青葉「こ、これが……発売記念パーティー……」
ひふみ「緊張するのも無理はないよ、初めてだもん」
ゆん「ウチもこれが初めてやから」
はじめ「そうそう、気にしない気にしない」
フェアリーズストーリー3発売から2日、発売記念パーティーへとやって来た青葉たちはホテルの会場でグラスを片手に一歩も動けなかった。
周りには協賛企業や投資家にゲーム開発者、取引先の幹部が跋扈しており、声を掛ける事もままならなかった。
コウ「お前ら、緊張しすぎだぞ。もっと楽になったらどうだ?」
ゆん「それが出来へんからこうなってるや」
うみこ「まあ、気持ちは分かりますがせっかくのパーティーなので」
りん「そうそう、主役なんだから胸を張って、ね♪」
しずく「一度きりなんだから、後で後悔しないよう楽しむと良い」
青葉「楽しむか~、どうすればいいんだろう?」
すると後ろから3人の男が寄って来る。
???1「やあ、イーグルジャンプの皆さん、初めまして」
コウ「あんた、確か前に……」
青葉「あの~一体あなたは?」
???2「名倉君とは前に一緒に仕事をしていたんだ」
???3「丁度去年の夏のバトルフィールド1の実況の時にね」
そして彼らは名前を告げた。
???1「それじゃあ、改めて、皆さんおはこんばんにちは
???2「
???3「おつ一と申します」
弟蛇「3人揃ってゲーム実況チーム3BROです!!」
全員「「え、えええええええええええええええええええええ!!!!!」
余りの驚きに口が塞がらない青葉たち。
弟蛇「そんなに驚かなくても……」
ゆん「だってあの3BROやろ!!バイオハザードとかコールオブデューティーの超有名プレイヤーやん!!」
コウ「初めて見たよ……まさかパーティーに来てくれるなんて……」
兄蛇「僕たちは一応指名VIP待遇でこのパーティーに来てるんだ」
おつ一「名倉君から是非来てくれって言われたからね。一応Eスポーツ界隈では有名人だし、彼の誘いならってこうしてきたんだ」
するとうみこは突然バイオハザードRE2のパッケージを渡す。
うみこ「バイオハザードRE2の実況、最後まで追いかけるほど好きでした。是非ともこのパッケージ版のRE2にサインをお願いします!!」
弟蛇「勿論だよ、ファンサービスには喜んで応える。このチームのポリシーさ」
うみこは今までにない笑顔でサインの掛かれたバイオハザードRE2のパッケージを抱きしめていた。
兄蛇「それじゃあ、僕たちはここで」
青葉「ありがとうございました!!」
超有名人に会った青葉たちを見てコウは安堵する。
コウ「ようやく緊張がほぐれたみたいだな」
青葉「はい」
ゆん「興奮してすっかりいつも通りや」
はじめ「すっかり緊張感が抜けちゃったな~」
青葉「あ、あの……」
コウ「へ?」
青葉が指を指す方向に居たのは黒いスーツではなく白いスーツやヒョウ柄のジャケット、背後には刺繍で任侠の文字が書かれたジャケットを着た強面の男たちがこっちに、向かってやって来た。
コウ「あ、あれは……」
りん「どういった方たちなのかしら?」
目の前に立つと白いスーツの男はサングラスを外して……
バサッ!!
