NEWGAME P.S!!   作:しゅみタロス

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CHAPTER6 デビルサマナーは惹かれ合う。

会社帰りの夜7:00

 

とある居酒屋。

 

名倉「……」

 

一人アーモンドをアテにウィスキーを飲む名倉、ただ無意味に過ぎていく時間の中、後ろの客の会話に耳を傾けていた。

 

青葉「今日はありがとうございます、まさか奢ってくれるなんて」

ひふみ「良いよ、色々話したい事あるならこれくらい」

 

青葉とひふみの二人が仲良く食事に来ていた、名倉は他人のフリをしつつオーダーをする。

 

名倉「フライドポテト、大盛りでマスタードソース」

 

出されたフライドポテトを手に、名倉は2人の会話を聞き始めた。

 

青葉「とりあえず、聞かせてください。名倉さんとひふみさんの関係♪」

ひふみ「話すのは良いけど、割と衝撃的だよ。大丈夫?」

青葉「どーんと来いです!!」

名倉「あんなわかりやすい死亡フラグも中々見ないな、最近の未成熟少女(ティーンズガール)は命知らずだ」

 

そしてひふみは日本酒のロックを片手に話を始めた。

 

ひふみ「あれはそう、今から2年前……」

 

2016年 11月

 

コウ「ダメだアアアア!!」

りん「コウちゃん、落ち着いて、完成まであと4ヶ月だから」

コウ「このままじゃあ、ゼスティリアの二の舞だ!!もう終わった……」

 

ひふみ「あのー」

りん「?」

ひふみ「私、滝本ひふみと言います、このイーグルジャンプにプログラマーとして来たんですが……」

コウ「ああ、話は聞いてるよ。ってもう一人どこ行った?」

ひふみ「もう一人?」

りん「ええ、取引先の上層部から来るはずだったんだけど……」

 

名倉「俺の事か?」

ひふみ「え?」

 

この時の名倉はデビルサマナーの様なカジュアルなファッションで大きなケースを手に会社にやって来た、ガムを噛みながら。

 

コウ「何よその姿、っていうかあんたが上層部の人間?」

 

名倉「名倉マークだ、まあ上層部からの意向でここに来たがこのフェアリーズストーリー2を成功させたいなら……

 

ここにいる全員俺のルールに従ってもらう。ここは今日から俺の物だ、会社も、制作も、社員も全部な」

 

コウ「何よこいつ!!口を開けば偉そうにッ!!」

りん「コウちゃん落ち着いて~」

 

暴れ出す、コウをガン無視し、りんのPCに勝手に座るとゲーム全体のファイルを見始める。

 

りん「ちょっと、私のPC……」

名倉「成程なあ、こいつはゼスティリアよりかは酷くはねえが改善する必要がある」

 

すると、後ろからプログラマーのうみことしずくがやって来る。

 

名倉「あんた、プログラマーか?」

うみこ「はい、これは私がプログラムしたモノですが……」

しずく「何か分かったかな?新入り君」

 

名倉「技コマンド、こいつが複雑すぎるのとアクションの多くがマニュアルじゃあ誰もついていけない、オートマチックUIを使いつつ可能ならアクションをボタン操作で比較的にシンプルに出来ればそれでいい」

うみこ「たった5分のデモビデオでそこまで!!」

 

名倉はレプリカの拳銃を手に語る。

 

名倉「アクションゲームにおいて最もいい例なのはデビルサマナー葛葉ライドウ2部作だ、開発の参考にすると良い」

 

この場に居た誰もが理解しただろう、名倉の潜在的なプレイヤーセンスと天才的なゲーム知識に。

 

それを見たりんとコウは手の平を返した。

 

コウ「驚いた、どうやら見くびっていたみたいだ」

りん「名倉君、力になってくれる?」

名倉「寧ろそのつもりだ、俺に従うなら成功は保証する。ついて来い!!」

 

一気に会社内で信頼を勝ち取った名倉、その横でひふみは気付いていた。

 

ひふみ「デビルサマナー、知ってる人がいたんだ……」

 

ひふみは当時から誰にも共有できない趣味として女神転生シリーズを愛好していた。その中でもデビルサマナーシリーズを好んでいたため、名倉がその作品に精通したゲーマーであると知り、彼を気にするようになった。

 

 

名倉とひふみが入社して1ヶ月

 

