自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!   作:荒星

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腰がぁー!腰がぁー!


第10話 女心は複雑怪奇なり

「確か真司ってAランクなんだよな」

 

「あー、うん。ランクだけなんだけどね」

 

「じゃあさ、俺の事を弟子にしてくれないか?」

 

 俺がそう頼むと、真司はポカンとした表情を浮かべた。

 

「い、いや。僕君よりも弱いし、何よりも教えられることなんて……」

 

「別に、強さだけが全てじゃないだろ? それに、俺はイザナギ学院入学までに強くならないといけない。大切な人達を守るために。だからここに来たんだが、やっぱり未発見ダンジョンは危険だ。けど強くなるには潜るしかない、だから未発見ダンジョン以外にも潜れるようになりたいんだ。だから不躾な頼みだとは分かってるけど、どうか頼む。この通りだ」

 

 そう言って俺が頭を下げると、真司は慌てた様子で顔を上げるよう言ってきた。

 

「ちょ、ちょっと!? わかったから顔を上げてよ! 恩人に顔下げさせちゃ、僕の立つ瀬がないじゃないか! わかった! わかったよ! 全く。命の恩人の頼みじゃしょうがない。これからよろしくね、悠馬君」

 

 そうして俺たちは固く握手を交わした。

 

「ああ、こっちこそよろしく頼む。後、俺の事は呼び捨てにしてくれ」

 

「わかった、改めてよろしく悠馬。それと、君は強さだけが全てじゃないって言ってくれたけど、やっぱり、君の師匠として胸を張れるように頑張るよ。だから、一緒に強くなろう!」

 

「あぁ! 勿論だ!」

 

「まずは……ここから脱出だな」

 

 ナム・タルのドロップ品を確認した後、俺たちは笑いあうと、上層に向けて歩き出した。

 

 道中モンスター達と出くわしたが、真司がタンク俺がアタッカーで、連携しながら無事に切り抜ける。

 

 

 そして遂に俺たちは地上へと戻った。

 

 長いことダンジョンに潜っていたから、夕陽が目に染みる。

 

「それじゃあ僕はこっちだから、ああそうだ。連絡先を交換しとかなきゃね」

 

「おう」

 

 連絡先を交換して俺たちは別れたが、別れた直後スマホで面白いニュースを見つけたので、真司に大声で声を掛ける。

 

「おい! 真司! お前3日間行方不明ってニュース流れてんぞ!」

 

「え? え? 噓でしょ!? 僕、結構あのダンジョンに居たのにそれだけしか経ってないの?」

 

「あのダンジョンは外と時間の流れがちげーからな! まあ早いよりかは良いだろう?」

 

「ま、まあそうだね。それじゃあ皆を心配させてるだろうし、行かなきゃ! じゃあね!」

 

「あぁ! またな!」

 

 そうして俺は、置いてあった自転車を漕いで家に帰った。

 

 

 家の前に着くとそこには、玄関で体育館座りをしてうつむいている姉さんが居た。

 

「……姉さん? 何してるの?」

 

 俺がそう聞くと、姉さんは涙目でこう答えた。

 

「夏休みの宿題は早めに片付けたし、用事もないし友達も遊んでいても何故か気を遣ってくるし、家には誰も居ないから寂しくなってここに来たんだ。だけど誰もいないし、何時間待っても帰ってこない、連絡先も知らないから待ってたんだ……」

 

 ――待ってたってまさかここでか?

 

「えーっと、何時間くらい待ってたの?」

 

「10時くらいから……」

 

 今は5時20分、この人は外で7時間も待っていたのか。俺に落ち度は無いとは思うが、流石に心が痛い。

 

「と、とりあえず中に入ろうか……」

 

「うん……」

 

 そして姉さんと一緒にゲームをし、姉さんの学校での愚痴を聞きながら、夕食を取る。

 俺は何となく罪悪感に駆られて、姉さんが料理をすると言っていたのを代わって、俺は今ハンバーグを作っていた。

 

「ああそうだ、姉さん」

 

「ん? なんだい? 悠馬」

 

「もし毎日来るんならさ、料理当番交代にしない?」

 

 そう言うと、姉さんは涙目になった。

 え? え? この人メンタル弱すぎないか!? この人凛々しい系のヒロインだったはずだぞ!? 確かにルート確定後はデロッデロに甘えてくるけどさ! 

 実際さっきの友達が姉さんに気を遣ってくるってのも、実は姉さんが普段から、出来る人オーラ出しすぎてたせいだったってオチのサイドストーリーあったし!!

 

「な、なにか私がいけなかったか? もしかして昨日のチャーハンが口に合わなかったのか!?」

 

「違うから! 正直ずっと姉さんの料理は食べたいけど、姉さんにばっかり作らせてたら俺の良心が痛むの!!」

 

「そ、そうか。なら良かった」

 

 そして、ハンバーグが出来上がり食べているとき、俺はつい油断してこんな事を口走ってしまう。

 

「それにしても姉さん、別に毎日来なくったっていいんだよ?」

 

 それを聞くなり、姉さんは泣き出してしまった。

 

「ごめん、そうだよな。毎日なんて上がり込んだら迷惑だよな、済まない……」

 

 ――あぁぁぁ! やらかしたぁぁぁ!

 

 そういえばそうだ、何故忘れてたんだ!? 姉さんのルートで、確か姉さんは主人公にこう言っていた。

 

『私の父はな、小さい頃から外出ばかりで滅多に居なかったんだ。だからあのだだっ広い家で、私は常に一人で寂しかった。けど、今は違う。それは……その。君がいてくれるからだ。少し照れくさいな』

 

 ――言葉足らずだったとはいえ今俺が放ったワード、完全に地雷ワードじゃあねえか! 寂しくてここに来た姉さんに、別段毎日来なくていいのにってのは拒絶してるようなもんだ!

 

「い、いや。言葉足らずだった。別に姉さんに来ないでって言ったわけじゃないんだ。ただそんなに俺って家事とか出来ないと思われてるのかなって思って、忙しい中手伝いに来てくれてるとかだったら無理しなくて良いよって意味だったんだ!?」

 

「グスッ、ほんとう?」

 

「ホントホント! 俺も一人じゃ寂しいし、姉さんが来てくれるのは本気でありがたく思ってるから!」

 

「うん……」

 

 そうして、俺は罪悪感からある提案をした。

 

「その、さ。姉さんがもし良かったらでいいんだけど、明日遊園地に……」

 

「行くっ!」

 

「ああ、うん」

 

 最後まで俺の言葉を聞くこともなく二つ返事をした姉さんを尻目に、俺は脳内で反省会を行っていた。

 

 ――これじゃあどっちが年上かわかんねぇよ! ……俺中身は大人だったわ。

 

 




後一話‥後一話は仕上げたい。春休みアンド弟コロナ疑惑で大学の健康診断にも行けないんでブーストかけっぞ!!
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