とある喫茶店
ねね「あおっち、それで仕事どうなの?」
青葉の親友、桜ねねと休日を過ごす青葉、ねねの質問に青葉は青い顔で答える。
青葉「まあ、充実してるよ。衝撃的な出来事多すぎて普通の感覚麻痺してるけど」
ねね「何があったの?それだけ悪い会社に!!」
青葉「違うって、まあ、私と一緒に仕事してる人が非常識の塊でさ……」
ねね「そんなに怖い人なの……」
不安がるねねに青葉は弁解する。
青葉「でもその人は大きな夢の為に頑張ってるいい人なんだよ安心してねねっち」
その日の夕方
カタカタカタカタ
ねね「イーグルジャンプか……」
会社概要を見たねねはイチゴのプレッツェル口に咥える。
ねね「良い会社なのは間違いないみたいだね……ってあれ?」
ねねは会社のTwitterに書かれたある広告を見つける。
ねね「フェアリーズストーリー3のデバックプレイの人材、求む……」
ねねはその広告を見るな否や、自然と手が動いていた。
翌日
青葉「ええええええええええ!!ウチにアルバイトで来る!!」
ねね「っていう事でこの夏の間の10日間アルバイトで一緒に働く事になったよ」
余りにも驚きに青葉は口が開いたままだった。
青葉「じゃあ、しばらくの間一緒に居られるんだね」
ねね「そうだよ♪よろしくね!!」
青葉「大歓迎だよ!!」
こうしてねねがアルバイトでやって来ることになり、ここからねねは青葉とあの男の仕事を目の当たりにすることになる。
イーグルジャンプ
コウ「名倉―、そろそろバイト点呼よろしくなー」
名倉「やれやれ、また俺がこの役か……」
名倉は気だるげに入口の前に立ち、点呼を始める。
バイト1「見て見て、あの人」
バイト2「マジ、本物の名倉マークじゃん!!」
バイト3「あのEスポーツプレイヤーの」
バイト4「マジヤバ~、カッコいい」
ねね「あれが、名倉マークさん……」
ピンク色の声を上げる女子たちに名倉は手を上げる。
名倉「全員、落ち着け」
名倉はニヤリとし、バイトの女子たちに言葉を告げる。
名倉「やあ、この地獄に何も知らずに志願しやって来た雌犬の諸君」
バイト全員「「「「「めっ、雌犬!!!!」」」」」
余りの衝撃に横に居た青葉が割り込む。
青葉「ああああ!!、皆さん、落ち着いてください、当社名物名倉式ジョークです。遊び半分で聞いてください!!」
名倉「ここでは基本デバックプレイをやる以外ではお前らの自由は保障する。だが勘違いするな、この地獄で生み出された至高なる努力の結晶を穢そうものならお前たちにこの仕事がどれだけ過酷か俺が調教してやる。一つのミスも許さないぞ、ゲーム開発なめんじゃねえ、わかったな!!返事はハイだ!!」
「「「「「ハイ!!」」」」」
青葉「あの人たち、名倉さんに任せて大丈夫かなぁ……」
不穏なスタートとなったデバックプレイの仕事、そんな中で青葉は一抹の不安を抱えながら自分のデスクに戻ったが……
名倉「今日のお前の仕事場はそっちじゃないぞ」
青葉「え、じゃあ名倉さんの部屋?」
名倉「ご名答、お前には別の仕事をやってもらう。少々手厳しいぞ」
デバック班
カタカタカタカタカタカタ
ねね「開発段階とはいえ、凄い作り込み。これを全部名倉さんとあおっちが……面白い……」
ゲームのありとあらゆる場所を動き回りながらゲームのバグを見つけていく地道な作業、周囲にいる女性たちも目を光らせていた。
ねね(あおっちも名倉さん……ああ言う人と仕事してるんだ……確かに大変な気もするよ……)
デバック班のプレイ中、隣から名倉と青葉の声が響く。
青葉「これ、本当にやるんですか?まだ私慣れてないんだけど」
ねね「あおっち?」
名倉「ここまで来て怖気づいてるのか、逃げようたってそうはいかねえぞ」
青葉「これが本当に正しいんですか?正気じゃないんだけど……」
