NEWGAME P.S!!   作:しゅみタロス

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CHAPTER8 グウェントでもどうだ?

カタカタカタカタ

 

ねね「あおっち、大丈夫かなぁ……」

 

画面から視線を逸らした先には名倉の部屋、ねねは名倉との一件で一つの不安があった。

 

ねね「あの人に振り回されてるのは確かに大変だなぁ」

 

イーグルジャンプの勇者であり魔王、名倉とはそんな男だが……

 

 

ピッ ウィーン

 

コウ「!!」

 

午前10時、本来なら開くはずのない扉が開く。

 

そこに現れたのは……

 

名倉「よぉ、仕事は進んでるか、露出狂(フラッシャー)

ひふみ「ちょっと名倉君、その言い方無いでしょ?!」

コウ「どういうつもりだ、8時から仕事にも関わらず10時に出勤するとは?」

名倉「ちょいと昨日は刺激が強すぎてなぁ、どれだけ乱れたか分かんないぐらい」

ひふみ「その事は言わないってさっき言ったよね?!」

りん「ふーん、そういう事なんだ~」

ひふみ「ああ……」

 

この世の終わりの様な顔をするひふみを見て笑いを堪える名倉。

 

コウ「兎に角、ちゃんと遅刻届は出してもらうからな」

名倉「は?書く訳ねえだろ」

ひふみ「火に油掛けてどうすんのよ!!」

コウ「はあ、やっぱりあんたは私の手に余るよ」

名倉「書類や印鑑より最も信頼に値するのは力と行動だけだからな」

 

コウは納得したかのように告げる。

 

コウ「まあ、反抗的な態度を取ってないだけまだマシか。わかったよ、さっさと仕事やりなさい」

 

それぞれ仕事に入るとモデリングを組む青葉にひふみは社内メッセージを入れる。

 

青葉(名倉さんとひふみ先輩の関係、やっぱり恋人同士だと分かったけど、ちょっと妬んじゃうな……)

 

青葉が何故名倉とひふみの関係で妬むのか、青葉の心は若干のモヤモヤに苛まれていた。

 

ピコン

 

青葉「ひふみ先輩?」

 

メッセージを開くと……

 

ひふみ[おっはよー、横から見てて思ったけど今の青葉ちゃん以前の居酒屋の件でちょっと悩んでるんじゃないかな?]

青葉「!!」

 

青葉はすぐに返信を送る

 

青葉[はい、名倉さんとの関係知ってからちょっとジェラシー感じてます]

ひふみ[やっぱり、気持ちも考えずに話しちゃったから不安だったんだよ、ごめんね]

青葉[いえ、私が聞きたかっただけなので。ただ変に名倉さんの事考えてるとなんか変に熱くなるんですよね。これってやっぱり……]

ひふみ[そっか、青葉ちゃんも名倉君の事、好きなんだね]

 

青葉「!!!!」

ゆん・はじめ「どした?」

青葉「いや、何にも……ははは……」

 

沸騰した顔で再び画面を凝視する。

 

青葉[なんだろう、一番この気持ちの結論が付いた気がする、恥ずかしいけど]

ひふみ[良いよ、悪くないと思う。私はもう名倉君の恋人だけど青葉ちゃんも名倉君が好きなら一緒に仲良くやろう]

青葉[その方が良いと思います、ていうか案外ひふみ先輩寛容ですね]

ひふみ[名倉君が好きな子に悪い人はいないから]

青葉[はい、ありがとうございます]

 

会話を終えると後ろから……

 

名倉「ガールズトークは済んだか?」

青葉「ひゃあっ!!」

 

猫の様な反応を見せる青葉に後ろに名倉が立って居た。

 

青葉「名倉さん、声ぐらいかけてください」

名倉「ははは、つい癖でな」

青葉「もう、それで、また何か仕事ですか?」

名倉「ああ、お前のゲーム研修の続きだ。俺の部屋に来い」

 

名倉の部屋に案内された青葉、名倉はゲーミングチェアに座ると話を始める。

 

名倉「自宅課題のファークライ3は継続してやったか?」

青葉「はい、大分掴めてきました、今はクラフトでの身体強化の薬の生成をやってます」

名倉「流石の吞み込みの速さだ、賞賛に値する」

青葉「ありがとうございます」

 

名倉は席を立ちPS4を起動する。

 

名倉「それじゃあ、ここで本題だ。ファークライ3である程度18禁ゲームに慣れてきたなら是非とも遊んでほしい名作がある」パチン!!

