正直どう進めたらいいかわかりません
指が勝手に重い方へと向かいました
転生したら家庭環境が最悪だった件、いや、冗談じゃないんだ…
行かないで
前世では一体どんな死に方をしたのか、それだけを思い出すことが出来ないが、それでも俺という存在は確かに終わったはずだという自覚と前世の記憶だけを持って生まれてしまった
おかげで俺は幼児だと言うのに幼児らしからぬ態度で大人には「大人びている」と評価を頂いた
ただ問題だったのは俺は双子だったということ
双子の片割れが世話がかからなければもう片方を多めに見るだろう
それにその弟には"個性"がないもんだときた
…あぁ、個性
個性というのは人間の9割が4歳頃に発覚する異能のこと、そう、この世界は『僕のヒーローアカデミア』という創作物の世界だ
弟は無個性、俺には個性がある、それもとびきり強力な
それが不安定でヒスの才能のあった母には耐えられなかったのか、双子なのに優れていてしまった俺の方を見なくなり、弟の方ばかり構うようになってしまった
そんな環境が今から10年ほど前に始まり、ずっと今まで続いている
…個性なんていらなかった、こんな家族もいらなかった
求むなら、今からでも新しい環境に飛び込みたい
だが、残念ながら俺はまだ中学生
俺1人では何も出来ないし、したら怒られるような年齢だ
高校生に成れば、一人暮らしを許されるだろう、もとより俺に関心はないんだし
そうしたら彼女でも作ったり、良い個性を生かしたヒーローにでもなって、余生を謳歌したい
あぁ、忘れてた
俺の名前は『
これは、俺が幸せになるまでの物語だ
「えー、お前らも3年ということで!!本格的に将来を考えていく時期だ!!!」
市立折寺中学校
その3年の教室で、グワッと気合を入れて叫ぶ
「今から進路プリントを配るが…」
進路のプリントを持ち、気合をいっぱいためてから
「だいたいヒーロー科志望だよね!!!」
プリントをばら撒き、おちゃらけてみせる
それをみた生徒達は皆して、「はーーい!!」と元気よく"個性"まで使ってその意志を誇示している
…ふざけているのかと笑いたくもなるが、別にふざけてはいない
「せんせー!!皆とか一緒くたにすんなよ!」
ふざけた教室の中で、最もふざけた存在である『爆豪勝己』がおもむろに声を上げる
「俺はこんな"没個性"どもと仲良く底辺なんざ行かねーーーよ」
案の定教室内はワッと湧き、ふざけんなー!!などと爆轟に対して非難が募る
「あー、爆豪は確か…『雄英高』志望だったな」
その一言に教室内は騒然とする
…なぜだろう、とんでもなく嫌な予感がする
絶対余計なこと言うよな…
「あ、そういえば緑谷兄弟も雄英志望だったな」
あーあ、爆豪以上の爆弾を投下したよ、あのジジイ…
最悪だ、こうなりゃ弟である出久は爆豪にボッコボコにいじめられ、後で俺が慰めるか止めるかをしなければいけなくなる
…教室中が笑いに包まれる、「お前には行けない」などと、特大ブーメランをぶん投げていることに気づかず、これが集団いじめだということにも気づかず、そのまま時間は流れた
放課後、やはりというかなんというか…
爆豪は出久にわざわざ絡みに行き、出久のノートを爆破しようとしている
…いつもならそもそも出久がいじめられているところにいないから助けることもしないが、今日は教室内だ、助けなければ後で死ぬほどだるいことになるだろう
ボン!という爆発が聞こえる前に俺は個性を発動させ、ノートを取る
「あ”?」
「…人のものを壊すと犯罪だ、天下の雄英サマはそんな犯罪者…いや、ヴィランのことを受け入れるのか?」
「…テメェ、ぶっ殺されてぇのか?」
「そんなんでヒーロー志望とか、世も末だね。出久、ここにノートおいてくから」
…これ以上はめんどくさい
コイツは個性とセンスがいいからどうせあんな試験方法じゃ受かるだろうし、この辺でやめとくのがいいだろ
はぁ、最悪だ…
ほんとに最悪の日だよ
その日、珍しく遅く帰ってきた出久は、随分とボロボロになっていた
『ヒロアカ』をまともに読んでいなかった俺でもわかるターニングポイント
きっと出久はオールマイトと出会ったのだろう
…此処から先、物語は加速するはずだ、出久が怪我をし、母が心配し、それでも戦い、勝つ
そんな王道の少年漫画道を突き進むことだろう
……じゃあ、俺は?
