西暦2205年10月5日 ヤマトは発進した。新兵たちは、ワープテスト・アステロイドベルトでの演習と矢継ぎ早に耐久訓練が行われ、竜介も揚羽も夕食が終わると一言も発せられないほど消耗しつくした。
「全く人使いの荒い艦だな。筋肉痛で足が上がらない。」
「俺も炊事係がこんなにきついとは思わなかった。手が豆だらけだぜ。」
展望室で土星を見ながら、二人はため息をついた。
「でも、見てみろよ。揚羽。こんなに美しいんだなあ土星って。」
「うん。木星は訓練の最中でろくに見ることができなかったけど、見てみたかったなあ木星も。それよりさ。土門。何の本持ってるんだい。」
「各科兵員の栄養補給について、さ。」
「何が書いてあるんだい?」
「簡単に言うと、パイロットや砲術士がばてない様にする食事の作り方さ。」
「へええ。僕たちの食事のことか。じゃあ、機関科とか空間騎兵なんかの食事もあるのかい?」
「ああ、勿論、通信士のだってあるぜ。平時はみんな同じ食事だけど、戦闘ともなれば、それぞれ全部違うんだ。俺、栄養学は殆ど知らなかったから、勉強することばかりさ。平田先輩もいろいろ教えてくれる。」
「いい先輩みたいだな」
「うん」竜介は頷いた。「加藤隊長はどんな人?」
「厳しいけど、カッコイイよ。まさに、ザ・戦闘機乗りって感じだ。僕をチームリーダーに推薦するって。」
揚羽の言葉に竜介は目を丸くした。「責任重大じゃないか。」
「うん、頑張るよ。これからの航路ってどうなってるんだっけ」
「しょうがないな。パイロットは。まず、海王星基地で食料と物資の調達。次にワープの後ケンタウルス・リギルの入植地で、艦内整備。戦闘班は、のんびりできるだろうけど、俺たち生活班や技術班は一番忙しいんだ。海王星までが小休止さ。」
第一艦橋でも、訓練の成果を確認している。
「主砲の命中率は90%です。」
「もう少し命中率を上げられないか」古代が尋ねた。
「コスモタイガー隊の宇宙演習は良好です。揚羽にはチームリーダーになってもらおうと思ってますが。」
「まだ少し早いんじゃないか。大丈夫か?加藤」島が質問している。
「生活班、救護係、マニュアル全てこなしました。」
「まあ、演習と実戦は違うとはいえ、まあ及第点だろう。」真田が総括した。
「まあ、このまま、演習だけで公開が終わってくれることを祈るよ。」肩を回しながら古代が言った。
「なんだ。随分弱気だなあ。艦長代理らしくもない。」島が言った。
「艦長代理と艦長では、重さが全然違うよ。」
「らしくないぞ古代。マイペースで行け」真田が笑った。
「救援要請。ケンタウルス・リギルからです。」相原の言葉に緊張が走る。
「何と言ってきてる、相原。」
「国籍不明の艦隊から宣戦布告無しの攻撃をうけ、守備隊の防衛力では防ぎきれないと」
「島。α星までどのぐらいかかる?」
「カイパーベルト離脱まで1時間、その後ワープすれば2時間。」
「待て。敵艦隊の射程に入りこんで危険だ。」真田の疑念に
「射程の外側にワープし、敵艦に停戦を呼びかけ、それでも攻撃してくれば、応戦では?」進が提案した。
「大田、レーダーで敵艦の位置を把握しろ。総員戦闘配置。α星に敵艦隊出現。救援信号あり、ヤマトは太陽圏離脱後。α星までワープ、ワープ終了後ただちに敵艦と交戦する。」
艦内放送に、竜介も揚羽も顔を見あわせた。ついに来たのか。竜介は武者震いがした。
ワープ30秒前、総員ベルト着用。艦内放送に従って、竜介は調理室でベルトを締めた。平田も隣に座っている。
「土門、落ち着けよ。お前、主砲を打ちたくてうずうずしてるんじゃないか?」