制作の中で名倉からアドバイスを受ける度にひふみはそれを実行した、ひふみは名倉との仕事にやりがいを感じていたその頃……

 

ひふみ「名倉君!!」

名倉「ん?何か用か?」

 

ひふみ「私と、ご飯食べない?」

名倉「そいつは良い、あんたとも話がしたいと思ってた、好きなんだろ?女神転生」

ひふみ「ついて来て」

 

とあるバー

 

名倉「今のご時世女神転生はペルソナシリーズに食われてる気がするが真・女神転生やアバタールチューナー、デビルサバイバーと良作揃いだ。この中でデビルサマナーの新作は俺も望むところだな」

ひふみ「ソウルハッカーズの新作とか売れそうなのにね」

名倉「これも時代だ、昔の様にうまく行きやしないさ」

 

すると名倉はある話を切り出す。

 

名倉「俺さ、ここに来る前に次世代機向けに開発中の女神転生の制作に顔を出していたんだ」

ひふみ「嘘、凄い!!」

名倉「ただしこの事は内密にな、2017年に某ゲーム企業が次世代機のプレゼンテーションで発表する事になってるから」

ひふみ「それ、話して大丈夫?」

名倉「バレなきゃいいのさ、バレても共犯がいれば問題なし(ノープロブレム)だからな」

ひふみ「凄く嫌な考え方するね……」

 

若干引きつつも名倉を笑顔で見つめる、その様子を見た名倉はひふみの肩を自分に寄せたため、その表情は一瞬で動揺に変わる。

 

ひふみ「ちょ、ちょっと……」

名倉「言葉では嫌がってても身体は抵抗しないんだな」

 

名倉はひふみと顔を近付けて聞く。

 

名倉「俺の事を見て、何を考えてた?答えろ」

 

ひふみは少し、間を置くと語り出す。

 

ひふみ「私、わかって欲しかったんだ。女神転生が好きな事、でも私の周りにはそんな人居なくて、ずっと燻ってた。でも名倉君と出会って、嬉しかった。似た者同士だから」

 

名倉はひふみの頭を撫でて言った。

 

名倉「人には常に理解できない物がある、それは無知から対立、そして経験が伴って初めて理解できるんだ。でもこれだけは忘れるなよ、自分が持つ解釈と結果論が正しい事だとは誰も思わない、そしてそれを強要するのは人の道をから外れる事だ。それでも正しいと言える共感性を持っていたからこそ俺と言う理解者に会えた。ある意味奇跡だな」

ひふみ「ありがとう、名倉君」

 

 

ひふみ「それ以来、名倉君とはプライベートでも仲良くしてるの。彼は非常識だけどああ見えて中身は子供っぽい所あるから」

青葉「名倉さんと関係続けて疲れませんか?私、いつも振り回されてるんですけど」

ひふみ「当たり前だよ、だって私は名倉君の一番の理解者で名倉君の初めてだから」

青葉「え?」

 

青葉は最後の言葉に疑問が浮かぶ。

 

青葉「初めてって一体何の……?」

 

ひふみは若干悪戯な笑みで呟く。

 

ひふみ「名倉君と私、実はもう経験済みなの

 

 

エッチな事」

 

青葉「え、

 

 

えええええ!!」

 

名倉「見事なフラグ回収だな、ありゃ」

 

ウィスキーをグラスに注ぎながら名倉は笑う。

 

青葉「てっきり名倉さんの事だからジョークだと思ってました」

ひふみ「因みに以前の歓迎会でのリアクションは全部嘘、本当は私、名倉君を私なしじゃ生きられないようにするのが目的、彼の全ては私のモノよ」

 

青葉は恐ろしいひふみの本性を知り、名倉とは別ベクトルの狂気を見せつけられる事となった。

 

青葉「あ……」

 

バタッ!!

 

ひふみ「ああああ!!青葉ちゃん大丈夫!!」

 

気絶した青葉を我に返った様な反応で運び、共に店を出た。

 

その様子を見送りつつ名倉はひふみの様子を見送るとウィスキーのグラスを手に笑う。

 

名倉「言っとくがひふみはヤンデレになり切れてない純情ヤンデレだからタチが悪いんだよなあ、あいつとの関係、この先ずっとこんなもんだろうな。へへッ」

 

名倉はそう言うと代金を払い、店を出た。

 

 

 

 

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