名倉「以上が現状のイーグルジャンプだ、質問は結構だが内容によっては
名倉は東京・品川にある大手電機企業の本社ビルで報告を行っていた、出された茶菓子のチーズケーキをフォークを使わずに手で掴んで食べる名倉に役員は資料を見て聞く。
役員「事情は分かった、君の持ち出した要件はこちらで上に話しておこう。近い内に君の思惑通りになると思うよ」
名倉「使われるだけじゃ面白くないだろ、あんたとのゲームにはこっちにも策がある事を覚えておけ」
役員「怖い男ですねぇ貴方は、精々足元を掬われないよう気を付けると致しましょう」
話を終えた名倉は礼も無く扉を開けて去っていく。
その後ろ姿を見た役員は呟くのだった。
役員「父親に似て、つくづく面白い男だよ。カイジ君……」
カチッ!!
品川駅東の喫煙ルームで煙草を吸う名倉、ガラス越しの人通りに眼を向けると3人の女子の姿が見えた。
名倉「あいつら、品川に何しに来たんだ?」
ゲーセンの前で男2人に泣き付いていたのは青葉、はじめ、ゆんの3人だった。
ただならぬ雰囲気を察した名倉は喫煙ルームを飛び出し彼女たちの方に向かう。
男1「ゲームで勝ったんだから、それなりに出すもん出してもらおうか、なぁ?!」
青葉「だからって、現金は……」
ゆん「無茶言わんどいてぇ!!」
はじめ「勝たせてくれるって言ったくせに、ボロ負けじゃん」
男「金出せないなら映像だけでも残していけよ、丁度良いビジネスホテルあるからさぁ」
建物の陰で話を聞いた名倉は煙草を地面に捨て、踏みつける。
名倉「俺として自業自得だが、しょうがないな」
強引に腕を掴んで連れ込もうとする男2人、その目の前に名倉は現れた。
名倉「おい、お前ら随分なやりたい放題じゃねぇか、どこの奴だ」
青葉・ゆん・はじめ「名倉さん……」
男1「ああ、俺達YouTubeで賭け対戦ゲームの実況してるんだ」
男2「そんでもって弱そうなやつ嵌めて、ゲームに勝って金全部貰って払わなきゃ……」
男1「おっと、それ行ったら面白くないし、放送禁止映像だぜ」」
男2「それで察せるだろ、大概のシチュエーションは!!」
名倉「へえ、随分と楽しそうだなあ、だが
青葉「た、助けて……名倉さん……」
涙目でこちらに訴える3人、名倉はポケットから財布を取り出す。
名倉「残念だがお前らの今連れ込もうとしてる女は俺が最も嫌いな女でな、何ならゲームで負けたんだから好きなだけ犯しても良い」
ゆん「助ける気ゼロやん!!」
はじめ「裏切者!!」
名倉「だが」
名倉は財布から一枚の紙切れを取り出すとペンで何かを記す。
男1「そいつは!!」
名倉「お前もゲーマーなら実力で上に行ってみろ、俺はこの勝負にそこの3人に加えて、2億円を賭ける、それがこの小切手だ」
男12「に……二億円!!」
名倉「受けるか?」
男1「上等だ、チャンネルの前でお前の醜態晒してやるぜ!!」
男2「良いぜ、俺のカメラで見届けてやるよ!!」
名倉「交渉成立だ、種目は何だ?」
男1「俺の得意なこいつだ!!」
ゲーセンに置いてあったのは……
名倉「ほう、ペルソナ4、ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナか」
男1「通称P4U、ペルソナシリーズの対戦格闘ゲームだ」
名倉は100円を取り出し、コイントスをすると本機に入れ、コントローラーを手にする。
名倉「お前が得意と豪語するならそれなりの実力があるんだろ?やって見せろよ」
男1「全力で行くぜ!!」
相手は白鐘直斗、名倉は里中千枝を選ぶとコールと共に第1ラウンドは幕を開けた。
男1「先手必勝、散れや俗物!!」
いきなりの銃攻撃を受けるが、名倉は空中回避を繰り返す。