見透かされて、竜介は顔を赤くした。
ワープしたヤマトの先方に艦影が多数確認できる。進は、敵艦に呼びかけた。
「艦隊司令官に次ぐ、私は宇宙戦艦ヤマトの艦長古代進。この宙域は、地球の領域である。速やかに離脱されたし、また、ヤマトは、貴下の艦隊と戦う意思はないが、砲撃されれば応戦せざるを得ず、速やかにα星宙域から、退去せられたし」
その言葉が合図だったかのように、敵艦隊から、ビーム砲が浴びせられた。
「主砲発射準備、目標敵旗艦。」進の声に「方位、x20y15z45、距離0,5宇宙キロ」太田が位置を知らせる。
「第一砲塔、主砲発射準備完了」南部の答に「発射。」進はすぐさま返した。
ビームが真空を切り裂く。一瞬後、宇宙艦隊の旗艦が爆発四散した。
混乱する敵艦隊に、コスモタイガー隊が襲い掛かる。旗艦を失った艦隊は四散し逃亡を始めた。
「揚羽、深追いするな。」
「でも、まだ一発も撃っていません。」
「いいんだ。今はα星の領域から追い払うだけで十分だ。コスモタイガー全機帰還せよ。」
揚羽の奴、早速出撃か。うらやましいな。艦内放送をぼんやり聞いていた竜介に、連絡が入った。コスモハウンドを運転するようにと
「戦闘機じゃないが、頑張って来いよ。」平田の言葉に竜介は大きく頷いた。
「何をするんですか?生活班長?副長?」
「土門隊員。敵艦の破片を回収します。なるべく多くの種類を。」
「「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」ダ。分カッタカ、土門。」
なんて生意気なロボットだ。アナライザーに揶揄われて、竜介はムカッとした。しかし、ただの飯炊き、雑用係と思っていた生活班の意外な実態に、竜介は感心した。
「コレカラ分析ヲ行イマス。結果ハ2日後。」
「もう少し早くできないのかアナライザー。」進は思わず言った。
「「急いては事を仕損じ」マス。」
「いつからお前、漢文なんか読むようになったんだい。」島が感心した。
「ズット前カラデス。」済ました答に、みんな吹きだした。
「また戦闘配食を作らなきゃならないんですね。平田先輩。」調理室で竜介がぼやいている。
「もう、根を上げてるのかい新米コック君」
「えへへ。でも、赤飯なんて面倒臭くて、サンドイッチでいいんでは。」
「お前、訓練生の時にパンを、一斤全部食ったことがあったろう?」
「ありました。だって、ぺしゃんこにすればいくらでも入るんだから。」
「それさ。殆ど胃袋みたいな連中が相手だ。いくら食料があっても足りはしないぞ。その点モチ米なら」
「そうか」竜介は頷いた。
「それにモチ米は、うるちより腹持ちがいい。水分もたっぷり含んでいるから、のども乾かない。水の節約にもなるんだ。」
「すごいな先輩。」
「栄養学の常識だ。」平田は竜介の額を指で軽く押した。「それに何よりも、縁起のいいものだからな。船乗りは昔から縁起を担いだものなんだ。」
「古代。ケンタウルス・リギルに攻撃を仕掛けてきた異星人の正体はわかったか?」ケンタウルス・リギル防衛軍司令部で、進と真田は、藤堂長官と連絡を取った。
「目下調査中ですが、あの大型ミサイルと同じ金属を含んでいます。同じ国籍のものと考えてよいでしょう。」真田が説明した。
「破片に付着した有機物から、異星人の遺伝子、身体構成の分析を急がせています。」進が付け加えた。
通信後、二人は司令官と座を囲んだ。副官がコーヒーとクッキーを運んできた。
「司令官。なぜ戦闘になったんですか?」進が尋ねる。