ここでデバック班にとてつもない衝撃が走る。
名倉「はなから共犯だろうが、ここに来た奴ら全員皆殺しにして身ぐるみ全部剥がす計画だっただろうが」
ねね「ええええ!!」
バイト1「今聞いた!!」
バイト2「皆殺しってさっき……」
バイト3「身ぐるみ剥がすってまさか……」
バイト4「ここ、ヤバいんじゃ……」
青葉「本当にやったら後戻りできませんよ」
名倉「この仕事でどれだけ儲けたと思ってる、お前の為に武器、弾薬、逃走用の車全部そろえたんだぞ、後は突入するだけ、奴らを血祭りに上げて、その身ぐるみ売り捌けばいい金になるぞ」
青葉「最早人のやる事じゃないよ!!」
ねね「ああああ、あおっちが犯罪者に……」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
道を踏み外す一歩手前に立たされている青葉の姿が脳裏に過り、ねねはとうとう
……
ねね「あおっち、ダメええええええええええ!!」
部屋を飛び出し、隣の部屋へと向かった。
するとそこには……
名倉「おお、何か見つけたか?」
青葉「ねねっち!!」
ねね「あおっち、やだよ、そんな犯罪者みたいなことしちゃ……」
青葉「ねねっち、これは……」
名倉をクスクスと笑いながら説明を始める。
名倉「何か誤解してるだろ?まあ、落ち着いて聞け。さっきの話はこういう事だ」
名倉はゲームのパッケージをねねに渡すとねねは気付く。
ねね「これって……ファークライ3!!」
名倉は以前クレーンゲームで手に入れたミルクコーヒーを飲みながら話す。
名倉「ファークライ3、PSハードで展開されている18禁FPSの定番、ファークライシリーズの3作目。さっきの会話はファークライ初心者の青葉に俺が直々にレクチャーしてただけさ」
ねね「じゃあ、ここに来た全員皆殺しって言うのは……」
名倉「ゲーム内でこれから敵のアジトに突っ込む前の会話だ、別にお前らに言ったわけじゃないぞ」
ねねはその場にへたり込む。
青葉「ねねっち、しっかり!!」
ねね「良かった……あおっちが道を踏み外さなくて……」
名倉はねねの反応を見て堪え切れずに笑いだす。
名倉「ハハハハハ、やっぱ何にも知らない未成年の反応程面白いモノねーや、マジ最高、ハハハハハ」
青葉「名倉さん、まさか……」
名倉「全部意図的にこうなるように敢えてこの会話をしてた、お陰で面白いモノ見たわ、ホント……」
この悪趣味なジョークを笑い倒す名倉、その目線にはどす黒いオーラを身に纏った青葉が静かに立つ。
ねね「あ、あ、あおっち……」
青葉「この……
大バカ野郎オオオオオオオオ!!」
バーーーーーン。
名倉「ぐあああああ!!」
青葉の渾身の右ストレートが名倉の腹部に炸裂し、その音が社内に響き回った。
PM7:00
とあるバー
ひふみ「それで、バイトの子たちと飲みに行かなくて良かったの?」
ウィスキーのロックを片手に名倉は話す。
名倉「誰が付き合いの無い端切れの奴らと飲むかよ、第一他の女に手を出したら怖い奴がいるしな」
ひふみ「誰の事言ってるのかしら?」
名倉「わかってる癖に恍けるなよ」
ひふみ「フフッ、バレた?」
名倉はテキーラを注文し、ひふみに聞く。
名倉「今晩はどうする?」
ひふみ「それ聞くって事は、シたいの?私が誘ってもスルーしてたのに」
名倉「たかが2週間焦らしただけだろ?」
ひふみは名倉の耳元で囁く。
ひふみ「良いよ、私の中で、名倉君のぐちゃぐちゃしたモノを吐き出してよ……」
名倉はテキーラを飲み干すと呟く。
名倉「熱すぎて火傷するなよ、俺はそんな責任取り切れないからな」
ひふみは名倉に顔を近付ける。
ひふみ「寧ろその位刺激的な方が、私は好きだよ」
名倉「ひふみ……ん……」
互いにディープキスを交わす、背徳の夜……