポケには悪いけど…まだろくに練習もできない状態でチームメンバーのサポートがメインになってたからいい気分転換になるなるのかなとは思ってるよ。」

「サポートだ?」

「タイム計測にスポドリ作り…替えのシャツやタオルなどの洗濯。後は練習データの整理とか。」

「ケガ以前に担当してる奴にやらせることじゃねぇだろ…」

「言っても『じっと出来ない』って言って聞かねんだよアイツ。少しでも早く走りたいんだとよ。…そういえばお前のところにサブでトレーナーが入ったんだってな。…俺にはまだいないのに。」

「本当は10年前に俺の代わりにチヒロトレーナーに付く予定だったらしく…何故か俺に付くことになった。」

「あー、原因は日本に来て早々にトラック事故だったな…マジで同情するわ。俺は確かチケゾーとオフサイドに…デビュー前のベロちゃんの3人を担当してた辺りか…ベロちゃん、あの時から…」

「はいはい。そういうの今はいいから。」

「んん!サンデーサイレンスだっけか?お前から見たあいつはサブとして優秀か?」

「すでに担当を持っててビックリ。練習メニューもその娘に合わせたものではあるのだが…俺が求めているのとはかなり方針が違っていてな…はぁ…」

「アメリカと日本じゃ考え方は違うからじゃね?」

「いや、アメリカや日本以前にウマ娘と人間としての違いだろう。アイツ自身の走りは成績を見るだけでも超一流なのは分かる。だからか自分以上の成長に期待しているようでな…はぁ…」

「合わないなら向こうが勝手に離れるだけだよ。それに現役で優秀だったとしてもトレーナーとしてはまだ新米だ。色々とお前の意見が知りたいだろうさ…とりあえずは焦らないことだな。そういえば、お前の担当の次走はジャパンCだっけ?」

「その予定。」

「1番のライバルとなるのは天皇賞(秋)をレコード勝ちしたシンボリクリスエスと思っていたのだが、まさか回避とはな…」

「とはいえタキオンに本気で勝ちに来てるのは伝わってくるよ。それに前走で見せたあの追い込み…フライトに似ているよ。 全力でターフを踏み、自分の限界スレスレの速さを出す。ケガにつながりやすい追い込みだ。できるだけ休養を挟んでおくのが正解だろう。まぁ、結局出走していようがタキオンが勝つけどな。」

「凄い自信なことで…あ!サブがいるってことは新メンバーも入ったんだろ?どんな感じだ?」

「今のところ顔合わせした以外だとレポートをもらったぐらいなんだが…ドイツもコイツもはかなり大人びていたよ。あの中だとまだダイワスカーレットが1番子供に思えるぐらいだよ。」

「おいおい、あの身体付きで子供はないだろ。」

「何だお前?アイツをそういう目で見てるのか?殴った後に女帝にチクるぞコラ!」

「女帝じゃないベロちゃんだ!…いや違うからな!ダイワスカーレットって『本格化』前に関わらず明らかに他の同期と比べて走りとか身体が出来てるのはお前でもわかるだろ!」

「分かるけど…何か雰囲気がな…」

「アイツは絶対強くなるよ。自由にスカウト出来るなら俺だってあの娘に声かけたからな!」

「行けば良かっただろ?」

「基本的にはチームに加入希望する娘の中からしか選べれないの!」

「…トレーナーとしては羨ましいが?」

「そうだけどさ!…はぁ、これはこれで結構な悩みだぜ?本人の希望と適性が合ってなかったりして…あー、やめだやめ!ソウジ、お前は悩みはあるのか?」

 

ソウジは気まずそうに目を反らし、残ったビールを喉へと流し込んだ。そしてジョッキを置くと同時に口を開く。

 

「…あるぞ。ニヘイ、俺も父親になるんだ。」

「はぁ!?お前!ジャパンCあるのにアグネスタキオンに手を出し…」

「…タキオンにはまだ言ってない。」

「…ん?え?はあぁぁ!?」

 

ニヘイの叫びがソウジの頭へと響いた。

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