「どうもこうも・・・いきなりミサイルとビームが飛んできて、防衛衛星は一瞬で消滅。その後は、雨あられとミサイルが、全くの不意打ちだ。」
「酷い敵だな、ガミラスもガトランティスも宣戦布告をしているのに。」
「全く、海賊みたいな連中だ。今回は、ヤマトに守ってもらったが、今後はどうなることやら。ここは、オスミウム鉱石が取れて、地球の発展には不可欠なのに」司令官は憮然としている。
「まさか、オスミウムが目的で襲ったか?」真田の言葉に
「それは違うと思うよ。真田さん。それが目的だったら、もっと計画的にやるはずだ。指揮系統が混乱しているのかな。目的がわからない」進は首をかしげた。
「α星上空、15kmに国籍不明の戦艦出現。ワープして現れたようです。」
「何。またあの艦隊か?」司令官が叫ぶ。
「別の国の戦艦です。この戦艦も、全く未知のものです。」
大パネルに、映像が映し出される。
「酷くやられているな。これでは、航行はできないだろう」真田が分析した。
「この艦は交信してきています。」敵ではなさそうだと進は安堵した。
大パネルにその戦艦の艦長らしき人物が浮かび上がった。
「私はバース星艦隊司令官ラムです。我がラジェンドラ号の修理と補給をお願いしたい。」いかにも武人らしい容貌だった。
「それはできない。ここα星は地球の入植地である。貴艦は領空侵犯をしておられる。速やかに退去されたし。」司令官はきっぱりと言った。
「α星の皆さん。今の状況では、我々は自力航行すら難しい。部下たちのためにも、せめて、エンジンの修理だけでもさせていただけないだろうか。」
「司令官。長官の指示を仰いで頂けないでしょうか?確かに、ラム艦長の言う通り、あの船をそのままにしておくわけにもいかないでしょう。」進は懇願した。
藤堂からの連絡はすぐにあった。指示は、人道支援にとどめること、即ち、燃料供給と動力部の修理、負傷兵の看護、食料と医薬品の供給であった。修理は真田が指揮、看護には衛生兵が向かった。
「ラム艦長、修理が終わるまで、ヤマトでおくつろぎ下さい。」進は挨拶した。
異星人だってさ?消毒はしたのかな?当然だろ?
興味津々の若い隊員たちの声が聞こえてくる。進は苦笑した。
「地球の食事です。お口に会わないかもしれませんが。」平田がラムに話しかけた。竜介はその間に4人分配膳を済ませた。二人は敬礼すると艦長室を後にした。きっと質問攻めにされていることだろう。
「ラム艦長、副官殿」進は話し始めた。「この宙域で何が起こっているか。教えて頂きたいのです。」
「古代艦長。我々の戦いに関与しないほうが良いのではないかな。」
「構いません。我々の航海は、銀河系で何が起こっているか調査するためなのです。お願いします。」真田も頼んだ。
「いいでしょう。」ラムはゆっくりと話し始めた、言葉を選びながら。「我々バース星は、ボラー連邦という星間国家の一員なのです。ボラー連邦は、4年ほど前から、ガルマンという国家の侵略を受け始めたのです。」
「ガルマン?それはどんな国家なのですか?」真田も尋ねた。
「我々も詳しいことはわからないのですが、ボラー連邦に反旗を翻した国家だということと、恐ろしく好戦的で、海賊のような連中だということだけです。我々のバース星艦隊も、このラジェンドラ号以外は全滅させられました。」
冥王星海戦の沖田艦長と同じだ、進はなぜかそう思った。
「エネルギー限界までワープした先がこのα星だったのです。そのため、α星の皆さんには、ご迷惑をおかけしました。」
「そんな、我々ができることは人道支援だけです。」進は申し訳なさそうに言った。