 

指を鳴らすとその手にPS4のソフトが握られる。

 

青葉「何かしれっと凄い高度な事やってません!!」

名倉「簡単だ、左手で指を鳴らした瞬間に右手でソフトを後ろから投げてキャッチするだけの単純トリックさ」

青葉「逆にそれ出来ないと思うんだけど普通なの?」

 

名倉はそんな青葉のツッコミに乾いた笑いをしつつ話を続ける。

 

名倉「青葉にはこいつを3時間やってもらう」

 

ゲームソフトを受け取るとそれは……

 

青葉「これ、ウィッチャー3 ワイルドハントじゃないですか!!」

 

名倉「その通りだ、ハイクオリティな映像と壮大なスケール、完璧なシナリオ、高いゲーム性から西洋ファンタジーゲームの最高傑作と謳われるウィッチャーシリーズの3作目。完璧と言われる一方で残忍さやモンスターデザインはグロテスクの極みと称されるが世界で受け入れられ、ゲームオブザイヤーを獲得している名作だ」

 

青葉はパッケージを見るな否や、目を輝かせる。

 

青葉「このゲームの存在はネットで知って大人になったらやろうと思ってたんです!!まさかこんな形で遊ぶことが出来るなんて」

名倉「ただし、このゲームはドラクエやFFなんかとは違ってシビアなゲームだ。自分のレベルより、アイテムの使い方と下準備、立ち回りがモノを言うからな」

 

青葉はディスクをPS4に読み込むとヘッドホンを被り、ゲームを始める。

 

名倉「良いか、死にたくなきゃあ俺に従えよ」

青葉「はい!!」

 

一方その隣、デバック班では

 

ねね「あおっち、今日はウィッチャー3やってるんだ、そう言えば私も買ったきり全然パッケージ開けてないなぁ、多分それ含めて8本ぐらい積んでる」

 

ゲーマー特有の問題、積みゲー。

 

名倉「バカか、回避出来ない相手だから常に間合いを制御するのが普通だろうが」

青葉「この岩の怪物ホントに倒せるの?!」

名倉「だから、近くの村で専用装備集めたんじゃねえか!!ファークライ3の時に学んだこと活かせよ!!次は5秒後に真っ正面だ!!」

青葉「兎に角ダメもとだあああ!!」

 

デバック班

 

バイト1「向こう楽しそう……」

バイト3「そりゃあ、ゲームやってるだけだからね」

ねね「一応は仕事なんだろうけど、ちょっと羨ましい……」

 

ガタッ!!

 

名倉「何が、楽しそうだって?奴隷(スレイブ)共」

ねね・バイト全員「「「「「ヒッ!!」」」」」

 

名倉は笑顔を向けるがその目は完全に笑っていなかった。

 

名倉「お前ら忘れてないか、ゲーム開発をあれほど見くびるなと」

バイト1「そ、それは……」

 

名倉「俺達は本気で面白いゲーム作るために命を懸けてんだ、一介のゲームプレイヤーとゲーム企業はそれでこそ平等だと思うだろうがそれは見当違い何者でもない。あんたらがそのデバックの一つ一つの重さを知らずにこのバイトをやってるなら俺はお前らに金をやるつもりは無い」

 

バイトのメンバーは自分のやっている事の重大さを知ると沈黙した。

 

名倉「この業界を目指すなら地面を舐める事を続けろ、それがお前らの力になる。俺もそうしてきた」

 

ねねは理解したのか、椅子を名倉の方へ向ける。

 

ねね「ごめんなさい……」

 

名倉「任せたぞ」

 

その言葉を隣で聞いていた青葉は顔を赤くしつつ呟く。

 

青葉「カッコイイ……」

 

名倉が部屋に戻ると仕事を続ける。

 

青葉「酒場の人との会話、この選択肢はどれ選べば良いんですか?」

名倉「それならすぐに仲良くなれる無難な選択肢がある」

青葉「と言うと?」

 

名倉はポケットからカードケースを取り出し、青葉に見せつけた。

 

名倉「この場合、選択肢は一つだ。魔法の言葉……

 

『グウェントでもどうだ?』以外、ありえないだろ?」

 

青葉「か、カードゲーム……ですか?」

 

唐突のカードゲーム、グウェント。

 

確かに仲良くなれそうである。

 

名倉「始めるぞ」

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