間合いを詰めた、その瞬間……
名倉「デッドエンドだ」
突如としてまるで覚醒したかのようにコンボを羅列していく、その勢いは男がこれまでの倒した相手と全く違う鬼気迫る物だった。
男1(こいつ、普通じゃない!!攻撃方法もコンボの繋げ方も全て躊躇いなく叩きこんでる)
名倉「ジャックポット!!」
怒涛の攻撃で容赦なく叩きのめされた男は拍子抜けし、地面にへたり込む。
男1「何なんだよ!!お前!!」
名倉は煙草に火を付け、コントローラーのレバーを倒す。
名倉「元Eスポーツゲーマー、イーグルジャンプゲームアドバイザー、名倉マークだ」
男2「な、なななな……」
男1「う、嘘だろ……俺達は……」
名倉は席を立つ。
名倉「敗者にはそれ相応のエンディングがある、そうだな……ムショ暮らし、奴隷、タダ働きに拷問、どれが良いか迷うなぁ……」(ニチャァァァ)
青葉・ゆん・はじめ(完全なサディストだよこの人!!)ドンビキ
男12「ああ……あ……」
名倉「それじゃあ、お前たちの末路は……
俺のおもちゃとして半年の拷問刑だ!!精々苦しみな!!」
男12「ギャアアアアアア!!」
すると後ろから
青葉「名倉さん、いくら何でもジョークが悪趣味すぎるよ!!」
はじめ「いくら何でもそれはやり過ぎだと思う……」
目の前でビビる男どもに20万円を叩きつけると名倉は告げる。
名倉「その金でPSでも買えばいい、これに懲りて悪い遊びはこれっきりにしろよ、行くぞバカ共」
男1「20万円……」
男2「PSでも買えっていきなり言われても……」
困惑する男2人だった。
品川駅前のバーガーキング
名倉「全く、お前らはバカなのか?あからさまにイカサマゲームに引っ掛かって身売り寸前とかゲーマー界隈の笑い話にもならんぞ」
青葉「ありがとうございます、もうしません……」
ゆん「ホンマ助かったわ……」
はじめ「生きた心地しなかったよ……」
名倉は5つ目のチーズバーガーを開けると大手電機企業のビルのある方角を見つめ、呟く。
名倉「親父……」
青葉・ゆん・はじめ「へ?」
名倉はチーズバーガー齧ると風に流す様にに伝える。
名倉「俺のゲーム人生の始まりはあの場所から始まった、今じゃあ大きくなりすぎたけどな」
ゆん「名倉さんの人生?あの大手電機企業さんと関係あるん?」
名倉は告げる。
名倉「聞いてみたくないか?俺の一族の偉業って奴を」
3人は名倉の話に飛びつく。
青葉「ぜひとも聞かせてください!!」
ゆん「ウチも興味ある!!」
はじめ「私も!!」
名倉「それなら場所を変えるぞ」
名倉は3人を連れて向かったのは……
青葉「何故休日なのにイーグルジャンプへ?」
名倉「話をするのに切っても切れないキーアイテムがあってな」
名倉の部屋に案内された3人は席に着く。
名倉「これがそのアイテムだ」
ゴトッ!!
青葉「初代プ○イステーション、PS1……」
ゆん「何でPS1がキーアイテム?」
はじめ「話が見えてこないんだけど……」
名倉「こいつはただのPS1じゃない、1994年に初めて市販用に生産された物の一番最初の機体、要はこれが日本で生まれたPS1のオリジナルだ」
青葉「ええええ!!」
ゆん「レア中のレアやん!!」
はじめ「何で名倉さんがそんなもの持ってるの?」
驚愕する面々に名倉はようやく本題と理由を切り出した。
名倉「それじゃあ話を始めよう、今から24年前、大手電機企業に一人の開発者とそのグループがいた。そのグループこそ当時としては異端な人間の集まりでその中心にいた男はあるゲーム機の開発に執着していた
その男の名を……『阿良々義健』と言う奴だった」
青葉「阿良々義……健……」
語られるのは、ある男の壮絶な復讐……