「ラジェンドラ号は、副砲が数問使えるだけです。敵が来る前にここから脱出しないと助かりません。」真田も言った。
「わかっています。一刻も早くここから離脱します。部下たちのためにも」
「実は地球にも、ガルマンのミサイルが来ているのです。」古代は思わず言った。
「このような辺境の、それもボラー連邦の同盟国でも無い星に?」ラムは眉をひそめた。
「古代、うかつだったな。」「真田さん、どうして。」
「ミサイルは流れ弾だ。ラム艦長は誤解したかもしれない。」「何が?」
「地球もガルマンから攻撃を受けている。だから、味方になるのでは?ということだ。」「地球の中立が危うくなるってことですか?真田さん。」
「俺の考え過ぎかもしれんが。」
「平田さん、ラム艦長たちは全部食べてくれました。地球の食事が気に入ったようです。」自分が作った料理をと、竜介ははしゃいでいる。
「そうとは限らない。土門。」あっけにとられた竜介にさらに続けた「嫌いでも全部食べたのかもしれない。これ以上、我々に情報を取らせないために」
「ええっ?」
「真田副長が修理しながら艦の能力も全て調べたはず、生活班の衛生兵は、乗員の遺伝子から調べ上げたはずだ。同盟国でもない我々にバース星人のデータが知られることになったんだぞ」
竜介は茫然となった。
「それが宇宙だ、土門。」
ラジェンドラ号の修理は、程なく終わった。
「お世話になりました。古代艦長。α星の皆さん。」ラム艦長と乗組員はラジェンドラ号に戻っていく。
「島、ヤマトも発進し、ラジェンドラ号がワープするまで護衛する。」「ようそろ。ヤマト発進」
ヤマトは0.5宇宙km離れて、ラジェンドラ号を追尾した。
「ラジェンドラ号、ワープまであと20秒。」太田がレーダーを見ながら確認する。「あと10秒、9,8、」カウントダウンが始まった。「ああっ!右舷より強力なエネルギー、ラジェンドラ号へ。」
「何」古代が言うより早く、ビームがラジェンドラ号の機関部を直撃した。これではワープすることもできない。
「ここはまだα星の領空だ。相原、通信回路を開け。敵旗艦に警告。」おそらく敵はレーダーの死角に潜んでいたに違いない。あるいは、ラジェンドラ号の航跡からワープの直前を狙って、自分たちもワープし、ビーム砲を打ち込んだんだろう。なんて奴らだ。
「敵旗艦に告ぐ。ここはα星の領空である。速やかに攻撃を中止し、離脱せよ。敵旗艦に告ぐ。あ、通信が入りました。メインパネル作動。」相原が作動させ、パネルに人影が浮かび上がる。
「私はガルマン帝国東部方面軍総司令官ダゴンである。」高慢そうな青い肌の男であった。「お前たちはラジェンドラ号に協力し、我々を攻撃した。よってお前たちの星を殲滅する。砲門を開け、総攻撃開始。」
「待ってくれ。ダゴン将軍。」ラム艦長の声が入ってきた。さっきの攻撃で負傷したのだろう、苦しそうな声だった。進は胸が痛んだ。「α星で我々が受けたのは人道支援のみ、この星の人々はボラー連邦の同盟国ではない。無関係の中立国を攻めることだけは止めてほしい。」通信が途切れた。
「ラジェンドラ号の機影が消えました。」太田も声を絞り出す。
「古代、敵の艦隊はα星を絨毯爆撃するつもりらしいぞ。」真田が叫ぶ。
「よし、波動砲発射だ。目標敵艦隊中央部、波動砲発射後、コスモタイガー隊発進。残存勢力を叩け。」
「ターゲットスコープ、オープン。電影クロスゲージ、明度20.全員対ショック対閃光防御」「エネルギー充填120%」「波動砲、発射」
強力な閃光がα星の領空を包む。
「敵艦隊、3/4消滅。」太田が報告した。
「コスモタイガー発進!!」進が叫ぶ。