きっと、ただの学生よりももっと幅広く動けるはずだ
ほぼ読んでないとはいえ物語を知っているということは未来を知っているということ
つまり最悪を回避するだけの情報があるはず
だが、なんのやる気もでない
いつからだろうか、少なくとも、前世はもっと活力に溢れていたはず…
まぁ、いい
それもきっと高校まで行けばどうにかなる
入試まで残り10ヶ月、もう少しやる気を出してみよう
10ヶ月たった、というわけではないが、出久の体がキレてきた
…家庭に俺はほぼいない、一日中ジムか図書館だ
そんな生活のせいでたまに見る出久の体が、目に見えて変わっているように感じる
実際変わってきているわけだが
料理もトレーニングに適した高タンパク低脂質になっていた
ただでさえ家に帰りたくないのに、帰りたくない理由が増えてしまった
ストイックにトレーニングをしすぎて味気がなさすぎる
いや、頑張るのはいいことなんだけどさ。あいつチートデイとか設けてないのかな?
ようやく10ヶ月たった
今日は入試当日
出久は朝からいなくて、母と顔を合わせてしまった、最悪だ、落ちる気がする
出久と一緒に行かなくても済むように早めに家を出る
忘れ物は特になし、やる気もきっと充分、さあ待ってろよ、雄英
『今日は俺のライブにようこそ!エヴィバディセイヘイ!!!』
前言撤回、もう帰りたい
なんだよ、うるさいな、まったく
出久もさっきからブツブツモード入っちゃったし
あ、注意された
もうやる気というやる気を削がれたが、まずは筆記試験
対策はバッチリ、さっさと終わらせて実技に行きたい
筆記が終わった、そつなくこなせたと思う
次は実技試験
雄英高校の試験において多大なる比率を占めるこの試験
正直余裕だ、
『ハイスタート!』
元気よく発された合図とともに駆け出し、目の前にいるロボットを殴り、破壊する
随分脆く作ってあるようだ
まぁ試験で怪我させてもめんどいしね
試験中盤、ヴィランポイントは34、ボーダーがたしか30だった気がするからこれでいいだろ
ここからはレスキューポイント目当てで動こう
「あ、ありがと」
「あぁ、気をつけろよ」
助けたやつとさっと会話を済ませ、仮想ヴィランをなぎ倒す
そんなこんなで試験終了まであと少し、0ポイントが動き出した
「…でっけー」
そんなことをつぶやきながら適当に0ポイントに向かって足をすすめる
ゴゴゴゴと動くヴィランに手を触れる
…はい、終了
俺の個性は『時を止める個性』だ
止めれる時間はたった5秒ほど
幼い頃、俺はこの個性をなんとか日常に活かそうと試行錯誤した時発覚したのが、今回の使い方
俺は触れたものの時間を止めることが出来た
その制限は一度止めれるものは3つまで、世界そのものを静止させると止めていたものは世界と同時に動き始めるというもののみ
正直サイコーにヒーロー向きの強個性だと思う
まぁこんな物を持っていても勝手に使ったら怒られるから意味ないんだけどね
さて、試験終了
多分受かってるでしょ、バカなことがなければ
家では出久が死んだような表情をしながら生活している
受かってねぇわけねぇのにな、ウケる
俺は母からもどうせ反応されないだろうし、勝手にとって見た
もちろん結果は合格、ヴィランポイント45、レスキューポイント70の計115ポイントで主席だった
歴代では初めての100超え、文句なしの主席だそうだ、やったね
家では出久の合格を祝いパーティーをやっていたそうだ、良かったね
さぁ、新生活のために家を探しに行くぞ!
正直これが楽しみすぎてたまらない!高校に入るんだから書類ぐらいもらえるべ
携帯も契約して、バイトもして
2回目の高校生だと言うのに、ここまで嬉しくなるものなんだな
うーーー、俺の物語は、これからだぜッ!!
歩の由来は出久→isく→areく→歩く→歩です。めっちゃ簡単でしょ
ちなみに主人公はジャンプを買ってはいるが、特定の漫画しか読まないタイプでした。なのでヒロアカについてはちょっとしか知らないよ。めっちゃミーハー!