青葉「え……」
男「イーグルジャンプの皆さん、フェアリーズストーリー3の発売おめでとうございます」
突然花束を渡され、困惑する一同だが……。
しずく「えっと、君達は確か……」
男「これは失礼、私達はこういうナリをしていますが、あなた方と同じゲーム開発者です。
龍が如くシリーズの開発のね」
ひふみ「りゅ……龍が如く!!」
青葉「あの伝説の任侠ゲーの!!」
驚愕する面々。
男「私達も名倉の若頭に誘われたクチの人間です」
コウ「名倉の若頭って……」
うみこ「どういう関係なのでしょうか」
男「
ゆん「本当にゲーム開発者なん?」
はじめ(名倉さんの人間関係地味に危ない匂いが……)
男は若干恐ろしい笑顔で言った。
男「名倉は家のシマを荒らした獄門行きの野郎だがアイツは若頭言われる程面白れぇ男だ。今度あいつに次世代機で開発中の龍が如くの開発に拉致るから首を洗って待ってろと伝えといてくれ」
しずく「言葉はアレだがそう伝えておくよ」
男「あばよ」
話を終えると青葉は呟く。
青葉「ゲーム開発者には大袈裟な人もいるんだなぁ……」
ゆん「名倉さん危ない橋渡り過ぎなんよ……」
バチッ!!
すると突然消灯し、大きなステージが現れる。
司会「皆さん、これより大手電機企業プレゼンツ、フェアリーズストーリー3ゲームアドバイザーの名倉マーク氏による演説が行われます」
青葉「な、名倉さん!!」
するとステージに登壇した名倉は普段の空気から一転、黒一色のスーツを身に纏い、目の前で頭を下げた。
名倉「参加者の諸君、イーグルジャンプ・ゲームアドバイザー、並びに大手電機企業所属Eスポーツプレイヤー名倉マークだ」
コウ「アイツが何で……」
名倉「この度イーグルジャンプでの3年間に渡るゲームアドバイザーとし様々なゲーム開発に尽力してきた。それは、大手電機企業との取引であり、俺自身の夢を叶える条件でもあった」
青葉「どういう事!!」
ざわつく参加者の目の前で名倉は告げた。
名倉「その夢がこれだ」
パチン!!
するとスクリーンに映し出されたのは……
名倉「大手電機企業の子会社となるゲーム開発企業、
名倉エンタープライズ ロサンゼルス本社だ!!」
参加者「おおおおおおおおお!!」
青葉「名倉エンタープライズ!!」
驚愕するイーグルジャンプの一同。
名倉「この名倉エンタープライズを起業し、俺自身が今年より社長に就任する事が決まる家庭には様々な物がった。栄誉あるクリエイターたちの刻んだ全てだ。少なくともそれを見てきた俺はこの会社に言える事は一つだけ。
世の中はゲームだ、勝ち負けで人生も変わっちまうクソッタレのな。
だがそれは同時につまらない自分の何かを彩るスパイスになっているはずだ。
大きく変わる世界には常にそんなゲームに挑み続けている勇者とも言うべき誰かが存在している、それが自分たちであり、この世界の新たな歴史を作るだろう。
そんな人たちと共に俺は前に進む、来年にはゲーム業界を揺るがす大きなゲームがこの名倉エンタープライズから生まれる。その時を楽しみに待っていてほしい。
俺は名倉マーク、名倉エンタープライズ代表取締役社長、同時に一人の勇者だ」
参加者「おおおおおおおおお!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ
演説を終えると名倉はステージを後にし、イーグルジャンプの一同の元へ戻る。
青葉「名倉さん……」
名倉「シケた顔してんな、そんなに分かれるのが嫌か?」
ゆん「そうに決まってるやろ、折角ここまでやって来たんやから……」
コウ「異動する新部署が自分の会社か、全部お前の計画通りって訳か」
名倉「100%じゃないけどな、意外なイレギュラーもあった」
そう言うと名倉は青葉の方を見つめる。
コウ「名倉?」
名残惜しそうに青葉を見つめると……
ガシッ!!
青葉「ちょ、ななななッ何をするんですか?」
名倉「お前の根性を叩き直してやる、ちょっと来い」
そう言って名倉は青葉の腕を掴んで会場から引き摺りだした。
青葉「……」
ホテルの上階にやって来た二人は空を眺めながら、話しを始める。
名倉「さて、ここで一つゲームでも始めるか」
青葉「ゲーム?」
名倉「そうだ、俺とお前の、ラストゲームだ」