「編隊を組め。敵艦隊まであと5秒」加藤が隊員たちに指示した。
残存する艦隊のビームを避けながら、コスモタイガーは縦横無尽に飛び回り、敵艦に攻撃を加えた。波動砲の衝撃を受けている敵はコスモタイガーの敵ではない。本格的な戦闘の前の良い演習になる事だろう、加藤はそう思った。
敵を倒しているという実感は揚羽には無かった。ダミーを撃っているような手ごたえの無さである。気を抜いてはならない、これは実戦なんだ。彼は操縦桿を握り直した。
「α星領空の敵艦隊撃滅。コスモタイガー、帰還します。」加藤から通信が入った。
「大田、ガルマン帝国の艦隊は全部撃沈したのか?」
「いいえ、古代さん、一隻だけ逃げた模様です。」
「多分敵の旗艦だろうな」島の問に
「ダゴンとか言っていたな、あいつを一番にブッ飛ばしてやりたかったぜ」進は思わず言った。
「おいおい、穏やかじゃないな古代。でも、なんて奴らだ、本当に海賊みたいだな。礼儀も何もない。」島にしては珍しい言葉だった。
竜介はまた、コスモハウンドを操縦し、資料を集めた。
「よう、資料集め、ご苦労さん。」揚羽の笑顔に、竜介は憮然としている。「どうしたんだい?何怒ってるんだ?」
「お前ねえ」竜介は苦笑した。「俺たちが何集めてるか知ってんのか?」
「何って、戦艦や戦闘機の破片だろ。戦力分析のための」
「それだけじゃないよ。」
「じゃないって??」
「それにくっついてる有機物。つまり敵兵の肉片さ。遺伝子や体の組成を調べるために」
揚羽は手に持っているハンバーガーを見つめた。
「大丈夫かよ。」「う、うん。」
「顔が真っ青だ。医務室に行こう。しっかりしてくれよ、今回のエースなのに」「す、すまん」竜介は揚羽に肩を貸した。
「ガルマン帝国のデータがある程度分析できたよ」第一艦橋に集まったメインスタッフに真田が重苦しい顔で言った。
「で、どうだったんです?」
「アナライザー、報告しろ。」
「分析結果。飛来シタ大型みさいるハ、がるまん帝国ノ艦隊カラ発射サレタモノト確定。ソシテ、がるまん帝国艦隊兵士ノ遺伝子ハ、6年前、捕虜ニシタがみらす兵ノ遺伝子ト99.999%一致。がるまん帝国ハ、がみらす人ノ国デアル可能性極メテ大」
「なんだって」「そんな」「真田さん、じゃ、じゃあ、ガルマン帝国というのはデスラーの」相原の言葉に
「そんなはずはない。デスラーは、ヤマトへの恨みは捨てたと言ったんだ。あの男が約束を破るはずがない。」進は思わず言った。
「慌てるな。ガミラスの残存艦隊だったとしても、それがデスラーのものかどうか確定はしていないんだ。彼以外にも司令官ぐらいいるかもしれないぞ。」真田が答えた。
「がみらす人トがるまん兵士トハ0.001%ダケ遺伝子ガ異ナリマス。遺伝子時計ノ計算カラ、分岐点ハ約2000年前」アナライザーはさらに説明した。
「2000年前に分かれたってどういうことなんだ?」南部が首をかしげた。
「ガミラス星から、銀河系への移民、あるいは征服が2000年前に起こったのかもしれない。あの科学力なら、当然考えられ得る。」真田が解説した。
「でも、おかしいじゃないか。ラム艦長の話だと、ガルマン帝国ができたのは4年前からだろ」太田が質問した。
「ラム艦長が嘘をついていたのかもしれない。あるいはそう信じ込まされているか」島が呟いた。
「信じ込まされているって誰に?」と相原。
「それこそ、ボラー連邦の中央政府にじゃないのか?」
島の答にみんな沈黙した。銀河系内部は自分たちの想像もつかないような、政争、戦争が起こっているのかもしれない。地球は中立を保てるのだろうか。